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家の解体費用の決まり方5選

家の解体費用は家の立地条件などによって変動します。一般的な解体費用の決まり方5つの目安になるポイントをご紹介します。
家の解体費用の決まり方について興味のある方は参考にしてください。
1:広さ
解体物件の敷地の広さは、解体費用換算時の坪単価の目安になります。また、解体に使う重機の搬入ができるかできないかによっても費用が変わります。
重機の搬入に、必要な解体物件の前面道路幅や敷地の広さの確保ができないと、解体作業に時間がかかり、作業時間や人件費が増える可能性がでてくるためです。
2:立地
解体物件の立地は、解体費用に大きく影響があります。前述していますが、解体に必要な重機が搬入できる立地かどうかで差がでます。
その他、解体対象物件が崖の上に建っている物件より、平地で回りにスペースを確保できる物件の方が、重機や人による解体作業がスムーズにできます。
3:構造
解体物件の構造によって解体費用が変わります。建物の構造にあわせて、解体に使用する重機が違うことも理由の一つです。
構造上アスベスト(石綿)が吹き付けられている場合は、環境や人に害が及ばないよう適切な処理が必要になります。解体物件の見積もり時に事前にしっかり確認してもらいます。
建物の構造には木造建や鉄骨、鉄筋コンクリートなどがあり、使用されている材料によって解体費用が変動する傾向があります。
4:解体業者
解体業者により、解体費用の金額に違いがあるため、複数の見積もり依頼をしましょう。地域によって、解体工事の平均的な坪単価があります。
安価な坪単価をうたっている解体業者は、対象としている解体作業の他、廃棄物処理など追加料金が発生するにもかかわらず、安さだけを強調した広告をだしている場合があります。また、廃棄物の処理を適切にせず、不法投棄をするケースもあるため注意しましょう。
値段だけで選択するより、信頼がおける解体業者であるかどうかの見極めが大切です。
5:付帯工事費用
付帯工事費用とは、解体物件以外にかかる工事費用のことです。建物内にある不用品の処分や庭の草木や小屋、家の周辺を囲む塀などの処分に必要な工事費用になります。
また、解体した産業廃棄物処分の費用も、付帯工事費用の対象になる場合があります。解体費用と付帯工事費用は同じくらいかかる場合もあるため、処理内容の説明をしっかり理解しておきましょう。
家の解体工事の流れ

家の解体工事の流れについて説明します。一般的な解体工事に必要な流れは、解体工程期間の進捗度を理解する上でも知っておきたいことです。
大きく分類すると以下のようになります。
・リサイクル法の届出提出
・解体
・整地
これから、解体工事の流れをお伝えします。
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1:リサイクル法の届出提出
リサイクル法とは、建設リサイクル法(正式名称「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」平成13年5月30日施行)のことです。解体時にでる産業廃棄物の再資源化等を促す法律です。
工事の着手7日前までに、発注者または自主施工者が分別解体等の計画について届出をします。元請業者は発注者に対し書面による報告の義務付けがあります。
リサイクル法に関連する制度等
・解体工事業者の登録制度等(平成13年5月30日施行)
・分別再資源化等の義務付けや、工事の事前届出等(平成14年5月30日施行)
上記の命令違反や、届出や登録不備がある場合は罰則規定が適用されます。
2:解体
解体をする前に、解体工事の業者に現地調査をしてもらい依頼する業者を決定します。現地調査では、建築物件の構造と建物の状態、立地環境の調査を行い、解体業者から見積額の提示と含まれる解体工事費用の内訳を説明してもらいましょう。
その後、重機の搬入ができる立地であれば、構造にあった重機を搬入して解体作業をします。もし、重機の搬入が難しい場合は、人の手による解体工事の工程にそって行われます。
工事内容や廃材の処理の費用発生の有無、立地環境の境界線や整地についての説明を十分にしてもらいましょう。
3:整地
家の解体後に産業廃棄物が残っていたり、地中に埋まったまま放置されたりすることは許されないことです。そのような場合は、産業廃棄物を取り除き、廃材の再利用処理や解体後の土地の整地をしてもらいましょう。
更地の状態では、今後の土地売買の価格に影響がでます。解体後の土地の整地をしっかりやってくれる業者を選ぶことが重要です。
家の解体工事にかかる費用の内訳相場13選

家の解体工事にかかる費用の一般的な相場内訳を13項目に分類してご紹介します。解体業者を選定する際の目安になります。
家の解体に関わる費用と付帯工事費用、養生費と廃棄物処理費、申請等事務処理手続きに分類されます。
1:屋根解体
屋根の素材や構造により屋根の解体費用に差がでます。現在多く使用されている屋根素材には、トタン、ガルバリウム、モルタル、瓦、スレートなどがあります。
屋根の撤去費用は平米単価で計算されます。スレート屋根はアスベストが含まれるタイプと含まれないタイプがあり、含まれるタイプは、アスベストの処理ができる解体業者に依頼をしましょう。
アスベスト含有スレート屋根の解体費用の一般的な相場は、1平方メートル約3,000円~5,000円です。アスベストが含まれないスレート屋根やトタン、ガルバリウム、モルタル、瓦の解体費用の一般的な相場は1平方メートルあたり2,000円~3,000円が目安になります。
屋根の解体費用のみの相場で足場や撤去に関わる諸経費が含まれない場合があります。
2:仮設工事
解体工事を進める前に、高い場所の解体作業に必要な足場の設置や解体物件を覆うシートの設置など、本来の解体作業前に用意しておく工事のことを仮設工事と言います。
解体作業中にでる埃を広げないための散水に使用するため、散水車の手配や仮設水道を確保します。作業中の仮設電源の設置や、仮設トイレの設置も仮設工事に含まれます。
仮設工事の一般的な費用の割合は、全体の解体工事費用の2%~5%程度が目安です。
3:基礎撤去
家の基礎のタイプには「べた基礎」と「布基礎」や「杭基礎」があり、タイプにより解体費用が変わります。
「べた基礎」は床一面に鉄筋コンクリートでつくられ、家の基礎全体を支える構造です。耐震性が高く、湿気を避け、シロアリを防ぐメリットがあります。撤去費用が「布基礎」に比べ高くなります。鉄筋コンクリートを重機などで壊す必要があるためです。
「布基礎」は、建物の壁に沿ってコンクリートを部分的に逆T字型で間隔をあけて配置されます。耐震性は「べた基礎」より弱く、床下の湿気がたまりシロアリ被害がおこりやすい基礎ですが、解体はしやすく「べた基礎」に比べ、撤去費用がリーズナブルです。
「杭基礎」は、地中深くにコンクリート製の杭を打ち込みます。耐久性はべた基礎より優れ、地盤が緩い土地などで採用されます。杭基礎の解体工事は「杭抜工事」という特殊工事が必要になり、費用が高額です。
4:重機解体
重機解体は、解体する建物の敷地に重機が入るスペースを確保する必要があります。解体物件の構造によって、使用する重機のタイプが変わり費用も違いがでてきます。
解体物件が何階建ての建物なのか、地下室の有無、物件の材質にアスベスト使用の有無、基礎のタイプなどにより解体に必要な重機のタイプが変わってくるためです。
また重機解体は、周囲への安全配慮のために警備員を配置する場合もあり、人を増やす場合は解体費用が高くなります。
5:樹木撤去
樹木撤去は、解体物件費用に付随して発生する費用です。解体物件の敷地内にある樹木の種類や抜根をするのかによって費用に差がでます。
複数の解体業者に樹木撤去の費用の見積もりをとりましょう。根が隣の敷地にまで伸びている場合は、トラブル防止のために隣人の許可をとっておきましょう。
6:人件費
解体物件の作業に必要な人件費は、解体作業を重機で行う場合か、手作業の場合か、で差がでます。また地域によって人件費の給与相場に差があります。
複数の解体業者から見積もりをとり、人件費がかかる理由も含めて確認しましょう。
信頼のおける業者に任せることで、届出に必要な申請書類の用意や申請を行ってくれるというメリットもあります。必ず作業内容を確認しましょう。
7:ブロック塀
ブロック塀の解体は、立地環境によって費用が変わります。解体に重機を使えるスペースがあれば重機で、隣接する家との境が近くて重機では行えない場合は人の手による作業になります。
解体するブロック塀の廃材の運搬でも、費用の違いがでてきます。一般的なブロック塀の解体相場は1㎡当たり5,000円~8,000円と言われていますが、立地環境によって大きな差がでます。あくまでも目安にしましょう。

8:重機運搬費
重機運搬費は、重機回送費と呼ぶことがあります。どちらも解体工事に使用する重機の運搬費用のことです。
解体物件の環境により使用する重機は様々ですが、一般的に1台当たり30,000円~50,000円程度が目安になります。ただし運送距離によって差がでるため、一概に言えません。
見積もり項目に、重機運送費や重機回送費がない場合、諸経費に含まれる場合があるため、解体業者へ確認しましょう。
9:内装解体
内装解体は、解体対象物件の内装を解体する作業です。一般的な家の内装解体費用の相場は15,000円~45,000円と言われています。
ただし床や壁や天井に使われる材質がアスベスト(石綿)を使用している場合は、対策を取った上で除去が必要なため専門の処理をする必要があります。
10:その他の付帯物
その他の付帯物は、車庫、物置、井戸、庭石、浄化槽や家の残された家具など、解体物件の付属的な対象物のことを指します。
解体物件の本体価格には含まれず、その他の付帯物と明記される場合は、追加費用として発生します。見積もりを複数とり、廃棄物として適格な処理がされるのか確認しましょう。
相場はどんな付帯物を処分するのかにより費用に差があるため、複数の解体業者から見積もりをとりましょう。
11:諸費用
諸費用は、上記以外の細かな出費となります。近隣への挨拶用の粗品や、重機や解体業者の駐車費用、申請書類作成費用や申請手続き費用などです。
これらは、諸費用として費用が発生します。費用の割合は、一般的に解体費用の約20%~30%と考えておくとよいでしょう。ただし、解体物件の環境や解体業者によって差があります。あくまでも目安と考えてください。
12:養生費
養生費は解体工事のために解体物件を養生シートで覆い、近隣に遮音する、また解体時に建物の廃材の崩落・飛散を防止するために発生する費用です。
ただし義務ではないため、養生シートを使用しない解体業者もいます。養生を隙間なく設置する仕様になっていますが、解体物件の立地条件によって適格な対応をしてもらう必要があります。
場合によっては、粉塵飛散防止の散水をする場合もあります。その場合、養生費は発生しません。こちらも業者によって差があります。
13:届出などにかかる費用
各種届出書類にかかる費用のことです。解体工事の請負工事契約の締結があり、解体工事に着手する前に、道路占用許可申請や廃材のリサイクル法の申請書類を用意してもらいます。
ここで届出用紙の作成費用が発生します。また解体後に建物滅失登記申請が必要になりここでも費用が発生しますが、いずれも申請を自分で行うと費用を抑える事ができます。
届出義務がある申請手続きのため、必然的に発生する費用と理解しておきましょう。ただし、解体業者や専門家の方へ依頼する場合と自分で行う場合で、費用負担が変わってきます。複数の見積もりをとることをお勧めします。
家の解体費用を安くする方法4選

家の解体費用は、立地条件や構造、周辺の解体工事など様々な要因によって費用が確定します。100万円以上の費用が発生する場合もあるため、安全を最優先に、なるべく家の解体費用を抑えたいと考える方も多いのではないでしょうか。
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1:リサイクルに積極的に出す
家の中にある家具など不要なものは、一度リサイクルショップに査定してもらい値がつくものは買ってもらいましょう。
値がつかないものは、解体業者に相談して無料で引き取ってもらえる場合や処理方法を教えてもらえる場合があります。処分に必要な見積もり額と、一般ごみや粗大ごみで処分できる額を比較してコストが抑えられる処分方法を選択しましょう。
2:補助金・助成金を使う
各自治体が用意してくれる、家の解体を対象とした補助金や国の助成金を活用する方法です。
ただし、国や自治体の条件に合致している必要があるため、条件をしっかりと確認しましょう。自治体の補助金対象条件例としては、耐震診断で倒壊の恐れありと診断された建築物、申請者が市税の滞納者ではないなどがあります。
国土交通省の空き家再生等推進事業の除去事業タイプでは、対象施設に該当する場合は、除去のための助成対象費用があります。
対象になる建築物
・不良住宅…住宅地区改良法大2条第4項に規定・空き家にかかわらず対象
・空き家住宅…空地が地域活性化のために供されるもの
・空き建築物…跡地が地域活性化のために供されるもの
3:一括査定サイトを利用する
家の解体について、複数の解体工事業者を一括で査定依頼できるサイトを活用する方法があります。一括査定サイトは、解体工事業者の仲介サービスを行っています。
複数の解体業者の見積額を比較し適正な価格帯や、信頼できる解体業者を見つけましょう。
4:内訳もしっかり確認する
査定金額を解体業者からもらったら、家の解体費用の内訳を確認しましょう。家の解体費用の内訳は大きく5つに分かれます。詳細はもちろんのこと各項目の費用割合のバランスについて確認しましょう。
解体費用内訳のおおよその割合をご紹介します。地域差があるため、あくまでも目安にしましょう。
1.諸費用(20%~30%)
2.付帯工事費用(各立地条件によります。)
3.建物取壊費用(30%~40%)
4.廃棄物処理費用(30%~40%)
5.解体業者利益(20%~30%)
家の解体費用相場を把握して節約しよう

家の解体費用相場を把握しましょう。最近では、解体の坪単価が上昇している傾向があります。
なるべく解体相場を把握して、自分で手続きできる申請処理や家財処理など費用を抑えて進めましょう。
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