ベランダの解体工事費用の相場について詳しくまとめました。また、撤去や廃材処分に至るまで、費用にかかる細かい内訳についても解説しましょう。ベランダを解体するメリットとデメリットも説明するので、工事をするかどうかの検討材料にしてください。
ベランダの解体工事にかかる費用を知っておこう!
ベランダは有効活用している家庭であれば、日常生活に不可欠なものです。しかし、全く使用していない場合は、掃除やメンテナンスなどに手がかかり、面倒な存在になってしまいます。また、年月の経ったものは、老朽化により危険を伴う場合もあるでしょう。
本記事では、ベランダを解体する時にかかる費用相場を中心に、解体するメリットやデメリットなども解説していきます。ベランダの解体工事を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ベランダの解体が必要なのはどんな時?

ベランダを解体したい理由は、ただ単に使わないからというだけではありません。ここでは、解体が必要になる時は、どのような状況の時であるのかを、いくつか紹介しましょう。
劣化により崩落の危険性がある
ベランダも月日が経つと、家屋のさまざまな部分と同じように老朽化します。特に簡易的に後付けされたベランダの場合は耐久性が低く、地震などの衝撃で崩落する可能性も高まるでしょう。
鉄製の場合はサビが中の方まで侵食して、もろくなっていることも考えられます。また、木製の場合も、長年雨風にさらされたり直射日光を浴びたりして、内部が腐っていることもあるようです。
構造や素材によって耐久年数は異なりますが、早くて10~15年、長くても25年ほどで老朽化します。定期的なメンテナンスをした方が、耐久年数は長くなるでしょう。
日当たりが悪く生活に支障が出る
ベランダが階部分にあることで、階下の部屋の日当たりが悪く部屋がいつもジメジメしてカビ臭いなどの、日常生活に支障が出ることもあります。このような場合も、解体する必要性が出てくるでしょう。
老朽化と違って危険を伴う理由ではないので、早急に解体する必要はないかもしれません。現状維持より解体するメリットの方が大きければ、家自体の老朽化が早くなる恐れもあるので、なるべく早めに決行することをおすすめします。
ベランダの解体費用の相場

ベランダを解体および撤去する場合の、一般的な費用相場を紹介します。また、木製、鉄製、タイルの撤去などにそれぞれいくらかかるのかも、解説しましょう。
ベランダ解体の一般的な費用相場
ベランダを解体するための一般的な費用は、20~30万円くらいを考えておくと良いでしょう。小さなサイズの場合は、20万円ほどでできるケースもあります。
逆に大きなサイズの場合やベランダが壁1面だけでなく2面にかけて設置している場合は、50万円ほどかかることもあるようです。
木製ベランダ解体の費用相場
1階の場合 | 30~60万円 |
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2階の場合 | 40~75万円 |
上の表は、木製ベランダが1階と2階にある場合の、解体および撤去費用の相場です。1階より2階に設置されている方が、費用が高くなります。
2階の場合は、状況によって足場を設置したり、安全性を確保するための費用が余計にかかるからです。工事期間は1階は3~5日、2階は5~7日を要するのが一般的です。
鉄製ベランダ解体の費用相場
1階の場合 | 30~50万円 |
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2階の場合 | 40~65万円 |
上の表は、鉄製ベランダが1階と2階にある場合の、解体および撤去の費用相場です。こちらも木製同様、2階の場合の方が費用は高くなります。大きさにもよりますが、工事期間は1階の場合は3~5日、2階の場合は5~7日が一般的です。
タイルの処分と撤去の費用相場
ベランダを解体した後はタイルやコンクリートなどの撤去を行わなければなりません。また、解体した時に出た廃材などの処分にも費用がかかります。
タイルのみの撤去にかかる費用相場は、3~5万円が一般的です。また、砕いたタイルを含む廃材の処分費用は、2~3万円かかります。
ベランダの解体費用の内訳

ベランダの解体費用には、解体作業以外にもさまざまな費用が含まれています。ここでは、その内訳についても、どのようなものがあるのか、一緒に見ていきましょう。
費用内訳①残置物処分工事
工事に取り掛かる前に、残置物や不用品などを処分しなければなりません。例えばエアコンの室外機や物置などがあれば、解体とは別途に追加費用がかかります。残物の種類にもよりますが、数万円はみておいたほうが良いでしょう。
もし、残物が全くないのであれば、残物処分工事は省かれるため、経費削減に繋がります。自分で処分できるものであれば、工事前に行っておくのがおすすめです。
費用内訳②解体・撤去工事
解体工事のメインとなる作業工程で、業者にとっても大きな収入源になる部分です。さらに細かく分類すると、パネル費用や養生シート、工具費用や人件費も含まれます。
費用内訳③解体材処分
工事をする際は、木くずや鉄くず、スチールやコンクリートなど、さまざまな廃材が出てきます。それらの廃材をきちんと分別し、処理場へ運搬して処分するまでの費用もかかるのです。
費用は廃材の種類や量によって、異なります。ベランダのサイズが大きいほど廃材の量も多いため、費用も高くなるでしょう。
廃材は廃棄物処理法に沿った、処分をする必要があります。不法投棄は違法になるため、後々トラブルにならないように、業者としっかり話し合っておきましょう。出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(環境省)
費用内訳④足場設置・現場諸経費
ベランダが2階以上にある場合は、作業をするための足場の設置が必要になり、そのための費用もかかります。
また、解体や撤去するにあたり、こまごまとした用具やごみ袋など、現場で必要になる諸経費も含まれます。現場まで車で通うためのガソリン代を含むケースもあるようです。諸経費は1~3万円が相場ですが、業者によって異なるため、見積もり書で確認しておきましょう。
また、解体工事をした時に、外壁の劣化が見つかり修復が必要な場合があります。解体業者でできる範囲の修復であれば、追加料金で請け負ってくれることもあるので、相談してみましょう。
ベランダを解体するメリットとデメリット

ベランダを解体することのメリットとデメリットを解説します。解体後に感じるメリットとデメリットは、工事を決行する大きな判断材料になるので、ぜひチェックしてみてください。
メリット①手入れが簡単にでき外観が良くなる
ベランダがあることで外観がごちゃごちゃしている家が、解体撤去することでスッキリとおしゃれになるというメリットがあります。また、雨風で舞い込んでくるごみや枯れ葉、虫の死骸などを掃除する手間も省けるでしょう。
ベランダを所有すると劣化を防ぐために、定期的なメンテナンスが必要になります。そのようなメンテナンスを面倒に感じている場合は、撤去することで解消できるメリットがあります。
メリット②安全性が向上する
ベランダのある場所が防犯上危険であると感じている場合は、解体することで安全性が向上するというメリットがあります。
今も昔もベランダから空き巣が侵入したという話は、よく聞くものです。もし、自宅がそのような危険性に該当するような環境であれば、撤去することも視野に入れておくと良いでしょう。
また老朽化したベランダをそのままにしておくと、雨漏りやひび割れをする可能性もあります。地震の多い日本で、老朽化したベランダを所有することは、危険を伴う可能性も高いです。撤去することで、そのようなリスクを回避できるというメリットもあるでしょう。
メリット③部屋の増築がスムーズに行える
ベランダを撤去することでスペースができるため、状況によっては増築できるというメリットがあります。1階のスペースである場合は、車や自転車などを停める場所ができるなど、さらに有効利用できるかもしれません。
現状でほとんどベランダを使うことがないのであれば、解体して違うことに有効活用するのも良いでしょう。
ベランダを解体するデメリット
今までベランダに洗濯物を干していた場合は、そのスペースがなくなるため、不便に感じるかもしれません。他に干すスペースがあれば解決できますが、ない場合は部屋干しになるなどのデメリットが生じます。
また、ベランダにエアコンの室外機を設置していた場合は、それを移動させなければなりません。室外機を移動させると空調の関係などで、エアコンの効き目が悪くなる可能性もあるそうです。
その点も、解体前にしっかり検討しておいた方が良いでしょう。特に2階にエアコンがある場合、室外機を1階に移動させるのは困難なケースが多いため、その旨業者に相談しみてください。
ベランダの解体費用は構造や環境によって異なる

ベランダの解体および撤去費用について、詳しく解説してきました。設置されている場所や設置方法、素材などによって、費用が異なってきます。
解体するメリットとデメリットを比較して、どちらが大きいのかも考慮して、解体するかどうかを決めるのも良いでしょう。また、自宅のベランダの解体にどのくらいの費用がかかるのかも、記事を参考にして検討してみてください。