ビルの寿命は?解体業者選びのポイントや工事の種類についても解説

建物別

ビルの解体時期は?

ビルは構造により減価償却の計算で使われる耐用年数が決められています。耐用年数は使用した際に耐えられる年数を表していますが、年数に達しても立地や管理によってはまだ使うことが可能です。

鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋造のビルは空気中の二酸化炭素の影響で中性化し耐久及び耐荷性能が下がると危険度が高まります。税法上の価値がなくなる法定耐用年数を過ぎたときや老朽化した時がビル解体の目安と言えるでしょう。

ビルの解体工事の主な流れ

ビルの解体工事は主に準備、解体、整地の順に進みます。振動や騒音による影響が懸念されるため、最初の段階で周囲への配慮は欠かせません。現場や近隣の調査を実施し、ビル解体工事前に挨拶を済ませます。

解体作業へ入る際は、足場や取り壊し時に発生する粉塵などの飛散を防ぐ養生シートの設置が必要です。準備が整ったらビル内部の建材や設備機器類を取り除き、ビル本体と基礎部分を解体した後に整地します。

ビル解体工事の11の種類

ビルの解体で採用する工法の決め手となるのはさまざまな条件です。使われている材料や材質、建物の大きさ、立地などを考慮して決めます。条件によっては重機の使用が困難な場合もあるでしょう。

ここからはビルの解体工事の工法を構造ごと、合わせて11種類紹介します。

鉄骨ビル解体工事

鉄骨ビルの解体工事で使われている主な工法は2種類あります。それぞれに特徴があり、メリットを活かして解体工事を進めることが可能です。

鉄骨にも使えるカッターとガス溶断器、それぞれを使用した解体について詳しくみていきましょう。

1:鉄骨カッター装着機械での解体

重機の先に装着した鉄骨カッターを使用し鉄骨を裁断していく工法です。鉄骨カッターは、はさみに似た形状をしており、挟んだ対象物をカッター部分で切っていきます。

作業前に点検し、誤った方向での作業や不安定な場所での作業などを避ければ安全に利用できます。効率よく解体を進められるため、工期に余裕がない場合にも向いているでしょう。

2:ガス溶断器での解体

ガス溶断は鋼材の切断方法として用いられる熱切断の一つです。アセチレンガスなど可燃性のガスを使い高温の炎で熱した鉄材を酸素によって酸化鉄に変化させ、吹き飛ばすようにして溶断します。

ガス溶断器の利用により解体時に気になる騒音や振動を軽減させることが可能です。近隣への配慮がより必要とされる、高い建物が密集している場所や狭い空間で活躍します。

鉄筋コンクリートビル解体工事

次に鉄筋コンクリートビルの解体工事の工法をみていきましょう。ここでは機械を使用する解体方法を紹介します。

掘削用建設機器にアタッチメントを取り付けて使用する、ワイヤーを利用するなど鉄筋コンクリートの場合も使う機材はさまざまです。解体するものや場所によって、ふさわしい解体方法が異なるためチェックしておきましょう。

3:油圧ブレーカーでの解体

先端部分を振動させてコンクリートを破砕していくのが油圧ブレーカーです。建機に取り付ける大型のものと、油圧ユニットとブレーカーを組み合わせて使う小型の油圧ハンドブレーカーの2タイプがあります。油圧ハンドブレーカーは大型では難しい細かい部分の解体が可能です。

製品により打撃性能の高いもの、耐久性や低騒音性に優れているものなど特性が違い、ニーズに合わせて使い分けられます。

4:ワイヤーソーイングでの解体

切削用のダイヤモンドビーズなどの付いたスチールワイヤーを使用した解体方法です。切断する対象にワイヤーを巻き付け、駆動機を使い回転させ切っていきます。操作は遠隔からもできるため、高い場所でも対応可能です。

縦横問わず巻き付けて切れるため、鉄筋コンクリートビルの解体以外に橋などの大型構造物の解体にも使用されています。さまざまな構造物へ柔軟に対応できる点が特徴と言えるでしょう。

5:油圧圧砕での解体

油圧圧砕は鉄筋コンクリートの解体で採用されることが多い技術です。建機の先に油圧によって動くはさみのような形状の圧砕機を取り付け、開閉させて噛み砕きながら解体していきます。

開口幅、開閉の早さ、破砕力の優れたものを使用すると作業効率が上がるでしょう。大型ブレーカーを使用するよりも振動や騒音を抑えられますが、粉塵が大量に出るため養生だけでなく散水も必須です。

6:フラットソーイングでの解体

エンジン式の駆動機を動かしダイヤモンドブレードを使用したコンクリートカッターを回転させ切断していく工法です。水平な床部分の解体に向いており、水道やガス管などの道路下に埋められている管を工事する場合にも使われています。

機械を動かすのは一人のオペレーターです。機械の後ろ側につき、一緒に歩きながら操作し所定の大きさへ切断します。

大きなビル解体工事

大きなビルを解体する際、考えなければならないのは周りへの影響です。騒音や振動を抑えながら速やかに解体する工法が求められるでしょう。

ここでは実際に大きなビルを壊すときに行われている工法を5つ紹介します。

7:ブロック解体

タワークレーンを使用する解体工法です。実用向きであることから、高層ビルの解体で取り入れられるケースが多く見られます。

タワークレーンを設置するのはビルの上階です。ブロックごとに切断し、解体した建材を地上まで吊り降ろす作業を何度も行いながらビルを解体していきます。

設置する足場は地上から建物全体を囲む総足場を組むとは限りません。施工中の階とその上下階に組むユニット式の足場で対応することもあります。

8:上部閉鎖式解体

今後、超高層ビル解体への採用件数が伸びていく可能性のある工法です。切断した建材を内部からクレーンで降ろすことにより粉塵の低減や騒音防止効果を期待できます。

上部閉鎖式解体での解体はブロックではなくワンフロアごとです。初めに解体する建物の上部へ閉鎖式解体設備を設け、設備内で解体作業します。上部を解体後、下の階へ設備を移動して同様に解体を進め、済んだら次の階へ移動していきます。

9:階上解体だるま落とし式解体

上に置かれただるまを落とさないよう小槌で下のパーツを抜く遊び、だるま落としに似ている工法です。ジャッキで支えて下の階から順に柱を切断し、徐々に解体を進めていきます。

高さは少しずつ低くなっていきますが、工事の途中も外観はほぼ変わらず景観を損なう心配がありません。地上付近で柱の切断とジャッキダウンを繰り返すため効率が良く、高所作業が少ない分、安全面のリスクも減らせます。

10:超ロングアーム解体機での解体

地上に設置した超ロングアームの付いた大型建機を利用し高所の解体作業をする工法です。大型ビルの解体を目的として開発された解体機を利用すれば、アタッチメントの変更により低中層ビルからおよろ65mを超える高さまで対応できます。

アーム部分にカメラを設置することにより、建機を運転しながら実際に見られない部分を確認でき、安全且つ丁寧に作業を進めることが可能です。

11:階上解体

ロングアームで対応できない高さの建物や場所が確保できず大型重機の設置が難しい場合に使われる工法です。大型クレーンで引き上げた重機を使用し、上階から順に解体していきます。

解体時に出たがれきなどにより作ったスロープで重機を下に降ろしながら解体していきますが、重機の重さに耐えられる強度を確保できていない場合は安全面を考慮し床部分の補強が必要です。

ビルの解体業者を選ぶ時のポイント

ビルの解体の内容やかかる費用は一律でないため、解体業者は慎重に選びましょう。ここではビル解体業者を選ぶ時にチェックしておきたいポイントを紹介します。

ポイントを押さえ、適正な価格で請負い、最初から最後まで責任持って対応してくれる業者を探しましょう。

  • 複数の業者に見積もりをとる
  • 大手業者の下請け業者に直接依頼する
  • ビル解体に必要な登録している業者を選ぶ

1:複数の業者に見積りをとる

解体業者を選ぶ際は複数の業者から見積もりをとります。一社の見積もりを見ただけでは妥当な金額か見極めるのは困難です。親切な対応に心が動いたとしても、まずは数社をピックアップし見積もりを依頼しましょう。

解体業者から見積もり受け取ると費用だけでなく工法や納期も含めて比較検討できます。さまざまな業者と話している間に解体に関する知識も高まり、工事内容とかかる費用が適切かを判断しやすくなるでしょう。

2:大手業者の下請け業者に直接依頼する

大手業者の仕事を請け負っている解体業者へ直接依頼すると解体費用を安く抑えられる可能性があるでしょう。ネームバリューのある大手業者へ依頼すると安心感を得られますが、実際に作業する業者は同じです。

受注した解体作業を下請け業者へ任せる大手企業は、中間手数料を加えて解体費用を請求します。大手業者を通さなければ手数料がかからない分、解体費用は下がるでしょう。

3:ビル解体に必要な登録をしている業者を選ぶ

信用できる解体業者か確認するために、ビル解体に必要な登録が済んでいるかを事前にチェックしましょう。ビルの解体工事をする際は、建設一式工事の建設業許可証または解体工事業に登録しておく必要があります。

建設業許可証は500万円以上の解体工事を受注する場合に必要です。500万円に満たない解体工事は建設業許可証がなくても解体作業を実施する都道府県へ解体工事業登録すれば作業可能です。

参照:建設業許可(建設業法第3条)|国土交通省

参照:解体工事業者の登録について|福岡県

ビルの解体におけるアスベスト対策

古いビルの建材は健康被害の懸念があるアスベストを含んでいる場合があります。大気汚染防止法の一部改正により、アスベストが使われているビルの解体作業基準はさらに厳しくなりました。

正確に把握するために現地調査を実施し、工事を開始する14日前までに発注者または自主施工者が作業の場所、期間、方法を都道府県の窓口などに届け出なければなりません。作業では、前処理、除去作業、事後処理を徹底させ飛散を防止します。

参照:解体等工事を始める前に|環境省

ビルの解体工事の費用相場

ビルの解体費用は条件によって異なります。条件の一つとなるのがビルの構造です。頑丈に作られているビルは、解体費用が高めになる可能性があります。

ここでは鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋造の解体工事費用について詳しく見ていきます。

RC造ビルの場合

RC造(鉄筋コンクリート造)の解体工事は一坪当たり3~8万円ほどが相場と言えます。解体方法や重機使用の有無など、工事の内容により金額は変わるため目安として捉えておきましょう。

坪単価は地域によっても差があり、九州地区は他の地域よりも安めですが、近畿、中国、四国は若干高めです。周囲の状況により作業効率が下がることが考えられる都市部も解体費用の設定が高めの場合があります。

SRC造ビルの場合

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の解体相場は坪単価6万円ほどです。SRC造も場所や工法など条件により価格に開きがあり、都心部では一坪9万円ほどかかるケースも見受けられます。

鉄筋の骨組みにコンクリートを流し込むSRC造は耐火、耐震、耐水面に優れた構造です。RC造よりも造りが頑丈で解体に時間を要するため、費用はより高くなるでしょう。

S造ビルの場合

骨組みの部分に鉄骨を使用したS造(鉄骨造)には、軽量鉄骨造と重量鉄骨造の2種類があります。軽量鉄骨と重量鉄骨の異なる点は厚さです。メリットを活かして使われるため、使用する建物も違ってきます。

解体工事の費用にも違いがあるのかチェックしてみましょう。

軽量鉄骨造

軽量鉄骨造では厚さが薄い鉄骨を使用しています。短期間で完成するプレハブ工法を用い、住宅や倉庫といった小型の建物で採用されるケースが多いでしょう。強度を上げるために柱や梁の間には補強材を入れます。

軽量鉄骨材の解体相場の目安は坪単価2.5万円から5万円ほどです。同じ条件での解体工事であれば重量鉄骨造よりも費用はかからないでしょう。

重量鉄骨造

重量鉄骨造は、軽量鉄骨造より厚さがある鉄骨を使った建物です。軽量鉄骨造よりも強度があり丈夫で、大型のオフィスビルや商業ビルなどに採用されています。支えとなる柱や梁が太いため、柱の数を少なくして広々とした空間が作ることが可能です。

解体相場の目安は一坪単価で3~6万円ほどです。解体費用には坪数に影響されない人件費などが含まれているため、総額で見ると面積の広いビルは狭いビルより割安になります。

ビルの解体業者はしっかり選ぼう

解体業者選びは解体工事の進み具合や工事中のトラブルにも関わってきます。解体工事を希望している場合は、資格を持ち、対応が細やかで、適正な価格で工事を請け負っている解体業者を選びましょう。

ビル解体工事の種類や費用相場などの知識を持っておくと、解体業者からの説明がより分かりやすくなります。本記事を参考に解体工事に関する理解を深め、信頼できる業者をしっかり選んでください。

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