三重県が抱える解体工事事情
家の解体工事にかかる費用は安くはないため、解体業者の選び方を工夫するなどして少しでも節約したいものです。三重県で家を解体する際は、適正価格で請け負ってくれる解体工事業者に、繁忙期を避けて依頼するのがポイントになります。
工事のピーク時期に重なる1月から3月を避けた4月から11月の間であれば、比較的工事を請けてもらいやすいため、おすすめです。
三重県の営業所から工事を請ける範囲圏内の目安
解体工事に来てもらえる距離の目安は、解体工事会社の営業所から約30km ~40kmが範囲圏内です。まずは自分の住む区域が、三重県北部、三重県中部、伊賀、伊勢志摩、紀勢・東紀州の5つの区域のどこに属しているかを調べましょう。
距離に比例して作業員の交通費、処理費用が高くなる傾向があるため、区域内でなるべく近い工事会社に相談するのが費用を節約する近道と言えます。
三重県の解体工事単価の相場データ3つ
解体工事には建物本体の解体費用だけではなく、廃材処分費と諸経費もかかります。地域や建物の規模によって工事の価格には差が出るため、自分の地域での相場、自分の建物と同じ面積規模の相場を知っておくことが重要です。
ここでは、三重県の近年における解体工事の単価の推移や動向を、3つの側面から解説します。
1:時系列別から見る推移
まず、建物本体の解体費用と解体費用総額を坪単価で比較し、その2つの近年の推移について解説します。
約10年前では建物本体を解体する際の坪単価が2万円台後半、総額で3万円台後半が相場となっていましたが、近年では建物本体だけで約3万円、総額は約4万円と工事の単価は上昇しています。
近年、リサイクルコストが増加していることも、総額が高くなってきている理由の1つです。
2:市町村別の単価相場
解体工事費用を節約するには、自分の住む地域、市町村の単価の相場を知った上で比較するのがポイントです。
三重県内で工事の坪単価が最も高額なのは、鳥羽市です。建物本体で約4万円、解体総額は約5万円となっています。それに対し、最も工事の坪単価が低い地域は南牟婁郡御浜町で、建物本体が約2.5万円、総額は約3万円です。
3:構造別の単価相場
解体予定物件の面積と、その構造によっても工事の単価は異なってきます。解体費用は、一般的に面積が大きい建物では割安に、面積が小さい建物では割高になります。
また、同じ70坪以上の大きな建物でも、木造より鉄骨の方が坪単価は約1万円安くなりますが、これが30坪以下になると木造の方が坪単価は安くなっています。坪単価を見る場合は、同じ構造かつ規模のデータを参考にしましょう。
三重県の解体工事費用の相場目安
建物の構造によって、解体工事の費用が変わることは先述しました。ここでは建物の主な3つの構造ごとに、三重県の解体工事にかかる費用の相場を紹介します。
解体を予定している物件が、どのくらいの相場か確認してみてください。
木造の場合
木造住宅は近隣と距離が近く、道路の幅が狭いほど解体費用も高額になる傾向にあります。道路幅が4m以上、近隣との距離が1m以上ある場合は、1坪当たり約3万円が相場です。
道路幅が2m~4m未満で、近隣との距離が1m以上ある場合は1坪当たり約3.6万円、道路幅が2m~4m未満、近隣との距離は1m未満の場合では1坪当たり約4万円が相場となっています。
RC造の場合
RC造の物件は、約3.5万円が坪単価の目安です。RC造では、規模が大きいほど工事の坪単価が上がる傾向があります。
40坪のRC造の物件であれば約3万円、70坪以上であれば約4万円が目安です。
鉄骨造の場合
三重県での鉄骨造物件の解体費用は、坪単価約3万円が相場の目安です。20坪台の鉄骨造物件では約3.6万円ですが、40坪台の規模の坪単価は約2.5万円と安くなります。
そして70坪以上になると、さらに工事の単価は下がり1坪当たり約2万円です。
三重県における解体業者の選び方
これまで、解体工事費用を安く済ませるには、解体予定の物件から近い会社を選ぶことや、三重県での解体工事の相場価格を知ることなどを挙げました。しかし、費用の節約だけを考えた業者の選び方はおすすめできません。
価格と評判が見合っていることや、解体工事にあたり定められたルールを守っている事業者であることも、解体業者の選び方において重要なポイントです。
マニフェストの扱いがきちんとしている業者を選ぶ
マニフェストとは産業廃棄物管理票を指し、排出業者には作成と提出が義務付けられている書類です。「どのぐらいの数量の、どのような産業廃棄物を、どの業者が、どう取り扱うのか」について記載されています。
解体工事に関わる際、ルールに従わず不法投棄を行う悪徳業者も少なからず存在するのが実情です。マニフェストを適切に使用して、廃棄物を最終段階まできちんと追跡・管理できている解体業者を選びましょう。
解体工事に必要な許可を得ている業者を選ぶ
解体業者が解体工事を行うには、工事のための許可や登録を済ませていることが必須です。業者に、建築業許可証を見せてもらうか、解体工事業登録の登録番号を控えさせてもらうと良いでしょう。
もし業者の信頼度に不安がある場合、許可証の情報を元に役所に問い合わせるときちんと許可を得た業者かどうかを照会できます。安心して工事をお願いできるよう、必要な許可を得た業者であるかの確認は、怠らないようにしましょう。
評判の良い業者を選ぶ
解体工事は、近隣の方にも工事の騒音などで迷惑をかける可能性があります。そこで、工期を遵守し、質の良い工事を行ってくれるか、近隣へ配慮しているかなどにおいて、総合的に評判の良い業者にお願いすることが大切です。
費用が安すぎる業者では近隣住民への配慮に欠けたり、粗悪な工事や法外な追加料金の請求をされたりするケースもあるため、価格のみならず工事の品質や作業員の人のマナーも重視しましょう。
解体業者の選び方と一緒に覚えておきたい三重県の助成金
解体工事の費用は、県や自治体の助成金制度を利用して一部を賄うことができます。補助対象の条件や、申請できる期間については役所に問い合わせておきましょう。
例えば四日市市では「四日市市旧耐震空き家除却促進補助金」により20万円の補助、「津市木造住宅除却事業補助金 」では解体費用の23%の額が上限30万円まで補助されます。
鈴鹿市でも対象の木造住宅であれば、除却費用の3分の2を補助金で賄える制度があります。助成金制度を利用したい場合は、一度確認してみましょう。
出典:四日市市旧耐震空き家除却促進補助金のご案内|四日市市役所
出典:津市木造住宅除却事業補助金 |津市 都市計画部 建築指導課
三重県にある空き家の数や種類
2018年の総務省による住宅・土地統計調査では、三重県の空き家は約13万戸あることがわかっています。管理がなされず放置されている空き家は約8万戸に及び、その8割が木造一戸建住宅です。
また空き家には、構造以外でも二次的住宅、賃貸用住宅、売却用住宅、その他の4つの区分がありますが、三重県は全国平均より総住居数に占める空き家の率が高く、年々増加の傾向にあります。
三重県で店舗やオフィスの解体工事をする場合に覚えておきたい知識
飲食店や事務所として借りていた物件を退去し、返却する際には内装の解体工事が必要になりますが、実際にどういった工事を行うのかご存知でしょうか。
三重県で店舗やオフィスなど、テナント物件での解体工事を検討する場合は、以下の工事の種類、内容の違いについて知っておきましょう。
店舗やオフィスの解体工事の総称である「内装解体」
店舗やオフィスを退去する際には内装の分解、取り外しを行い、入居したときの状態へと戻す作業が必要になります。
こうした作業の流れの総称を内装解体と言います。オフィスの内装解体では床・壁・天井の表面材の交換などで済むことも多いですが、これは使用用途や作りが大体のオフィスで似ているためです。
一方、飲食店などでは内装が店舗ごとに大きく異なるため、必然的に解体作業はより大掛かりなものになります。
借りた当時の状態に戻す「原状回復工事」
原状回復工事とは、テナントとして入居していた物件を退去する際に、入居契約時の状態まで戻す工事のことを言います。
例えば、契約時にエアコンがついていた場合は取り外さずにそのまま返却するようにしますが、もともとなかった設備や機材を自分で追加していた場合は、取り外してから返却するのが基本です。
構造体以外すべて撤去する「スケルトン解体工事」
飲食店などの内装解体では、柱や梁、床など構造体の部分だけを残して内装すべてを取り除く、スケルトン工事が行われます。
基本的に天井や配管設備も解体して入居時の状態へと戻す作業を行うため、特にマンションや店舗の解体では、コンクリート打ちっぱなしの状態で受け渡すケースも多いでしょう。
工場などを解体するときに使われる「設備解体工事」
解体する建物が工場などの業務用施設である場合は、その内部の機械設備を解体する工事が行われます。具体的には、産業機械や大型機械、製造ラインの解体などです。
店舗解体の場合は設備解体工事はあまり行われませんが、解体工事の1つの種類として一緒に覚えておくと良いでしょう。
選び方を確認して安心できる解体業者に依頼しよう
解体業者の選び方には費用はもちろん、工事の品質や許可を得た解体業者にお願いするなどいくつかの確認事項があります。
また、三重県では解体工事費用を賄える助成金制度がある自治体もあるため、解体業者に申し込む前に役所へ問い合わせておくことも大切です。
解体業者の選び方で迷っている方は、本記事で紹介した費用の相場や信頼できる業者の特徴などを確認し、安心して工事を依頼できる業者を探しましょう。