家の傾きは放置し続けると大変なことになる!住人の体調にも悪影響があるってほんと?

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建築物はまれに、長い歳月とともに徐々に傾いてしまうことがあります。原因はさまざまですが、傾いてしまったことが元で影響を受けるのは、建物自体だけではありません。そこに暮らしている人対しても、個人差はあるものの影響をもたらしてしまうことがあります。家の傾きを放っておくことは、家にとっても暮らしている人にとってもいいことは何一つありません。

そこで今回は、建物が傾いてしまう原因や対策などを詳しくお話していきます。

家の傾きによる影響

毎日暮らしている家だからこそ、なかなか気付きにくい家の傾き。徐々に傾いてしまうと、閉めたはずのドアが閉まりにくくなったり、勝手に開いたり、開閉に力が必要になってきたり、床鳴りするようになるなど、さまざまな症状が出てきます。

しかし、家そのものだけでなく、住人に対する影響もまた忘れてはいけません。

傾きによる人への悪影響

家の傾きが大きくなればなるほど、人体にも影響を及ぼすリスクは大きくなります。

影響には個人差があり、全く影響のない人もいれば、少しの傾きで心身に異常をきたす方もいます。傾いている家に長年住み続けてしまったことによって、精神的な症状や自律神経の乱れが出てしまうのです。

心身のバランスが崩れ、体調を悪くしてしまう危険性がありますので、築年数の経過している家や大きな地震の後は、住まいのチェックの時に傾きの確認なども検討してください。

めまい・肩こり

平衡感覚が狂ってしまい、めまい、肩こりなどの症状に悩まされてしまうこともあります。

頭痛・吐き気

めまいが激しくなると、頭痛や吐き気も出てくることがあります。

家の傾きによるものだとはわからず、原因不明のまま抱える持病として何年も悩まされ続ける可能性があります。

食欲不振・睡眠障害

傾いた家に住んでいると、自律神経が乱れてしまうこともあり、その乱れから食欲不振になったり、場合によっては睡眠障害になってしまったりと、住んでいる人を悩ませ続ける原因となります。

傾きによる家への悪影響

影響は住んでいる人とその家にもあります。家の場合には目視によるチェックも可能ですので、心当たりがあるならチェックをしてみるとよいでしょう。

外壁の亀裂が入る

建築当初はまっすぐに建っているはずなので、家が傾くと外壁にその証拠が現れやすくなります。外壁塗装の亀裂や、サイディングボードの目地がずれていることなどがあれば、傾きがある可能性は高くなります。

加えて、亀裂の入ったところから雨水が入り込み、そこから二次的な災害も発生してしまうリスクも高くなります。

侵入した雨水が湿気となりカビが発生しやすい環境を作り、気付かないうちに人体への悪影響を及ばしてしまうかもしれません。

建具の建付けが悪くなる

長い間住み続けていると、建具の一つや二つは閉まりにくくなってしまうこともありますが、家の傾きが原因でそうなっている可能性もあります。

窓などは調整できるものもありますので、調整してしまえばきちんと開閉ができるようになります。比較的軽度であれば、まずやってみましょう。

床鳴りがする

経年劣化とともに床鳴りも生じてしまうものですが、階段や廊下、部屋などの床が歩くたびに鳴り出すと家の傾きが原因の場合もあります。

床鳴りだけでは判断がつきにくいですが、そのほかにも目視できる要因が確認されれば傾きの可能性は高くなります。

丸いものが転がる

例えば昔テレビ番組で、物件を見るときにビー玉を置くと転がる、といったものがありました。

ビー玉が転がるというのは当然床か建物が傾いているということになります。

ビー玉が転がるくらいなのでわりと傾斜があると想像できますが、建物は人が造っているものなので、多少の誤差はあります。

ましては、築年数が経っていれば何かしらの原因で傾くこともあります。

ビー玉が転がってしまったら、慌てず、そのほかの要因を確認しリフォーム会社に相談をしてみましょう。

法律上の許容範囲

家の傾きには「許容範囲」というものがあります。

国土交通省が「住宅品質確保促進法」といった法律で「瑕疵」による可能性や、一定の傾きで起こりうる健康被害の可能性を表した基準があります。

一般的には新築で3/1000 (1メートルで3ミリメートル) 、中古住宅で6/1000(1メートルで6ミリメートル)が目安とされています。

しかしながら、3/1000以下の傾斜なら健康被害がないというわけでもありません。反対に6/1000以上の傾きがあったとしても何ら影響がなく暮らしている方もいます。

「許容範囲」はあくまで「基準」に過ぎません。影響は個々で異なってきます。

一方で、宅地建物取引業法で、平成30年4月に改正された国土交通省の告示に定められた調査基準に従って行なう「既存住宅状況調査」というものでは、6/1,000以上の家の傾きは「劣化」の対象であるとなっています。

傾き4/1000未満

瑕疵の可能性は低い。健康被害による自覚症状はほぼなし、敏感な人は傾斜を感じる方もいる。

傾き4/1000から7/1000未満

瑕疵の可能性は、一定数存在する。健康被害による自覚症状は傾斜を感じる方が多い。

傾き7/1000から9/1000未満

ここからは瑕疵の可能性は高い。健康被害の自覚症状により、傾斜に対しての苦情が出る。

傾き10/1000から17/1000未満

健康被害の自覚症状として、めまいや頭痛・吐き気などが出てくる。

傾き23/1000から30/1000未満

健康被害の自覚症状は、けん引感がある・ふらふらとしてしまう・平衡感覚が著しく狂う、など。

傾き35/1000以上

健康被害の自覚症状は、めまい・頭痛・吐き気・食欲不振・睡眠障害・疲労感・けん引感。67/1000以上になると建物が傾いて見える。

家が傾く主な原因

建物の劣化によるもの

建物の傾きは、床が傾いているのと建物全体が傾いてしまっているものがありますが、築年数が経ってくると家全体が劣化していきますので、床や、家を支える柱や土台などが次第に腐食していき、やがて傾いてしまうことがあります。

その腐食の主な原因は、雨漏りからの湿気によるものやカビ、シロアリ被害といったことが挙げられます。

それ以外にも、新築時の施工不良や設計ミスなども残念ながらあるようです。

そこまでいかなくとも家の重心がバランスよく配分されていない造りの場合、荷重のかかる箇所が徐々に下がってしまうことや、地震による地盤沈下なども考えられます。

地盤沈下

上記でふれていますが、そもそも地盤が軟弱な地域などがあり、そのような場所で建築すると不同沈下と呼ばれる地盤の沈下による家の傾きが起きることがあります。

地盤沈下や不同沈下が起こる原因は、軟弱な地盤をしっかりと改良しないでその上に家を建ててしまったことにあります。

シロアリ

シロアリ被害は、床下の湿気・木材の腐食・日陰といった条件がそろうと起こりやすくなるといわれています。

シロアリは風通しの悪い日の当たらない空間を好むため、腐食が進んで湿った柔らかい木材を求めて春から梅雨にかけて地中から出て活動します。

知らないうちにどんどん浸食されて、柱などの木材の支持力がなくなってしまい、家が傾いてしまいます。

雪の重み

降雪地帯には避けることのできない問題の一つに、屋根に積もった雪の重みがあります。

雪は屋根全体に降り注ぎ、湿ったものになると重量もあります。

冬の間積もってしまった雪が日中の暖かい太陽で溶け、自重で圧縮していきます。そこへ雪が降るとまた上に積もり、どんどんと重くなってしまいます。

そのような雪の重みで、想定していなかった力が家を支えている地盤にかかり、家が傾くことがあります。

それだけでなく、屋根が抜け落ちてしまったり、屋根の上で固まった雪が地面に落下してしまったりという危険もあるので、雪下ろしはこまめに行うことをおすすめします。

家の傾きの対策

日ごろから暮らしている家なので、変化は気付きにくいものですが、建物のメンテナンスをすることで、劣化のスピードは抑えることができます。

家が傾いてしまう原因は一つではないので、これをしていればいいといったものはありませんが、外壁や屋根などは耐用年数に合ったメンテナンスを行ったり、家の中の換気をしたりすることで防げることもあります。

特に押し入れや浴室、キッチンなどの床下は湿気が溜まりやすい場所なので、木造の場合は家の骨組みに大きな影響を与えてしまいます。

大きな被害が出てしまう前にできることを行い、しっかりと予防しましょう。

家の傾きの修理

硬化ウレタン注入工法

対象の家がベタ基礎の場合、下に穴をあけ硬質ウレタン樹脂の薬液を注入する工法です。

この工法は、ウレタン樹脂が膨張する性質を利用したもので、その膨張の力で基礎を押し上げ、傾いた家を修正します。

比較的工事費用や工期を抑えてできますが、5センチメートル程度の傾きにしか対応していません。

また、根本的な地盤改良ではないため、再度何かしらの原因があれば再沈下するリスクはまります。

グラウド注入工法

硬質ウレタン注入工法とよく似ている工法で、ベタ基礎の下に穴をあけセメント系の薬剤を注入します。

薬剤の体積や圧力で地盤を固め、地面を隆起させることによって、家の傾きを修正するものです。

こちらも比較的工事費用を抑えることができますが、5センチメートル程度までの傾きに対応しています。

液状化してしまった軟弱な地盤をグラウド材で改良するため、ある程度は強固にできます。

土台上げ工法

家の土台下にジャッキをセットし、ジャッキアップを行うことで隙間ができます。

そこにモルタルを詰めて修正する工法です。

こちらは、家全体の傾きを修正するというより、家の一部を持ち上げる工法なので、一時的に傾きを修正する工法といってもよいでしょう。

耐圧版工法

地盤が安定しているときに用いられる工法で、家の基礎の下を重機などで掘削し、耐圧版と呼ばれる強固な鉄板を敷き、その上に油圧ジャッキなどを設置してジャッキアップすることで家の傾きを修正するものです。

掘削した部分は無収縮モルタルなどを圧入して埋め戻し、補強します。

ジャッキでの高さ調整なので、ミリ単位での修正が可能となります。

アンダーピニング工法

再沈下の危険性が極めて低い強固な工法です。

家の基礎の外側から掘削し、支持層と呼ばれる固い地盤まで杭を打ち込み、ジャッキで家を持ち上げます。

工事期間中であっても在宅が可能という利点もあり、工事の期間に仮住まいを強いられることもなく、居住者への負担はありません。

費用は少々高めではあるものの、しっかりと修正したいという方にはおすすめの工法となっています。

まとめ

敏感な方は3/1000以下の傾きにでも違和感を覚えてしまうといわれています。

3/1000以下の傾きでは、新築基準においてでさえも問題はないとされているのですが、平衡感覚が敏感で船酔いや車酔いをしやすい方の中にはわずかな傾きでさえ不快に思うこともあるでしょう。

10/1000以上の傾きがあればほとんどの方は違和感や不快感を覚え、場合によっては健康被害も出てきますので、自身でできる方法でしっかりと確認を取り、傾きが認識できたのであれば専門の業者へ相談しましょう。

そうなる前に、家のメンテナンスや日々の暮らしの中に取り入れられるものは取り入れ、少しでも劣化の速度を抑えるようにして、家を大切にしていくことをおすすめします。

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