自宅にいながら内見をすることができる「オンライン内見」は近年利用者が増えている内見方法の1つです。
物件に足を運ばなくても内見ができるのは便利ですが、直接物件を見るわけではないので問題も発生する可能性が高くなります。
「オンライン内見と実際が異なっているような気がする」
「思った場所が見れなかった」
「担当者の対応が悪かった」
オンライン内見の利用者などからは、このような意見も聞かれます。
オンラインで内見できることは便利ですが、トラブルも少なからずあるので、失敗しないオンライン内見をするためのポイントと注意点について詳しく解説していきます。
オンライン内見はコロナ禍の物件探しに向いている
新型コロナウィルスの感染拡大で、接触を減らすための対策として「オンライン」を利用したサービスの活用が推奨されるようになりました。
学校生活・買い物・旅行などもオンラインで行うことが増えましたが、不動産業界もオンラインが導入されて、積極的に活用され始めています。
「オンライン内見」は、自宅にいながら物件探しができる物件探しの方法の1つであり、接触を最小限に抑えることが出来るので、コロナ禍の物件探しに向いている方法だといえます。

内見とは
住宅を借りる・購入する前には実際の建物をチェックする人がほとんどであり、隅々までチェックをしたうえで契約をするか決めます。
気になる住宅がある場合に行う「内見」とはいったいどのようなものなのでしょうか?
気になる物件を実際に見学すること
内見とは、気になる物件の内部を見学することを指しています。
内見と同じような使い方をする「内覧」という言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、内見と内覧はどちらも「物件見学」になります。
使い方としては内見は賃貸物件、内覧は新築物件やモデルルームを指すことが多いです。
内見方法も多様化している
内見は不動産会社の担当者が、内見希望者と共に実際に部屋に行き、事前に確認している図面上の情報と見比べて、図面と実際の部屋との違いをチェックをする方法が一般的です。
内見方法も内見希望者に合わせて多様化しています。
内覧の種類を紹介します。
現地対応
現地対応とは、ホームページなどで内見を申し込んだ後に自分たちだけで現地に向かい、現地に置かれた鍵を使って部屋に入り内見をします。
募集会社がメールボックスやキーボックスを設置しており、予約をして暗証番号などを事前に教えてもらうことで、不動産会社の休みなど関係なく内見をすることが可能です。
最近増えている内見方法であり、担当者と直接接触することがないので、感染対策にもなっています。
近隣業者へ鍵取り
募集会社ではなく、物件に一番近い不動産会社に鍵を預けておき、仲介会社が鍵を預かり内見をする方法です。
鍵取りの場合は、あくまで鍵を管理しているだけなので、物件に関する情報を聞くことができないことが多いです。
現地対応とは異なり、鍵を預けている不動産会社や仲介会社が休みの日や営業時間外の場合は、内見をすることができない可能性があるので、事前に確認をしておく必要があります。

立会内見
管理物件会社の担当者が直接物件の開け閉めを行います。
仲介会社に内見申込をした場合、仲介会社と共に同行し(または待ち合わせる)鍵を開け内覧が終了したら戸締りして、その場で別れるまたは仲介会社へ行き話し合いをします。
管理会社の担当者がその場にいるので、必要であれば気になることを確認することも可能です。
在住内見
在住内見は、内見をする日時点で貸主(オーナー)居住中であり、内見予定者と予定を合わせた上で内見をおこないます。
注意点は、オーナーの希望にて在住内見をする場合が多く、オーナー・募集会社・内見希望者の予定が合わなければ内見の日取りが決まらないのがデメリットです。
居住中の部屋に行くので嫌がる人もいますが、使い勝手や近隣情報を知ることができるのがメリットになります。
セルフ内見
セルフ内見とは、現地対応とも似ていますが、内見希望者が店舗まで鍵を取りに行き、決められた時間内に内見をして、鍵を返却する内見方法です。
現地対応とは異なり、鍵はお店まで取りに行く必要があり、スマートロックなどを設置している場合は、ワンタイムパスワードを発行してもらいます。
内見前後に担当者と話す機会もあるので、気になることを確認し、後日回答をもらうことも可能です。
オンライン内見
オンライン内見は、不動産会社の担当者が物件に訪問し、内見希望者はネットから物件をチェックすることになります。
現地で物件を投影しながら、映像と声で物件の詳細情報を案内していきます。
実際に現地へ行くことがなく、自分が知りたい情報を確認することができるので、遠方の物件などを探している人にはおすすめです。
オンライン内見をする場合のポイント
オンライン内見は、現地で物件をチェックすることはないので、確認しておくべきポイントを事前に確認しておく必要があります。
オンライン内見をする際のポイントを確認していきましょう。
日当たり
日当たりは、内見をする際のチェック項目として重要なポイントであり、オンライン内見の際もチェックする必要があります。
間取り図を確認したり、事前の情報で確認することも可能ですが、隣接する建物との位置関係によっては窓があっても光が思っている以上に入らないこともあるので、陽の光の入り方などは忘れずに確認をしましょう。

汚れ・カビなど発生していないか
水回りや収納スペースの奥など、湿気が溜まりやすい場所は、カビが発生しやすく、カビ汚れが残っている可能性があるので入念にチェックをしておきましょう。
オンライン内見で見落としがちなのが「汚れ」です。
画質の悪さなどで気づかないことや、間取り図では気づかないような部分もあるかもしれません。
注意点としてはオンライン内見では見づらい部分ではあります。
チェックしづらい場合は、画像を撮ってもらい後から確認するのも良い方法です。
間取り
間取りは間取り図をチェックすれば分かることですが、間取りよりも窮屈感を感じたり、使い勝手の悪い部分があるかもしれません。
部屋全体を見て回る中で不都合な部分に気づくこともあるので、間取りのチェックは部屋の隅々まで行うようにしてください。
家具が入るか・搬入経路スペースは十分か
オンライン内見で十分にチェックをして気に入った物件であっても、今現在持っている家具を搬入できなければ、家具を処分し新しく購入するか、物件を諦めるしかありません。
良い条件であればもったいない話になるので、間取り図を確認した上で、本当に設置できるか現地の担当者にサイズを伝えてチェックをしてもらいましょう。
設置できるサイズであっても、搬入できなければ意味がないので、搬入経路についても確認をしておきます。
搬入経路は家具のサイズを伝えれば、大まかなチェックが可能です。
建具は問題なく動くか
オンライン内見で忘れてはいけないチェック項目として「建具などの動き」です。
見た目だけで内見を終わらせてしまうことも多いですが、実際に生活をしてみて「ドアの開け閉めしづらい」「ドアノブが緩んでいる」「襖の建付けが悪い」などの不具合が分かってもすぐに対応してもらえなかったり、修理などをしてもらえない場合もあります。
自分では動かせないオンライン内見の場合、スタッフに動かしてもらうなど動作確認をお願いしてください。
動きの悪い場合は、契約前に修理や交換が可能か相談してみましょう。
換気設備・水回りのチェック
汚れやカビなどにも関係してきますが、換気設備や水回りのチェックを忘れずに行いましょう。
換気設備が正常に動かなければ、カビの発生する可能性が高く、水回りに不備があっても汚れやカビの発生率がたかくなります。
入居前でキレイなっていても、想像以上にカビが発生するなど問題が生じることもあるので、自分が実際に生活をした際に気になることはできるだけ確認をしてください。
建物周辺の問題はないか
オンライン内見は周辺をチェックすることは不可能です。
事前にGoogleマップのストリートビューや物件情報でコンビニやスーパーなどの基本情報を得ることは可能です。
エントランスの掲示板、ゴミ捨て場、駐車場や駐輪場、共用部のチェックと騒音などについても確認をしておきましょう。

オンライン内見の方法
オンライン内見時の注意点を確認したところで、実際にオンライン内見の方法を紹介します。
オンライン内見をする場合、ネット環境の良い状態で内見をできるようにしてください。
途中で途切れてしまったりすると、オンライン内見がきちんと出来ない可能性もあります。
内見申込
不動産会社のホームページから内見申込をします。
コロナ禍でオンライン内見を行う不動産会社が増えていますが、実際にスマホやタブレット端末を使って物件紹介をできる人材が全ての不動産会社にいるとは限りません。
人材不足などでオンライン内見を行なっていない不動産会社もあります。
同じ物件でも、不動産会社によってオンライン内見ができる場合・出来ない場合があるので、複数の会社をチェックしてみましょう。
申し込む際は、指定の物件以外だけではなく、希望に合った物件も紹介してもらえるので、条件を伝え、物件を探してもらうようにしてください。
- 希望エリア
- 予算
- 間取り
- その他条件
内見準備
不動産会社から、条件に合った物件をいくつか紹介してもらえるので、その中から実際にオンライン内見をする物件を決定します。
いくつか物件をチェックする場合、同じ日に内見ができるとは限らないので、担当者と日程調整をする必要があります。
時間に余裕を持った物件探しをすることをおすすめしますが、時間の余裕がない場合は、絞った1件をオンライン内見とし、気になる物件は動画などで確認する方法もあるので相談してみましょう。
内見開始
オンライン内見当日または前日までに、オンライン内見用のURLがメールで送られてきます。
スマホやタブレット端末でオンライン内見をする場合、専用アプリのダウンロードをすることになるので、事前にダウンロードをしておきます。
指定の時間になりログインをしてオンライン内見がスタートです。
オンライン内見は、不動産会社によって手順も異なるので、不動産会社の指示に合わせて準備を行いましょう。
内見終了
オンライン内見終了後、物件を検討して、問題がないと判断すれば契約と進みます。
以前は不動産売買・賃貸契約などは必ず対面で行うことが法律で決められていましたが、2017年10月以降ネットを活用して契約等を行なえる「IT重説」ができるようになったため、賃貸契約などもオンラインで完了することが可能です。

オンライン内見の注意点
オンライン内見は、時間がない・接触を最小限にしたい・遠方で内見できない、などの理由を持つ人には便利な内見方法です。
しかし、オンライン内見をする場合には以下のことに注意をしましょう。
事前に確認しておきたいことをまとめておく
オンライン内見のとき、ただ見せてもらうだけで終わらせてしまうと、先に紹介しているチェック内容を確認することができません。
見落としてしまうと後から困ることも多い部分なので、事前にチェックしたいことをまとめておきましょう。
時間に余裕があれば、事前に不動産会社の担当者に伝えておくと、スムースな内見をすることが可能です。
気になる場所はすぐに確認する
オンライン内見中に気になったことは、すぐにチェックをしましょう。
実際に現地で内見している場合も、気になることは担当者に質問をするので、通常の内見と同じように気になることは確認をしてください。
注意点として、見落としがあると最後まで確認できないこともあるので、見落としがないように注意が必要です。
細かい場所もチェック
細かい場所や細かい質問をしてしまうのは…と思って、気になって質問をしない人もいますが、毎日を過ごすことになる部屋になるので、気になる部分は細かくなってもチェックをしましょう。
担当者も入居後にいろいろいわれるよりも、事前に対応できる方がよく、修繕等が必要な場合も対応ができます。
注意点は、チェック後あまりに細かい要望を入れすぎると対応してもらえないこともあるので、チェック箇所と要望は分けて考えましょう。
サイズや広さが分かるように見せてもらう
間取り図などは立体的な部分が分かりにくいので、オンライン内見をする際はサイズや広さが分かるように工夫をして見せてもらうようにしましょう。
サイズが知りたい場合は、サイズを測ってもらうのもおすすめです。

まとめ:実際に現地へ行けなくても内見は可能!オンライン内見を上手に活用しよう
利用者も増えているオンライン内見について紹介しました。
直接物件を内見できない時に利用するオンライン内見は便利である一方、思ったように内見ができなかったと感じる人も多いです。
オンライン内見をする際のポイントを元に内見をすることで、少しでも内見時に感じる不満を解消することが可能です。
これからさらに増えていくオンライン内見を、上手に活用していきましょう。