墓じまいが増えた理由とは?かかる費用や手続き、トラブルを防ぐ方法も解説

相続

最近、墓じまいが増えています。現代の日本ではお墓を継承していくことが困難で、墓じまいを考える人も多いようです。この記事では、墓じまいとは何なのか、費用はどのくらいかかるのかなどについて詳しく解説します。

また、墓じまいをするための手続きの手順なども説明します。墓じまいを行う過程で起こることの多いトラブルを回避するための注意点なども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

墓じまいとは?

墓じまいとは、お墓を撤去し更地にしてから、墓地の管理者に使用権を返却することです。

墓石を撤去して処分するというイメージが強いですが、供養する形を変えるという捉え方もできます。墓じまいは決して悪いことではなく、むしろ供養する環境を整えることができるのでメリットが多くあります。

墓じまいの適切な時期は?

墓じまいには、とくに決められた時期はありません。しかし時期を検討する際に考慮すべき条件があり、それは親族が集まりやすいタイミングを選ぶことです。候補に挙がりやすいのは、お盆やお正月、年忌法要のときなどです。また、地域によっては雪が積もりやすい、台風が多いなどの天候の状況が原因で、工事がなかなか進まない時期もあるので、その点も考慮しておいた方が良いでしょう。

墓じまいを依頼する業者に時期を相談するのがおすすめです。

墓じまいを行うメリット

墓じまいを行うことで得られるメリットを紹介します。

無縁墓を防げる

近年、無縁墓が増えていることが問題視されていますが、墓じまいをすることで無縁墓になるのを防げます

無縁仏になるとそのお墓は放置されることになるので、墓石は汚れて雑草は伸び放題で荒れ果ててしまうでしょう。そのような状態になると、まわりの墓域や管理者にも迷惑をかけてしまいます。将来のことを考慮して、無縁仏になる可能性が高いのであれば墓じまいを考えても良いでしょう。

先述したように無縁墓になるということは、永代使用の契約でありながら継承者がいないということになります。管理者が無縁仏の可能性があるお墓を見付けると、墓地の誰でも目にする場所に「1年以内に継承者および縁故者は名乗り出てください」と、貼り紙や立て札などで呼びかけます。1年以上申し出がない場合は、そのお墓は無縁と判断されて、合祀墓で無縁仏として祀られることになるそうです。

多様化する価値観に対応できる

墓じまいは、多様化する価値観に対応することにもつながります

現代は昔の形式にこだわらず、自分の価値観に沿ったお墓のスタイルを求める傾向にあります。例えば「子孫に負担をかけたくない」「お墓参りをしなくても、時々思い出してくれるだけで良い」など、考え方が多様化しているようです。また、それらの要望に応じた、さまざまな供養のスタイルを提供している会社も増えています。それに伴い墓じまいも増えつつあるのです。

維持費がかからない

墓じまいをすれば、お墓の維持費がかかりません

お墓を所有すると維持費や管理費、お布施などの費用がかかります。また、お墓が遠方にある場合は、お墓参りに行くための交通費も必要になり、経済的に負担がかかることもあるでしょう。

昔は継承者が当然の義務としてお墓を維持していましたが、現代ではそれを疑問視する人も増えてきています。 少子高齢化や核家族化が進んだことも影響しているかもしれません。

身近な場所へ改葬できる

墓じまいをすれば、身近な場所へ改葬することも可能です。

お墓が遠方にあり、なかなか行くことができないという理由で墓じまいをするケースもあります。お墓が遠方にある場合は、年をとるにつれてお墓参りやお墓掃除などの負担が大きくなるでしょう。このような場合は、身近な場所へ改葬するケースが多いようです。

墓じまいにかかる費用

墓じまいを完了して改葬するまでに、さまざまな作業や手続きが必要で、それぞれに費用がかかります。ここでは、どのようなことをする必要があり、それぞれにいくらくらいの費用がかかるのかを詳しく解説します。

解体や撤去

墓じまいをするには、お墓を撤去し更地にしてから返却しなければなりません。墓石の撤去費用は、1㎡あたり10万円が相場になっています。

この作業は石材店に依頼するのが一般的ですが、墓地や霊園によっては指定の石材店があるので確認が必要です。また、費用はお墓の大きさや墓石の量、墓地の広さなどによって異なります。あらかじめ、石材店に見積もりを依頼しておきましょう。

お布施

お布施にかかる費用はお寺や霊園によって金額が異なり、お布施なしというところもあるようです。一般的な相場は3~15万円といわれています。

お寺の格やお付き合いの親密さにもよりますが、最大でも20万円ほどです。通常の法要で渡す時と、同じくらいの金額を目安にすると良いでしょう。

書類の交付費

墓じまいをするためには、 埋葬証明書や改葬許可証などの書類が必要なので、申請しなければなりません。この申請にも費用がかかります。地域の自治体によって金額が異なりますが、数百円~1000円ほどの申請費用がかかります。

離檀料

寺院墓地の場合は離壇料を渡すこともあります。離檀料の金額については、通常の法要で渡すお布施の2~3倍の金額が目安とされています。

離壇料には法による義務はなく、渡さなかったら違法というわけではありません。あくまでも慣例として発生するものです。 後々トラブルにならないように、住職には離壇する理由などを丁寧に説明しておきましょう。

遺骨のメンテナンス費

お墓の中で長期間にわたり納骨されている場合は、遺骨が汚れていたり浸水していたりと状態が良くないことがあるかもしれません。劣化が進んでしまうのを防ぐために、遺骨を洗浄したり細かく分けたりする作業が必要になることがあります。遺骨は自分で洗うことも可能ですが、できれば専門の業者にメンテナンスをしてもらった方が良いでしょう。業者に依頼する場合の費用相場は、1人分で2万円ほどになります。ちなみに、遺骨を粉骨する作業にかかる費用の相場は1万円程度です。

新規墓所費

新しい改葬場所で納骨する時にも費用が必要になります。納骨方法には、お墓、納骨堂、樹木葬などがあり、それぞれ料金が異なります。

はじめから合祀する場合は10万円、納骨堂に数年置いた後に合祀へ移動させる場合は30~50万円が遺骨1人分の費用相場です。また、新しくお墓を設置する場合は、僧侶に依頼する開眼供養のための費用が3~10万円ほどかかります。

墓じまいの手順や手続きについて

墓じまいを行うにあたり、準備段階から解体、改葬までの手順を紹介します。また、墓じまいをするために必要な手続きについても説明します。

手順①親族と相談し同意を得る

墓じまいをする際にまずやらなければいけないことは、親族に同意を得ておくことです。同意なしに行ってしまうと、後々トラブルの原因になるでしょう。

また、墓じまいのための費用負担はどうするか、墓じまいの後の遺骨の供養方法はどうするかまで親族間で話し合っておくことをおすすめします。

手順②手続きに必要な書類を用意して管理者に連絡する

地域の自治体によって手続き方法が異なるため、まずはお墓が所在する管轄の役所で必要な書類や手続き方法を確認して、手続きをします。役所へ行く時間のない方は、自治体の公式サイトで調べることも可能です。

また、墓じまいに対して補助金制度を設けている自治体もあるので、確認してみてください。必要な書類がそろったら、管理者へ墓じまいの意思があることを連絡します。

手順③遺骨の新しい受け入れ先を決める

墓じまいをした後の納骨先を事前に決めておくと、流れがスムーズになります。納骨方法はさまざまですが、近年では永代供養を選ぶ方も多いようです。永代供養とは、一括で寺院などに供養料を支払い、永久的に供養をしてもらう方法です。

宗派に関わらず、誰でも申し込むことができるのも人気の理由です。また、新しい納骨先が決定し契約を終えたら、永代使用許可書を取得し、新しい納骨先に受け入れ証明書を発行してもらいましょう。

手順④改葬許可証を取得する

墓じまいを行うために、役所から改葬許可証を取得します。まず改葬許可申請書を入手し、必要事項を記入してください。改葬許可証の申請書は役所に郵送してもらったり、自治体の公式サイトで印刷することもできるようです。

改葬許可申請書と受け入れ証明書も合わせて役所へ提出すると、改葬許可証が発行されます。ちなみに、納骨しない場合や散骨をする場合は改葬許可証は必要ありません。

手順⑤遺骨の取り出し

墓じまいをする前に、お墓の魂を抜くための閉眼供養をします。閉眼供養をしてから遺骨を取り出す、という手順になります。閉眼供養は、あらかじめ住職に依頼しておくようにしましょう。

また、遺骨を取り出すのは自分でできるイメージがあるかもしれませんが、実はかなり力のいる作業です。遺骨の取り出しに慣れている石材店にお願いした方が良いでしょう。

手順⑥墓地を更地にして返還する

解体完了後は更地にしてから、墓地管理者に返還するのが一般的です。

石材店に、お墓の解体と撤去の工事の見積もりを出してもらいます。見積もりを確認したら契約をし、工事の日程を決めましょう。

場合によっては、閉眼供養と解体撤去工事を同じ日に組み合わせることもあります。その点は、住職や石材店と事前に打ち合わせをしておくと良いです。

手順⑦改葬や永代供養にする

遺骨の供養方法には次のような方法があります。

  • 一般墓所への改葬
  • 永代供養墓
  • 手元供養
  • 樹木葬
  • 散骨
  • 納骨堂・屋内墓苑

墓じまいは、解体撤去をしたら完了ではありません。撤去後、お墓から取り出した遺骨をどのような方法で供養するか検討し供養を行う必要があります。

また、遺骨は必ずお墓の中に置いておかなければならないという決まりはないので、将来を見越した適切な供養方法を選択しましょう。

墓じまいのトラブルを防ぐ方法

墓じまいで思いがけないトラブルが生じることがあります。トラブルはなるべく避けたいものです。ここでは、トラブルを事前に回避するための注意点や方法を紹介します。

事前に親族間で話し合う

親族に何も相談をせずに墓じまいをすると、親族で費用を負担する時にもめることがあります。その他にも、「供養方法に納得がいかない」など苦言をされたり、後々トラブルになりかねません。

もめごとなく墓じまいをするためにも、自分一人の考えだけで実行せずに親族間で話し合い同意を得ることが大切です。

墓所管理者に事情を説明する

墓じまいをすることは、お布施や寄付金などの収入が減るなど、お寺にとってはデメリットになることが多いです。墓じまいをする前に寺院を訪れ住職に離壇の理由を説明して、お互いわだかまりがないようにしておきましょう。

状況的にお寺を訪れるのが困難な場合は、手紙や電話で事情を伝えるのも良いです。コミュニケーション不足になると、改葬をお願いする時にお寺から高い離檀料を請求されるケースもあります。そのため、しっかり感謝の気持ちと誠意を伝えておくのがおすすめです。

石材店と見積もりを行う

墓じまいをする際のお墓の解体や撤去は、石材店によって行われます。請求された撤去料が、想像以上に高くて払えないなどというトラブルも起きているようです。

「撤去に手間がかかった」など、さまざまな理由で高額になる場合があります。

このようなトラブルを回避するためにも、あらかじめ詳細な部分まで見積もりを出してもらうようにしましょう。

墓じまいにかかる費用や手続きは事前に確認しよう

墓じまいが増えた理由と費用相場について解説しました。近年、さまざまな理由で墓じまいが増えつつありますが、決してネガティブなことではありません。将来を見据えたプラスになることですので、今後もさらに増えていくことが予想されます。

記事を参考にして、墓じまいの手順や注意点を踏まえながら、トラブルなく行えるように事前準備をしておきましょう。

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