「家族構成の変化によって、今の家では都合が悪くなってしまった」「経年劣化で家がボロボロになってしまった」
このような理由から、家を解体して建て替えようか考えている人に向けて、解体工事から建て替えまでの流れを紹介します。
「家を解体して建て替える」という選択肢の他に「家をリフォームする」という選択肢もあります。
「それぞれのメリットとデメリットはなにか」「実際のところどちらを選ぶべきなのか」など、建て替えとリフォームの違いについても見ていきましょう。
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建て替え(解体工事から建築工事まで)の流れ
解体工事から建て替えまでの流れについて見てみましょう。
住宅会社を選ぶ
まずは新たな家の建築を依頼する住宅会社を選定します。まずネットで検索するなどしていくつかの業者をピックアップします。どのような家を建てたいのか、間取りや予算などを伝えて、見積もりをもらい、その中から依頼する業者を決めましょう。
打ち合わせをする
建築を依頼する住宅会社を1社選び契約したら、新居の設計についてより具体的な打ち合わせを行います。家のイメージを擦り合わせながら建築の計画をしていきます。住宅会社が紹介してくれた住宅会社の担当者も交えて打ち合わせをすることもあります。
打ち合わせでは、どのような家を建てたいのか、間取りや予算などを詳しく伝えましょう。予算によっては希望通りの間取りや内装にできないことがあります。妥協できるところと妥協できないところを明らかにして、予算内に収まる設計にしていきます。
話し合いが進むと、諸経費や付帯工事費も含めた見積もりをもらえます。
住宅ローンを申し込む
続いて住宅ローンを申し込みます。住宅ローンは工事が始まる前に申し込みましょう。工事が始まってから住宅ローンの相談をすると、万が一ローンを組めなかった場合に工事費用を支払えなくなってしまいます。事前に住宅ローンの相談をしておきましょう。
住宅ローンの相談をする際には、建て替えの施工計画書や見積もり書が必要になるので、業者から必要な書類を受け取っておきましょう。
解体業者を選ぶ
解体業者探しをします。建て替えをするためには、現在建っている古い家を解体する必要があります。いくつか解体業者を見つけて、その中から依頼する業者を選び、解体工事を依頼しましょう。
解体業者探しには、現地調査や見積もりを含めると1か月ほどかかります。余裕を持って早めに行動しましょう。
仮住まいを見つける
解体工事や建築工事をしている間に住むための仮住まいも必要になります。
仮住まいに住む期間については、早いと3か月で済みますが、長いと1年以上仮住まいに住む可能性もあります。解体業者や建築業者に聞いて、どのくらいの期間仮住まいに住むことになるのか確認しておきましょう。
ネットで調べたりして物件を探してみてください。マンスリーマンションなども選択肢のひとつです。
片付けて仮住まいへ引っ越す
解体工事を開始できる状態になったら、解体する家の片付けをして、仮住まいへ引っ越します。
費用を安く済ませるためにも、解体工事を開始する前に、解体する家の中に残っているいらない物を処分してなるべく物を残さないようにしましょう。とくに粗大ごみや家電製品など大きな物が残っていると、追加費用を請求されることがあります。
地盤調査と地盤改が行われる
地盤調査と地盤改良を業者が行ってくれます。新しく家を建築する際には、地盤調査を行うことが法律で定められています。地盤の強度が基準を満たしているかなどをチェックします。
解体工事が行われる
解体工事が行われます。
準備の段階では、業者によって足場や養生の設置が行われます。このときに水道以外のライフラインを停止し、近隣住民へのあいさつまわりも行いましょう。
準備ができたら、重機を使って建物全体が取り壊され、基礎が撤去され、最後に整地作業が行われます。早くて1週間、長くても1か月で終わることが多いです。
建築工事が行われる
解体工事を終えて地盤に問題ないことがわかったら、建築工事が開始されます。地盤に問題があった場合は、地盤改良を行ってから建築工事に入ります。
建築工事では、事前に伝えた内装や間取りに合わせて作業が進められます。自分の希望通りになっているか、定期的に確認することが大切です。
引き渡しを行う
建築工事が終わったら、要望通りの家になっているか、担当者立ち会いのもとで確認し引き渡しを行いす。全確認を終えたら家の鍵を受け取り、物件の引き渡しが完了します。
ライフラインの開通や各種手続を行い、仮住まいから引っ越しましょう。これで建て替えは完了です。
建て替えにかかる費用
解体工事から建築工事まで、建て替えにかかる費用を紹介します。
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解体工事費用
解体費用は、木造の場合は1坪あたり4.5万円ほどです。木造で30坪の家を解体する場合は135万円ほどの費用がかかることになります。
仮住まい費用
解体工事に1~1.5か月、新築工事に3か月ほどかかります。
例として、6か月、家賃15万円の賃貸物件で仮住まいをするとします。仲介手数料に家賃1か月分15万円と6ヶ月分の家賃90万円がかかるので、合計105万円の仮住まい費用がかかります。
引っ越し費用
3人家族が近隣に引っ越す場合の引っ越し費用は10万円ほどです。
解体する家から仮住まいへ引越し、次に仮住まいから新築へ引っ越すので、2回引っ越すことになり、引越し費用は合計20万円ほどかかります。
測量費用
注文住宅の場合は、設計を行うための測量費用がかかります。真北や敷地内高低差などの測量を行います。設計のための測量は「現況測量」と呼ばれる比較的簡易なものです。
現況測量にかかる費用は20~40万円ほどです。
既存の建物を建てたときの現況測量図が残っている場合は、現況測量を行う必要はありません。
地盤調査費用
地盤調査費用もかかります。一軒家の場合は、スウェーデン式サウンディングという簡単な地盤調査を行います。このスウェーデン式サウンディングにかかる費用は5~10万円ほどになります。
地盤調査を行った結果、軟弱な地盤であることが判明した場合は、追加で地盤改良費用も発生します。
新築工事費
建築費用は、木造の場合は1坪あたり56.1万円ほどです。木造で30坪の家を建築する場合は1683万円ほどの費用がかかることになります。
設計料
建物を建築するときには設計料がかかります。設計料には着工後に施工状況をチェックする監理料も含まれます。
設計料は、住宅会社に建築を依頼する場合は建築費の1~3%ですが、設計会社に依頼する場合は建築費の5~8%になることもあります。
住宅会社に依頼し、設計料が建築費の2%で、新築工事費が2,700万円である場合は、設計料は54万円になります。
印紙税
請負工事契約書は印紙を貼らなければならない課税文書なので、印紙税がかかります。印紙税は請負工事契約書に記載される金額で決まります。
請負工事金額が1000万円超え5000万円以下の場合、印紙税は原則2万円です。しかし2022年3月31日までは印紙税の軽減措置によって1万円になります。
不動産取得税
建物を新たに取得すると不動産取得税がかかります。不動産取得税の税率は原則4%ですが、2024年3月31日までは3%になります。
新築の一軒家の場合、延床面積が50㎡以上240㎡以下だと不動産取得税の軽減措置が受けられます。
軽減措置を適用した場合の不動産取得税は以下のようになります。
不動産取得税=(建物の固定資産税評価額-1,200万円)×税率
新築時の建物の固定資産税評価額は、多くの場合は請負工事金額の50~60%ほどになります。
2,700万円で建物を建てた場合、建物の固定資産税評価額は1,350万円程度になるので、不動産取得税は以下のように4.5万円になります。
不動産取得税=(建物の固定資産税評価額-1,200万円)×税率=4.5万円
登録免許税
建物を新築すると、登記簿謄本を新たに作る「保存登記」という登記を行行わなければなりません。保存登記には登録免許税がかかります。
登録免許税は以下のように求められます。
保存登記の登録免許税=建物の固定資産税評価額×税率
抵当権設定登記の登録免許税=債権金額×税率
建物の固定資産税評価額が1,350万円、住宅ローンで借りる金額が2,000万円であるとします。この場合の登録免許税について、保存登記の登録免許税も抵当権設定登記の登録免許税も約2万円になります。
保存登記の登録免許税=建物の固定資産税評価額×税率=1,350万円×0.15%=約2万円
抵当権設定登記の登録免許税=債権金額×税率=2,000万円×0.1%=2万円
火災保険・地震保険料
家を建てると火災保険料がかかります。5年間の火災保険を一括契約し、家財保険にも加入した場合は20万円ほどになります。さらに地震保険も加入すると5年間の一括契約で50万円かかります。
住宅ローン関連手数料
住宅ローンを借りる場合、銀行に支払う事務手数料が発生します。住宅ローンの事務手数料は一般的に「借入金額×2.2%」とされています。
2,000万円の融資を受けると44万円の手数料がかかります。住宅ローン事務手数料を定額としている銀行では3~10万円が相場です。
解体工事と建て替えの注意点
建て替えの際に注意すべきことについて紹介します。
業者選びに力を入れる
業者選びでは、複数の業者から見積もりをもらい比較検討することで、最も良い条件の業者を選ぶことができます。
複数の業者から見積もりをもらうことで、異様に高額な業者に依頼してしまうのを防げます。
しかし金額が安ければ良いというわけではありません。安すぎる業者の中には悪質な業者もいるので要注意です。はじめは安い金額を提示して、あとから不要な追加費用をたくさん請求してくる悪質な業者などがいます。業者の口コミや実績をチェックするのがおすすめです。
費用が高すぎず、かつ信頼できる業者を選びましょう。
再建築不可物件
「再建築不可物件」とは、家を解体すると、その土地に新たな家を建てることができない物件のことです。建っている家を解体すると、その土地に住居を建てられなくなってしまいます。
よくある例は「接道義務」を果たしていない土地に建てられている家です。幅4メートル以上の道路に、敷地が2メートル以上接地していければならないという規定があります。この規定を満たしていない場合は基本的に再建築できません。
※接道義務……「4m以上の道路に2m以上接した土地でなければ家を建てられない」という建築基準法で定められた家を建てる条件。避難経路や緊急車両の通路を確保する目的で定められています。
この問題は既存の家屋が建てられた後に法改正が行われたことが原因で発生します。
昔から建っている家は接道義務を満たしておらず、新しく家を建てられないことがよくあります。
建て替えを検討するときは、解体業者や建築業者などに相談して、「解体しようとしている物件が再建築不可物件ではないか」「今の土地に建築できるのか」をよく確認しておきましょう。
解体しようとしている物件が再建築不可物件であった場合、建て替えを諦めるのかというと、手は残っています。
例えば、接道義務を果たしていない土地では、道路に面した土地を道路の代わりとして使う「セットバック」という方法があります。
※セットバック……幅4m未満の道路に面している時、その道路を含めて4mの範囲内の土地に塀や建物を建築市内方法です。自分の土地を道路として扱うので、接道義務を満たし、家を建てることができます。
この方法を使うと家を建てることはできますが、土地の一部に建物や塀を建てられなくなるので、もとの家よりも小さい家しか建てられなくなるケースもあります。
地盤改良工事
家を建てる際には地盤調査を行う必要があります。地盤に問題があると認定された場合は、耐震力を高めるために地盤改良工事を行わなければなりません。地盤改良には数十万円から数百万円ほどの費用がかかります。
地盤調査の結果によっては急な出費をすることになることを頭に入れておきましょう。
家を解体する際には名義を確認する
家を解体する際には名義を確認しましょう。建物の取り壊しを許可できるのは建物の名義人だけだからです。名義人以外の人が建物の取り壊しを許可することはできません。名義人が亡くなっている場合は、相続人全員が合意する必要があります。
更地にすると固定資産税が増額する
建て替えの際には固定資産税にも要注意です。住宅用地の土地に関しては固定資産税の特例が適用されていて、更地の場合と比べて6分の1〜3分の1ほどの税金に抑えられています。つまり家を取り壊して更地のままにしておくと、その分支払わなければならない固定資産税が増額してしまいます。
住宅用地の固定資産税は、1月1日時点でその土地がどのような状態かによって判断されます。家の解体や建築のタイミングは慎重に決めましょう。
建て替えとリフォームの違い
「家を解体して建て替える」という選択肢の他に「家をリフォームする」という選択肢もあります。建て替えとリフォームの違いについて説明していきます。
建て替えとは
建て替えとは、家を解体して更地にしてから、完全に新たな住宅を建築することです。それまで建っていた家は取り壊して更地にするので跡形もない状態になります。そこに新しい家を建てるので、それまでとは全く異なる家を建てることができます。
リフォームとは
リフォームは、今ある家を残したまま、部分的に改築や修繕などを行うことです。水回りや壁など家の一部のみを修繕したり、家全体を新築同様にきれいにしたりします。
リフォームのメリット・デメリット
リフォームのメリット・デメリットについて見てみましょう。
リフォームのメリット
リフォームには以下のようなメリットがあります。
費用が安価
一般的にリフォームの工事費用は建て替えよりも安くなります。
建て替えの場合は家屋全体の解体+新築分の値段がかかりますが、リフォームは特定の施工部分だけ回収を行うのでコストを考えるならリフォームに軍配が上がります。
安く工事ができるというだけでなく、予算に合わせて施工内容を考えることも可能です。予算に余裕がない場合は、施工箇所を絞ることで工事費用を安くできます。
解体に使う分の費用をそのまま改修費に当てられるので、予算内で自分の理想を叶えられる事が多いです。
とくに費用の差がでるのは既存の建物が大きい場合です。解体費用も建築費用も建物の面積に応じて高くなりますが、リフォームの場合は改修部分が限られているので工事費用はかなり違ってきます。
また、RC造などの頑丈な建物の場合は解体費用が跳ね上がるので、リフォームと建て替えの差額が大きくなりやすいです。
工期が短い
リフォームの工期は1~5か月ほどが一般的です。建て替えの場合は3~8ヶ月ほどかかるといわれています。このように、比較するとリフォームのほうが工期はかなり短いです。
工事中は仮住まいに引っ越すことになりますが、工期が短いということは仮住まいにいる時間も短くてすみます。工事費用だけでなく、こういった部分のコストでもリフォームのほうがお得なんです。
さらにリフォームの場合、工事の規模によっては引っ越しすら必要がない場合もあります。
支払う税金が安く済む
リフォームのほうが支払う税金が安く済みます。
建て替えの場合は様々な税金がかかります。不動産取得税、固定資産税、都市計画税、登録免許税などです。
※不動産取得税……土地や建物を購入したときにかかる税金。納税先は都道府県。
※固定資産税……固定資産(土地や家屋など)にかかる税金。新築のほうが家屋の評価が高いため、固定資産税も高くなります。ただし、新築は築後3年間は税額1/2の軽減措置があります。
※都市計画税……都市計画区域の中の土地や建物に課される税金。税額の計算には固定資産税の評価額を使うので、固定資産税が高くなる新築は都市計画税も同様に高くなります。
※登録免許税……不動産の所有権を登記する場合などに、登記所で納付する税金。「登記料」と呼ばれることもあります。住宅を購入した場合は登記が必須なので、建て替えの場合は登録免許税を避けられません。
リフォームの場合、新たに建物を購入するわけではないので不動産取得税、登録免許税は支払いません。
固定資産税の評価額はリフォームの規模によっては高くなります。具体的には「建築確認申請」が必要な規模かどうかによって変わります。3年毎に行われる固定資産税評価額の見直しの際、この建築確認申請がなければリフォームをしたかどうかの見分けが付きません。
建築確認申請が必要なのは10平方メートル以上の増築工事、防火地域の増築工事、主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)を半分以上変更する工事などが当たります。これらに該当し、建築確認申請をしたとしても、新築を建てるよりは固定資産税の評価額は安い場合が多いです。
元々の住宅の良さを活かせる
人によってはこれがリフォームの最大のメリットになります。「愛着がある我が家を解体するのは気が引ける」という人も多いです。
リフォームの場合、建物自体は残しつつ内外装の必要な部分だけを改修するので、元々の住宅気に入っている人でも問題なく手を加えられます。
とくに古い建物の場合、レトロな味わいを残しながら機能性を向上させて「アンティーク」な人気を得ている例も多いです。
リフォームのデメリット
リフォームという選択にはメリットも多いですが、デメリットもあります。
構造の変更に限界がある
リフォームは床面積が変わらなければどんな間取りにも変えられるかといえば、そうではありません。耐久性や耐震性を考慮して柱や壁を移動できないなど、間取りの変更などについては自由度が低いです。
どこまでリフォームできるかは工事する建築会社の技術次第で変わることもあるので、業者選びも慎重に行う必要があります。
家の状態次第で多額の費用がかかる
一般的には建て替えよりもリフォームのほうが費用は安くすみます。ですが、既存家屋の老朽化具合や劣化している箇所によっては多額の費用がかかる場合もあります。
とくに地盤や基礎、主要な柱が傷んでいる場合は高額になりやすいです。地盤沈下やシロアリ被害、多湿による腐食などで悩んでいるという場合は、リフォームではなく建て替えでまるごと変えたほうがいいでしょう。
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建て替えのメリット・デメリット
続いて、建て替えのメリット・デメリットについても見てみましょう。
建て替えのメリット
建て替えのメリットを紹介します。
自由度が高い
家をまるごと作り変える建て替えの場合は、間取りや設備などの不満はほぼ完璧に解決できます。リフォームでは構造上の問題で変更できない部分でも、建て替えなら問題なく間取りを変更できます。
リフォームで対応可能でも、老朽化が進んでいてリフォームが難しいような家だと、工期が延びてしまったり、費用が高額になってしまったりするケースがあります。大掛かりな間取りの変更などを希望する場合も建て替えを選択したほうが無難です。
最新設備を取り入れやすい
最新設備を取り入れたい場合には建て替えがおすすめです。
リフォームとして耐震改修工事などを行うこともできますが、これが結構高額になります。間取り変更などに加えて耐震、耐熱、バリアフリーなどの工事も行うと、費用は跳ね上がります。
こういった最新の性能を取り入れたいという要望がある場合は、建て替えで一度に済ませたほうが手間が少ないうえ、家屋の状況によっては割安になることもあります。
建て替えのデメリット
建て替えのデメリットも確認しておきましょう。
費用が高くなりがち
建て替えの工事費用は家屋全体の解体+新築分の値段がかかるので、リフォームよりも高額になる場合が多いです。
単純な工事費用だけでなく、工期が長い事により仮住まいの住居費などの出費もあるので、本体工事費以上にリフォームと費用の差があります。
新築を建てると不動産取得税、固定資産税、都市計画税、登録免許税などの税金もかかるので、予算に不安がある場合は建て替えは不向きです。
工期が長い
リフォームと比較すると工事が大規模なので、建て替えのほうが工事が長くかかります。
リフォームの場合は工事中も住宅に住み続けられることもありますが、建て替えの場合は仮住まいに引っ越さなくてはなりません。
リフォームにしたほうがいい場合
以下のような場合はリフォームにするのがおすすめです。
できるだけ少額に抑えたい
リフォームは建て替えと比較するとコスト面が非常に優れています。予算に不安がある場合はリフォームにしたほうがいい場合が多いです。
家の一部だけを変更したい
「家族構成が変わったけれど、家の一部の間取りを変えれば対応できる」など、大規模な工事が必要ない場合は、手間やコストのかからないリフォームのほうがおすすめです。
また、「今の家に愛着があるので取り壊したくない」という場合もリフォームで対応できます。
将来大規模な改修をする可能性がある
「将来2世帯住宅にするかもしれない」など、今後家を建て替えることになる可能性がある場合は、今行うのはリフォームにしておくのが無難です。
大規模な工事では建て替える可能性もあるので、現時点では一部だけ改修するなどのリフォームにとどめておいたほうがいいです。
今の土地に再建築ができない
法律の変更などで今の土地に建物を建築できない、あるいは建物を建築できても小さい家になってしまう場合は、リフォームで対処することで解決できるかもしれません。
建て替えにしたほうがいい場合
以下のような場合は建て替えることをおすすめします。
家を代々継いでいける
今後も長く住み続けたり、子供や孫にも家を譲渡したい場合は建て替えたほうがいいケースが多いです。
長く住むことを考えると、耐震基準などの災害対策は万全にしておいたほうがいいので、最新の性能を取り入れやすい建て替えのほうがおすすめです。
主要構造部が大きく劣化している
シロアリ被害などで主要構造部が劣化している場合、リフォームでも柱や壁を作り直すなど工事が大規模になる事が多いです。
その場合、リフォームであっても費用が高額になるので、いっそ建て替えてしまったほうがいいです。工事費用がリフォームと建て替えとであまり変わらない場合は建て替えてしまいましょう。
大規模な間取りの変更などを考えている
大きく間取りを変えたいなど、大規模な変更がある場合はリフォームでは対応できないこともあります。
間取りの自由度などから考えても、室内外の変更が大きい場合は建て替えのほうが向いています。
また、大規模に間取りなどを変更する場合はリフォームであっても工事費用が高額になりがちなので、リフォームよりも建て替えの方がおすすめです。
まとめ
建て替えとリフォームにはそれぞれ異なったメリットとデメリットがあります。
変えたい部分や予算など、状況によってどっちを選ぶべきかは変わります。
迷ったらプロの業者や建築会社に相談してみましょう。たとえば、改修の規模が大きくなりそうな場合に、リフォームで対応可能か、費用はどれくらいになるかなどを聞いてみることができます。
その他、自分の要望や希望を伝えると、どうするべきか、費用はどれくらいかかるかなどを教えてもらえます。
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