「建物解体後の土地を駐車場として活用したいけど土地の高さと道路の高さが違う」
「解体工事の際に行う整地ってどんな作業でどこまで行ってくれるの?」
建物を解体して別の建物や駐車場など新たな土地の活用方法を考えている人も多いでしょう。しかし、もともとの土地の高さが周囲の道路と合っていない、土地がデコボコといった理由から新たな活用ができるのか不安といった声も聞かれます。
今回は、建物解体の見積もりに含まれる「整地」とはどういった作業なのか、土の漉き取り(すきとり)や入れ替え作業について解説していきます。解体工事後の土地を有効に活用していきたいと考えている人はぜひ参考にしてください。
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解体工事とあわせて小規模な整地の依頼なら可能
小規模な整地であれば解体工事とあわせて行うことが可能なため、別で依頼を行う必要はありません。解体工事で使用する重機のアタッチメントを付け替えるだけなので、必須作業として作業の見積もりに含んでいることもあります。
例えば、土地活用の1例として、建物解体作業後に駐車場にする場合。土地を周囲の道路の高さに合わせたり、デコボコな土地を平らにしたりと使いやすくする必要がありますね。その際に、解体工事と別に整地の依頼をすることはなく、費用も解体費に含めて行えます。
ただし、大規模な整地や造成工事は専門的な技術や重機が必要なので、解体業者に依頼するのは難しいと言えます。解体工事の際に行える整地は、後述する「土の漉き取り(すきとり)」や「土の入れ替え」など小規模なものとなっています。
そもそも土地の整地はどんなことをする?
解体作業でどこまで土地の整地が行えるかは、具体的な説明を聞いてみないと少しイメージがしにくいですね。今後新たな土地の活用や予算の管理のためにもぜひ知っておきたいポイントです。
まず、前提知識として土地の整地とはどのような状態か、更地との違い、造成工事も含めておさらいしておきましょう。
土地の整地とは、すぐに土地を使えるように整えた状態
整地とは、住宅を建てたり、作物を育てたりと新たな建造物を建てるため、平坦な土地にすることを指します。
重機などで土地を踏み固め、転圧作業を行いコンクリートなどの埋設物をすべて除去します。整地を行った後の土地は、建物などをすぐに建設可能です。
更地とは、土地を整える前の状態
更地も建物が無い状態であることは同じですが、必ずしも地面が平坦なわけではありません。草木や石などが残っていたり、地面がデコボコであったりという状態です。
そのため、新たな建設や土地を使用する際には、草木を刈り、地面を平らにするといった作業が発生します。更地は建築物がない状態の宅地を指すため、草木のない道路や山林、公園などは含まれません。
造成工事とは土地の販売を目的とした大規模な工事
造成工事とは、主に宅地分譲用の販売を目的とした工事です。一般的に、整地や更地は個人宅を対象にした小規模な工事ですが、造成工事は分譲用の大きな土地を扱うため、工事も大規模になります。
そのため、大きな建築地を扱う大手の不動産会社やハウスメーカーが専門業者に依頼する流れが一般的です。大規模な工事になることから、都道府県知事の承認が必要であり、長時間かけて行われます。
解体工事の際に行う土地の整地について解説
ここからは、解体業者が工事の際にあわせて行える整地とはどこまでの作業を指すのか、土の漉き取り(すきとり)や土の入れ替えなど基本的な整地の作業について紹介していきます。
土の漉き取り
解体後の土地を周囲の道路の高さと合わせたい時には「土の漉き取り(すきとり)」を行います。土の漉き取りとは、敷地の土砂などを一定の高さで平らに削り取る作業です。
漉き取りを行うことにより、土地と周囲の道路との高低差を無くせます。そのため、例えば今後、駐車場のスペースを作りたいといった際には車の乗り入れがスムーズにできるように行うと良いでしょう。
漉き取りをどこまで行うのかは解体業者によって対応が異なります。解体後に土地の活用方法を伝え、対応してもらえる範囲を確認しておきましょう。
土の入れ替え
解体工事や漉き取り作業後には、地中にあった土が地上に現れます。地中の土は、粘土質や酸性、アルカリ性などさまざまな性質があるので、今後の利用方法によっては適さない場合があります。
そこで、整地の際に現れた土と利用方法に適した土の入れ替え作業を行うことが可能です。ただし、入れ替えはこちらが指定しない限りは行われることはありません。
通常では、解体の際にへこんだ地面の補填のためや、周りの高さに合わせるために行われます。今後、畑や花壇などの利用を考え、地上に現れた土が適さない場合には入れ替えを依頼すると良いでしょう。
盛り土
解体後の土地で、地盤が低い箇所や斜面になっている場所などに土砂を盛り上げ高さを出し、平坦にしていく作業が盛り土です。土を入れた後は、建設機械を使って転圧作業を行い土を締め固めていきます。
ただし、あくまでも後から盛り上げた土になるため、基礎の支持力に影響があり、新築をそのまま建築するのは難しい可能性が高いです。盛り土の中に砕石を敷き詰めるなど、建設会社の人と今後に影響が出ない施工方法をよく話し合う必要があるでしょう。
土地の整地は用途によってどこまで行うか確認する
建物解体の際にどの程度整地を行うのかは、今後の用途にあわせて検討していきましょう。基本的に整地と解体作業は別物であるため、見積もりに含まれていてもどこまで行うのかは業者により異なります。
こちらが今後、土地をどのように使っていくかをきちんと伝え、どこまで整地をしてくれるのかを確認しておくことが大切です。
整地の方法や種類についてはぜひこちらの記事をご覧下さい。
土地を整地することで今後の活用方法が広がる
「使う予定のない建物を放置するのは、管理するのが大変だし税金もかかる」と、建物の解体を選んだもののその後の土地の使い道が決まっていない人もいるでしょう。
しかし、今は使う予定がない土地でも整地しておくことで、今後どのような使い方をする場合においても、お得かつスムーズに進められますよ。
整地をしておくことで得られる代表的なメリットは以下が挙げられます。
・土地の評価額が上がるので、高い値段がつく
・さまざまな土地の使い方ができる
・次の工事をスムーズに進められる
すぐに手を付けることはできないけど、土地を眠らせておくのはもったいないと感じる人は覚えておきたいポイントなので、ぜひ参考にしてください。
土地の評価額が上がるので、高い値段がつく
将来的に土地の売却を考えて建物の解体を行おうとしている人は、整地をなるべく済ませておくべきです。なぜなら、一般的に土地の評価は建物がなく、整地されている土地のほうが高くなり、値段もつくためです。
これから新築の家を建てようと土地を探している人にとっては、きれいに整地された土地のほうがイメージが良く、目につきやすくなるでしょう。逆に、立地条件が良くても整地されずにデコボコの土地ではマイナスな印象をあたえてしまうかもしれません。
なるべく早く売却を済ませたい人にとっても大きなメリットであると言えるでしょう。
さまざまな土地の使い方ができる
解体後の土地の使い方が定まっている人は、土の漉き取りや入れ替えによって最適な活用ができます。整地をすることで、もともとの使い方とはまったく違った使い方も検討することが可能です。
土地は使わずに持っているだけでも固定資産税がかかってしまいますが、土地を整地し新たな活用をすることで収入を得ていくこともできます。例えば、駐車場や自家菜園、太陽光発電など活用の幅はさまざまです。
更地の状態ではイメージがしづらかった使い道も、整地してきれいな状態を見ることでイメージがしやすくなるでしょう。
次の工事をスムーズに進められる
あらかじめ整地された土地を持っておくことで、次の使い方が定まった時にすぐに工事をはじめられるのも大きなメリットです。更地は状態によっては整地に長い時間がかかるため、新たな工事がスムーズに進まない可能性があります。
タイミングによっては、整地を行う業者の予約が取れず、工事着工前に長く待たされることもあるでしょう。整地した状態の土地であれば、着工後のイメージも湧きやすく、すみやかに工事へと進んでいけることでしょう。
まとめ:土地の整地、漉き取り、入れ替えは目的に応じて行う!
今回は、解体業者が行う土地の整地について解説しました。解体とあわせて行う整地は、大規模な整地や造成工事などは難しくなりますが、小規模なものであれば十分に対応可能です。
解体の際にあわせて行える整地としては主に以下の3つが中心です。
・土の漉き取り
・土の入れ替え
・盛り土
解体後の用途は人によりさまざまですが、とりあえず解体はしたいけど土地の使い方は決まっていないという人もいるでしょう。しかし、将来的に土地を活用していきたいと考えている人は整地して所有することをおすすめします。
土の漉き取りや入れ替えなど、土地の整地はこれから活用する土地の準備段階。解体の際には、整地も見積もりに含んでくれることが多いので、今後どうしていきたいかを考え必要な方法を選びましょう。
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