ブロック塀を解体撤去するには?その注意点と費用、補助金について解説

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解体が必要なブロック塀の特徴5つ|費用を節約する方法も併せて解説
隣家との敷地境界の表示やプライバシーの確保、防火・防犯の役割があるブロック塀は、劣化が進むと人命にかかわる危険性を生じさせます。解体が必要なブロック塀の特徴や解体費用の相場、工事の流れ、費用を節約する方法などを紹介します。

ブロック塀とは?

ブロック塀の基準

ブロック塀は、正式名称を「補強コンクリート造のブロック塀」といい、その名の通りコンクリートブロックでできた塀です。厚みや高さがあることが多く、塀として敷地の境界の役目を果たすほかにも泥棒などの侵入者を防いだり、プライバシーを保護したりという用途もあります。

丈夫で重量があるぶん、安全基準を満たしたものは自然災害から家を守ってくれますが、地震などの災害時には逆に危険物に変わってしまうことも多いため、建築基準法では設置してもいいブロック塀の基準が設けられています。

以下がその基準内容です。

一 高さは、2.2m以下とすること。
二 壁の厚さは、15cm(高さ2m以下の塀にあっては、10cm)以上とすること。
三 壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径9mm以上の鉄筋を配置すること。
四 壁内には、径9mm以上の鉄筋を縦横に80cm以下の間隔で配置すること。
五 長さ3.4m以下ごとに、径9mm以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの1/5以上突出したものを設けること。
六 第三号及び第四号の規定により配置する鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、縦筋にあっては壁頂及び基礎の横筋に、横筋にあってはこれらの縦筋に、それぞれかぎ掛けして定着すること。ただし、縦筋をその径の40倍以上基礎に定着させる場合にあっては、縦筋の末端は、基礎の横筋にかぎ掛けしないことができる。

(建築基準法施行令62条の8より)

高さや厚みの数値、鉄筋の配置、基礎の大きさなどの基準が詳細に取り決められていることがわかりますね。

安全なブロック塀とは

地震や災害にも耐えうる安全なブロック塀とは、上記の構造上の基準を満たしている上で、さらに以下の「材料の基準」を満たしていれば安心です。

・ブロックは、「JIS A 5406(建築用コンクリートブロック)」で定められている製品か、同等以上の品質で、12(B種)または16(C種)と呼ばれているもの

・鉄筋は、「JIS G 3112(鉄筋コンクリート用棒鋼)」もしくは
JIS G 3117(鉄筋コンクリート用再生棒鋼)に定められているSD295A(異形鉄筋)、SDR295(異形鉄筋)」以上のもの

・コンクリートやモルタルは、18N/m㎡(180kg/c㎡)以上の圧縮強度をもつもの

解体すべきブロック塀とは?危険なものの見分け方

安全なブロック塀とはどんなものかという基準に照らし合わせ、対して危険なブロック塀とは具体的にどのようなものなのかを見ていきましょう。

築年数が30年以上、または見た感じすでにボロボロ

長い年月で少しずつ風化していくことは、丈夫なブロック塀でも避けられないことです。築年数がわかるのであれば30年を目安に危険と判断します。または見た目が風雨で明らかに劣化しているものも要注意です。

傾きやぐらつきがある

明らかに傾いている、または手で押すとぐらつくなどの状態の場合は、地震の少しの揺れでも倒れたり崩れたりする恐れがあります。

ひび割れがある

ブロック塀にひび割れがあると、そこから雨水が入り込んでどんどん侵食が進み、中の鉄筋を腐食させてしまいます。こうなると耐久性が著しく落ちてしまい、やはり地震の揺れに耐えられずに崩れてしまう可能性があるでしょう。

塀の高さに見合う厚みがない

ブロック塀は高ければ高いほど、当然厚みが必要になります。具体的な目安は「高さ2mまでなら厚さ10cm、高さ2.2mまでなら厚さ15cm」です。高さに見合う厚みがなければ、当然倒れやすくなるため、あまりに高いブロック塀は危険だといえます。

ブロック塀が石垣などの上に立っている

ブロック塀の下が地面ではなく石垣などだと、ブロックの内部にある鉄筋が固定されず、強度が下がってしまいます。

透かしブロックが多すぎる

風通しや視界の悪さを緩和するための「透かしブロック」は、鉄筋を入れることができないため、あまりに数が多いとブロック塀全体の揺れへの抵抗力が落ちてしまいます。透かしブロックは適正な数の使用が重要です。

控壁の設置が基準を満たしていない

ブロック塀には「控壁(ひかえかべ)」といって、裏側(敷地側)に塀と垂直になる方向へ飛び出した壁があります。これによって一面の壁だけで立てるのではなく、支えを作ることで塀の強度を上げているのですが、この控壁は「塀の高さが1.2メートルを超えるとき、3.4メートルごとの間隔で設置が必要」とされています。この控壁がない、もしくは間隔が広すぎると、ブロック塀が倒れる危険性が増すということです。

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ブロック塀の解体

解体手順

実際にブロック塀を解体する際、一般的な業者は以下のような手順で作業を進めていきます。

近隣への挨拶まわり

家屋などの解体に比べればブロック塀の解体は短期間で済むとはいえど、近隣住宅には騒音やほこり・粉じんの舞い散りなど、ある程度の迷惑をかけることは避けられないでしょう。

そのため、作業に入る前には隣や向かいなど、近所の住民には解体業者の担当者とともに挨拶まわりをしておくことをおすすめします。

マーキング

解体する箇所に印をつけていきます。

コンクリートカッター入れ

マーキングに従って、ブロックに切れ目を入れていきます。これらの作業を丁寧に行うことによって、仕上がりの美しさが変わってきます。

解体作業

実際の解体は、ブロック塀の規模によって機械を使用しての手作業になるか、重機を用いるかはまちまちですが、コンクリート破片や粉じんの飛散を防止する作業なども必要とするため、通常はある程度の人数を確保して行われます。

ガラ処理

解体して出たコンクリートのガラを、産業廃棄物として処分場に運搬します。

小口補修・清掃

全体ではなく一部を解体した場合、崩した端の部分をセメントで補修します。この作業を怠らないことで、美観を損なわずに解体が完了するのです。

解体費用

費用相場

ブロック塀の解体工事にかかる費用相場は、ブロック塀の状態や周辺の状況などでの変動幅はかなり大きいため、あくまで目安ではありますが、相場は「1平方メートル(大体横幅3列・高さ5段程度)あたり約5,000円~」です。この金額である程度計算しておくといいですね。

費用内訳は人件費・運搬費・廃材処理代が主なものになります。見積の段階でどのような内訳になっているのか、しっかり確認しておきましょう。

補助金が受けられるかも?

安全基準を満たしていないブロック塀の撤去は、街全体の安全性向上や危険防止の促進にもつながるため、ブロック塀解体工事には補助金を用意しているという自治体も多くあります。

すべての自治体で行っているわけではなく、また補助の内容も「工事総額の半額まで」「上限20万円」など自治体によってさまざまですが、条件に合うようなら積極的に受けていきたいですね。

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ブロック塀解体時の注意点

所有権の確認

ブロック塀の役目のひとつとして「敷地の境目になる」というものがあるため、所有権の問題が発生することがあります。まずは、そのブロック塀の所有権が誰にあるのかを必ず事前に確認するようにしましょう。

間違いなく自分に所有権があったとしても、隣との境目にブロック塀がある以上、もしかしたら隣の住人は自分に所有権があると思い込んでいるケースなどもあります。
そんな場合、もし解体の準備を自分だけで進めてしまうと後々大きなトラブルに発展しかねません。
所有権に関してだけではなく、いろいろな点で隣人と確認し合い、コミュニケーションをとりながら話を進めていくようにしましょう。

補助金の申請は早めに

前述の補助金を受けるつもりであれば、申請手続きは早めに行うべきです。工事の後になってから申請しても受け取れないことが多いため、自治体ごとの手順をあらかじめ確認しておくようにしましょう。

家屋などの解体に比べると、一見手軽で気軽に思える「ブロック塀の解体」。しかしブロック塀ならではの注意点やポイントが存在します。
甘く見ず、手順をしっかり確認して業者選びを進めたいですね。

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