一度は工事の音が「うるさい!」と思ったことがあるでしょう。いざ、自分の家を工事するとなったら、近隣住民からのクレームが心配になる方が多いのではないでしょうか。
実際、解体工事などにおいて地響きが発生するため、苦情が来ないようにするための対策についてご紹介します。事前のあいさつ回りや説明でのトラブル回避方法についても説明します。
また、近隣で解体工事があった場合の騒音や揺れ・地響きの場合の注意点も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
解体工事の地響きで苦情が来ないようにするには
解体工事で音や振動が発生する原因
解体工事は建物を解体して整地を行います。大きな音や振動・地響きが発生してしまい、土地を揺らしてしまう印象を持っている人もいるので、慎重な作業が求められます。
解体工事では音や振動などの影響が出てしまうことが当たり前であり、仕方がないものだと思ってはいませんか?
まず、解体工事で音や振動・地響きが発生する理由は、木造やコンクリートなど丈夫な素材で建てられた建物を解体するからです。解体するには重機などを用いることが必要で、音や振動・地響きを発生させてしまいます。
その振動が地面を通して近隣の土地を揺らし、建物も揺れてしまうという現象を起こしてしまうのです。解体工事の場合には地盤改良などを行うこともあるのでさらに振動を起こしてしまいます。
出典:よくわかる建設作業振動防止の手引き(環境省)
苦情を回避する方法①環境省や行政の規制基準を理解しておく
音や振動・地響きが出るのは仕方がないと思ってしまい工事を続けてしまえば、苦情が来てしまうかもしれません。最小限に抑えるためには「振動規制法」の振動基準を理解しておく必要があります。
騒音は85db(デシベル)・振動は75db(デシベル)と基準があり、数値を越えてしまう場合には工事の内容や期間が制限されてしまいます。
騒音85dbは地下鉄の中の音、75deは騒がしい街頭にいる時の音と同じくらいです。また、75db~85dbの揺れとは震度3前後の揺れや地響きになるので、不快にさせたり、体調を崩してしまうこともあるでしょう。
出典:振動規制法~よりよい環境を目指して~(環境省)
苦情を回避する方法②事前のあいさつや説明を怠らない
騒音を最小限に抑えても、事前に近隣には説明や挨拶をすることが必要です。何かがあった時のために、連絡をできる状態にしておく必要があります。工事の日程・内容などは伝え、必要に応じて騒音対策を行います。
また、菓子折りを持っていくのもありかもしれませんね!
小さなお子さんや高齢者のいるご家庭の場合は騒音や地響きによる生活への影響が考えられるので、事前の挨拶や説明を行いましょう。一般的には業者が詳しく説明を行いますが、不安な場合には一緒に行くようにしましょう。
出典:「振動に関わる苦情への対応」(環境省)
苦情を回避する方法③機械や作業方法を変更・改善する
あいさつ回りで作業内容等をお伝えしていたからといって、苦情がなくなるわけではありません。小さなお子さんや高齢者・受験生などのいるご家庭など、騒音対策を必要とする場合は、次のような対策が必要です。
低騒音型の建設機材を使用する作業方法や作業時間の改善・変更、防音シートや防音パネルの設置を行います。それでも騒音が心配だという場合には、さらなる対応が必要なので話し合いを行いましょう。
出典:騒音振動の大きさの例(新潟県村上市)
隣家が解体を始めた場合に注意すべきこと
逆に隣家が解体を始めた場合には、これまで説明したことが行われているか確認する必要があるでしょう。事前の挨拶や説明がない場合には、説明を求めることも必要です。
可能であれば作業前に自宅の状態を確認して、写真などに残しておきます。その後気になる場所があった時に作業前の状態を確認することが可能になります。
近隣トラブルは避けたいものですが、生活に支障があるほどの音や振動・地響き、その他の問題が発生してしまう時にはクレームを伝えることも必要です。
そのようなことが起きないように、最低限のルールと対策を講じてもらうように挨拶や説明の時に話をしておくと良いでしょう。
出典:建設作業振動対策の手引き(環境省水・大気環境局)
まとめ
工事中の苦情を回避するためには、相手の立場になって考えることが大事です。配慮しながら、工事を行いましょう。
近隣の方に事前にしっかりと説明することでストレス軽減につながります。万が一、クレームが発生した際は解決策を考え、話し合いをするようにしましょう。