空き家を無償譲渡する方法とは?利点と手放す際の注意点についても紹介

解体工事のよくある疑問

空き家の無償譲渡って何?

近年、日本が抱える社会問題の1つとして「空き家問題」が挙げられます。これは少子高齢化社会の進行などに合わせて浮上してきた問題であり、団塊世代の相続が進んだことで空き家が急激に増加しました。

この問題の打開策の1つには「空き家の無償譲渡」があります。問題の深刻化を防ぐために、空き家の積極的な再利用を促進する目的として、無償で不動産を引き渡すことを認めています。

ここからは空き家を無償譲渡する方法とそのメリットまた、手放す際の注意点について解説していきます。

空き家を無償譲渡する3つの方法とは?

実際に空き家を無償で譲渡するためには「自治体への寄付」、「個人への譲渡」、「法人への譲渡」の3つの方法が挙げられます。

ここからは、これらの3つの方法を詳しく解説していきます。

1:自治体に寄付をする

歴史的価値が高かったり、敷地が広大で公共施設として利用できたりするような空き家の場合、自治体に寄付することが可能です。ただしこの方法には、自治体の調査・検討によって決定されます。

自治体が空き家の受け入れを可能と判断すれば、さまざまな費用を自治体が賄ってくれるため、負担を抑えて譲渡することができます。

2:個人に譲る

空き家を求めている人を募って譲渡する場合、譲渡した側には税金が課税されず、安価で手放すことができます。

ただしここでの注意点は、「個人から個人」への譲渡の場合に限り課税されないということです。「個人から法人」へ譲渡する場合は、譲渡する側に「所得税」が発生します。

しかし、空き家を欲しいという人が思うようにみつからないといった場合もあります。そのような場合は、企業などの法人へ募集範囲を広げてみることが効果的です。

3:法人に譲る

先にも述べたように個人に譲渡できなかった場合は、企業などの法人へ譲渡する選択肢も検討することができます。

この場合、不動産の特性を生かせるような法人を探してみることがポイントです。例としては、事務所や資材置き場を必要とする一般企業や社団・財団法人、学校、寺社などが挙げられます。

地方の空き家が増加している4つの理由

空き家を無償譲渡する方法を押さえたところで、そもそも空き家が増加している理由について解説していきます。冒頭では、少子高齢化社会の進行と述べましたが、それだけではありません。

ここでは、空き家が増加している背景について説明していきます。

1:更地にすると税金が上がってしまう

1つ目の理由は、固定資産税です。住宅用地の軽減措置特例が適用される結果、結果的に、更地の固定資産税の方が高くなります。

このため、たとえ空き家であっても取り壊して更地にしてしまうと固定資産税は3~4倍程度高くなってしまいます。「更地」と「住宅用地」の課税標準額の違いから所有者の多くは、率先して更地にしようとはしないことが背景としてあります。

出典:土地の保有に係る税制|国土交通省

2:人口減少と少子高齢化が進んでいる

2つ目の理由が、人口減少と少子高齢化の進行です。自宅を所有する高齢者が老人ホームや子供の自宅へ転居することで空き家が増加しています。今後「団塊世代」による高齢者は急激に増えてくるため、これによってさらに空き家も増えてくることが懸念されています。

空き家が増えるという背景には、その地域の人口が減っていることを示しています。現代の人口流動は都市集中型となっているため、人口減少にともなう空き家問題は、地方の地域で顕著に表れています。

3:個人が所有する物件である

3つ目の理由が、空き家を所有しているのが個人であるということです。

個人の所有者の多くは、親が住んでいた自宅もしくは子供が相続した実家などが挙げられます。思い出が詰まっているため売りたくないといった理由や、実家から離れた場所に住んでいるといった理由で、利活用しにくいといったケースが多く見受けられます。

また近年では、空き家の所有者が認知症を患い利活用の判断ができないといった事例も挙がっています。

4:雇用が都市部に集中している

4つ目の理由が、都市集中型の人口流動です。経済は主として東京都、愛知県、大阪府、福岡県などの都市部へ集中しているため、雇用もこれにともない都市圏へ流れています。

人口や雇用が都市部へ流出してしまうと、その地域の活力低下を招くだけでなく、インフラの維持やスーパー・金融機関・医療機関といった生活インフラの撤退を招いています。これによって地域そのものの魅力を低下させ、空き家増加を誘引してしまっています。

空き家を無償譲渡する利点3つ

ここからは、空き家を無償譲渡することで得られるメリットを3つ紹介していきます。

資産を無償で手放すことになるため損をしているのではと考えられますが、無償譲渡を利用することで譲渡する側にもメリットがある制度となっています。

1:売却するのが困難な物件を手放すことができる

受け取り側が現れやすくなることが、無償譲渡のメリットの1つです。

空き家の売却は、通常の物件よりも時間を要する可能性が高くなります。一般的な空き家は管理が行き届いていないため状態が悪く、また築年数が経過していることなどネガティブポイントがあり、加えて立地が悪いなどの、買い手が現れにくい条件がそろいやすい傾向にあります。

このような場合でも無償譲渡であれば、購入費用を抑えることができ、更地にして建て直したりリフォームしたりすることを検討している人も取り込むことができます。

2:仲介に関する費用がかからない

通常、不動産取引において空き家を売却する場合には不動産仲介業者へ成約の成功報酬として仲介手数料等を支払います。しかしながら無償譲渡の場合は、所有者と受け取り希望者が直接取引をして譲渡するため、仲介不動産業者を介さずに成約させることができます。

したがって無償譲渡の場合、通常の不動産取引において発生する仲介手数料等の費用が掛からないといったメリットもあります。

3:税金などの支払い義務がなくなる

空き家を所有しているだけで、固定資産税など納税義務を負っています。固定資産税は、土地と家屋にそれぞれ課税されるものであり、加えて都市計画税も同様に課税されます。

税金に限らず、光熱費や火災保険料なども発生してくるため維持費だけでも費用はかさみます。そのため無償譲渡によって所有権を移すことができれば、これまで支払ってきた税金などの支払い義務がなくなります。

空き家を無償譲渡する際の注意点6つ

空き家を無償譲渡することのメリットを押さえたところで、次に無償譲渡する際の注意点について確認していきます。

無償譲渡は通常行われる売買の不動産取引とは性質が異なるため、これらの注意点を確認しておく必要があります。

1:契約の際のトラブルに注意する

空き家となっている不動産は、定期的に掃除やごみ捨てなどの管理・メンテナンスを行わないと、近隣住民との間でトラブルを発生させる場合があります。事例としては、管理不足によって草木が伸びすぎ景観を損ねたり、ごみの不法投棄から悪臭が起きたりした苦情が寄せられます。

行政側へ苦情が入り、「空き家対策特別措置法」によって「特定空き家等」に指定されてしまうと固定資産税が通常よりも高く課税されてしまうため、注意が必要です。これについては、後半で詳しく説明します。

2:手続きが複雑である

通常の売買取引では、不動産仲介業者が間に入って必要な手続きや書類の作成などサポートを行ってくれます。しかしながら空き家の無償譲渡の場合、個人間で取引を行うため、これらの作業をすべて自分で行わなければなりません。

譲渡契約書類の作成や登記関連の書類のやり取りなどは複雑であるため、時間や手間がかかってしまうということは前もって注意しておくことが必要です。

3:生活や事業展開がしづらい場合もある

空き家の活用方法として、家屋を取り壊して駐車場を作ったり、空き家そのものを賃貸物件として運用したりするといった方法が考えられます。しかしながら、立地が悪かったり、人気が少ない場所だったりすると生活や新しい事業の展開がしづらいケースもあります。

空き家を活用した事業展開と無償譲渡の双方で検討している方は、これらのことも考慮しなければなりません。

4:改修やリフォームが必要な場合がある

老朽化して管理やメンテナンスが施されていない空き家は、改修やリフォームなどの費用が高くなる傾向があります。不動産を売却するために掛かる費用よりも、リフォーム費用の方が高額になってしまうケースも見受けられます。

また耐震性などの観点から「危険」と判断されれば、さらに改修費やリフォーム費用が高額になります。売却と無償譲渡の双方で検討している場合は、これらも考慮しながら選択する必要があります。

5:瑕疵担保責任を負わなければならない場合がある

無償譲渡であっても不動産を売却する際と同様に、受け取り人の不利になるようなことは報告しなくてはなりません。譲渡後に発覚した場合、その瑕疵が譲渡前から確認されていたものと認められれば、譲渡人は損害賠償請求や契約解除を受け入れなければなりません。

贈与者は種類、品質および数量に関して贈与契約の内容に適合した目的物を引き渡す債務を負うことを前提に、贈与者は原則として契約不適合責任を負わない規律とすべく、贈与者は、贈与の目的として特定したときの状態で贈与の目的物を引き渡すことを合意していたものと推定する旨定めています。(改正民法551条1項)

出典:特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律 第一条|e-Gov法令検索

6:無償譲渡を受ける側に税金が発生する場合がある

冒頭でも少し触れましたが、無償譲渡をする際にも税金が発生する場合があります。

「個人から個人への譲渡」の場合、「個人から法人への譲渡」の場合、「法人から個人への譲渡」の場合、「法人から法人への譲渡」の場合とそれぞれの取引態様によって異なるため確認が必要です。

みなし譲渡について

「個人から法人」に譲渡した場合には、それが無償譲渡であっても「みなし譲渡所得税」が課税されます。「みなし譲渡所得」とは、価値ある不動産の納税を免れるために無償譲渡することを想定して設けられたものです。

無償または時価の半額未満の価格で取引された場合には、不動産の時価で譲渡したものとみなされるためです。

出典:不動産市場整備 土地の譲渡に係る税制|国土交通省 

贈与税について

「個人から個人」に譲渡した場合、受け取り人にのみ「贈与税」が課税されます。「贈与税」とは、財産の受け渡しがあった時点で課税される税金であり、無償譲渡であっても課税される可能性があるため注意が必要です。

不動産の無償譲渡において贈与税の対象となるのは、贈与した不動産の資産価値が基礎控除額の110万円を差し引いてもプラスになる場合とされています。つまりは、110万円以上の資産価値を有する不動産を譲渡した場合では、受け取った側に贈与税が発生します。

出典:相続税法 第二十一条の二|e-Gov法令検索

固定資産税について

「固定資産税」は土地や家屋を所有している人が納税する税金であり、その年の1月1日における登記簿上の所有者に課税されます。

無償譲渡をして所有者が変更となった場合に、1年分の固定資産税を支払うのは不平等となるため、納税義務は1月1日現在に登記簿上の所有者であった譲渡人にありますが、譲渡人と譲受人との間で負担割合を決めることができます。

引渡し日を基準として日割り計算を行い、その金額を譲受人から貰い受けるといったケースが一般的です。

出典:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局

不動産取得税について

「不動産取得税」とは、土地や家屋の購入、贈与、または家屋の建築などによって不動産を取得した場合に取得した者に対して課税される税金です。これは有償・無償を問わず課税されるため、無償譲渡であっても課税されます。

原則として、固定資産税課税台帳に登録されている価格を「取得した不動産の価格」として扱います。

出典:不動産取得税|東京都主税局

登録免許税について

空き家を無償譲渡した場合、土地と家屋の「所有権移転登記」が必要となります。これに課税されるのが「登録免許税」といった税金です。

無償譲渡の場合には、「贈与」とみなされるため、固定資産課税台帳に記載された価格の2%が課税されることになります。

出典:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁

空き家を無償譲渡する相手を見つける方法4つ

空き家を無償譲渡する場合には、空き家の受け取りを希望する人とマッチングさせる必要があります。ここからは、空き家を無償譲渡する相手を見つける方法について紹介していきます。

1:空き家バンクを利用する

「空き家バンク」とは、空き家に関連した物件情報を集約したものです。ホームページ上で空き家情報を公開しており、空き家が欲しい・住みたいと検討している人に対して紹介する仕組みとなっています。

空き家バンクに掲載されている物件は無償譲渡だけではなく、売買や賃貸用の物件も掲載されているため、無償譲渡専門のホームページではないといったことに注意が必要です。

ただ地域ごとに空き家情報が集約されているため、受け取りを希望している人にとっては、探しやすいものになっています。

2:知人や友人に紹介してもらう

空き家の無償譲渡による不動産取引は、不動産仲介業者を間に入れないことが前提としてあります。そのため、知人や友人、親せきの方々に交渉を行い、空き家を紹介してもらうといった方法も効果的です。

3:空き家の情報サイトを利用する

近年では空き家をリフォームして新しい事業を展開するなど需要が高まっている側面もあります。民間企業が開設する空き家の情報サイトも増加傾向にあるため、これらを利用してみることも効果的な方法の1つと言えます。

4:不動産業者を利用する

不動産業者を利用することも効果的です。その際には、地場の不動産会社に依頼することをおすすめします。地元の不動産会社の場合、その地域の不動産情報に精通しているため、住まいを探している顧客を多く抱えている場合があります。

また物件によっては不動産会社が買い取りを提案してくる場合もあるため、空き家を手放すことの選択肢を増やすこともできます。

無償譲渡が発生する空き家の代表的な5つのケース

最後に無償譲渡が発生する空き家の代表的なケースを紹介します。少子高齢化や人口流動などの時代背景に加えて、空き家になる要素には共通点があります。

また国も「空き家問題」を注視しているため、空き家減少に向けたさまざまな施策を打ち出していることから、まずは空き家発生のメカニズムを理解しておく必要があります。

1:地方にある場合

先にも述べたように、空き家は人口流動や少子高齢化社会による時代背景をもとに発生する場合があります。

この影響を顕著に受けるのは、地方が主となっています。人口流動や地方の高齢化によって地域自体の活気が失われてしまい、空き家が生まれてしまいます。

都道府県別にみてみると山梨県、長野県、和歌山県、佐賀県、長崎県が空き家率の数値において高位となっており、また北海道や神奈川、千葉などは積極的に空き家情報を公開しています。

2:老朽化している場合

2つ目は、築年数が経過しているといった点です。これは、1968年から総住宅数が総世帯数を上回ったことに起因して、住宅の過剰供給が要因として挙げられます。また、1960年代からの住宅を考えると築年数は50年~60年となります。

空き家発生の共通点としては、築年数の経過による老朽化も要因として考えられており、崩壊の危険もある空き家も少なくありません。

3:立地が悪い場合

3つ目の代表的なケースは立地が悪いといった要因です。「立地」には主要駅までの所要分数や、人気のないような場所に建物が立地しているなどさまざまです。空き家は人通りの少ない場所の場合、不法投棄や犯罪に利用されやすくなるため注意が必要です。

また周辺環境として、家屋の周りに高圧電線や嫌悪施設などができてしまうと空き家になりやすい傾向にあります。

4:管理不足で近隣住民に迷惑をかける可能性がある場合

空き家になった住宅は定期的な管理が行われないため、近隣住民に迷惑をかけトラブルにつながる可能性があるといったことも挙げられます。空き家の相続権が決定していない状況や遠く離れた場所で暮らしている場合などでも、定期的な管理が必要と言えます。

5:「特定空家等」に指定される可能性がある場合

空き家の数は年々増加傾向にあります。そのため、国としても景観の悪化や経済的損失を懸念しています。

そこで「空き家対策措置法」を2014年に制定し、自治体が危険性の高い家屋を「特定空き家等」に指定することができるようになりました。これによって行政側の指示や命令を可能としています。

「特定空き家等」に指定されると、先述したように固定資産税の住宅用地の特例が適用できなくなり、固定資産税が約6倍になります。

出典:空家等対策の推進に関する特別措置法 第十四条 | e-Gov法令検索

空き家の無償譲渡について理解を深めよう

ここまで空き家の無償譲渡について解説してきました。社会問題の1つである「空き家問題」は、住宅数の供給過多に起因しています。ただ所有権を保持しているのは、個人の判断であり所有者1人1人が責任をもって管理を行わなければなりません。

ただ、仕事や家庭の問題から家屋の管理をすることができないと判断した場合は、迅速に自治体や不動産会社を通じて売却・譲渡を進めるように推奨しています。

そのためには、自治体や国の制度を利用してスムーズに不動産取引ができるように、これまで紹介してきたことを押さえておくことがポイントです。

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