家を解体する場合の費用相場について解説します。工事で建物を解体し、土地を売却をする際のメリットも紹介!家の解体を行う場合の費用を抑えるポイントや、更地にする場合のメリットやデメリットなど詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
家の解体工事にかかる費用の相場を知りたい!
近年「空き家」の問題が注目されているように、住まなくなってしまった家を長期間放置している人が増加しています。家の解体方法を知らない、解体後の対処が分からないなどと悩んでいる人もいるようです。
家を解体することなど滅多にありませんが、だからこそ納得のできる工事をしなくてはいけません。解体工事の費用や工事の内容、家男を解体して更地にする場合のメリットや、デメリットなどを紹介していきます。
家の解体工事にかかる費用の相場を知りたい!

家の解体費用の相場は、家の大きさや建物の構造などと共に地域によっても大きく変わります。それぞれの違いが費用相場に関係しているのか、確認していきましょう。
構造別の解体費用の相場
構造の種類は主に、木造、鉄骨造、RC(鉄筋コンクリート)造があります。基本は、構造体が固くなればなるほど、解体費用がかかってしまうと覚えておくとよいでしょう。
丈夫な構造体は、解体のために重機や職人の数が多く必要になります。解体に手間がかかってしまうことが、費用を高くしてしまうのです。戸建ての家だけではなく、マンションやアパートなども同様になります。
解体で発生した廃材の処分費用も構造の違いで費用が異なり、頑丈なものは処分費用も高くなってしまいます。解体費用の相場は以下の通りです。
木造 | 3~5万円 |
---|---|
鉄骨造 | 4~6万円 |
RC(鉄筋コンクリート造) | 6~8万円 |
木造住宅の場合、構造が複雑になっているものなどは例外的に費用が高くなってしまうことがあります。そのため、事前にしっかりと確認をする必要があります。
面積別の解体費用の相場
解体を行う家が広ければ、解体費用がかかってしまうことは容易に想像ができます。単純に手間が増えるからですが、地階がある場合などは特殊な工程が増えるのでその分費用がかさんでしまいます。
しかし、広くなればなるほど坪当たりの単価が安くなる傾向があります。狭小住宅が高く、大きな家の方が坪単価が安いということになるのです。
ただし、全体としては広さがあるので高いことに変わりはありません。ここでは木造住宅を解体する場合における、坪単価の相場をチェックしてみましょう。
地域や立地別の解体費用の相場
立地条件によって、解体費用は大きく異なってきます。立地条件の違いとは「都市部か地方か」ということであり、都市部では工事を行う解体業者の人件費や、家賃などが高くなってしまいます。そのために工事費用へ反映されてしまうのです。
これ以外にも、立地条件によっても費用が高くなります。住宅密集地、傾斜地、狭小地、旗竿地などに家がある場合、重機が入っていけないこともあります。近隣への配慮も通常よりも必要です。手作業が増えてしま事になるので、費用がかさんでしまいます。
家の解体費用の内訳

家の解体工事の相場と高くなる理由が分かりました。ここからは作業ごとに必要な費用の内訳相場を紹介します。どのような場所に費用がかかるのか確認していきましょう。
内訳①廃棄物処理費
解体費用の中で一番大きな金額となるのが、廃棄物処理費になります。家を解体すると、驚くほどたくさんの廃棄物が出てきます。木くず、ガラス片、プラスチックにコンクリート片など種類も異なる廃棄物の処分が必要です。
一般的な2階建ての家(木造住宅)を解体した場合、産業廃棄物は4トントラックで10台分近くにもなります。解体された廃棄物は産業廃棄物となり、一般の家庭ごみのように処分をすることができないため、手間暇がかかるのです。
住宅などの処分は廃棄物処理法が定める廃棄方法での廃棄処分が必要です。マニフェストなど、適切な処分を行った証明書の発行が必須になります。
内訳②本体工事費
廃棄物処理費と共に高額になるのが、本体工事費です。家の取り壊し、足場や養生などの設置費用、作業員の人件費や重機代も入ります。費用の相場は以下の通りです。
木造 | 坪3~5万円 |
---|---|
鉄骨造 | 坪4~7万円 |
RC(鉄筋コンクリート)造 | 坪5~8万円 |
内訳③アスベスト除去費
アスベストは人体に影響を与えるものとして、現在は使用を禁止しています。規制前の建物を解体する場合には、建築基準法の定めによって解体時に適正処理を行うことが決められています。
アスベストが使用されてるのか、解体工事前に調査が必要です。アスベスト処理は、特殊な作業となるので費用がかかります。想像以上にアスベスト除去に時間がかかったり、含有量が多いと見積もり以上に費用がかかり、別途負担となるでしょう。出典:アスベストQ&A(国土交通省)
内訳④付帯工事費
付帯工事人は、建物本体以外の工事や作業です。室内の残留物(不用品処分)やブロック塀などの解体費用が付帯工事にあたります。現場によって付帯工事の内容も異なってくるので、付帯工事費が発声している場合には詳細を確認することが必要です。
付帯費用として挙げられるものとして、ブロック塀や不用品以外にも地中埋設物(井戸や浄化槽)などがあります。事前に解っているものは見積もりに入れることができますが、解体工事中に発見された場合には追加で費用が請求されます。
付帯工事として不用品処理を依頼した場合には、粗大ごみなどの処分費用に比べてかなり高くなってしまいます。できる限り自分たちで処分をすることを勧めますが、予想以上の費用が掛かると思っておきましょう。
内訳⑤諸経費
諸経費とは、家の解体工事以外の費用であり、事務費など細かい費用のことです。相場は工事費用全体の1割とされており、値引き交渉に応じてもらうことも可能です。大幅な値引きを希望して対応仕手もらった場合に、しわ寄せで工事が雑にされてしまうこともあります。
家の解体工事の手順

解体費用について分かったところで、実際の解体工事の手順を確認しましょう。実際に作業を行った場合に、作業内容が違った場合には確認をするようにしてください。
手順①業者と契約・解体準備を行う
解体工事を行う際には業者選びからスタートします。見積もりは数社に依頼すると、相場や高い費用を請求されるなどということを防ぐことができます。
見積もり依頼をする際には、必ず現地調査をしてもらいましょう。地中埋設物の有無、土地の形状などによって、費用が異なってくるからです。現地調査はできる限り立ち会うようにすると、いい加減な現地調査での見積もりなどを防ぐことが可能です。
納得のいく携帯業者を選ぶことができれば、契約を行います。不明点や気になることは契約時までに解決しておきましょう。トラブルなどが発生しないようにするためにも必要です。
解体工事には申請などが必要になるので、申請書類を作成して申請します。この際に必要な書類は解体業者が作成してくれることが多いので、委任状などを作成して代行してもらうようになるでしょう。
手順②解体工事を行う
解体工事は、近隣への挨拶をすることが大事になります。施主と業者が共に行ったり、業者のみが行ったり、方法はいくつかありますが、工事の説明と理解を得ることでトラブルを未然に防ぐことが可能です。
その後、外構の解体、足場養生を設置して建物内部、屋根、建物本体の解体へと進みます。解体にはトータルで1カ月ほどの時間がかかると考えておくとよいでしょう。建物自体は、木造で3~10日、鉄骨造は10日~、RC(鉄筋コンクリート)造は14日ほどを目安とします。
手順③廃材処理と整地工事を行う
解体が終わると、掘り起こした土地を平らにするために整地を行います。必要に応じた整地方法を行いますが、売却などの予定がない土地の場合には、粗整地をしておくようになります。きれいな更地にしておくことが、売却をする際にも有利となるでしょう。
解体で出た廃棄物は決められた方法や種類に分別をして、産業廃棄物として処分を行います。一般廃棄物としての処分ができないで、一般ごみと一緒に処分をしたり、不法投棄などをされないように気をつけましょう。
処分を行った時には、マニフェストという産廃処理を行った証明書類が発行されるので必ず受け取りましょう。マニフェストがもらえない場合には確認が必要です。正しい処分を行わない場合には業者だけではなく、施主も罰せられてしまいます。
家を解体して更地にするメリット

家を残しておいて、そのまま土地を売却しても問題がないのではないかと思われるかもしれません。解体して更地にするメリットとは何でしょうか?紹介していきます。
メリット①土地が売却しやすくなる
古い家をそのままにして売却をすることも可能ですが、その場合には解体費用などが引かれた金額で売却されてしまうこともあり得ます。実際の解体費用よりも、高い金額を引かれてしまうこともあります。
家の解体工事は面倒であるので、土地の購入を考えている人は、できれば更地や整地されている土地を購入したいと考えます。手間が省ける分高く売却してもらえる可能性も出てきます。売却がしやすくなるでしょう。
メリット②家の管理をする必要がなくなる
解体を検討する家は現在住んでいない場合が多く、管理をするための時間や手間が発生してしまいます。老朽化が激しい家などは倒壊の可能性もあり、近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性があります。
管理が行き届かないことで、悩んでしまうこともあるでしょう。解体をすることで管理の手間や周辺住民への配慮、動物や不審者に侵入されてしまうような心配もありません。
メリット③効果的な土地活用に繋がる
空き家がなくなることで、土地の売却だけではなく、有効活用を考えることもできます。更地をコインパーキングにしたり、農園にして貸し出す、事業用として企業へ貸すことも可能です。収入を得ることができるようなります。
収入を得るためには立地条件も大事になってくるので、条件が良ければ検討してみるのも良いでしょう。その場合には、不動産会社などに相談してみましょう。
家を解体して更地にするデメリット

メリットを紹介しましたは、もちろんデメリットもあります。メリットとデメリットを知り、所有する家を解体するべきか検討をしましょう。
デメリット①固定資産税の減税が受けられなくなる
建物が建っている土地には、固定資産税、都市計画税が最大1/6から1/3への減税が受けられます。家を解体してしまうと、この減税を受けることができません。
土地だけを所有していると、いままでの何倍もの税金を支払うことになってしまいます。大きい金額なので、解体をする場合は注意が必要です。
ただし平成26年に「空家等対策措置法」によって、特定空家に指定された家屋は減税措置が受けられなくなってしまいます。空き家でも減税措置が受けられるということではなくなりました。現状の建物の状態、今後の土地活用について検討をして、判断をするようにしましょう。出典:家を取り壊した場合の固定資産性はどうなりますか?(岡山市)
デメリット②建物滅失登記を行う必要がある
家や建物を取り壊した場合には、建物の減失登記を行う必要があります。解体後1カ月以内に行わないと以下のようなデメリットが生まれてしまいます。
- 土地売却ができない
- 解体した建物に固定資産税がかかり続けることになる
- 建築許可が下りない、建て替えができない
- 建物の所有者が亡くなった場合、手続きが煩雑になる
- 申請義務があるので、怠ると10万円以下の罰金などに処される場合がある
建物減失登記を怠ることで土地活用をできなくなってしまうなど、問題が起きてしまうので必ず登記を行うようにしてください。出典:建物を取り壊した(法務局)
デメリット③再建築不可になることがある
住宅に関する法律は毎年といってよいほど変わっています。今までの法律では建てることが可能であっても、現在の条件では建築ができないということもあります。
これを「再建築不可物件」といい、今ある建物であれば法律違反とはなりませんが、建て替えを行うことができないというものです。解体してからでは手遅れとなってしまうので、事前に確認をして解体を行う判断をしなくてはいけません。出典:建築基準法第42条の規定による道路(東京都整備局)
家の解体費用を安くするポイント

決して安くはない家の解体費用ですが、安くすることは可能です。どのようなことで安くすることが可能なのでしょうか?ポイントを紹介します。
ポイント①複数の解体業者に見積もりを依頼する
解体工事の見積もり依頼をする時は、複数の業者に依頼してください。1社だけで依頼をしてしまうと、地域の相場を知ることができません。相場よりも高い金額を支払ってしまう可能性もあります。複数の業者から、自分の条件に合った解体業者を選ぶためにも必要です。
複数の業者に見積もり依頼を出すことに抵抗を感じるかもしれませんが、一般的に行われていることなので気にせずに依頼をしてください。
ポイント②不動産会社に相談する
地元に詳しい不動産会社であれば、解体業者を紹介してくれたり、必要な手続きなどに関してもアドバイスをくれるでしょう。自治体によっては助成金の制度があるので、確認してみるとよいです。
不用品の処分や建物減失登記など、慣れないと分からないことも親身になって教えてくれます。不動産会社へ相談をしてみましょう。
ポイント③庭木や不用品を自分で処分する
自分たちで処分をすることができるものは、自分たちで処分するようにしましょう。解体業者や処分業者へ依頼すると自分達で処分するよりもかなり高い金額を支払うことになります。費用を抑えたい場合には、できるだけ自分達で処分を行うようにしましょう。
ポイント④解体工事の繁忙期を避ける
解体工事を依頼する場合、繁忙期を避けると費用を安く抑えることができます。解体工事だけではなく、建築業界では12~3月が繁忙期です。決算や積雪の時期が重なることも理由であります。この繁忙期を避けることで、解体工事費用を安く抑えられる可能性が出てきます。
ポイント⑤自治体の補助金制度を活用する
自治体によっては、解体工事の費用を助成してくれる制度を設けているところもあります。空家等対策措置法の推進を図るために、助成金が交付されることがあるので、解体予定の空家が制度を利用できるか調べておきましょう。
ポイント⑥フリーローンや空き家解体ローンを活用する
家の解体は費用がかかります。すぐに解体費用を工面できない場合には、ローンや空家解体ローンなどを利用してみるのもいいでしょう。
空家解体ローンなどは聞きなれないと思いますが、空き家となっている建物と付属建物の解体費用として借入が可能なローンです。住宅ローンなどとは違い、借入期間が短いので実際に利用される際は気をつけておく必要があります。
家の解体費用の相場は建物の構造や広さによって大きく異なる!

家の解体費用の相場について紹介しました。解体費用の相場は、建物の構造や色さ、地域などによっても異なってきます。費用の相場を知りたい場合には、解体業者や不動産会社へ相談をしてみてください。
家の解体費用は決して安いものではありません。さまざまな条件をチェックして、費用が抑えていくようにしましょう。