家を買う際の節税対策とは?相続時に固定資産税を減らす対策方法も紹介

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家を買う際の節税対策とは?

家の購入には、購入費用だけではなく様々な諸費用が必要です。お金が大きく動く買い物のため、納める税金も多くなるでしょう。

しかし、税金が高すぎて家を買えないという事態が起きないように、居住用として購入する家については税金が軽減されることがあります。また、様々な制度を利用できる家を選ぶことで、節税することもできるでしょう。

この記事では、家を買う際に課される税金の種類や、節税におすすめの方法について詳しく紹介します。

家や土地の取得時にかかる税金

家や土地を取得すると、購入時に税金が発生するだけではなく、購入後も継続して課される税金を払わなければなりません。複数の種類の税金が課されるため、それぞれの内容についてよく把握しておくことが大切です。

固定資産税

固定資産税は、土地や家屋の所有者に対して各市町村(東京23区内は東京都)が課している税金です。

固定資産評価基準によって、それぞれの土地や家屋には「評価額」として適正な時価が付けられます。その評価額に基づいて決められた「課税標準額」に、標準税率の1.4%をかけて算出したものが、基本的な税額とされるでしょう。

ただし、居住用の建物の敷地である住宅用地なら課税標準額は3分の1に、面積が200㎡以下の部分までは6分の1にまで軽減されます。

出典:固定資産税の概要|総務省

出典:固定資産税|総務省

都市計画税

都市計画税は、「都市計画区域」のうち「市街化区域内」に所在する土地や家屋に課される税金です。

この税金は、交通施設、公園などの公共施設、電気や水道といったライフラインの供給施設などの整備事業のための費用とすることを目的に、市町村が課税しています。

該当する区域の場合、徴収は固定資産税とあわせて行われ、適正な評価額に0.3%以下の税率をかけたものが都市計画税の金額です。税率は市町村によって異なるため、事前に調べておきましょう。

出典:都市計画税|総務省

消費税

消費税は、事業者に対価を払って行われる取引のほとんどに課税されるため、家の購入時にも発生する税金です。ただし、土地の譲渡や貸付けに対しては課税されません。

購入の際、消費者が消費税を負担しますが、納税するのは取引を行った事業所です。購入した価格に、国税の7.8%、地方消費税の2.2%をあわせた10%の税率をかけたものが税額となります。

出典:消費税のしくみ|国税庁

出典:10月から消費税・地方消費税は10%へ|熊本県ホームページ

所得税

所得税は個人の所得に対してかかる税金で、不動産を取得した際にも課されます。

不動産取得税は、土地や家屋の購入や増築など、新しく不動産を取得した際に、その取得者に対して課される税金です。有償・無償、登記の有無にかかわらず課税されるため、贈与や等価交換などで取得した場合でも納税しなければなりません。

評価額に基づき税率をかけて算出された税額を、土地や家屋が所在する各都道府県に対して納めます。

出典:所得税のしくみ|国税庁

出典:不動産取得税|東京都主税局

相続税

相続税は、亡くなった方の財産を相続などで取得した場合に、その財産に課される税金です。

ただし、相続した財産全てに直接税率をかけるのではなく、定められた基礎控除額を超えた分に相続税が発生します。税率や控除額は取得した金額によって異なるため、土地や家屋を相続した際には実際の税額がいくらになるのかよく確認することが大切です。

出典:相続税|国税庁

出典:No.4155 相続税の税率|国税庁

出典:財産を相続したとき|国税庁

家を買う際の節税対策

ここまで、家や土地の取得には様々な税金がかかることを紹介しました。可能な限り税額を減らし、安く手に入れたいと考える方は多いのではないでしょうか。

国や自治体が取り決めている制度の中には、節税対策に役立つものがいくつかあります。それらを賢く利用するために、まずはそれぞれの制度の内容について理解を深めましょう。

住宅ローン減税制度が適用される家を選ぶ

住宅ローン減税は対象となる家を、住宅ローンを利用して取得した際に適用される制度です。

新築住宅の購入だけではなく、100万円以上の工事費がかかる増築、リフォーム、一定のバリアフリー改修工事などでも制度を利用できます。取得後10年間に渡り、毎年末の住宅ローン残高の1%が所得税から控除されるため、取得者の負担を軽減できるでしょう。

この制度を利用するには、減税を受ける当人が自ら居住する必要があり、床面積が50㎡以上の住宅でなければなりません。また、借入期間や年収についての要件もあるため、対象となるかよく確認することが大切です。

出典:住宅ローン減税制度の概要|国土交通省

出典:住宅ローン減税制度利用の要件|国土交通省

中古住宅も住宅ローンが適用される場合がある

耐震性などの要件を満たすことで、中古住宅の取得でも住宅ローン減税制度の利用ができるでしょう。

中古住宅の建てられた年代によっては、現在の耐震基準を満たしていない場合があります。

そのため、築年数が木造などの耐火建築物以外の場合なら20年、鉄筋コンクリート造などの耐火建造物なら25年以内であるか、現在の耐震基準に適合していると確認された住宅でなければなりません。

また、贈与による取得でないことなども要件に含まれます。

出典:No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

三世代同居減税が適用されるか確認する

同居を希望して住居を取得する場合、地域によっては三世代同居減税が利用できることがあります。

国土交通省では、三世代同居に対応するための改修工事をした場合に、改修後居住を開始した年から5年の間、所得税を一定額控除するという特例措置を令和3年まで行っていました。

国土交通省の適用期限は過ぎてますが、各自治体が独自に三世代同居・近居を支援するための制度を設けていることがあります。

不動産取得税の一部が軽減されるなど節税に効果的なため、所在の地域で利用できるか前もって確認しておくとよいでしょう。

出典:同居対応改修に関する特例措置|国土交通省

出典:三世代同居・近居住宅を取得する方へ|福島県ホームページ

すまい給付金が適用されるか確認する

すまい給付金は、消費税の引き上げによる住宅取得者の負担を減らすことを目的とした制度です。所得税などの軽減ではなく、収入が一定以下の住宅所得者に対して給付金の支給が行われます。

平成26年4月から令和3年12月までに引き渡された住宅が、制度の対象です。ただし、分譲住宅や中古住宅を令和2年12月から翌年11月までに取得した場合、対象期間は令和4年12月まで延長されます。

すまい給付金を受け取るには、適用されるか確認し、所得者が自分で申請書を作成しなければなりません。

出典:すまい給付金とは|国土交通省

出典:申請方法と受領方法(概要)|国土交通省

家や土地を相続する際の節税対策

相続財産の中には、居住に悩むような空き家などが含まれる場合もあるでしょう。しかし、空き家を放置すると所有者に大きなデメリットが生じる可能性があるため、注意が必要です。ここからは、税金を多く課されかねない空き家の税金対策について紹介します。

特定空き家は解体する

空き家のうち、倒壊などの危険がある、衛生上有害となる状態、著しく景観を損なっているなどと認められると特定空き家に指定されます。

特定空き家に指定されると、固定資産税・都市計画税の軽減は適用されなくなり、税額が高くなってしまうほか、過料を科せられることもあるため、早急に対応しましょう。

空き家の相続問題は時間が経つほど複雑になってしまう場合があります。可能なら相続前から対策を講じ、正しい知識と共に将来に備えることが大切です。

出典:「特定空家等」に該当すると土地に対する固定資産税・都市計画税の税額が高くなる場合があります|東京都主税局

出典:地方公共団体の空き家対策の取組事例2|国土交通省

住宅用地へ転用することが重要

空き家を解体するなら、家屋を管理する必要はなくなるため所有者の負担が軽減できるでしょう。しかし、更地のままでは土地の固定資産税・都市計画税が高くなる可能性があります。

そのため、状態のよい空き家であれば改装して居住や賃貸に利用するなど、住宅用地として用いていくのがおすすめです。

節税対策を万全にして家の購入を検討しよう

家の購入は、大金が動く大きな買い物のため、削減できる費用はしっかりと削減していくことが重要です。前もって節税に効果的な制度についてよく知っておくことで、家の購入時に節税という観点からも検討でき、役立つ知識となるでしょう。

また、相続する土地や家屋についても、相続前からよく考慮しておくことで、実際に相続した後の負担を減らせる場合があります。土地や家屋にかかる様々な税金や利用できる制度について、よく調査して内容をしっかりと把握するようにしましょう。

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