カーポートというのは、簡単にいうと「屋根だけの車庫」です。壁にも覆われた「ガレージ」とは違い、屋根とそれを支える柱だけの構造をしているため、設置も比較的安価で済むうえガレージほど場所をとらないといったメリットがあります。
構造があまり複雑ではないとはいえ、解体するとしたらやはり業者に頼むべきなのか、自力でできるのか、費用はどれくらいなのか…
などなど、今回はカーポートの解体について、詳しく見ていきましょう。
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カーポートの解体を考えるタイミングとはこんなとき
老朽化したとき
どんなものでも月日を経ると老朽化していき、最終的には寿命を迎えます。カーポートももちろん例外ではなく、一般的には新設してから10年前後というのが耐用年数の目安となっているようです。
カーポートは雨や雪、日光、風などから車を守ってくれるものですが、老朽化すると途端に危険が大きくなります。いつ壊れて車の上に落ちてくるかわからない…という状態は大変危険で不安なものなので、耐用年数を超えたものをいつまでも使用し続けるのは避けるべきでしょう。
自然災害でダメージを受けたとき
自然の力はときに人間の想像を遥かに上回るもので、たとえば大きな台風や大雪などによってカーポートが変形したり破壊されたりということもあるのです。この場合は耐用年数を待たずに速やかに解体・撤去を行わなければ、やはり大変危険な状態にあるといえます。
今すぐ倒壊するわけではなさそうだけど…という油断は禁物です。
現在のカーポートが車の大きさや台数に見合わなくなった
車1台用のカーポートなのに、駐車する車が2台、3台に増えてしまった。または大きな車に買い替えたため、車体がカーポートからはみ出してしまうようになった。
こういった場合も、使い勝手が悪くなるうえ、カーポートの「車を守る」という役割を果たさなくなってしまうため、現在の状況に見合ったものへの建て替えを検討することになるでしょう。そうすると当然古いものは解体・撤去となります。
車を手放したとき
免許返納や、生活スタイルの変化など何らかの理由で車を保有することをやめた場合、カーポートも必要なくなることがほとんどです。もちろん屋根を利用して別の目的で使うこともできなくはないため、残しておくという選択肢もありますが、いずれにしても前述したように年月の経過による老朽化には気をつけておきましょう。
カーポート解体の工事手順
業者に頼むにしても、自力で行うにしても、おおよそ解体の手順は以下のようになります。自力で解体工事を行う場合の注意点を後述していますが、どうしても自力で行わなければならないという場合には、ここで説明する工事過程でどのような工具や重機が必要かということもイメージして、参考にしてみてください。
養生と足場の確保
どんな解体工事でも同様ですが、まずは作業するための足場の確保、および破片や塵がまわりに飛び散らないようにしっかりと養生を行います。
屋根の解体
これも家屋など他の解体工事でもいえることですが、解体の手順は「上から下に」です。カーポートであれば、まず屋根部分の解体から行っていきます。屋根のパネルを一枚一枚、留めている金具を外しながら分解していきます。
柱の撤去
屋根部分を支えている柱を撤去する方法はふたつあります。
ひとつは、コンクリートで固定されている根元部分の基礎まで解体してしまう方法。こちらは少々手間がかかりますが、もし現在のカーポートを撤去したあとに新しいものを設置する予定がある場合は、この方法でないと古い柱の基礎が邪魔になってしまう可能性があります。
基礎まで掘り起こした場合は、穴になった部分を補修して埋め戻す作業も必要となります。
もうひとつは、柱を基礎部分の上から切断してしまう方法。現在のカーポートを取り除いたあと、そのスペースに特に何かを置いたり新たに建てたりしない限りは、この方法でも問題ありませんが、切った部分のコンクリート舗装は必要になります。
廃材の始末
廃材には、リサイクル可能で買い取ってもらえるものや処分するしかないものなど、素材によって始末の方法が異なります。各自治体の決まりにのっとって、きちんと処理しなければならないでしょう。ここにも意外に費用がかかるものです。
カーポート解体工事の費用相場とは
費用目安
カーポートの解体は、家屋などと比較して複雑な工程がほとんどないため、費用も思ったよりは高くつかない、ということが多いようです。一般的な大きさであれば、10万円以内~10万円台に収まると考えても、たいていの場合は問題ないでしょう。
ざっくりとした目安は、1台用のカーポートで2~3万円、2台用で3~5万円、3台用で7~9万円程度。これに基礎の撤去費用が、1ヶ所につき7~8千円程度。つまり大きさに応じた解体費用に、基礎の撤去費用を箇所分プラスしての請求、という形になります。これに廃材の処分費用がさらに加算される場合と、逆に買い取ってもらえて費用から差し引きになる場合があります。
費用を左右する要素
費用の目安は前述の通りですが、価格が上下する要素としては「本体の素材の違い」「柱の数の違い」「設置場所(土or砂利orコンクリートなど)の違い」などが挙げられます。
もちろん、単純に「業者によって差が出る」ということもありますので、まずはしっかり見積をお願いしてから検討してみるといいでしょう。
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カーポートの解体は自力でもできるの?
結論からいうと「できないことはない」
前述した通り、カーポートの解体にはそこまで複雑な工程がないため、自力で行うことは不可能ではないでしょう。
ただしそこは個人差が大きく、一概に「自力での解体も可能です」とはいえない要素が多くあります。たとえば、元々持っている工具の種類や重機の有無、カーポート自体の状態(サビつきが激しい、劣化が進んでいて危険など)、体力、時間などです。
さらに、「自力で行う場合の最大のメリットは、業者に頼むよりも安上がりだという点」だと考える方は多いかもしれませんが、上記の個人差によっては「本当に安上がりなのか?」という疑問が出てくるのです。たとえば工具が足りなければ買い足さなければいけないし、カーポートの状態によっては何か特殊な道具が必要になることも考えられます。
また、ケガの危険や時間がかかること、廃材の処分方法の調査が必要なことなどなど、いろいろな要素を考えて、本当に「費用に対する時間や手間は見合うのか」ということも踏まえておくべきでしょう。
DIYが趣味、好きだから、という理由で行うのであれば費用はあまり問題にならないかもしれませんが、安上がりになる可能性があるというだけで自力での解体を考えるのであれば、もう一度さまざまな要素を踏まえて、本当に業者に頼むよりも安上がりなのか検討してみてくださいね。
終わりに
しっかり壁に囲まれたガレージと違って、比較的簡単な構造をしているカーポート。家屋などの解体と比べても費用は安く収まり、解体の工程は簡単です。とはいえしっかりとした工具や廃材処理の知識などは必要となるため、単純に「自力でも解体できそう」という判断は危険だということがおわかりいただけたでしょうか。
費用だけが問題ではありません。安全面や時間効率なども考えると、総合的に業者に頼んだ方が大いに得という場合も多くあります。
さまざまな角度から検討し、ベストな選択をしてくださいね。
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