空き家をリノベーションする利点や欠点|減税制度や事例もあわせて紹介

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空き家をリノベーションする際の減税制度

空き家の耐震改修や省エネのリフォームを行った際に、所得税の減税制度や固定資産税の減額措置が受けられます。

ここでは、これら2つのリノベーションに関する減税制度・減額措置について詳しく紹介します。

所得税が控除される

住宅をリフォームした際に受けられる所得税の減税制度は3種類あります。

5年以上のリフォームローンを利用した場合に適用される「ローン型減税」、10年以上のリフォームローンを利用した場合の「住宅ローン減税」、自己投資のみや5年未満のローンを利用してリフォームした場合の「投資型減税」があります。

耐震改修工事や、省エネリフォーム、同居に伴う増築工事などリフォームの種類、適用され減税制度によって要件が異なります。

出典:リフォームの減税制度|住宅リフォーム推進協議会

固定資産税を減額できる

固定資産税の減額措置も所得税と同様に、耐震改修や省エネリフォーム、長期優良住宅化のリフォームを行った際に受けることができます。固定資産税の減額措置は、リフォームの種類ごとに対象条件が異なりますので注意しましょう。

また、増築や建物の柱・梁などの主要構造部分をリフォームした場合、結果的に建物の価値が上がり固定資産税が高くなる場合もあります。

出典:耐震化のための建替え又は改修を行った住宅に対する固定資産税・都市計画税の減免(23区内) |東京都主税局

空き家リノベーション向けのローンもある

空き家対策特別措置法が施行されて以降、地方銀行を始めとした民間金融機関が「空き家関連ローン」を開始するようになりました。

空き家関連ローンのうち、「活用ローン」は空き家の改修を対象にしたローンです。

活用ローンは、空き家の購入者の購入資金に対するものや、防火や耐震、防災・防犯に関する設備対策費、太陽光発電といった環境配慮型設備工事費に及ぶものなどがあります。

出典:空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)の概要|国土交通省

空き家をリノベーションする際の利点6つ

空き家のリノベーションには、資産価値の上昇、新築と比べたときのコストの安さなど様々なメリットがあります。

ここでは、6つの空き家リノベーションに関するメリットについて6つに分けて詳しく紹介します。

1:資産価値が上がる

築年数の古い物件や古びた空き家の資産価値は低いため、よほど立地が良いといったメリットがない限り、価値は付きにくいでしょう。骨組みが頑丈な建物の場合、リノベーションにより資産価値が上がる可能性があります。

また、空き家は所有するだけでも固定資産税が発生しますが、特定空き家に指定された場合、高額になってしまいます。こういった負担も、リノベーションにより軽減されます。

2:新築よりコストが抑えられる

空き家を解体し新築の家を建てる場合、解体費用に加え新築費用がかかります。しかし空き家のリノベーションは建物の骨組みを利用できるため、同条件での新築や建て替えする場合よりもコストを抑えられる可能性が高いでしょう。

3:倒壊や犯罪の危険性を抑えられる

空き家を放置していると倒壊したり、空き巣などの犯罪の危険性が高くなったりします。もし倒壊が発生した場合、近所に迷惑がかかり、住人の方に損害を与えて賠償を求められるといった事態に発展する可能性があります。

今後居住する人がいるかどうかに関わらず、リノベーションを行うことで、このような危険性を低くすることができます。

4:自治体や国からの支援が充実

国や自治体は、空き家問題解決のために、補助金や助成金といった制度を設けています。例えば東京都八王子市では「空き家利活用促進整備補助金」として、空き家を地域活性化のための施設に改修する上で、工事費の2分の1が補助されます。

これらの支援を活用することで、新生活を始める上でのコストを減らすことが可能です。

出典:八王子市空き家利活用促進整備補助金「地域活性化施設改修」のご案内

5:ビジネスとしても利用できる

居住のために行うのではなく、ビジネスとして利用するために、空き家をリノベーションする方もいます。例えば、古民家カフェや美容室といった形で開業するケースがあります。他には、地域住人との交流拠点や、外部から来た方向けの宿泊施設の民泊として活用することも可能です。

空き家のリノベーションにより、古き良き外観を残しつつ、おしゃれな空間を作ることができます。

6:古材を活かしたリノベーション

築年数の古い空き家には、太く頑丈な梁や、強度の高い柱など、貴重な木材が使われている物件があります。リノベーションすることで、古材による空間演出ができます。

近年では、古材やエイジング加工された木材は、おしゃれなヴィンテージ感を出すために、内装や家具として活用されています。また、古くなった実家のリノベーションでは、老朽化した部分のみを改修し、残したい部分を残すことができます。

空き家をリノベーションする際の欠点3つ

空き家リノベーションによる様々なメリットを紹介しましたが、その反面、注意すべきデメリットも存在します。主に、耐震工事が必要なケース、費用が高くなるケースがあることや、構造によってはリノベーションが不可能な場合があることがデメリットとして考えられます。

ここでは、空き家のリノベーションに関するデメリットについて詳しく紹介します。

1:耐震工事が必要な場合がある

空き家リノベーションに関し、耐震性は特に懸念すべき点です。古い物件に関しては、耐震リフォームの費用まで含めて予算の計画を立てる必要があります。

また、国交省の定めた現行の耐震基準は昭和56年以降であるため、それ以前に建てられた物件に関しては、耐震補強工事を要する可能性が高く、特に注意が必要です。

出典:住宅・建築物の耐震化について|国土交通省

2:建物の状態によっては費用がかさむ

建物の状態次第では、新築や建て替え以上に費用が高くついてしまう場合があります。例えば、建物の基礎がシロアリによる腐食を受けていた場合などは大掛かりな修繕を要すため、建て替えの方が安上がりになることがあります。

また、空き家のまま長年放置していた場合には、改修がフルリノベーションとなることも考えられます。この場合は、費用がさらに高くなります。

3:構造によってはできないこともある

建物の構造によっては、リノベーションが可能な範囲が限定される場合があります。特に戸建てに関しては、耐震や耐久性のために構造上必要な柱や梁といった構造体が密接に関係します。

空き家をリノベーションする際のコスト相場3つ

空き家のリノベーション費用は、新築以上に幅広い傾向があります。どこまで手を加えるかだけではなく、既存部分の傷みの度合いによって費用は大きく異なります。また工期や工事内容でも費用が変わります。

ここでは、工事内容ごとの費用の目安と、全体的なリノベーション費用の相場、部分的なリノベーション費用の相場について紹介します。

1:工事内容ごとの費用の目安

費用は、工事内容によって大きく異なります。

相場の例では、壁紙交換で1平方メートルあたり1000円、床材張り替えで1畳あたり1万~10万円、耐震補強・改修で25万~150万円、断熱リフォームで1平方メートル当たり5万~3万円、洗面所のリフォームで10万~50万円程度が相場です。

2:全体的にリノベーションをする場合

壁の撤去により間取りを変更するといった全面的なリノベーションを行う場合は、500万円~2000万円程度が相場です。

ただ、建物の老朽化の度合いや導入する設備により価格は変動します。300万~500万円程度で古民家のリノベーションができたという事例もあるため、まずは空き家の工事を請け負う業者に相談すると良いでしょう。

3:部分的にリノベーションをする場合

空き家を売却する際に、見た目の不快感を除去するためのリノベーションであれば、部分的なリノベーションのみで問題ない場合があります。壁紙や床の部分的な交換工事や、トイレやキッチンなどを同時にリフォームする際の費用は、合計で数10万~500万円程度です。

ただ、外壁の塗装を行うと100万~300万円の費用がかかります。

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空き家をリノベーションした事例3選

空き家リノベーションの事例としては、群馬県の空き別荘を再生した事例、京町屋のリノベーションの事例、福岡県の空き家をシェア店舗にリノベーションした事例があります。

ここでは、これら3つの空き家リノベーション事例について詳しく紹介します。

1:空き別荘をリノベーションで一新

北軽井沢にある別荘は、利用者のいなかった期間が10年程度続いており、屋根やバルコニー、床などの老朽化が見られました。

リノベーションを実施し、インテリアコーディネートを行い、レトロな北欧ヴィンテージを思わせる家具や食器を取り入れたことで、シンプルな内観に落ち着いた空間となりました。北欧ヴィンテージ感と北軽井沢の雰囲気が合わさった別荘です。

2:町屋の趣を活かしたリノベーション

こちらの京町屋(京都の町屋)は、格子、欄干(らんかん)、下見板張りといった京町屋の特徴を持っています。

奥ゆかしさのある弁柄(べんがら)に染まった柱と、白い漆喰壁とのコントラストが非常に魅力的です。また自然塗料である弁柄は、シックハウスの原因にならない、安全な塗料です。壁材である「漆喰」は、天然性、不燃性、調湿性などの、高い機能性を持っています。

素材から設備に至るまで、人と環境に優しい京町屋です。

3:シェア店舗へリノベーション

福岡県飯塚市のこちらのシェア店舗は、築49年の空き家をリノベーションし、シェアサロンとして生まれました。リノベーション会社によって運営されています。

主婦の社員から子育てなどの関係上、家の一室を店舗にして仕事をしたいという要望がありましたが、予算の都合で実現は不可能でした。その一方で、空き家の相談も受けていたため、空き家を活用できる業種の店舗ということで、シェアサロンのオープンに至りました。

空き家をリノベーションする際は業者としっかり相談しよう

既存の住宅を活かして再生する上では、思いもよらず多くの時間や費用を要する場合があります。工事方法等も様々であるため、新築とは別で知っておかなければならないことも多々あります。

そのため、空き家のリノベーションを行う際は、熟知した業者の方へしっかりと相談をしましょう。

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