アスベストとグラスウール・ロックウールの違いはなに?有害性・発がん性の有無から解説

解体工事の基本知識

建築現場で使用される素材は、見た目が似ているため混同されがちな素材が存在します。

特にアスベスト・グラスウール・ロックウールは、断熱材として使われており、見た目も似ているので混同されがちな素材です。

アスベストの健康被害は発覚してから長い年月がたち、危険性は広く認知されています。しかし、グラスウール・ロックウールの発がん性、有害性については知っている人は少ないと思われます。

そこで今回はグラスウール・ロックウールがアスベストと何が違うのかということと、両素材の断熱材としての特徴を紹介します。

アスベストとグラスウール・ロックウールは何が違うのか

アスベストは過去に断熱材として使用されており、グラスウールとロックウールは現在も断熱材として広く普及している素材です。いずれも熱に強いほか、防音性などさまざま点に秀でているので断熱材として長く使われてきました。

まず最初に、3つの素材の大まかな違いを表にしてみました。


素材肺への入りやすさ健康被害使用に関する法規制
アスベスト天然の鉱物肺に入りやすい肺がん、じん肺など製造、使用禁止
ロックウール溶解スラグ肺に入りにくい確認されていない特になし
グラスウールガラス肺に入りにくい確認されていない特になし

この表から、アスベストとグラスウール・ロックウールは主に健康被害の部分で大きな違いがあることがわかったかと思います。

アスベストが天然素材と聞くと、人工素材のグラスウールとロックウールよりも安全な気がしてしまいますが実際は逆です。なんでも自然由来の天然素材であれば良い、という話ではないということですね。

また、3つの素材は繊維系の素材なので、見た目は非常に似ています。しかし、触ってみると特徴があるため判別が可能です。アスベストは触っても形が維持されていますが、ロックウールは粉々に砕けてしまうという違いがあります。グラスウールはガラス素材なので触るとチクチクする感触があるので触ると違いはすぐにわかります。

グラスウール・ロックウールには発がん性は認められていない

アスベストは肺がんなどの健康被害が発生する可能性がありますが、ロックウール・グラスウールは国際がん研究機関に発がん性は認められない事が確認されています。

前述のように、アスベストに比べて繊維が太いため、肺に残りにくいことが要因なのでしょう。

国際がん研究機関による発がん性の評価はコーヒーや紅茶と同じグループに属していて、発がん性が分類されていないことがわかりますね。

国際がん研究機関による人への発がん性評価

グループ1ヒトに発がん性があるアスベスト タバコなど
グループ2Aたぶんヒトに発がん性があるホルムアルデヒドなど
グループ2Bヒトに発がん性の可能性があるヒドラジン、コーヒーなど
グループ3ヒトに発がん性があるとは分類できないロックウール・グラスウールなど
グループ4たぶんヒトに発がん性がないカプロラクタム1品種のみ

出展元:国際がん研究機関による人への発がん性評価

アスベストを含んだロックウールが過去に製造されているため注意

両素材に発がん性が認められていないことは分かりましたが、過去に製造されたロックウールはアスベストが混入しているものがあるので注意が必要です。

吹付けロックウール(乾式)1980年(昭和55年)以前
一部のカラー制吹付けロックウール(乾式)1987年(昭和62年)以前
吹付けロックウール(湿式)1989年(平成元年)以前
ロックウール吸音天井板1988年(昭和63年)以前

以上の製品はアスベストが混ざっている製品。

目視でロックウールにアスベストが混入しているしているかを見分けるのは不可能に近いので、アスベストの分析機関に分析してもらい判断する必要があります。

アスベストの有害性について

アスベストは繊維の細さが原因となり病気を引き起こします。

アスベストは肉眼で見ることが不可能な程の細かな繊維でできている上、丈夫で変化しにくい特性を持っている素材です。

そのため一度肺に吸い込んだアスベストは肺の組織内に長く滞留しやすいため、肺がんや肺の組織が繊維状になるじん肺といった病気を引き起こしてしまいます。

グラスウール・ロックウールは有害ではない

両者に発がん性がない事は分かりましたが。他に有害要素はあるのでしょうか。

グラスウール・ロックウールは製造時に接着剤としてフェノール樹脂を使用する場合があります。そのため微量のホルムアルデヒドが素材内部に付着していますが、非常に微量なため問題はないとされています。

多くの製品がホルムアルデヒド放散区分の最高ランク星4になっているため、シックハウス症候群を引き起こす可能性も低い素材です。

また、両者ともに無機繊維なので火災発生に有毒ガスを発生することもありません。

以上のことからグラスウール・ロックウールは有害な素材ではないことが分かりました。

グラスウールとロックウールの性能を比べてみる

2つの素材ががアスベストと違い、安全な素材だと分かったので次は素材としての比較をしてみましょう。

グラスウールは価格の安さと耐久性が魅力

グラスウールはガラスが主な原料の人工繊維素材です。主に資源ごみから出たガラスをリサイクルして製造されていて、解体工事ででたグラスウールを再生処理をして再利用することもできる素材です。

他の素材と比べるとコストパフォーマンスに優れているのがメリットとなります。

同じ重量で見ると断熱性が高い素材は存在しますが、価格が安いために厚くできるため、同じ値段で他の素材よりも断熱性を高くすることができるのです。

また、耐久性が高いので、長い間断熱性を保つことができます。変形や劣化に強く、伸縮性があるので支える木材の伸縮をグラスウール自体でカバーしてくれるため、隙間が発生しづらく熱を逃がさないことができるのです。

また、グラスウールは湿気に弱いという点が以前から指摘されています。しかし、グラスウールには吸湿性はなく、施工の際に断熱材と木材の間に隙間が発生するなど、施工時のミスによる場合が主な要因として挙げられます。

耐火性と防音性に秀でたロックウール

ロックウールは鉱物からできている繊維です。天然の素材からできているアスベストと違い人工的に作られています。通常は高炉からでた溶解スラグを原料としてつくられますが、グラスウールと同じく再利用が可能です。使用済みロックウールを高い温度で溶かすことで新たなロックウールの原料にできます。

ロックウールは他の断熱材と比べると耐火性が高いことが明確なメリットになっています。グラスウールは300℃から機能が失われてしまい、約600℃で機能を完全に失っていますが、ロックウールは700℃になっても機能が失われることがありません。

また、グラスウールと同じ厚さで比べた場合、こちらの方が密度が高いので、防音材として防音室の床や壁に使われる機会が多いです。

ロックウールはグラスウールと比較すると厚さあたりの価格が高いため、グラスウールと比べると断熱材としてはそこまで普及していません。しかし、耐火性や防音性を重視する場合にはロックウールが使用されています。

性能差は少なく用途に応じた使い分けができる

グラスウールとロックウールの特徴を紹介しましたが、同じ繊維系の素材ということもあって、断熱材として見た場合両者の機能に大きな違いはありません。

そのためグラスウールはコストパフォーマンス、ロックウールは耐火性や防音性というメリットを生かした使い分けが可能です。

まとめ

今回は、過去に断熱材として使われていたアスベストと現在も使われるグラスウール・ロックウールがどう違うかということを紹介しました。

・アスベストは肺がんやじん肺を誘発する

・アスベストは現在は使用が禁止されている

・グラスウール・ロックウールは発がん性は確認されていない

・グラスウール・ロックウールは発がん性以外の部分でも有害性はない

またグラスウール・ロックウールの違いも併せて紹介しました。

・グラスウールはコストパフォーマンスに優れる断熱材である

・ロックウールは耐火性や防音性に秀でた断熱材である

以上のことから、グラスウール・ロックウールは安全に使用できる優れた断熱材だということがわかりました。

アスベストとロックウールは触って見分けることが可能ですが、過去に製造されたアスベスト混入のロックウールを見分けることは不可能に近いです。ですので、気になった方は専門機関に相談してみると良いでしょう。

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