アスベストについて改めて知ろう!「悪性胸膜中皮腫」ってどんな病気?危険性を解説

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「アスベストはとても危険なものだ」という漠然とした知識は、現在では広く認識されるようになってきました。では、一体アスベストによって引き起こされる健康障害にはどのようなものがあるのでしょうか。

今回は重篤な健康障害のなかでも「悪性胸膜中皮腫」という病気に特にスポットを当てて見ていきましょう。

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人体に多大な健康被害を及ぼすアスベストはニュースや新聞などで目にすることが多いでしょう。築40年以上を超える建物を解体する場合は、アスベスト建材が使われていることがあるため、適切な除去や処分などを行う義務が生じます。この記事ではアスベストについて解説します。

1 アスベストの危険性と健康障害

アスベストは、何が危険なのか

アスベストは、非常に微細な繊維状の鉱物で、石綿(いしわた・せきめん)とも呼ばれています。強くて丈夫、なおかつ安価であるため、「奇跡の鉱物」と呼ばれるほどになり、1980年代まで建材や保温材など多種多様に活用されてきました。

しかし、アスベストはとても細い繊維状の物質です。どのくらい細いのかというと、たとえばヒトの髪の毛の直径は40μm~100μmという数値なのですが、それに比べてアスベストは0.02μm~0.35μmという驚異的な細さ。肉眼では見ることもできないほどなのです。

これだけ細かいと、切断機や研磨機などを使ったり、吹き付け剤として使用されたものを除去したりといった際に、空中に飛散して浮遊しやすくなるという特徴があります。

アスベストの怖いところはここなのです。「アスベスト自体が今、ここにある」という状態であればさほど差し迫った危険性はないのですが、その微細な繊維が空中に飛散してしまい、それを人が吸い込むことによって引き起こされる健康被害が恐ろしいのです。

吸い込まれたアスベストの一部は異物として体外に排出されますが、丈夫で変化しにくい性質をしているため、ほとんどは肺の組織内に蓄積されるといわれています。

そしてこれが重篤な健康被害を引き起こすのですが、その際もアスベストをどれだけの量・どれくらいの期間吸い込んだらどの程度の症状が出る、というところまではわかっていません。

さらにアスベストによって起きる症状は潜伏期間が大変長く、場合によっては50年もの年月を経て発症するものもあるほどです。

そのため、今はそうでなくてもかつてアスベストを扱う仕事に従事していた人や、アスベスト関連の工場近隣に住んでいた人が、忘れるほど長い歳月を経たあとに苦しめられることが多いのも、アスベストの危険性の高さを物語っています。

アスベストが引き起こす健康障害とは

アスベストが引き起こす症状には、代表的なものとしてまず「石綿(アスベスト)肺」が挙げられます。

肺線維症(じん肺)といって、肺が繊維化してしまう病気のうち、原因が粉じんや薬品などではなくアスベストであるものが特にこの名称で呼ばれています。潜伏期間は15~20年といわれていて、大変長いのが特徴です。

また、「肺がん」もアスベストが一因となって引き起こされることがあるといわれていて、そのメカニズムははっきりとは解明されていませんが、やはり肺細胞に残留した微細なアスベスト繊維の刺激によるのではないかという説があります。こちらも潜伏期間は15~40年と、相当長くなっています。

まだ、アスベストが要因となる症状でもっとも大きいものが「悪性胸膜中皮腫」です。この病名を初めて耳にしたという人も少なくないでしょう。

次項では、この悪性胸膜中皮腫について特に細かく取り上げて見ていきます。

悪性胸膜中皮腫とは

悪性胸膜中皮腫の概要

中皮とは何か

体の中にある臓器、たとえば心臓や胃などは、膜に覆われています。肺を取り囲む膜は胸膜といい、肝臓や胃などを囲むものは腹膜、心臓や大血管の起始部分を覆うものは心膜といわれていて、さらにこれらの膜の表面を覆いその動きをスムーズにするはたらきをしているものが「中皮」です。

中皮腫とは

中皮腫とは、その名の通り、前項で説明した中皮という部分に発生した腫瘍を指します。悪性腫瘍のひとつであり、病気としてはまれな部類ですが、その原因のほとんどはアスベストによるものとされています。胸膜に発生する悪性の腫瘍のことを、特に悪性胸膜中皮腫といいます。

悪性胸膜中皮腫の症状と種類

悪性胸膜中皮腫の主な症状は胸痛やせき、大量の胸水による呼吸困難や胸部圧迫感などが挙げられます。

また、その性質には「限局性」のもの(1カ所にかたまって腫瘍を形成するようなもの)と、「びまん性」のもの(胸膜に沿って広くしみこむように形成するようなもの)があり、多くはびまん性のものだといわれています。

がん細胞の素質型としては、「上皮型」「肉腫型」「二相型」などの種類に分けられます。

上皮型はもっとも多いタイプで、全体の6割を占めます。頻度がもっとも高く、病気の経過が他のタイプよりも良いとされています。

肉腫型は全体の1割を占めるタイプで、進行が速く経過も悪いのですが胸水の貯留は少ないといわれています。

二相型は、上記2種類の混合型で、病気の進行も経過も2種類の中間といったタイプです。

このようにタイプによって病気の進み具合や経過の良し悪しには差が出るため、治療の方針を決める際にはこの点にも注意を払わなければいけないのです。

悪性胸膜中皮腫の治療

悪性胸膜中皮腫は、非常に治療が難しく治りにくい病気のひとつとされています。そのため、病変の状態や進行具合、がん細胞の素質型などを考慮しながら「外科療法」「化学(薬物)療法」「放射線治療」といった方法で治療を進めます。これらの複数を組み合わせて行うことも、もちろんあります。

外科療法

病変が他の臓器やリンパ節に転移しておらず、胸膜に限定されていて、手術で取り除くことができそうだという判断になれば外科療法が取られます。

片側の肺をすべて切除する胸膜肺全摘除術と呼ばれる手術や、外側の胸膜の切除および内側の胸膜はぎ取る手術などがありますが、どちらも大きな手術であり、しかも術後の経過は非常に厳しいというのが悪性中皮腫の特徴でもあります。

そのため、外科療法で病巣の切除が成功しても、これに組み合わせて化学(薬物)療法や放射線治療も行われることが多いのです。

化学(薬物)療法

実は、悪性胸膜中皮腫は胸膜の肥厚や多量のしこりといった症状によって、外科療法は困難であると判断されることが多い病気です。そのため、化学(薬物)療法で治療を進められるケースが一般的なのです。

実は、悪性胸膜中皮腫は胸膜の肥厚や多量のしこりといった症状によって、外科療法は困難であると判断されることが多い病気です。そのため、化学(薬物)療法で治療を進められるケースが一般的なのです。

放射線療法

悪性胸膜中皮腫は病巣の範囲が広くにわたることが多いため、比較的狭い範囲に効果を発揮する放射線治療は、他のがんのように重要な治療法に至っていないというのが現状です。

したがって、悪性胸膜中皮腫に放射線治療が用いられるのは、痛みの緩和や転移の制御といった位置づけであることが多くなっています。

また、他のがん治療には大きく効果が期待できる新たな放射線治療法に関しても、悪性胸膜中皮腫の治療に対してはまだ効果が明らかではないものが多く、今後の研究に期待が持たれる部分です。

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まとめ

アスベストによって引き起こされる代表的な健康障害として、悪性胸膜中皮腫が挙げられます。潜伏期間が大変長いため罹患していてもなかなか気づくことができず、非常に治療が困難であり、治りにくいとされている病気です。過去にアスベストにたずさわった仕事をしていたなどという場合でも早めの発見ができるように、知識をまとめておきましょう。

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