混合廃棄物はどのように分別されているのかを、まとめています。安定型や管理型、建設混合廃棄物の種類別に、詳しく解説しましょう。また、混合廃棄物の処理業者を選ぶ時のポイントや注意点も説明するので、業者選びの時にぜひ役立ててください。
混合廃棄物の種類は大きく分けて3つある。処理業者を選ぶ際は、処理許可の有無などを確認するのがポイント。

混合廃棄物の定義
混合廃棄物とは、2種類以上の要素が混合している廃棄物のことをいいます。産業廃棄物は種類別に分けて、回収に出すのが基本です。
しかし、さまざまな種類が合わさった複雑な廃棄物は、分別するのが困難です。そのような場合は、混合廃棄物として判断します。また、複数の種類の廃棄物であるとされ、通常の廃棄物に比べると処分費が高くなります。
混合廃棄物には明確な基準がない
混合廃棄物に、はっきりとした基準は示されていません。産業廃棄物は約20種類ほどに区別されています。その中に含まれている、複数の要素を持った廃棄物という捉え方で良いでしょう。
業者に処理を依頼する時は、種類を詳しく記載する必要があります。判断に迷った場合は、行政や業者に尋ねてみるのも良いでしょう。
混合廃棄物の種類①建設混合廃棄物
建設工事現場から出た廃棄物は、建設廃棄物として区分されます。建設混合廃棄物とは、安定型産業廃棄物とそうでないものが、混合している廃棄物のことです。
廃棄物によっては、安定型産業廃棄物のみの建設混合廃棄物も存在し、それを安定型建設系混合廃棄物といいます。また、そうでない建設混合廃棄物を管理型建設系混合廃棄物といい、詳細に区別することもあるそうです。
混合廃棄物の種類②安定型混合廃棄物
- 廃プラスチック類
- ゴムくず
- 金属くず
- ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
- がれき類
上記の5品目内で混合されている廃棄物を、安定型混合廃棄物といいます。安定型最終処分場に、埋め立て処理することのできる廃棄物です。
混合廃棄物の種類③管理型混合廃棄物
管理型混合廃棄物は、安全型混合廃棄物の5品目以外の種類が含まれた、廃棄物のことです。含まれているほとんどが、安全型混合廃棄物の要素であっても、100%でなければ管理型混合廃棄物として分別されます。また、処理の仕方は、管理型最終処分場での埋め立てです。
混合廃棄物の処理業者の選び方①処理許可の有無で選ぶ

処理業者を選ぶ時の一番の重要ポイントは、しかるべき許可をきちんと得ている業者であることです。廃棄物は種類ごとに許可が必要になっており、対象の混合廃棄物に含まれる種類全てに許可がいります。
許可のない種類が1つでも含まれていると、返されるケースもよくあるため、しっかり確認しておきましょう。
また、許可を得ていない業者に依頼すると違法となり、依頼者側にも罪を科されるので、注意が必要です。
混合廃棄物の処理業者の選び方②マニフェスト発行の有無で選ぶ
マニフェストは、廃棄物が正しく処理されていることを確認するために、排出業者が交付する書類です。
廃棄物処理法で定められたマニフェストを、きちんと発行する業者を選ぶようにしましょう。マニフェストは品目ごとではなく、混合廃棄物1つに対して1部発行されるのが基本です。出典:マニフェスト(社団法人 全国産業資源循環連合会)
混合廃棄物の処理業者の選び方③正しい判断ができる業者を選ぶ
業者自体が混合廃棄物の処理方法について、正しい知識を持っていることが重要です。複数の廃棄物が含まれていれば、それは混合廃棄物として区分されます。
誤った認識をしている業者が産業廃棄物として処理した場合は、 廃棄物処理法違反となります。信頼できる業者に委託することは必須です。出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 廃棄物処理法(環境省)
混合廃棄物を処理する際は「分別」についても意識する

混合廃棄物を排出する際には、正しい分別を心がけることも大切です。廃棄物処理法違反の原因になるリスクを、少しでも排除しておきましょう。
また、分別を細かくしておくと、リサイクルや買取可能なものがあるかもしれません。そうすれば、処理費用を減らせることにも、つながります。