飲食店の店舗や事務所の解体工事について 工事の手順から費用の相場まで詳しく解説

解体工事の基本知識

店舗や事務所を移転する。諸事情から閉店するといった場合、借りていた物件は管理者に返却します。

返却の際には、店舗や事務所を契約前の状態に原状回復してから返却する契約になっていることが一般的だと思います。

返却時に発生する内装の解体工事について順を追って見てみましょう。

解体工事の流れ

はじめに、飲食店を例に解体工事の手順をご紹介します。 返却期日までに解体工事を終わらせて返却できるように、おおまかな流れの順を追って見てみましょう。

管理者と打ち合わせ

店舗の管理者と打ち合わせを行います。

契約書に則った内容の工事を行うのが原則ですが、状況により工事内容に変更または追加されることもあります。

次の入居店舗が決まっている場合や、同業種の入居を想定して使えるものを残すことがあります。

いわゆる居抜きの形になる場合は撤去するものがあまりないケースもあります。 これらは管理者や次の入居店舗の意向で変わってきます。

設備の撤去

打ち合わせをすませ工事内容が決定したら、次は解体工事の下準備をはじめます。

まず行うのは設備や設置物の撤去です。

管理者との打ち合わせで決めた内容に沿うよう、厨房の設備、椅子やテーブル、カウンターやパーティション、ゴミなど、不要なものを撤去します。

自分で撤去することが困難な場合は、解体業者に撤去してもらうことも可能ですが、業者に処理してもらう量が増えると費用も増えてしまいます。

逆にこれは残していい(残してほしい)というものは残したままにします。

残した設備などは店舗の返却と同時に借主から貸主へ譲渡されたとみなされ、所有権は入居していた借主から貸主へ移ります。

電気・水道・ガスなどの停止

インターネット回線やガスは解体工事に使うことがないので、工事開始前に停止してしまいましょう。 水道や電気は解体工事中にも使用することがあるので、解体業者と相談して停止時期を決めましょう。

養生設置

解体工事が決定したら、解体工事業者が養生を設置します。

エレベーターやエントランスなどにも機材や撤去物の運搬経路を傷つけないように養生を行うことがあります。

内装撤去

養生が終わり、内装の撤去がはじまります。基本的に解体作業は手作業で行われます。

柱の解体やコンクリートの斫り(ハツリ)などに小型の重機を用いる場合があります。他店舗の営業時間に行えない場合には、営業時間外に行います。

床材撤去

内装の撤去後、床材を撤去します。床材撤去が必要かどうかは管理者と相談して決めます。撤去が必要な場合には手作業で剥がして撤去していきます。

産業廃棄物の運搬・処理

飲食店の解体工事ではさまざまなものが廃棄されます。

撤去物は木片、金属、ガラスなど分別して処分され、産業廃棄物として処理します。 廃棄量が多い場合には、中間処理施設で一次処理してから最終処分場で処分されます。

清掃

解体作業を終え廃棄物を撤去した後に清掃を行って、解体工事は終了します。

以上が飲食店の解体工事のおおまかな流れになります。

続きでは解体工事で気をつけたいことや、解体工事費用の実例をご紹介します。

店舗賃貸借契約書を確認しよう

借りていた店舗や事務所を返却する際には、店舗賃貸借契約書に書かれた状態にして返却します。どの状態にして返却するのかを確認せずに工事を行ってしまうと、損害賠償を請求されるなどのトラブルに発展してしまうこともあるので、必ず確認するようにしましょう。 また、期間内解約の予告期間も必ず確認しましょう。解約の予告をして返却日を決めたら、工期を決めます。返却日ギリギリに工事日程を組んでしまうと、遅延した場合に多方面へ迷惑をかけてしまいます。違約金が発生してしまう可能性もあるので、工事日程は余裕を持って組みましょう。

原状回復工事

一般的な賃貸借契約ではこの原状回復工事を行って返却します。店舗や事務所だけではなくアパートやマンションの賃貸借契約でも一般的なので、ご存じの方も多いと思います。

原状回復は物件を契約前の状態に戻して返却することを指します。契約前に設置されていたものはそのまま残し、契約後に設置したものは内外装に限らず全て解体し、撤去します。

契約前の状態がスケルトン(柱・梁・床など構造躯体だけ)だった場合は、スケルトンに戻す解体工事を施してから返却します。 一部を残しても良いとされることもありますので、工事の前にテナントの管理者と相談しましょう。

店舗内装解体工事

原状回復工事のうち内装の解体・撤去を行う工事を指します。

天井や床は残しても良いなど、撤去する対象範囲は管理者や所有者と相談して決定するケースが多いです。

次の借り手が居抜きで入れるよう内装の一部を残したいという場合もありますので、工事の前にテナントの管理者と相談しましょう。

スケルトン工事

建物の内装を全て解体し、建物を支える柱・梁・床など構造躯体だけを残した状態。いわゆるコンクリート打ちっぱなしの状態にする工事を指します。

柱や梁が老朽化している場合には改修工事を行って耐震性を向上させることが可能で、店舗が入れ替わるごとに大幅な改装が可能なため、ほとんどのテナント物件は退去時にスケルトン工事を行う契約になっています。

解体工事の費用相場

一般的な建物の解体と同様に、店舗の解体にも平均的な坪単価があります。費用は延床面積に比例して高くなっていきます。

ここで紹介しているのは日本全国の平均価格で、地域や作業内容、作業状況により差異が生じますのであらかじめご了承ください。

解体工事の費用の相場(坪単価)

店舗の種類 解体費用の相場
小売店 13,000~43,000円
オフィス 14,000~3,9000円
飲食店 15,000~4,2000円

価格に幅があるのは、延床面積のほか、撤去する内装の種類や点数、作業現場の階数などで価格が変わってくるためです。内装にアスベストが含まれていると更に価格は高くなります。

飲食店の内装解体工事費用

飲食店の内装解体工事の実例から工事費用を見てみましょう。

延床面積 解体工事期間 解体工事費用 付帯工事費用
30坪 4日間 409,000円  
12.1坪 4日間 220,000円 220,000円
20坪 4日間 661,000円  
16.2坪 7日間 898,000円  

解体費用は延床面積に必ず比例するわけではないことがわかります。

作業現場の状況や工事期間、作業員の人数、作業が行われる時間帯など、様々な要素によって工事費用は決まります。

内装解体工事費用が高くなりがちな店舗

解体費用が高くなる要素をご紹介します。

内装の解体工事は基本的に手作業で行われます。特殊な作業が必要であったり、諸事情から必要人員が増え、工事費用も高くなってしまいます。

  • アスベストを含んでいる内装がある
  • コンクリートの斫り(ハツリ)作業が必要
  • ダクトなど複雑な構造のものを撤去する必要がある
  • 巨大な什器を撤去する必要がある
  • 日中に作業ができない理由があり、早朝や夜間にしか作業できない
  • 作業現場が上階かつ建物にエレベーターがない
  • トラックの駐車スペースがない

信頼できる業者選び

工事費用は少しでも安く抑えたいものですが、あまりにも相場と乖離した低い金額を提示してくる業者には注意が必要です。

不法投棄などなにかしら不当なことをしなければ、あまりにも安い金額で請け負って儲けを出すことはできません。

不法投棄を行わない業者を選ぶ際には、産業廃棄物のマニフェストを交付している業者を選びましょう。

産業廃棄物のマニフェスト制度は厚生省(現在の環境省)の行政指導で始まりましたす。初期は危険性や毒性のあるものに義務付けられた制度でしたが、1998年12月から適用範囲が拡大し、すべての産業廃棄物に義務付けられています。

マニフェストの虚偽記載や記載義務違反、不交付などは都道府県から措置命令や、場合によっては刑事罰を受けることがあります。

マニフェストには紙マニフェストと呼ばれる旧来からある複写式伝票のものと、電子マニフェストと呼ばれる電子化されたものがあります。 また、産業廃棄物の排出事業者が自ら処理する場合にはマニフェストの交付は不要とされています。例外はその他にもありますので、ご紹介します。

マニフェスト使用義務の除外

排出事業者が産業廃棄物を自ら処理する場合には、マニフェストの交付は不要です。また、例外的な次のケースに該当する場合も、マニフェストの交付は不要です。

(規則第8条の19第1号から第11号)

・産業廃棄物の処理を事務として行っている都道府県等に、運搬または処分を委託する場合

・廃油処理事業を行う港湾管理者または漁港管理者に、廃油の運搬または処分を委託する場合

・古紙や鉄くずなど専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集運搬または処分を業として行う者に、当該産業廃棄物のみの運搬または処分を委託する場合

・再生利用認定制度により認定を受けた者に、その認定品目にある産業廃棄物の運搬または処分を委託する場合

・広域的処理認定制度により認定を受けた者に、その認定品目にある産業廃棄物の運搬または処分を委託する場合

・再生利用に係る都道府県知事の指定を受けた者に、その指定品目にある産業廃棄物の運搬または処分を委託する場合

・国に、産業廃棄物の運搬または処分を委託する場合

・運搬用パイプラインやこれに直結する処理施設を用いて産業廃棄物の運搬または処分を行う者に、当該産業廃棄物の運搬および処分を委託する場合

・産業廃棄物を輸出するため運搬を行う者に、わが国から相手国までの運搬を委託する場合

・海洋汚染防止法の規定により許可を受けて廃油処理事業を行う者に、外国船舶から発生した廃油の運搬または処分を委託する場合

引用元:日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)
https://www.jwnet.or.jp/waste/knowledge/manifest/index.html

物件の管理者・オーナーとの相談と交渉

解体工事の内容を決定する際には、物件の管理者またはオーナーと相談し、必要ならば交渉しましょう。解体工事業者の選定や工事費用も同様に相談するようにしましょう。

退去時に必要な解体作業の工事費用は借り手側が負担することが原則ですが、「次に借りる企業のための工事も行いたい。」といったように、工事内容に管理者側の希望がある場合には、管理者側が費用の一部を負担するといったケースもあります。まず一度管理者に問い合わせてみましょう。

解体費用を抑えるコツ

ちょっとしたコツを知ることで、解体費用を抑えることが可能です。

見積もりを早めに依頼する

解体工事に限りませんが、なるべく早く業者を探して依頼することをおすすめします。

急な仕事は断られてしまう可能性がありますし、工期に余裕がないと高めの見積もりを出されてしまいます。

簡単な内装解体工事でも工事開始の1ヶ月前までには見積もりをもらって選定しておきましょう。

業者に処分してもらう廃棄物を減らす

工事で発生した廃棄物は全て産業廃棄物として扱われます。産業廃棄物は通常のゴミよりも処分に費用がかかってしまいます。

そこで、リサイクルショップなどに売れるものはできる限り引き取ってもらいましょう。 残ったものも可能な限り自分で撤去し、どうしても自分では撤去できないものだけを残して、業者に廃棄してもらう量を減らしましょう。

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