新築工事とは違って、そこまで長期間にはならない解体工事において、「ガードマン」は果たして必要なのでしょうか。
解体工事はある程度まとまった費用もかかるため、少しでも節約を考えると、ガードマンの必要性については慎重に検討したいところですよね。しかし、今回の記事を読めばさまざまなトラブル防止のために、ガードマンの配置を積極的に考えたくなるはずです。
解体工事におけるガードマンの必要性について、詳しく見ていきましょう。
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ガードマンとはどんなことをする存在なのか

人が多く集まる場所や工事現場などで、安全の確保のため人々に声かけや誘導を行うのがガードマンです。
実はガードマンの指示には、警察官の交通誘導のように、必ず従わなければいけないという強制力はありません。しかし人や車の流れをスムーズにし、危険から守り、安全に導くのがガードマンの仕事です。通行人や車にとっても、ガードマンの指示に従うことによって自分たちの安全を確保することができるのです。
解体工事でのガードマンの必要性
トラブル防止のため

安全確保によるトラブル防止役
ガードマンの果たす役割でもっとも大きな価値のあるものは、やはりなんといっても「安全の確保」でしょう。
実はこれは、通行人や車・近隣住民の安全確保だけではなく、解体業者の作業員にとっての安全確保の意味もあるのです。
通行する人や車の安全を守るという点に関しては、容易に想像がつきますよね。重機の出入りや通行、作業に伴う落下物など、解体工事の現場には危険がたくさんあるため、誘導や指示が必要となることが多いのです。
現場が学校の通学路付近である場合は、特に注意が必要となります。子どもは体が小さいため、資材や建物の陰になって重機からは姿が見えないことも多々あり、事故に巻き込まれる可能性が大人よりも大きいのです。
ガードマンが周囲への安全確保の役割を一身に担ってくれれば、工事の作業員は安心して自分の仕事(=解体工事)に集中することができますよね。工事をしながら周囲への配慮も…となると、集中力がおろそかになり、作業の失敗や事故につながりかねません。
そういう意味で、ガードマンを適切に配置することは、通行人のためだけでなく「作業員のための安全確保」ともなるのです。
コミュニケーション窓口としてのトラブル防止役
付近で解体工事が行われるというのは、近隣の住民にとって不安が大きいことです。しかし、もしも何か心配や不満がある際にも、工事中の作業員に声をかけたり相談したりということは難しいでしょう。
こういった場合、ガードマンがいればコミュニケーションの橋渡し役としても活躍してくれます。近隣住民とのコミュニケーションがスムーズに取れれば、のちのち小さな不満が大きなトラブルにつながるというおそれも少なくなるでしょう。安全管理だけでなく危機管理の意味でも、ガードマンの存在には価値があるのです。
ガードマン配置は施主の責任

工事現場での安全を確保するのは、もちろん業者が責任を持たなければいけないことですが、施主としても無関心であってはいけません。自分の敷地で行われる工事である以上、周囲への配慮を怠るわけにはいかないのです。万が一にも工事を依頼した解体業者が安全管理を軽視するようなことがあるとしたら、その責任の一端は施主にものしかかってきます。
また、解体業者がガードマン配置についてどのように考えているかということで、その業者の安全管理意識がわかります。工事依頼の見積の際に、ガードマンの配置についての項目があれば、その業者は安全面への配慮もしっかりと行う、信頼に足る業者だとわかるでしょう。もちろん、ガードマンを依頼することでその分の費用はかかりますが、それこそが施主の責任であると考えましょう。
道路使用許可を取っている場合は必須

ところで、工事で使用する重機などが、解体する家屋のある敷地内にすべて収まるという状態はまれであり、大体の場合は敷地から一部がはみ出してしまうことになります。
こういった場合に備えて、解体業者からは「道路使用許可」というものを取るように言われることがあります。自分の敷地以外はすべて「公道」であり、それを使用するためには管轄の警察署から道路使用の許可を得なくてはいけないのです。
この道路使用許可を取った場合、自治体の条例によってはガードマンの配置が「必須」となる場合があります。あらかじめ「道路使用許可は必要か」「それによってガードマンが任意ではなく必須になるか」ということを確認しておきたいですね。 道路使用許可については、詳細を後述しますので、そちらもご参照ください。
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ガードマン配置にかかる費用はどのくらいなのか

ガードマンの派遣は、一般的には警備会社を通じて行ってもらいます。解体業者から警備会社に依頼するというのがほとんどです。
警備会社からガードマンへ支払われる日当は、1万~1万5000円あたりが相場となり、解体業者への請求はそこにさらに費用がのるため、最終的には1日あたり2万円ほどの請求になると考えていいでしょう。この金額に、人数をかけ算するとガードマン配置の費用が算出されます。
また、配置される人数については解体対象の建物や敷地の規模、周辺環境や状況によって変わります。少なすぎれば安全面に心配が残りますし、多すぎると費用面に響いてきます。解体業者の判断と見積をしっかり確認したうえで、最終的に配置人数を決めましょう。
道路使用許可について
道路使用許可とは

道路は、基本的に人や車の「通行」が最優先であり、それを妨害するような行為は禁止されています。しかし解体工事も含め、何らかの理由で道路の一部をふさぐような作業を行う場合は、事前に使用許可を得ることによって道路の使用が可能になるのです。
前述したように、道路使用許可は原則として管轄の警察署に申請します。許可取得を怠ると、罰則を受けるおそれがあり、また発覚した時点で工事が中断され工期が延びてしまうという可能性も出てくるため、注意が必要です。
解体工事において道路使用許可が必要かどうかということは、業者の判断にまかせ、業者が必要だというのであれば、それに従うのがいいでしょう。
申請はいつ、誰が行うか
道路使用許可の申請は、基本的に解体業者が行います。施主自ら申請することもできますが、見積には申請の手数料が含まれていることも多く、経験豊富な業者に依頼してしまった方が安心といえるでしょう。
申請は、遅くても工事開始2週間前には済ませておきたいところです。許可が出るのに1週間~10日ほどかかることもあるため、余裕をもって2週間あれば安心でしょう。こちらに関しても業者に依頼するのであれば、施主がそこまで神経質にならなくても問題ありません。

まとめ
解体工事には危険がつきものですが、できるだけ事故がないよう安全確保に努めてくれるのがガードマンです。歩行者や近隣住民などの現場周辺に対してだけではなく、工事の作業員の安全確保にも大きな役割を果たしてくれます。
費用をできるだけ抑えたいところではありますが、のちのち事故やトラブルがあるかもしれないおそれを考えると、安全確保には万全を期しておきたいところです。予算と相談しつつ、安全で安心な解体工事ができるように施主としての責任を果たしたいですね。
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