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空き家の維持費は年間いくらかかる?
空き家を相続し、所持し続けるということは、意外と大変なことです。空き家を使用していないとしても税金や維持費がかかります。
もし、維持費を払えず空き家を放置してしまうことになれば、その廃屋は不審者のたまり場になってしまうこともあるでしょう。しかし、空き家の維持費は、具体的にどのくらいかかるのか想像が難しいところでもあります。
そこでこの記事では、空き家の維持費とその内訳についてまとめています。ご興味がある方は、参考にしてください。
空き家維持費の10個の内訳について
空き家の維持費は、私達が想像する以上にかかります。何故そこまで費用がかかるのか、気になる方も多いでしょう。
そこで、空き家の維持費について、10個の内訳を詳しくご紹介します。
1:火災・地震保険
誰も住んでいない空き家が火事や地震によって燃える、もしくは倒壊したとしても誰も困ることはないと考える方もいるでしょう。
しかし、その際には後片付けを行う必要があり、保険がない場合は自己負担になってしまうということです。また、崩れた壁や落ちてきた屋根によって近隣の住民に怪我をさせてしまう可能性もあり、その際にも保険の加入が必要となってきます。
2:光熱費
基本料金で電気代が月1,000円程度、水道代は月1,500円程度、そして固定費が月3,000円程度かかります。
空き家だとしても、宿泊や定期的な修繕・掃除のために電気や水道を使用することになります。たまに使うだけであれば、基本料金からあまり変動はしませんが、いつでも使える状態を保つためには別途で費用が発生します。
3:固定資産税
固定資産税は、固定資産の課税標準額もしくは課税台帳に登録されている価格×税金1.4%で計算することができます。固定資産税とは、固定資産(土地・家屋・償却資産)を所有している方にかかる市町村税のことです。
田や畑、宅地、塩田などは「土地」にあたり、住家や店舗・工場、倉庫などは「家屋」にあたります。そして償却資産は、構築物や機械・装置、工具・器具及び備品などのことです。
4:都市計画税
都市計画税とは、都市計画法によって市街化区域に指定されているエリアにある土地や建物にかかる税金のことで、税率は自治体ごとに異なりますが、固定資産評価額に対し最大で0.3%と決められています。
土地に関する特例では、土地の面積200㎡以下の小規模住宅用地において、評価額が課税標準×1/3となり、土地の面積200㎡以上の一般住宅用地では、課税標準×2/3の評価額になります。
5:空き家対策特別措置法
空き家対策特別措置法は、倒壊などの恐れがある管理の行き届いていない空き家に対し、行政側が周囲への被害となる前に空き家の管理・処分を行うことができるものです。
この法律で定められた空き家は、「特定空き家」と呼ばれ、周囲への被害となる恐れがあるということです。特定空き家として行政からの助言や指導に従わなければ、状況改善の勧告と固定資産税の土地に対する特例を対象外にするという措置が取られます。
出典:定義|国土交通省
6:補修費用
建物の老朽化が見られ、損害がある場合は補修が必要となり、費用がかかってきます。例として、瓦のズレや雨漏り、壁材の破損などが挙げられるでしょう。このような専門業者による補修が必要な場合は、1つの工事に数万から数百万円の費用がかかります。
7:マンションの場合は管理費
空き家がマンションの場合は、管理費も必要になります。マンションの空き家は、親から相続によって受け継いだものが多い傾向にあります。一戸建てと違い、解体などの手を加えることはできないため、固定資産税に加えて管理費も支払う必要が出てくることになります。
8:不法投棄されたゴミの処分料
不法投棄されたゴミの処分料もかかってきます。敷地内にゴミが不法投棄されており、犯人が見つからない場合、不法投棄されたゴミの処分料は空き家の所有者が払わなければなりません。
9:庭木の手入れ費
空き家が一戸建てであれば、庭木の手入れ費も必要です。庭木が伸びてしまうと近隣の家の迷惑になってしまうため、業者に剪定を依頼することになります。
自分でやることも可能ですが、庭の広さや植物の量によっては業者に頼んだ方が早いこともあります。植物の成長具合によりますが、剪定は年に数回行わなければ庭木を良好な状態に保つことは難しいでしょう。
そのため、業者に剪定を頼む場合は、年に数十万円の費用がかかることになります。
10:雪が降った場合の排雪費
雪が降って積もるような豪雪地帯の場合は、排雪する必要があります。その際に業者を呼ぶことで排雪費が発生します。
空き家の老朽化が進んでいると、雪の重みによって倒壊する危険性が高いです。雪の重みで空き家が倒壊しないようにするためにも、冬は排雪をこまめにしておく必要があります。
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空き家を維持する上で発生する4つの労力や時間
空き家を維持するためには、費用だけが必要というわけではありません。空き家の維持には、労力と時間もかかります。そこで、空き家を維持する上で発生する4つの労力と時間について、説明していきます。
1:空き家の点検や掃除
空き家の点検と掃除は大切です。建物の換気や破損の有無といった点検は、空き家の倒壊を防ぐためにも念入りにする必要があります。また掃除では、建物内の清掃はもちろんですが、害虫のフンや死骸の処理もしなくてはならない場合もあります。
2:空き家までの移動時間
空き家までの移動に時間がかかる方は多いでしょう。一般的には車などで移動しますが、距離によっては電車や飛行機で移動する必要があります。車の場合は、渋滞に巻き込まれればさらに時間はかかり、電車や飛行機での移動であればその分交通費もかさむでしょう。
3:補修などの業者手配
空き家の補修などをするならば、業者の手配が必要です。業者に依頼するとなると、まずは業者探しから始めることになります。ネット上などで業者の候補を決め、見積もりの依頼を出し、比較した上で業者の手配を行います。
4:作業の立ち会い
作業内容によっては、立ち会いが必要なこともあります。立ち会いでは業者と作業の相談や進行状況の確認をします。このように空き家の作業を進めていくには、数時間はかかると見積もっておきましょう。
空き家の維持費を解消する方法5つ
空き家の維持には多くの費用や労力、そして時間がかかります。現在は維持できていても、将来的に維持し続けることは難しく、無理をして体を壊してしまうこともあるでしょう。そのようなことを回避するためにも、空き家の維持費を解消する方法を5つ、ご紹介します。
1:そのまま売りに出す
地域の不動産や自治体が運営を行っている空き家バンクなどを通して、空き家を売り出す方法があります。これにより、固定資産税や維持費、空き家の管理といった労力が不要になるでしょう。
2:解体して土地を売る
空き家を解体して、土地を売るのも有効です。空き家付きの土地よりも、解体した後の土地の方が高く売却できる傾向にあります。また、自治体によっては、助成金が出るため、解体費用がかからないこともあります。
3:維持するときの注意点
実家であるなどの理由で空き家を手放したくないのであれば、賃貸や民泊として活用する方法もあります。人に貸すことで、維持は入居者に任せることができ、所有者への負担も減ります。また民泊であれば、維持費を収益で補うことも可能です。
しかし、このような維持の場合、入居者は空き家をしっかり管理してくれる方でなければトラブルの原因になることもあるため、注意しましょう。
4:初期の修繕に必要な費用の事前確認をする
空き家を維持するか悩んでいる場合は、初期の修繕に必要な費用を事前に確認しておくのも判断材料になります。空き家の状態が良い場合、金銭面の負担は少なくて済みますが、修繕が必要なところが多々あれば、かかる費用も大きくなります。
そのため維持費だけでなく、初期の修繕費も確認しておくと良いでしょう。
5:自治体などの政策を利用する
自治体などの政策を利用する方法もあります。空き家の放置対策として、国や自治体が空き家活用や政策による支援を行っています。地域によって異なりますが、空き家の修繕や解体に対して補助金を出すなどの内容です。
政策を上手く利用することで、空き家の維持費や処分への負担などが少なくなるでしょう。
空き家にかかる維持費を把握して早めの対策をしよう
空き家の管理は、費用・労力・時間のこれらが所有者に負担をかけるものです。
特に、年間の維持費や初期の修繕費用はしっかり計算して確認する必要があります。維持が難しい場合は、空き家を売却や賃貸として活用することや、自治体の政策を利用することをおすすめします。
空き家にかかる維持費を把握して、早めの対策をしておきましょう。
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