減築のメリット・デメリットは?工事費用や活用できる制度も紹介

お金のこと

お子さんが自立して家族構成が変わり子供部屋が不要になった場合などに、減築を検討される方は多いと思います。住宅のリフォームや改築を行い減築することで、希望に合った暮らしやすい家にすることができます。

この記事では、減築をしようか検討している方に向けて、減築をおこなうメリットとデメリットや、減築リフォームをするために必要な費用の相場や、活用できる制度などについて紹介します。建築確認の申請が必要なパターンについてなど、減築リフォームをする際に知っておきたいことを紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

減築とは

減築とは、住宅のリフォームや改築を行い、床面積を減らすことです。増築と対照的な言葉として使用されています。

2階建てを平屋にしたり、使っていない部屋を取り払ったりして減築します。床を壊して吹き抜けにしたりする工事も、減築に含まれます。

子供が成長し家を出て子供部屋を使わなくなり不要になった際に減築リフォームを実施する方が多くいるようです。使わなくなった部屋をなくすことで、その分他の部屋を広くすることができます。

年配の方で階段が使えなくなった際などに、減築リフォームを実施する方も多くいるようです。年を重ねると段差でつまずいたり転倒したりする危険性が出てきますが、平家にするなどして「バリアフリー」にすることでこのような事故を防止し安全に暮らすことにつながります。

減築には主に次の6パターンがあります。

  • 平屋の一部撤去
  • 2階建ての1階の一部の除去
  • 2階建ての2階の一部の除去
  • 2階建ての2階全部除去
  • 2階建ての2階床の一部の除去
  • 2階建ての1階と2階の一部の同時除去

上記は1戸建て住宅で、1が平屋、2~6が2階建てを想定した場合の減築パターンです。それぞれの目的によって、減築方法が異なります。

たとえば、「ガレージを大きくしたい」「隣家との間隔を広げたい」「子供部屋を除去したい」など目的はさまざまです。業者とよく話し合って、建築方法を決定するとよいでしょう。

減築リフォームのメリット

減築リフォームによってメリットとデメリットがあります。メリットとデメリットになる部分はどういうところなのかを、解説していきましょう。

掃除の手間が減る

無駄な空間がなくなるので、掃除の手間が減ります。

使っていない部屋も日にちが経つとほこりが積もってしまうので、掃除しなければなりません。また湿気によるカビなどを防ぐためには定期的な換気も必要です。

使わない部屋を思い切って減築することにより、掃除や換気といった手入れをする部屋が少なくできるので、今後の掃除が楽になります。

メンテナンス費用を削減できる

家の面積を減らすことで、家のメンテナンス費用を削減できます。

使用していない部屋でも年月が経つと老朽化し、壁紙が剥がれたり床が傷んだりします。家を維持するためには、壁紙の張り替えや、床の張り替え、外壁の塗装、屋根の塗装といったさまざまなメンテナンスが必要になります。家が大きいとその分メンテナンスをするための費用が多くかかります。

減築で家の面積を減らすことで、定期的にメンテナンスすべき面積を縮小させることができるので、減築によってメンテナンスにかかる費用を抑えることができます。

固定資産税の負担額が減る

家を小さくすることで、かかる固定資産税が安くなります。固定資産税は建物の床面積の合計によって定められるので、減築で床面積が小さくなることで、固定資産税も軽減されるのです。不要なスペースがあるのなら、減築で床面積を減らすことで、家にかかる固定資産税を少なくすることができます。

出典:固定資産税(国税庁)

無駄な空間が減り生活しやすくなる

減築リフォームをおこなうことには以前よりも快適な暮らしができるようになるというメリットがあります。

新築当初はまだ若て気にならなかったことが、年月が経つとともに家の中で不便に感じるようになることもあります。

以前は何ともなかった階段の昇降がきつく感じるようになり「平家で生活したい」と思うようになるなど、理想的な生活スタイルも変化していくものです。

減築で階段をなくしてバリアフリーにリフォームするなどして不便であった部分を改善させることで、今の希望に合った暮らしやすい家に変えることができます。

防犯対策につながる

減築リフォームで使っていない部屋をなくすことは、防犯対策にもつながります。

家の中に全く使用していない部屋がある場合は、人気がないので空き巣に狙われやすく、防犯上で注意が必要です。2階の窓から侵入する空き巣も多くあるので「不要な部屋があるけど、2階にあるから大丈夫」と油断はできません。

とくにリビングから遠い部屋などは、誰かが侵入しても気付きにくいので、空き巣に狙われやすいといわれています。

減築でこのような無防備な部屋をなくすことで、空き巣に入られにくくなるので、防犯性の向上が期待できます。

耐震性がアップする

2階を減築する場合は、耐震性アップも見込めます。

2階以上の建物は、上の階の重さを支えている1階部分に負担がかかります。

減築で家の2階以上の部分をなくすことで、地震の際に大きく揺れにくくなり、地震によって家が倒壊するのを防ぐことにつながります。このように、2階を減築する場合は、耐震性が高くなるメリットがあります。

減築リフォームのデメリット

減築リフォームにはデメリットもあります。減築リフォームをおこなうことで発生するデメリットについても確認しておきましょう。

高額なリフォーム費用がかかる

減築箇所を解体する際には、外壁・屋根・柱などさまざまな部分に手を加えるので、予想していたよりも工事費用が高額になることが多くあります。

建物を一部だけ解体する場合は、重機が使用できず手作業で解体することになるので、人件費がかかります。

2階建て住宅を平屋にする場合は足場を設置する必要があるので、足場代などのコストもかかります。解体中にシロアリが住み着いていたことが発覚した場合など、急遽修繕しなければならなくなることもあり、このように想定外の費用がかかるケースもあるようです。

減築工事は現場を確認してみないと費用がどの程度かかるのかわからないものなので、自分で予算を立てるよりも、専門の業者に見積もりを依頼したほうが安心です。リフォーム業者と丁寧に打ち合わせを行いながら減築のプランを決め費用を確認しましょう。

悪質な業者にあたると雨漏りなどのリスクも

減築工事をした後に、雨漏りが発生するケースもあります。運悪く悪質な業者にあたってしまった場合は、不十分な工事を行われ、雨漏りなどが発生してしまうことがあるのです。

減築では一部分を解体するので、その時の修復や防水加工がしっかりと行われていなかった場合は雨漏りが発生する可能性があります。

不十分な工事によって耐震性が不十分になってしまうこともあります。

減築リフォームを依頼する時は、経験と信頼のある業者を選びましょう。

収納スペースが足りなくなる場合がある

減築リフォームをおこなうと、減築したことで家の中はすっきりしたものの、収納スペースが足りなくなるという場合があります。

減築する部分を決める際に、収納するスペースを確保できるよう計画しておかないと、収納スペースが減り、物が整理できなくなるというケースもあります。生活する上で、収納スペースは大切なので、工事前にしっかり検討しておきましょう。

また、来客があり宿泊する場合に、寝るスペースがなくて困ってしまうケースもあるようです。自分の生活スタイルにあった減築リフォームをおこなえるよう計画しましょう。

登記申請の手間・費用がかかる

減築リフォームの場合も、床面積が変われば登記申請をおこなう必要があります。工事完了日から1ヶ月以内に申請するよう定められていて、手続きに費用もかかります。

仮住まいの手間・費用がかかる

減築リフォームをすることで、日常生活を送るのが困難な場合は、仮住まいを見付けなければなりません。その仮住まいの家賃や移動費なども必要になります。

リビングなど日常生活の中で使用している部分に減築工事をおこなう場合は、減築工事をおこなっている間に生活するための仮住まいが必要になります。仮住まいとして利用できるところには、ホテルやウィークリーマンションなどがあります。

仮住まいで生活する場合は、仮住まいの家賃や宿泊費がかかり、また減築リフォームをおこなう前と行った後に移動費用もかかります。

仮住まいの紹介や引っ越しなどをサポートしてくれるリフォーム業者もあるので、このような業者を探してみるのもおすすめです。

減築リフォームにおける建築確認申請の必要性

減築リフォームをおこなうにあたり、建築確認の申請が必要である場合と、申請しなくてもよい場合があります。平屋であっても複数階の建物であっても、建築確認申請の基準は同じです。ここでは、具体的にどのような場合に申請が必要なのか、詳しく解説します。

建築確認の申請をしなくてよい場合とすべき場合

減築のみおこなう場合、たいていは建築確認の申請はしなくてOKです。しかし申請するべき場合もあります。

建物は次のように分類されています。

  • 2号建築物 3階建て以上の木造住宅など
  • 3号建築物 2階建て以上の鉄骨住宅など
  • 4号建築物 平屋や2階建て以下の木造住宅など

このうち「4号建築物(平屋や2階建て以下の木造住宅など)」の減築では、確認申請が必要になることはほとんどありません。

ただし、「2号建築物(3階建て以上の木造住宅など)」や「3号建築物(2階建て以上の鉄骨住宅など)」のような建物で大規模な修繕や模様替えをおこなう場合は確認申請をする必要があります。

たとえば、階数を減らし、床だった部分を屋根に変える工事などは、申請が必要になる可能性が高いです。また、減築する際に、大規模な耐震補強をおこなう場合なども、申請が必要になることがあります。

減築と増築の両方をおこなう場合は増築の確認申請が必要

リフォームをする際、増築と新築のどちらもおこなう場合は、原則的に増築として取り扱われます。たとえば、2階部分は減築をして、1階部分は増築をした場合などは、増築として取り扱われます。増築した面積と同じ程度の減築をした場合でも、増築したことになります。

ちなみに、屋根付きのガレージなどは、建物としてみなされるので、大きくすれば増築として扱われます。確認申請が必要なリフォームであるかどうかは、業者や地域の窓口に確認すると安心です。

出典:建築確認制度(国土交通省 中部地方整備局 建政部)

既存不適格建築物の場合は建物全体の見直しが必要

既存不適格建築物で確認申請が必要な工事をおこなう場合、建物そのものを現行法に合うようにリフォームしなければなりません。

たとえば、既存の建物が旧耐震基準で建てられている場合は、減築工事をする時に耐震補強をおこなわなければなりません。

ただし、工事の規模によっては、減築工事のみで既存不適格のままでもよい場合があるそうです。工事の規模の程度については、専門家や業者に確認してみてください。

不明な点は建築士や自治体に相談・確認を

建築申請が必要になる工事においては、建築士もサポートしてくれるような業者を選ぶことをおすすめします。建築士が在籍している業者であれば、確認申請に関する手続きなどを任せることができるからです。

ただし、申請の義務は施主にあるので、業者に任せきりではなく、施主も一緒に自治体で確認した方が安心です。

減築リフォームにかかる工事費用

減築リフォームをするには、どのくらいの費用がかかるのか気になるところです。ここでは、減築工事の費用相場や、どのような場面で費用がかかるのか、解説していきます。

減築リフォームの費用相場

減築リフォームの費用相場は下記のようになっています。

  • 4~5坪の減築(平屋や2階の一部など) 110~380万円
  • 6~21坪の減築(平屋や2階の一部など) 400~700万円
  • 減築後に駐車できるスペースを作る場合 300~690万円
  • 1階の天井を壊し吹き抜けにする場合 100~500万円
  • 2階建てを平屋にする場合 450~2700万円
  • 減築としてのフルリフォーム 600~3000万円

上の表は、減築工事の内容と費用の目安です。減築リフォームの費用相場は、施工面積が1㎡あたり10.5~15万円ほどになります。しかし、使用する資材や設計によって、値段はさまざまです。

施工範囲が広ければ、1000万円以上かかることもあります。ある程度の見積もりを業者に依頼して、確認しておくとよいです。

建物の構造などによる違い

費用は施工面積だけでなく、建築の構造などによっても変わってきます。家の造りが木造あるいは鉄骨造かといった構造によっても異なります。また、建物の劣化具合なども、費用に影響してきます。

たとえば、木造の場合は1200万円で、鉄骨造の場合は1700万円というように構造によって差が出ます。解体工事費用以外の出費

減築リフォームをするにあたり、解体工事費用以外にもさまざまな費用がかかります。減築した箇所に屋根を作る必要が出てきて追加で工事費用がかかったり、工事によって出た廃棄物を処分するのに費用がかかったり、さまざまな場面で費用が発生します。

工事に足場が必要であれば、設置費用もかかり、足場の設置費用は、20万円くらいが一般的であるといわれています。予算について心配がある人は、業者に細かいところまで伝えて、見積もりを正確に出してもらいましょう。

減築リフォームに活用できる制度

減築リフォームをおこなうにあたり、活用することで費用面の負担を軽くすることができる制度があります。費用面の負担を軽くすることができる精度のほか、リフォームローンや住宅ローンについても説明するので、参考にしてみてください。

所得税・固定資産税の減税耐震や長期優良住宅化、介護などの理由で減築リフォームをする場合、所得税控除や固定資産税などが減税される可能性があります。また、建築士がいる業者であれば、減税申請時に必要な増改築等工事証明書を発行してもらうことが可能です。

ちなみに贈与税に関しては、工事費用が100万円以上の場合で既定の条件に合えば、非課税になります。

出典:所得税のしくみ(国税庁)

耐震補助金などの助成金

耐震補助金とは、減築することで建物の耐性が向上したり、安全性が高まることに対して、補助されるお金のことです。

また、同居の家族の中に要介護と認定された方がいて、バリアフリーなど介護に必要なリフォームをする場合も、補助金が適用されます。

ほかにも、減築による長期優良住宅リフォーム後に200~250万円の補助金を受け取った実例もあるそうです。対象条件に該当するのであれば、これらの助成金を利用するのがおすすめです。

出典:耐震化助成制度(東京都耐震ポータルサイト)

リフォームローン・住宅ローン

一度に費用を準備するのが負担である場合は、住宅ローンを利用する方法もあります。リフォームローンよりも住宅ローンの方が、低金利な上に長期間でローンを組むことが可能です。

業者によっては、ローンの組み方や資金計画などの相談に応じてくれる、ファイナンシャルプランナーがいるところもあるので、相談してみるのもよいでしょう。

詳細な減築プランを立ててから工事を依頼しよう

減築をおこなうことで現在の生活スタイルに合った暮らしやすい家に変えることができます。メリットが多くある一方で、収納スペースが確保できなくなるなど失敗するリスクもあります。

減築リフォームで失敗することなく暮らしやすい家にするために、ぜひ今回紹介した内容を役立てていただければと思います。

こんなお悩みありませんか?
解体工事ってなんだか難しそう…
結局いくらかかるの?
どうやって工事会社を選べばいい?

  • 業者に個人情報が伝わらないで30秒シミュレーションが可能!
  • ユーザー満足度95%でNo.1。厳選された全国工事会社1,600社のみだから安心!
  • 解体工事以外の相続・不用品・土地活用なども全て無料でご相談可能

ご希望の方には専任のオペレーターが解体工事後まで徹底サポートします。しつこい営業電話いっさいなし。

解体の窓口は、東証グロース市場上場のバリュークリエーション株式会社が運営しています。(証券コード:9238)

かんたん30秒
その場で価格が分かる簡易見積りシミュレーション
お客様満足度No.1
価格で選ぶならココだNo.1

解体を検討している建物はどれですか?

タイトルとURLをコピーしました