養生とは、一般的に身体を大切にするという意味ですが、建築工事では既存の状態を保護することを指します。塗装工事やコンクリート打設工事の養生、引っ越しに必要な養生や、養生テープが台風対策にもなる内容を、ぜひ参考にしてみてください!
養生とは建築工事などで材料の飛散や破損防止を目的に周囲を保護すること
養生なくして建築や土木工事は始まりません。工事を安全に、そして材料の飛散や破損防止のためにも周囲を保護しておく養生は大切な役割を果たします。では、具体的に掘り下げて見ていきましょう。
養生の言葉の意味

養生とは「養う」と「生きる」という文字の組み合わせから、本来なら健康に気をつかい身体を大切にするという意味になります。病気やケガをした人に「養生してね」とお見舞いの言葉をかけたり、忙しい友人には身体に気を付けて、といった意味でよく使います。
代わって、建築や土木工事に使う養生は、既存の状態を壊さないために保護することを指します。例えば、建築工事中に材料が飛散した場合、工事範囲外まで汚れてしまいます。それを防止するために保護シートなどで床、壁を被うことが養生なのです。
では養生を役割別に見ていきましょう。
建築や土木における養生の役割①塗料の飛散を防ぐ

塗装をする時に、塗らない部分との境界はマスキングテープで保護します。このマスキングは覆い隠すという意味で、塗料のはみ出しを防止する役割を果たしてくれます。
外壁など広範囲におよぶ塗装の場合、気を付けていても塗料が飛び散ってしまう可能性もあるでしょう。窓やドア、換気口などはポリフィルムというビニールで被い、マスキングテープで固定することにより、塗装の飛散を防げます。
建築や土木における養生の役割②コンクリートを守る

建築や土木におけるコンクリート工事の養生は、十分な強度を得るための必要不可欠な工程です。 標準的な湿潤養生を例にとると、コンクリート打設後の表面に散水してからブルーシートで被います。これはコンクリートの打設後、一定期間表面の湿潤状態を保ち、水和反応を進めて強度を安定させるためのものです。
この養生にてコンクリート正面をきちんと守らないと、ひび割れを招きやすくなるなど、コンクリートの耐久性が低下し品質に問題が起こるのです。
引越し作業においても養生が必要

家具の移動中に、壁や床に傷がつくのは容易に想定されるでしょう。それを防ぐため、キルティングのマットや保護シートなどで床や壁を覆うことも養生になります。通常は引っ越し業者が住宅を傷つけないよう、専用の素材や道具を使って養生をします。
養生テープは台風対策にもなる

SNSを中心に注目されたのが、養生テープを使った窓ガラスへの台風対策です。窓ガラスに「米」の字になるよう養生テープを貼り、ガラスの飛散を防ぐというものになります。これはあくまで割れた後のガラス飛散を防ぐのに効果があり、ガラスそのものを割れにくくするものではありません。