新築戸建て住宅を購入をした際「どのくらいこの家に住むことができるのだろう」と思うことはありませんか?
日本の住宅は海外の住宅に比べて寿命が短いなどといわれることがあります。
- 日本の戸建て住宅の寿命が短い理由
- 日本の戸建て住宅の構造について
- 住宅の寿命を伸ばす方法
- 長く住み続けるためのメンテナンスとリフォーム
耐用年数が短いといわれる日本の住宅ですが、住み方やメンテナンスによってその寿命を伸ばすことが可能です。
長く住める住宅について詳しく紹介していきます。
日本の戸建て住宅は寿命が短いといわれるのはなぜ?
「日本の戸建て住宅は寿命が短い」と聞いたことがありますか?
住宅という高い買い物をしたにも関わらず、その寿命が短いと聞いて気分が良い人はいないはずです。
日本の住宅は海外の住宅に比べて寿命がとても短く、住み続けることが可能な戸建て住宅でも建て替えをすることが多いので、住宅の寿命が短くなっているといわれています。
日本は地震大国であり、耐震力を強化することが住宅を建てる際に求められています。
耐震性を求めることで、耐久性を重要視していないので住宅の寿命が短いといわれてしまいますが、それくらい耐震性が重要だと日本人は認識しているのです。
大きな地震が海外に比べて頻繁に起きるため、耐震力が住宅に求められ、実際に現在建てられている住宅は耐震性の高い住宅がほとんどです。
海外の住宅は長く住むことを目的としているので、耐震性はあまり重要視されません。
近年の住宅は耐震・耐久性の高い住宅も多いですが、短い周期で建替える人が多いため、日本の家は寿命が短いといわれてしまうのです。
海外の住宅と日本の住宅の耐用年数の違い
日本の住宅と海外の住宅は耐用年数が異なります。
耐震性と耐久性の問題などもありますが、どのくらい寿命が異なるのでしょうか?
日本の住宅の平均寿命
日本の住宅の平均寿命は30年といわれており、30年を経過する頃から建て替えなどを検討する人が多くなります。
30年で住めなくなってしまうような住宅となるため建て替えが必要というよりも、まだまだ住むことができる状態であっても、解体されている住宅が多いのが現在の日本の現状です。
海外の住宅の平均寿命
海外の住宅の場合、アメリカでは55年・イギリスでは77年と、日本に比べ物にならないほど長く住み続けられています。
海外の場合、同じ人が長く住み続けることもありますが、リフォームなどを行ない新たな家主が住むことも多いので、必然的に1つの住宅の寿命が長くなっていくのです。
なぜ日本の住宅は寿命が短いのか?
海外と日本の住宅に平均寿命の差が出てくるのかというと、中古住宅に関する見方の差が大きいといわれています。
日本は、新築住宅に対する税制的な優遇や補助金などが多く、中古物件に対しての優遇などが少ないため、中古物件をリフォームするよりも取り壊しをした方が良いという考え方があります。
少しでも費用面を楽にするために、住み続けることができる住宅も取り壊しをしてしまうのです。
日本の住宅の構造
長く住むことを考えていないといわれる日本の戸建て住宅ですが、実際は長く住み続けることができる構造をしています。
日本の戸建て住宅の一般的な構造について紹介します。
日本の戸建て住宅は木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造りが大半
海外の戸建て住宅は、アメリカは日本と同じく木造が大半を占め、イギリスでは煉瓦(レンガ)造、石造、S造(鉄骨造)が多いです。
海外では建物を壊さないのが一般的で、リノベーション・リフォームを行ない、建物の価値を高めて長く住み続けていきます。
日本の戸建て住宅は、木造、RC造(鉄筋コンクリート造)など種類も多い特徴があります。
木造
木造は、日本の戸建て住宅に一番多い構造であり、建物を支える柱や梁・桁(けた)などが木材で造られている建物になります。
木造のメリットは、コンクリートや鉄骨に比べて断熱性や吸湿性が高く、熱伝導率が低いので、他の工法に比べて断熱材の使用が少なく、湿気の多い季節には空気中の水分を吸収してくれるので、室内の湿度を下げることも可能です。
RC造(鉄筋コンクリート造)
RC造は、鉄筋で組んだ骨組みにコンクリートを流し込んで作られた柱や梁を使用してつくられた戸建て住宅であり、鉄筋の弱点とコンクリートの弱点を補い補強しているので丈夫な造になっています。
鉄筋コンクリートで形成しているので、自由な設計が可能で、対尾急性や耐震性にも優れています。
マンションや一般戸建て住宅で採用されていますが、建築費用が高額になり、地盤の強化が必要になるのがデメリットです。
S造(鉄骨造)
S造は、梁や柱などの骨組みの部分に鉄骨を使用した建物のことです。
マンションやアパート、ビルなどの大きな建物、工場や倉庫に用いられることが多いですが、近年では一戸建てでもS造の住宅が増えています。
S造といっても、種類が豊富で「重量鉄骨造」「軽量鉄骨造」と鋼材の厚みによって分けられており、重量鉄骨がビルやマンションに使われ、軽量鉄骨は一般住宅に使われることが多いです。
日本の戸建て住宅の寿命を伸ばすことは可能である
寿命が短いといわれる日本の戸建て住宅は、本当に寿命が短いのでしょうか?
住宅の寿命を伸ばす方法やポイントについて紹介します。
建築方法でも寿命は変わる
日本の戸建て住宅の寿命が短いといわれる理由の1つに「構造」があります。
構造によって住宅の寿命は大きく変わります。
日本の構造に多い「木造」「RC造(鉄筋コンクリート造)」、海外に多く見られる「煉瓦(レンガ)造の耐用年数などを比べてみましょう。
木造の場合
木造の日本における法的耐用年数は22年です。
この法的耐用年数が私達の住宅の寿命の基準となり、30年ほどで取り壊しをしてしまう理由となっています。
法的耐用年数は源伽償却のための法的なものであり、実際木造住宅の耐用年数は65年ともいわれており、法的耐用年数の倍以上は長く住むことも可能です。
木造はメンテナンス次第で寿命が大きく変わるので、メンテナンスをしっかりして長く住み続けるようにしましょう。
RC造(鉄筋コンクリート造)
RC造の日本における法的耐用年数は47年と定められています。
減価償却の計算上に使われるものなので、実際の耐用年数とはことなり、RC造の実際の寿命は65年以上とも100年以上ともいわれています。
最近「100年住宅」などと銘打った戸建て住宅も販売されていますが、RC造の住宅である可能性が高いです。
寿命が長いRC造ですが、管理状態によっては、法的耐用年数よりも耐用年数が短い可能性があるので、しっかりメンテナンスを行うことが大切です。
(海外)煉瓦(レンガ)造
日本ではあまり使われることがないレンガ造りですが、こちらも法的耐用年数が存在し、住居用の場合は57年とされています。
法的にも木造より長い耐用年数があるいうことが分ります。
ちなみにレンガはメンテナンスフリーなどといわれており、住み続けようとすればいつまでも済み続けることが可能だというのです。
実際にはモルタルで付着しているので、ひび割れを起こすこともあります。
ひび割れがあると寿命が短くなるので、メンテナンスはしっかりしましょう。
長く住み続けるためにはコツがある
せっかく建てた大事な家に長く住み続けていくにはコツがあります。
難しいことは一切なく、メンテナンスをすることで、長く住み続けることができるので、紹介するコツを確認してメンテナンスをするようにしましょう。
日々の清掃が大事
当たり前のようにも聞こえますが、日々の清掃が家の寿命を保つことになります。
些細なことかもしれませんが、すぐに異常を見つけることで補修費用も安く済ませることが可能となります。
自分だけでは気づかなことも多いので、家族にも日々チェックをしてもらい、気がついたら即対応できる状態にしておきましょう。
定期的な点検が重要
定期的な点検は、戸建て住宅を安全に住み続けるためには必要なものであり、戸建て住宅を購入した際には定期的な点検が組まれていることが多いです。
業者が行う定期的な点検は10年ほどで終了してしまうので、それ以降も節目節目で点検をするなどして、異常を早期発見しましょう。
保険への加入
経年劣化などは日々のメンテナンスで退所が可能ですが、地震や台風などによる被害は修繕費用も高額になることが多いです。
てんさいへの備えとして、住宅保険などに加入をしておくことをおすすめします。
手厚いサポートが受けられる地震保険・火災保険・住宅保険などがあるので、自分の住宅に合った保険を選ぶようにしましょう。
長く住み続けるにはメンテナンスとリフォームが重要
戸建て住宅に長く住み続けるためには、メンテナンスはもちろんですが、時にはリフォームをすることも大切です。
長年住んでいると住宅に不便を感じたりすることもあります。
メンテナンスとリフォームのポイントを紹介します。
メンテナンス
メンテナンスは日々のチェックと定期的な点検を行い、必要に応じて修繕を行います。
修繕が必要な箇所は早めの対応をすることで、長く使用することが可能になり、住宅の寿命が長くなるのです。
リフォーム
リフォームとは、住宅の柱や梁などはそのままに、住宅を取り壊さずに必要な箇所または住宅全体を新しくすることができます。
内装のみのリフォームや、基礎以外全体を新しくするフルリフォームなどがあります。
リフォームのメリット
リフォームのメリットは以下の通りです。
- 基礎からの取り壊しが不要
- 愛着のある家を活かして新しくできる
- 費用を抑えることが可能
- 仮住まいや引っ越しが不要なケースもある
リフォームのメリットは必要な場所だけをリフォームすることが可能であり、思い出のある家を残したまま新しくすることができます。
リフォームの内容によっては、費用面を抑えることが可能であり、仮住まいも必要がありません。
リフォームのデメリット
メリットの多いリフォームではありますがデメリットや、リフォームができないこともあるので注意が必要です。
- 大きな間取り変更ができない
- 建物の状態によっては費用が建替え以上にかかることもある
- ローンの条件が厳しくなる
古い戸建て住宅をリフォームする場合、柱や梁などの補強が必要になると費用も掛かることがあります。
リフォームは現状の間取りを元に行うので、大きな間取りの変更ができません。
新たに住宅ローンを組む場合、リフォームは金利も返済期間などの条件が異なるので、ローン審査が通らないという事もありえます。
まとめ
日本の戸建て住宅の寿命が短いといわれる理由と、戸建て住宅の構造、住宅の寿命を長くするためのコツについて紹介しました。
戸建て住宅の寿命は短いと思われてしまいますが、実際に長く住むことも可能です。
長く住むためには日々のメンテナンスや、時にはリフォームなども必要です。
大規模なメンテナンスやリフォームは個人でできることではないので、リフォーム会社や建築会社などに相談してみるのはいかがでしょうか?