ログハウスって普通に住めるものなの!?その魅力や一般的な住宅との違いとは

解体工事

夢のマイホームを思い浮かべたときに、都会のマンションや通勤圏内での一軒家などをイメージすることがほとんどかもしれませんが、全ての都合を取り払ったときにはログハウスも視野に入ってくることもあります。

一般的にはキャンプ場にあるコテージや別荘地にある建物のイメージが強いものですが、マイホームとしては少々ハードルが高く、いろいろな問題があるのだろうと思い込んではいませんか。

ログハウスは、都会では不便に感じることや活かすことができないものなどももちろんたくさんあります。しかし「都会ではログハウスが手に入らない」と思い込むことは、反対に「手に入れることを叶えられない」と諦めてしまっている憧れの建物と思っているからではないでしょうか。

しかし、本当に諦めてしまわなければならないようなものなのでしょうか?

今回は、そんなログハウスについて「決してハードルが高いものではない」ということをわかっていただけるようなお話をします。

これを読んで、少しでもログハウスが身近なものになれば幸いです。

ログハウスとは

ログハウスと聞くと、ほとんどの方が想像するのが、あの丸太を組んで作った家です。「ログ」とは英語で丸太を指していて、ログハウスは和製英語です。

アメリカなどの英語圏では、ログキャビンやログホームといわれています。

ログハウスの構造

ログハウスは、丸太を組み、それを積み上げて作る家のことです。

日本の在来工法では、柱や梁を組んで作りますが、ログハウスは壁をそのまま組み上げて作るので、ログ(木材)がそのまま家の壁になります。

後述しますが、ポストアンドビームというものもあります。

この組み上げていく工法にも大きく分けて2種類あります。

ハンドカット

こちらは、伝統的なスタイルであり、まさに職人の手づくりのたまものです。伐採した太い木に対してドローナイフと呼ばれる道具を使用して、木の皮を一枚一枚丁寧に削ぐことから作業が始まります。

職人が切り出した丸太に手おのやチェーンソーで切り込みを入れ、丸太同士を組み、外壁を作っていきます。そのため、完成したログハウスには、ドローナイフや、チェーンソーの跡が残っています。一つ一つ手づくりのログハウスの証ですね。

マシンカット

一方でマシンカットは、工場で木材を精巧に加工し、現場で組み合わせる近代的なログハウスです。

品質などの管理がされており、反りやばらつきのない木材を使用するため、ハンドヒュー(ハンドカット)に比べると、精密に組み立てることができ、本来ログハウスには無縁の気密性までも高めることが可能です。加えて、複雑な形のログハウスを作ることもできるのです。

ログハウスのキットとして販売されているものは、ほとんどがこのタイプです。

ログハウスの特徴

木材の種類

主にパインやスプルースなど、松系の木材を使用します。木材をそのままの形で使用した丸ログや、工場で角にカットした角ログ、Dログなどがあります。

大きな屋根

ログハウスは、降雪地域で多く見られ、そのほとんどの屋根は大きく、勾配の角度がきつくなっています。雪が積もるのを防ぐため、そして紫外線から外壁を守るために大きな屋根と軒下があるのです。

ログハウスの特徴の一つである大きな屋根は、見ごたえもあり存在感があります。

地震に強い

丸太を組み上げて作るログハウスは、一般的な住宅より木材の使用量は多くなります。その分、重量もあり重心も低いため、地震が起きたときも揺れを吸収してくれます。

ノッチがある

ノッチとは、英語で「notch」と書き、刻み目・切れ目・切れ込み・くぼみなどの意味があります。ログハウスでのノッチとは、横に組んである丸太が十字に交差する部分を指します。

ログで組んだ証ともいえるノッチこそ、ログハウスの象徴です。

ログハウスの誕生と歴史

ログハウスは、北欧が起源として発達してきましたが、森林資源が豊富な地域を中心に発展していったといわれています。

今日のログハウスの原型は、1700年代の北米大陸への移民によるものと、それ以前からあった北欧系のログハウスに二分されます。

北ヨーロッパ系のログハウス

北ヨーロッパでは1000年以上の木造建築の歴史を持っていて、森林資源が豊かであった環境から独自の発達をしていったログハウスは、マシンカットと呼ばれるものへと進化していきました。

マシンカットは、工場で精密に作られたログ材を使用することにより、より精度を高めることが可能になり、それによって設計の自由度の高さや特殊な技術を要しないのも特長です。

また、後述する北アメリカのログハウスが工芸品であることに対して、北ヨーロッパのログハウスは精密な設計の基に作られた工業製品といえるでしょう。

北アメリカ大陸系のログハウス

1700年代に北ヨーロッパの移民たちが各地へ移住する際、現地で作られたものが他の移民者たちにも広がり、開拓者たちによって改良されたのが北アメリカ系のログハウスです。

その後、南北戦争などで発生した大量の移民を通じて、カナダにもログハウスは普及していくこととなります。

時代は流れ、西海岸への交通手段も確立され開拓時代も終わりを見せる1900年代には、それまで急造されてきたログハウスの需要がなくなり、リンカーン大統領の「from log cabin to White House」(ログハウスからホワイトハウスへ)の言葉のようにログハウスは貧しさの象徴となりました。

1960年代に入ると、ヒッピー文化を起源とした自然回帰の考え方が高まり、人々は自然の中での生活を求め、再びログハウスが脚光を浴びることとなります。

現在では、カナダやアメリカで別荘として再評価され、当時急造されていたログハウスの手法としてのセルフビルドの文化が今もなお、北アメリカ大陸系のログハウスとして受け継がれています。

ログハウスの機能性

調湿性

調湿性については、普及品のビニールクロスや壁紙に比べると格段に違いがあります。

漆喰や珪藻土のようにログには調湿機能があります。木は伐採した後も呼吸をして湿度を吸収したり、反対に吐き出したりします。そのような木で組み上げたログハウスは調湿性がよいのです。

断熱性

丸太をそのまま組み上げて作るログハウスには、高い断熱効果もあります。木材に含まれた空気や水分が天然の断熱材となり、冬は外の冷たい空気を処断して室内を暖かく保ち、夏は太陽の熱を太い丸太が中まで通さず室内に涼しい環境を作り出すのです。

省エネ

天然の断熱材というべき丸太で外気を遮断することで、暖房やエアコンの使用量を抑えることができます。そのため、電気代やガス代、灯油代など冷暖房の費用を抑えることができます。

耐火性

ログハウスは「木の家」ではありますが、実は意外と燃えにくいのです。

木は燃えると表面に炭素の層ができ、ある程度まで燃えると鎮火します。しかし、ログハウスは太い木を使用しているため、表面は焼けても全焼することは少ないのです。

くつろぎ空間

木には人を癒す力があります。柱の木目や、木を切り出した大きなテーブルなどを見ていると、気持ちが落ち着いたり、安心感を抱いたりします。身の回りを木材に囲まれたログハウスでの暮らしは、心穏やかに過ごせることでしょう。

定期的なメンテナンスは必須

ログハウスは、在来工法の家と比べると寿命は長いといった特長があります、しかし、家の寿命を延ばすには定期的なメンテナンスなしではありえません。

良い状態で維持するためにも、こまめなメンテナンスは欠かせないものなのです。

主なメンテナンスにはどのようなものがあるのでしょうか。

歪み調整

天然の木材を使用しているので、時間とともに湿気の吸収・排出を繰り返して木の乾燥が徐々に進みます。そのため、反りや縮が生じてしまいます。

その歪みの影響で、ドアや窓のサッシなどが開閉しづらくなってしまいます。ログハウスはこの歪みを想定して設計されていて、歪みが落ち着くまでの数年間は定期的に調整が必要です。

外壁塗装

ログハウスは、天然の木材で作られていますので、湿気や太陽の紫外線は天敵となります。その天敵から木材を守るために、塗装は欠かせません、塗装も数年に一度塗り直す必要があります。

屋根の塗装

屋根も同じで、木材を使用していなくても直接紫外線に当たる部分ではあるので、しっかりと塗装でコーティングしてあげる必要があります。

セトリング

上述しました歪み調整と重複する部分もありますが、ログハウスは丸太を組んで立てていますので、在来工法の家では考えられない現象が起きます。セトリング現象と呼ばれるものです。

たとえば、天井まで積み上げた丸太がそれぞれ1mmから3mm程度乾燥のために数年かけて縮んだとします。積んである丸太が20段あれば、それぞれが縮むことで最大60mm縮むことになります。これがセトリング現象です。天井が60mm下がるなどということは、ログハウスならではの現象です。

そのため、丸太と丸太の間に隙間が生じてしまい、せっかくの高断熱が台無しになるだけではなく、密着していないので家の強度も下がってしまいます。

これを防ぐためには、ログ材の上から下までを貫通させている通しボルトを定期的に締めなおして、丸太を密着させて安定させる必要があります。

コーキング

ポスト(柱)&ビーム(梁)工法のログハウスであれば、柱と梁の結合部のコーキングは必要不可欠です。雨風や紫外線によって木材が収縮してコーキングがひび割れてしまうので、コーキングの張りなおしが必要となります。

その他のメンテナンス

煙突掃除

薪ストーブを使用しているのであれば、薪ストーブの煙突部分の掃除は必要となります。

煙突内部には、すすやタールなどが蓄積しているのでそのまま使用し続けると火災の原因となり危険です。ストーブを使うシーズンの初めには煙突掃除をするのをおすすめします。

凍結防止対策

ログハウスでは、まれに水道の配管や、湯沸かし器の配管などを壁面に露出させて通している場合があります。これは地域や環境にも大きく影響を受けてしまうことですが、露出させていると、外気がマイナスの気温になると凍結による被害が出てしまいますので、保温するなどの破裂や凍結を防ぐ措置を取らなければなりません。

日本の風土に合ったログハウスとは?

ログハウスというと、北欧やカナダのような寒い地域にあるイメージがありますが、日本にも数多くのログハウスが建っています。

しかし、日本は東西に長い島国であり、気候の影響で四季もあります。特に多湿で最高気温と最低気温の差が激しいという点は、木やゴム製品、プラスティック製品にとっては過酷な環境です。

家にはそういった部品が数多く使われていますので、それを保護するメンテナンスをしっかりと行うことで、日本の天候や気候条件であってもログハウスは適応します。

それどころか、暑い夏や寒い冬も家の中を快適な温度に保ち、木の暖かさによっても住む人の暮らしを快適にすることに加えて、こころまで癒してくれます。

日本の家は設計や造りは非常に精密で、素晴らしいものがあるなかで、ログハウスをそういった家と比べると、どうしても劣ってしまうところはあります。しかし日本の木造住宅とログハウスでは、そもそも比べる対象ではないということを知っておいてほしいのです。

価格

ログハウスの価格は高いイメージがあるという方もいるでしょう。実際に木造の一軒家と価格面で比べると割高になることはありますが、木造の一軒家とログハウスでは購入後の目的が違ってくるので、単純な価格でのみの比較は難しいかもしれません。坪単価で比較してみるとどうでしょうか。

一般的な木造住宅

軸組在来、ツーバイフォーに関わらず、工務店での坪単価はおおむね50万円程度。特別な設計や狭小住宅などを除けば、大体の坪単価はこのあたりでおさまります。

ハウスメーカーなどの木造住宅

ハウスメーカーによってもさまざまですが、ローコスト住宅のような仕様では、人気のオプションや必要最低限の設備を標準装備とした住宅であれば、坪単価30~50万円のものからあります。高価なハウスメーカーともなると、坪単価70~90万円からともなります。

マシンカット(ログハウス)

精密な設計のもと、工場で加工し出荷された木材を使用するマシンカットのログハウスの価格は、坪単価でおおむね40~65万円程度といわれています。

用いる木材の種類やデザインによっても価格は大きく変わってきますが、木造の家の良さと、ログハウスの特長をうまく融合させた造りとなっているといえます。

ポストアンドビーム(ログハウス)

日本の在来工法として認められている工法で、デザイン性の制限もなく間取りなどの細部にまで柔軟な対応が可能なものです。

ポストアンドビームのログハウスの価格は、坪単価でおおむね60~75万円といわれています。

ハンドカット(ログハウス)

機械などで加工されない、木の本来の形を活かしたハンドカットのログハウスの価格は、坪単価でおおむね80~120万円といわれています。マシンカットのログハウスより高めですが、ログビルダーと呼ばれる職人が丁寧に丸太を一本ずつ組み上げるので、迫力もさることながら、ナチュラルな感じもあり、これぞログハウスといったイメージのものなので、この坪単価もうなずけるでしょう。

まとめ

憧れのログハウスにもさまざまな種類があり、それぞれに建築単価も大きく変わってきます。

しかし、日本の従来の一軒家における条件や希望と、ログハウスの機能性や居住性を照らし合わせると、大きく変わってくる内容もたくさんあるのは事実です。一般的な家と同じように考えていると、大きな失敗をしてしまうかもしれません。

たとえば、住宅密集地であれば防火地域や準防火地域などの規制により、セットバックして建築をしなければならないことや、薪ストーブを設置してしまうと近隣からの苦情が来るということも考えられます。

加えてログハウスは天井が高く、開放的なデザインが多いため、吹き抜けなどが多くありますが、一方で二階部分には屋根裏のような天井が低い部分も多くあります。

四角い家ではないので、かならずしも坪数と感じる広さが比例しているわけでもありません。それらの特徴を理解したうえでログハウスを選ぶのであれば、きっと人生に彩りをもたらしてくれることでしょう。

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