「空き家ゲートウェイ」で100均物件をはじめとした、物件を安く買うための方法と注意点、購入後の追加費用などについて解説します!また、空き家ゲートウェイ以外でも激安物件を探したいときの方法も合わせて紹介します。掘り出し物物件を探す際の参考にしてください。
空き家ゲートウェイの仕組みや評判を解説!
空き家ゲートウェイは、全国のオーナーから集められた空き家物件の情報を、購入者に紹介するサイトです。その仕組みについて、オーナー、購入者それぞれの立場からの解説を行っていきます。また、サイトの閲覧者からの評判も紹介します。
空き家ゲートウェイとは?
空き家ゲートウェイは、安く空き家を手に入れたい人に、早く空き家を手放したいオーナーを紹介するマッチングサイトです。100円または100万円で取引できる「100均物件」の情報が、全国規模で掲載され口コミで評判になっています。
100円物件と100万円物件を扱う空き家マッチングサイト
空き家ゲートウェイは、「日本中の100均物件を網羅するマッチングサイト」をコンセプトに、使用されていない空き家の活用を提案しています。具体的には、こうした空き家を掲載したサイトを立ち上げ、物件のオーナーと購入希望者をマッチングさせるという仕組みです。
空き家ゲートウェイでの「100均」は、物件自体の金額を100円と100万円の2種類に限定したことを指します。斬新でシンプルな価格設定での紹介に絞ったことが、このサイトの評判の元となっています。
なお、空き家ゲートウェイのサイトは2019年7月に公開されました。運営は、(株)あきやカンパニーとYADOKARI(株)が共同で行っています。
所在地から物件の資産価値を査定・選別
空き家ゲートウェイには、物件査定というリンクがあります。空き家の郵便番号を入力すると、所在地を元に資産価値を査定し、掲載の可否が表示されます。
空き家ゲートウェイへの掲載が可能であれば、物件オーナーの氏名・連絡先や100円と100万円のどちらの価格で掲載を希望するかといった、入力フォームが表示される仕組みです。
また、掲載不可(資産価値あり)と査定された場合は、空き家ゲートウェイの姉妹サイトに当たるカリアゲJAPANへの登録を勧められます。
100均物件の活用アイデアを掲載している
空き家ゲートウェイでは、100均物件の紹介だけでなく、運営スタッフやサイト閲覧者から投稿された活用アイデアも掲載中です。
別荘や二拠点居住のほか、民泊・古民家カフェ、テレワークや農作業の作業場などがあります。多くのアイデアが、空き家ゲートウェイのスタッフや閲覧者から提案されています。
空き家ゲートウェイの仕組みと利用手順
ここからは、空き家ゲートウェイの仕組みと、物件のオーナーの空き家登録、希望者のエントリーのやり方といった利用手順を見ていきます。物件オーナー・希望者とも、登録手数料など空き家ゲートウェイへの利用料は無料です。
手順①掲載を希望する物件オーナーがサイトで査定を依頼する
空き家ゲートウェイへの物件査定依頼は、ページ上部の物件査定に所在地の郵便番号を入力して行う仕組みです。空き家ゲートウェイ独自の基準により掲載可能と判定されると、「おめでとうございます!」の表示とともに入力フォームのページに移行します。
手順②空き家購入者がエントリーする
希望する物件を空き家ゲートウェイで見つけた購入者は、その物件に対してエントリーを行います。エントリーは、自分のメールアドレスと氏名、電話番号、どのような用途・頻度で活用したいかを入力フォームに記入すればOKです。
特に用途欄は、物件のオーナーが購入者を選ぶ基準として確認するため、なるべく具体的に書きましょう。
手順③物件オーナーが購入者を決めて直接取引する
空き家ゲートウェイに登録されている物件の多くは、多数の購入希望者がエントリーしています。物件のオーナーは、希望者の中から自分の理想に近い用途や頻度をイメージしている人を選ぶことになるため、用途欄の記載内容が大切なのです。
実際の購入までの仕組みは、物件の公開後30日間のゲートイン入札期間中に、購入希望者がエントリーを行います。
そして締め切り後、空き家ゲートウェイから購入希望者全員の入力内容を受け取ったオーナーが、物件を売りたい相手を選ぶという流れです。ちなみに締め切りまでの残り時間は、エントリーフォーム上部に秒刻みで表示されています。
購入者に選ばれたら、オーナーとの直接取引に入ります。空き家ゲートウェイでは物件掲載のみを行っているため、マッチング後の仲介や紛争処理などは行いません。詳細な条件交渉は当事者間で、測量や売買取引等の書類作成は宅地建物取引士や司法書士に依頼します。
空き家ゲートウェイにおける100均物件の査定基準
では、空き家ゲートウェイで100均物件として掲載される物件は、どのような点を査定されているのでしょうか。掲載対象となるのは、①値段がつかない②築年数の古い物件です。
値段がつかず手放せない物件
空き家ゲートウェイの掲載条件の一つ目は、手放したくても値段がつかない物件であることです。交通アクセスが悪く地価が安い地域など、大半の不動産屋から見ると評判になりにくい物件こそ、空き家ゲートウェイの掲載対象となります。
築年数が障害となり売れない物件
空き家ゲートウェイで掲載される二つ目の条件は、築年数の古さがネックとなって売れない物件です。日本では木造家屋を中心に、築30年を超えると古家とみなされ買い手が付かないことが多々あります。
とはいえ、古家を解体して更地にするだけでも莫大な解体費用が必要なことから、解体に踏み切れないオーナーも多いのです。こうしたオーナーから空き家ゲートウェイに寄せられる期待も、このサイトが評判となっているポイントの一つです。
空き家ゲートウェイの利用・購入で生じる費用【オーナー】
ここでは、空き家ゲートウェイを利用するオーナーが負担する費用を見ていきましょう。比較として、空き家を解体した場合の工事費用も調べてみました。
掲載料・成約手数料は不要
空き家ゲートウェイの仕組みの最大の特徴として、物件オーナーは、空き家ゲートウェイに掲載料や成約手数料を支払う必要はありません。物件そのものの購入代金の100円、または100万円をオーナーに支払うのみです。
ただし、購入した物件の修繕費や測量費、書類作成や手続きのための宅建士や司法書士の報酬は別途負担となります。また、自治会費や固定資産税の費用も含みません。これらの費用は、空き家ゲートウェイを通じての購入者が負担します。
空き家として売らず更地にした場合の解体費用相場は?
物件を空き家ゲートウェイに応募せず、更地にする際の解体工事費は、木造住宅で1坪当たり6~7万円、鉄筋コンクリート造住宅で1坪7~8万円が相場です。アスベストが使用されていたり、浄化槽やブロック塀が設置されている物件であれば付帯工事費が追加で必要になります。
空き家ゲートウェイの利用・購入で生じる費用【購入者】
空き家ゲートウェイでは、購入者が物件オーナーに支払うのは販売価格の100円または100万円のみです。ただし、物件を活用していくための経費は別途必要になってきます。
物件の修繕費
空き家ゲートウェイに掲載されている物件自体は100円、または100万円という破格の値段で購入できます。
しかし、ここから活用していくうえで欠かせない修繕費用は購入者の追加負担となります。せっかく空き家ゲートウェイで購入した物件を安く仕上げたいのであれば、最低限修繕したい箇所に絞ったり、自分でDIYするのも良いでしょう。
測量費用や司法書士などへの報酬
空き家ゲートウェイをきっかけとした、安い物件の売買であっても、トラブル回避のためには契約書類は作成すべきです。具体的には、敷地や建物の面積などが登録情報どおりかどうかの測量を宅建士、売買契約等の書類作成を司法書士に依頼する必要があります。
こうした手続きなども、空き家ゲートウェイ経由の物件では購入者が自分で行います。購入が決まったら、関係する事業者も並行して探しましょう。
固定資産税や自治会費
空き家ゲートウェイでの物件購入費用に含まれない、3つめの経費が固定資産税や自治会費の類です。取得後の建物や土地に発生する固定資産税は、通常の物件同様に購入者に納付義務があります。
また、地域によっては毎月の自治会費の納付や、水利権、温泉利用権といった諸経費を別途払い込む場合もあります。こうした情報は、空き家ゲートウェイの物件情報欄のその他・維持費等の項目を確認しましょう。
空き家ゲートウェイの評判
空き家ゲートウェイは、値段の付かない物件を手放したいオーナー、購入希望者の双方にとってメリットのあるサイトです。
しかし、独自性のあるサイトならではの特徴も見受けられるため、人によってはデメリットと感じる点もあるかもしれません。こうした点とともに、空き家ゲートウェイの評判を見ていきましょう。
購入がしやすく空き家の現状も分かりやすい
空き家ゲートウェイでは、物件一つ一つにライターによる紹介記事を掲載しています。記事では物件の内外装を文章と写真で説明しているほか、周辺の航空写真や近所の様子なども合わせて、メリット・デメリットを把握できます。
売値が付かない物件ほど掲載される可能性が上がる
空き家ゲートウェイは、もともとの地価が安く、かつ築年数が30年以上経過した物件を集めたサイトです。なので、一般の不動産情報サイトとは逆に、そうした物件ほど掲載率が上がることが評判となっています。
掲載物件に偏りがある
空き家ゲートウェイでは、地価を査定基準としている都合上、東京23区内や大阪、神奈川をはじめ地価が高い都市部の物件は掲載が少なめになります。逆に、地価が極端に安い郊外や地方の掲載物件ほど増えてくるので、田舎暮らしをしたいのであれば狙い目ともいえます。
ただその場合も、100円物件は言わずもがな、100万円の物件であっても大規模な修繕が必要になるなどの留意点があることが多いです。すぐに住めるくらい状態のよい空き家が欲しい、という場合は、粘り強く空き家ゲートウェイのサイトをチェックしましょう。
購入エントリーの倍率が高い
郊外や地方などの田舎物件が多いとはいえ、100均物件で有名な空き家ゲートウェイでは、それぞれの物件に対するエントリーが殺到します。1戸当たり150~200件のエントリーがあるといわれており、他の希望者に負けないようエントリーフォームには購入後のビジョンをしっかり書きましょう。
空き家ゲートウェイ以外で空き家を探す方法
最後に、空き家ゲートウェイ以外の方法で空き家を探す場合の方法を2つ紹介します。一つは自治体や民間企業が運営する空き家バンク、もう一つはインターネット掲示板の家いちばです。空き家ゲートウェイに希望する地域の物件がなかった場合は、これらの方法も試してみてください。
「空き家バンク」を活用するz
空き家バンクは、地方公共団体が窓口となってオーナーから空き家情報を集めて公開している物件です。購入だけでなく、賃貸のみの物件や購入と賃貸の両方を受け付けていることもあります。
地方公共団体の公式ホームページに掲載されている空き家バンク物件は、その市区町村内の物件のみです。移住先の地域だけは決めているという人に向いています。
一方、不動産情報サイトが設けている空き家バンク専用ページでは、通常の新築・中古住宅と同様に、全国の登録物件から検索が可能です。
地方公共団体によっては、地元への定住促進政策の一環として、空き家の改修等に対する補助金制度を設けているところもあります。空き家バンク掲載物件を購入する場合は、行政の担当職員に制度の有無や、利用条件を尋ねてみてください。
「家いちば」を活用する
家いちばは、物件のオーナーが買い手を募集することができる掲示板です。オーナーが物件の売買希望条件、所在地・規模などを投稿し、希望者と専用のメッセージボードで直接取引を進める仕組みとなります。
投稿する内容や修正・取り消しはオーナーの任意です。また、文面は運営スタッフに相談することもできます。また売却価格も100円・100均に固定されないので、金額未定も含みオーナーの裁量で決められることが特徴です。
料金面では、オーナーの投稿や購入希望者の問い合わせ、メッセージボードの利用は無料です。ただし、成約時に手数料の支払いが必要となります。
空き家ゲートウェイを利用してみよう!
空き家に限らず、たいていの中古物件の売買には何らかのリスクがあります。また、これまでは買い手を探そうにも手順の煩雑さや費用などの問題が避けられませんでした。こうした問題を解決するために作られたサイトが空き家ゲートウェイです。
空き家ゲートウェイでは、売り手・買い手ともに気軽に登録でき、物件の良い点も悪い点も事前に公開してくれるというメリットが評判になっています。なにより、掲載されている100均物件の中に条件が合えば、100円で住宅を手に入れることも夢ではありません。
買い手が付かない空き家に悩むオーナーや、100均物件のように安い物件の購入を考えている方は、空き家ゲートウェイを一度利用してみてはいかがでしょうか?