空き家が倒壊して被害が出たときの責任は?損害賠償やリスクを下げる方法

解体工事の基本知識

実はリスクがいっぱいな空き家の放置

両親が住んでいた実家を相続した場合など、使用しないまま空き家として放置してしまっているという方も多いでしょう。年々全国的に増えている空き家は、近年では社会的な問題にもなっています。

空き家の放置でイメージしやすいリスクとしては、劣化した建物が倒壊したり、火災などの被害に遭ったりするリスクでしょう。しかし実際には、この他にもさまざまなリスクが存在しています。

空き家を放置すると起こりかねないこと6つ

前述のとおり、空き家を放置することにはリスクがあります。建物の倒壊などのリスク以外にも、社会的なリスクや経済的なリスクなど、空き家の所有者はさまざまなリスクを負うことになってしまいます。

ここでは空き家を放置すると起こりかねないことについて解説していきますので、参考にしてみてください。

  • 建物が傷んで倒壊してしまう
  • 庭の木が倒れて人や隣の家を傷つけてしまう
  • 景観が悪くなり不法投棄されてしまう
  • 放火の危険が高まってされてしまう
  • 特別控除が受けられなくなってしまう

1:建物が傷んで倒壊してしまう

全国的に増えている空き家の多くは、旧耐震基準で建てられた古い建物であるケースが多いです。そのため、長年放置されていると建物の劣化が進み、倒壊してしまう可能性があります。

倒壊のリスク自体が新耐震基準で建てられた建物よりも高いことから、大きな地震などがきっかけで倒壊してしまうリスクは高いでしょう。また、新耐震基準の建物であっても空き家になることで劣化のスピードが速くなるため、倒壊するリスクは否めません。

2:庭の木が倒れて人や隣の家を傷つけてしまう

空き家を放置することによって、建物以外にも庭の木が倒れるなどの危険があります。庭の木が倒れたことで通行人や隣の家を傷つければ、建物賠償保険ではカバーすることができません。

一般的に建物賠償保険では空き家ではないことが条件になっているケースが多いため、庭木による事故が起こった場合、賠償責任を負わなければいけない可能性があることは押さえておきましょう。

3:景観が悪くなり不法投棄されてしまう

空き家は庭の草木が伸び放題になってしまったり、虫などが繁殖してしまったりするため、周辺の景観も悪くしてしまいます。また、景観が悪くなると不法投棄されやすくなるため、周辺に古タイヤや家電といったさまざまなゴミが散乱している状態になってしまいます。

このような状態になるとさらに景観を損ねるだけでなく、悪臭などの問題や所有者への撤去責任などが発生する可能性もあり、より多くのリスクを負うことになってしまうでしょう。

4:放火の危険が高まってされてしまう

明らかに人が住んでいないことがわかる空き家は、放火犯に放火の標的にされてしまう可能性があります。具体的には、可燃物がそのまま放置されており、通行人の目に触れにくい場所にある燃えやすい構造の空き家の場合、放火犯に狙われる可能性が高いです。

また、空き家であることから放火に気付くのが遅れ、周囲を巻き込む大きな火災になってしまうリスクもあります。

5:特別控除が受けられなくなってしまう

マイホームを売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円までの控除が受けられるという特例があります。しかし、特例を受けるためには「人が住んでいる家屋」などの要件があり、空き家になってから3年が経過した家屋は特別控除が受けられません。

出典:No.3302 マイホームを売ったときの特例 | 国税庁

6:特定空家等に認定されてしまう

特定空家とは、そのまま放っておくと倒壊や衛生面で有害となってしまうおそれがあったり、適切な管理が行われずに周囲の景観を損なわせていたりする空き家のことです。

「空家等対策の推進に関する特別措置法」では空き家の所有者は適切な管理を行うものとされており、特定空家に認定されてしまった場合には所有者に罰則が科される可能性があります。

出典:「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針 | 国土交通省

空き家が倒壊して被害が出たとき責任は誰がとる?

民法第717条では「土地の工作物に瑕疵があり、他人に損害を生じた場合には、工作物の占有者が損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するために必要な注意を行った場合には、所有者が損害を賠償する。」という規定があります。

そのため、空き家の管理を行ったことによって建物が倒壊し、被害が発生した場合には、所有者が損害を弁償する責任を負います。

出典:民法 第七百十七条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任) | e-Gov法令検索

空き家が倒壊したときの損害賠償

前述のとおり、管理不足によって空き家が倒壊した場合には、空き家の所有者が損害賠償を行うことになります。

ここでは空き家が倒壊したときの損害賠償について、人への被害があった場合と近隣の建物に被害があった場合、それぞれで解説していきます。

人への被害があった場合

積雪によって隣家の家屋が倒壊し、死亡事故が発生した事例では、家屋所有者の「工作物の設置と保存の瑕疵」が認められました。

この事例では、家屋の所持者は屋根に約73cmもの積雪があるにもかかわらず除雪をしていなかったため、隣家の建物や家財だけでなく、死亡逸失利益や慰謝料、葬式費用が損害賠償として認定されました。

近隣の建物に被害があった場合

石垣の崩落によって隣家の家屋が全壊した事例では、石垣所有者の「工作物の保存の瑕疵」が認められました。

この事例では石垣の設置自体に瑕疵があることは認められませんでしたが、全面的な補修を行っていれば崩壊を防げたため、建物や動産滅失による損害や引っ越し代、慰謝料、弁護士費用などが損害賠償として認定されました。

空き家の倒壊リスクを下げるお手入れ手順

空き家の倒壊リスクを下げるには、所有者として適切に建物を管理する必要があります。ここでは空き家の倒壊リスクを下げるお手入れ手順について解説していきます。参考にしてみてください。

  • お手入れに必要な道具や動きやすい服を準備しておく
  • 換気して空気を循環させる
  • 近隣の住人にあいさつをしてコミュニケーションをとる
  • 家の周りを掃除しつつ破損はないか確認する
  • 家の中の掃除をする
  • 草刈りや害虫対策をする
  • 水漏れなどがないか水回りをチェックする

1:お手入れに必要な道具や動きやすい服を準備しておく

まずは空き家のお手入れのために必要な道具や、汚れてもよく動きやすい服を用意しておきましょう。持ち物としては、ゴミ袋や軍手などは必須です。

また、ほうきやちりとり、掃除機、雑巾、スポンジなどの掃除道具や、点検用の懐中電灯、カメラやスマートフォンなどの写真が撮れるものも持っていきましょう。

2:換気をして空気の循環をさせる

換気を行い空気の循環をさせることにより、湿気を防いで、カビなどの繁殖を防止する効果があります。そのため、こまめに訪れて換気するようにしておくと良いでしょう。

タンスなどの家具がある場合は、家具の扉も開いて空気を入れ替えましょう。

3:近隣の住人にあいさつをしてコミュニケーションをとる

空き家のお手入れをしに行った際には、近隣の方へ挨拶を行っておきましょう。また、挨拶をする際には最近の近隣の治安についても確認しておくと良いでしょう。

コミュニケーションを取ることで、空き家に不審者が出入りしていたことがわかることもあります。

4:家の周りを掃除しつつ破損はないか確認する

家の周りの掃除を行い、破損がないかどうか点検を行いましょう。たとえば外壁や塀などにひび割れが合ったり塗装がはがれている箇所があったりすると、そのまま劣化が進んでいく可能性があります。

庭の掃除などを行いながら点検を行っていくと良いでしょう。

5:家の中の掃除をする

空き家の室内の掃除を行いましょう。窓を開けて、カビ取りなども行う必要があります。また、部屋の中にはホコリが溜まっているため、普段の掃除と同じように上から下へ掃除すると良いでしょう。

はたきなどを使って家具の上に溜まっているホコリを落とし、テーブル、床という順番に掃除をしていきましょう。

6:草刈りや害虫対策をする

庭の草木が伸び放題になっていると、害虫なども湧きやすくなります。そのため、家の周りの草を刈り、防虫剤を撒くなどして対策を行いましょう。

網戸が壊れていると虫が室内に入ってくるため、網戸のチェックも行っておきます。

7:水漏れなどがないか水回りをチェックする

掃除が済んだら水回りの確認も行っておきましょう。ゴムパッキンなどが劣化して水漏れが発生している可能性もあります。

また、長期間使用していないと水道管内に古い水が溜まるため、サビなども発生しやすくなります。水を流して溜まっている古い水を流すようにしましょう。

空き家を維持管理するメリット6つ

ここまで紹介した通り、空き家の管理を適切に行わなければ倒壊などの事故によって損害賠償が発生するリスクがあります。しかし適切な維持管理を行うことにより、空き家を放置するリスクを回避することができるでしょう。

ここでは空き家を維持管理するメリットを紹介します。参考にしてみてください。

  • 倒壊によるリスクを回避できる
  • 近隣住人と揉めづらくなる
  • 犯罪に悪用されるのを防げる
  • 修繕費用がかさみづらくなる
  • 資産としての価値を維持できる
  • 賃貸物件として貸し出すことができる

1:倒壊によるリスクを回避できる

長期間空き家になっていると、建物は急激に老朽化していきます。しかし定期的に換気や掃除などの適切なメンテナンスを行うことにより、空き家の劣化を遅らせることができます。

突然倒壊して大きな事故を起こすリスクを回避するためには、たとえ手間であっても継続して手入れを行うことが大切です。

2:近隣住人と揉めづらくなる

空き家をそのまま放置していると、庭が荒れて害獣や害虫が湧いたり、庭木が隣家まで侵入して来たりと、近隣住民に迷惑をかける可能性があります。しかし適切な維持管理を行っていれば、そういった事態を避けることができるため、トラブルになりにくくなります。

3:犯罪に悪用されるのを防げる

ひと目で空き家とわかるような状態で放置されている家は、犯罪グループの拠点として利用される可能性があります。また、放火犯や泥棒に狙われる可能性も高くなります。

しかし、定期的に空き家を掃除しに来るなどの適切な管理を行っていれば、犯罪に悪用されるリスクも回避することができるでしょう。

4:修繕費用がかさみづらくなる

空き家を長期間管理せずに放置していると、老朽化が進んで突然大きな破損が発生する可能性も高まります。しかし、小まめに手入れや点検を行い、見つかった破損個所を修繕しておけば、修復できないような大きな破損が起きる可能性を減らせます。

そのため、トータルとしては修繕費用を抑えることができるでしょう。

5:資産としての価値を維持できる

空き家を放置することにより、柱にカビが生えたり、虫が湧いたりといったさまざまな問題が発生する可能性があります。このような問題が起きると家の資産価値が下がりますが、適切なメンテナンスを行っておくことで資産価値を維持することができます。

6:賃貸物件として貸し出すことができる

適切な維持管理が行われていれば、賃貸物件として人に貸し出すことも可能です。また、人に住んでもらうことで家の劣化を抑えられるだけでなく、継続的な家賃収入を得ることもできます。

そのため、持て余している空き家がある場合は賃貸に出すのもおすすめです。

自分で維持管理するのが難しいときに便利な空き家管理代行サービス

相続した実家が遠方にある場合など、自分で維持管理するのが難しいケースも多いでしょう。そういった場合には、空き家の管理を代行してくれるサービスを活用するのがおすすめです。

空き家管理代行サービスの相場はまちまちですが、年間で数万円~十数万円程度の費用は掛かることになるでしょう。そのため、代行サービスの利用を検討する場合は、費用をかけてまで維持するべきなのかもよく検討するようにしましょう。

空き家の倒壊リスクをしっかり理解しておこう

長期間放置されている空き家には、倒壊や不法投棄などのさまざまなリスクがあります。

ぜひ本記事で紹介した空き家を放置することによるリスクや空き家の倒壊リスクを下げるお手入れの手順、空き家を維持管理するメリットなどを参考に、空き家は適切な管理を行うようにしましょう。

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