手壊し解体が必要な理由を解説します。解体作業における手壊し解体のメリットやデメリットを紹介!手壊し解体で使われる工具や、費用が割高になってしまう理由もまとめています。狭いスペースで解体作業をする際の、検討材料にしてください。
目次
- 手壊し解体が行われる理由を知ろう
- 手壊し解体はどのような場面で行われる?
- 手壊し解体にするメリットとデメリット
- 手壊し解体の費用はなぜ割高になるのか?
- 手壊し解体で使われる工具
- 手壊し解体は狭い場所や安全のために必要!
手壊し解体が行われる理由を知ろう
建物の解体は重機だけでなく、手壊し解体で行われることがあります。この手壊し解体が行われる理由について解説します。手壊し解体が行われる場面や、メリット・デメリットについて確認しましょう。
また、手壊し解体が通常の解体と比べて割高になる理由もまとめています。建物解体の見積もりをする際に、手壊し解体になった場合の参考にしてください。
手壊し解体はどのような場面で行われる?
場面①道路と敷地に高低差がある
手壊し解体が必要になる場面は、道路と敷地に高低差がある時です。段差の高さによっては、重機が乗り入れられないため、手壊し解体が行われます。
スペースや資金に余裕がある場合、クレーン車を使って重機を搬入させることも可能です。工事内容や工期などによって、業者と話し合いの上で取り壊し方法を検討してください。解体現場の状況を確認し、適切な解体方法で行いましょう。
場面②車のすれ違いが困難なとき
解体する建物が、2m以下の道路の前に建っている場合も、手壊し解体が行われます。これは車のすれ違いが困難な状態であり、乗り入れができないためです。
2m以下の理由は、解体に使われるユンボ等の重機の幅が関係しています。ユンボなどの重機は最低限2mほどの幅がないと侵入できないため、この条件が大きく関係するのです。
場面③段差や階段状になっている
段差や階段状になっている場所は重機を搬入できないため、手壊し解体が必要になります。安全性を確保するための判断であり、時間がかかっても手壊し解体で作業が進められるのです。
そのため、作業の下見の段階でさまざまなことを想定して、工事内容が決定します。また、場合によっては解体の進み具合によって、手壊し解体と重機による工事が変更されることもあるのです。
場面④人通りや交通量が多い場所に接している
手壊し解体は、人通りや交通量が多い場所に接している時も採用されます。特に幹線道路沿いや商店街が、この条件に該当する場所です。
商店街や繁華街は閉鎖することが難しく、常に一定の人通りがあります。また、幹線道路も封鎖することが難しい場合は、手壊し解体が行われるのです。一時的に一部を通行止めする形で重機が入る場合は、そちらが選択されます。
手壊し解体にするメリットとデメリット
メリット①粉塵や騒音などを抑えられる
手壊し解体のメリットやデメリットを確認しましょう。手壊し解体は大きな重機を使うのと異なり、粉塵や騒音を抑えられます。もちろん、手壊し解体でも粉塵や騒音は発生しますが、重機とは大きく異なるのです。
住宅街やオフィス街では大きな騒音は、日常生活に支障をきたします。周囲に配慮するために、手壊し解体することも検討しましょう。
メリット②細かな作業が行える
重機を使うと大量の瓦礫などを撤去できます。しかし、細かな作業は苦手なため、そういった場所では手壊し解体を活用しましょう。また、隣家が近い場合、重機作業は傷つける可能性があります。そういったことを防ぐためにも、手壊し解体は必要です。
また、安全性を理由に手壊し解体を選択することがあります。重機の振動や取り壊しが原因で、作業員がトラブルに巻き込まれることもあり、安全のために手壊し解体で作業が進められることもあるのです。
メリット③長屋解体との相性が良い
長屋の解体作業に手壊し解体が使われることがあります。長屋は「玄関や階段・廊下を共有していない2戸以上の連続した住宅」が該当し、昔ながらの街並みで多く見られる建物です。
長屋は壁を共有しているため、重機では隣の部屋の壁を傷つけてしまいます。こういった長屋切り離し工事では、手壊し解体で少しずつ解体作業しましょう。隣家に対する損傷や騒音を抑えながら、解体工事が行えます。
デメリット①解体費用が割高
手壊し解体のデメリットは、解体費用が割高になる点です。重機で一気に解体するのとは異なり、作業員の数も多くなります。作業日数も長くなるため、全体の費用が高くなり、依頼主の負担が増加する点に注意しましょう。
見積書の作業単価などを確認し、費用をしっかりと検討してください。作業内容や規模によって単価も異なってくるので、見積書の確認や質問は重要です。
デメリット②解体に時間がかかる
手壊し解体は解体に時間がかかるのもデメリットです。手作業は重機よりも何倍も時間がかかります。解体現場の作業量が多ければ多いほど、作業員に対する負担も増加するでしょう。
作業員を増やすのにも限界があり、どうしても通常よりも時間がかかります。こういった理由を踏まえながら、余裕を持った作業日程で行えるように計画を立ててください。
手壊し解体の費用はなぜ割高になるのか?
理由①人件費がかかりやすい
手壊し解体の費用が割高になる理由を確認しましょう。工事において人件費は、費用に大きく係る部分です。工期が伸びれば伸びるほど、人件費による費用は高額になります。手壊し解体はどうしても人の数が多くなるため、人件費が割高になるのです。
理由②作業の時間が伸びる
人の手だけで作業をするのは、どうしても時間がかかります。作業に時間がかかることは、工期が長くなり、費用が割高になる原因です。解体はもちろん、がれきなどの運搬も手間がかかります。
理由③廃棄物処理に手間がかかる
解体工事において、廃棄物処理は重要な要素です。コンクリートや木片、鉄くずなど様々な廃棄物が出ます。これらは分別して回収し、トラックで運搬することになるのですが、手壊し解体では人力がメインになるのです。
重機であればトラックに一気に移動させられますが、人力では一輪車などで運ぶことになります。こういった理由から作業時間が伸び、結果的に人件費が割高になってしまうのです。一つひとつの作業に時間がかかることに注意し、手壊し解体を選択しましょう。
手壊し解体で使われる工具
基本的な工具
手壊し解体で使われる工具は、バールやハンマーなどがメインになります。また、チェーンソーや解体バチ、運搬では一輪車が使われることも覚えておきましょう。
スペースによっては、小型の重機を持ち込んで作業することもあります。作業内容によって必要な工具が異なり、石膏ボードや土壁はハンマーで解体してください。また、チェーンソーは木材の切断に使われる道具で、柱などの解体で活躍します。
解体バチは鋤のような形状をしており、バールと組み合わせて、てこの力で解体する工具です。一輪車は様々なものを運ぶ道具で、狭いスペースで活躍します。こういった工具を活用し、手壊し解体が行われます。
小型重機
スペースによっては、小型重機を使うこともあります。近年はさまざまな重機がコンパクト化されており、ユンボもミニユンボが存在するのです。ミニユンボであれば、1.5mほどの幅があれば入ることができます。
完全に人力だけで作業するよりも、工期を大幅に短縮できるのがメリットです。騒音も通常の重機よりも抑えられますし、作業員の負担も軽減できます。
重機を使うことも
手壊し解体を行う場合に、重機が投入されることがあります。これは、工具を使った人力作業でスペースが広がり、重機が入れるようになった場合です。
作業場所によっては、コンクリートなどが解体されてスペースが広がります。こういった状態になれば重機を入れて、スピードを上げて作業が進められるでしょう。また、こういった流れを考えて、解体の手順を検討していきます。
作業を依頼するときに、解体業者がどのような工程で行っていくか確認をしてください。丁寧さを重視するならすべて手壊し解体が理想的ですが、どうしても費用が高くなります。工期が延びて人件費などが割高になるよりは、途中から重機を併用しましょう。
手壊し解体は狭い場所や安全のために必要!
手壊し解体が必要な理由や場面について解説しました。スペースが限られており、重機が入れない場所で手壊し解体が活用されます。工具を使って人力で行うため、どうしても費用が割高になる点に注意しましょう。
手壊し解体することで騒音や粉塵を軽減でき、安全で細かい作業が行なえます。こういったメリットも踏まえて、解体作業の目的にあわせて、手壊し解体を併用しましょう!