不動産の相続税の評価額の調べ方は?税額を減額させる方法やメリット、注意点

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相続税は、故人が残した遺産の時価に対して課税される税金です。現金や株式などと違って、土地の時価を把握するのは大変です。不動産鑑定士に依頼すれば一筆あたり30万くらいの手数料がかかります。

評価方法は財産によってさまざまで、時価と相続税評価額に乖離がある財産もあります。「不動産を相続したけど評価額はどうやって計算したらいいのかわからない」「相続した土地と建物では評価額の計算の仕方が違うの?」と、相続した不動産の評価額についてお困りではないでしょうか?評価額は、相続税に大きく関わるものなので、正しく計算したいですよね。

そこでこの記事では、不動産の評価額の計算方法や、評価額を減額できるケース、メリット、注意点を紹介していきます。

ご自身が相続した不動産に合った評価額を、正しく計算することができるようになりたいという方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。

相続税評価額とは?

相続税は、相続して財産を受け取る一部の方にかかる税金です。相続や遺贈などによって財産を取得した人ごとの「課税価格」の合計額から、基礎控除額を差し引いた「課税遺産総額」をもとに計算することができます。

相続税ではこの「課税価格」の計算の基礎となる財産の評価方法が「相続税財産評価に関する基本通達」で定められています。

「相続税財産評価に関する基本通達」では、財産ごとに細かい評価方法が定められています。評価の基本的な考え方は「課税時期(相続発生日)において、それぞれの財産の現況に応じて、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額」、つまり「時価」です。

この時価を基本として、その財産の価額に影響を及ぼす事情を考慮した評価方法が財産ごとに決められていて、これが「相続税評価額」です。

たとえば、普通預金は「課税時期における預入高」、定期預金は「課税時期における預入高+既経過利子の額-源泉所得税額」であり、時価そのものになっています。

また、上場株式は「相続発生日の終値」もしくは「相続発生日の属する月以前3ヵ月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額」のうち、もっとも低い額となっています。3ヵ月間で株価が暴騰していない限り、こちらもほぼ時価に近い価格です。

その他、特許権、商標権、著作権などの「無体財産権」、自社株式などの「取引相場のない株式」、債券や投資信託等の金融商品、野菜や果物といった「果樹等」、森林や竹木、牛、馬、犬、鳥、魚といった「牛馬等」と、ありとあらゆる財産についての評価方法が定められています。1相続不動産の評価額の調べ方は土地と建物で異なる

相続した不動産の相続税を申告するためには、不動産の評価額の計算をする必要があります。しかし相続税は、不動産を含めた全ての遺産の合計が基礎控除額下記の場合にはかかりません。

基礎控除額は下記の式で求められます。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の人数

【例】法定相続人が4人の場合:3,000万円+600万円×4人=5,500万円

つまり、この例のような場合は不動産を含めた全ての遺産の合計が5,500万円下記であれば相続税を支払う必要もなく、申告も不要です。

このように相続税の申告が必要なのかどうかを知るためにも、不動産の評価額の計算が必要となります。

ここからは、不動産の評価額の計算方法を解説していきます。不動産の評価額は土地と建物で計算方法が異なります。冒頭でも述べたように、計算方法は下記のとおりです。

土地評価額の計算方法

路線価方式

路線価×土地面積

倍率方式

固定資産税評価額×倍率

路線価方式とは、土地が面している道路につけられる価値のことです。国税庁が定めている指標をもとに計算する方法です。土地に路線価がつけられている場合にはこれを使います。一方、倍率方式とは路線価がついていない場合に使う計算方法です。固定資産税評価額に定められた倍率を掛けて評価額を算出します。建物評価額の計算方法

建物評価額の計算方法

固定資産税評価額×1.0

建物の評価額の計算方法は、とてもシンプルで、固定資産税評価額と同額になります。建物の評価額の計算方法は、「3. 相続した建物の評価額の計算方法」を参考にしてください。

相続した土地の評価額の計算方法

1章でもお話したように相続した土地の評価額の計算方法には、下記の2つの方法があります。

路線価方式

倍率方式

路線価がある地域は「路線価方式」、路線価がついていない地域は「倍率方式」で計算していきます。ご自身の相続する土地は、どちらの方法で算出するべきなのか確認してみましょう。

路線価方式とは?

路線価方式とは、毎年7月に国税庁が公表する「路線価」という1㎡辺りの土地の価格に、評価したい土地の面積を掛けて、評価額を計算する方法のことです。ここからは一緒に、路線価を使って評価額を計算してみましょう。固定資産税の納税通知書

まず用意するのは、固定資産税の納税通知書です。毎年4月の終わり頃から、5月頃にかけて送られてくる書類です。固定資産税納税通知書に、土地の面積(地積)が載っていますので、まずは面積を把握してください。

登記簿謄本

土地を共有で持たれている人は、その人の持分割合を確認する必要があります。持分というのは、その不動産の権利の割合のことをいいます。たとえば例えば、夫が5000万、妻が5000万をだして1億円の不動産を買ったなら、その不動産の持分は、夫2分の1・妻2分の1となります。

しかし、固定資産税の納税通知書に土地の持分は記載されていません。もし持分割合がわからない場合には、法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)をとり、名前と住所の欄で、その人の持分割合を確認してみてください。

固定資産税の納税通知書を持って、最寄りの法務局に行ってみましょう。登記簿謄本は委任状などがなくても誰でも取得できます。

路線価図

インターネットで「路線価」と検索してみると、国税庁のホームページから日本全国の地図がでてきます。

日本全国の地図から調べたい土地を探すと地図が出てきます。道路一本一本に、数字とアルファベットが書いてあります。たとえば「180D」は、この道路に面している土地は、「1㎡あたり180,000円で評価します」という意味です。

180というのは180千円で、0を三つ付けると180,000円になります。つまり18万円ということです。

アルファベットのA~Gは借地権割合です。これは借地権を持っている人だけに関係します。

地積×持分×路線価

路線価が把握できたら、固定資産税の納税通知書や登記簿謄本で確認した土地の面積とをかけ算します。

たとえば、面積200㎡、持分割合1/1、路線価18万円であれば

200㎡ × 1/1 × 18万円 = 3600万円

たとえば、面積300㎡、持分1/2、路線価40万円であれば

300㎡ × 1/2 × 40万円 = 6000万

となります。

倍率方式とは?

路線価を調べてみると、「私の家の前には路線価がない?」という場合があります。下記の場合には、路線価方式ではなく、倍率方式で計算をします。

  • 倍率地域(市街化調整区域)
  • 道路に金額が書かれていない

倍率方式とは、固定資産税評価額に、国が定めた倍率を乗じることによって評価額を計算する方法です。たいていの場合、路線価評価より安くなります。

固定資産税の納税通知書

固定資産税の納税通知書に、「価格」という欄があります。これが固定資産税評価額です。固定資産税評価額とは、固定資産税を計算するために、市区町村が算出した評価額です。

これは基本的には3年に1回しか見直されません。令和3年(2021年)に評価替えされましたので、次回は令和6年(2024年)です。

登記簿謄本

路線価方式の場合と同様に、登記簿謄本で持分割合を確認しましょう。固定資産税の納税通知書に記載されている情報は、あくまで不動産全体の情報です。持分割合を掛け忘れると正確な評価額が計算できなくなってしまうので注意しましょう。

倍率表

国税庁のホームぺージから倍率表をゲットしましょう。場所は、路線価図の場所と同じ場所にあります。

倍率表

評価しようとする土地の地目(宅地、田、畑、山林、原野、牧場、池沼)ごとに、1.2や56などの数字が記載されているものが評価倍率です。自分の土地が、市街化調整区域や農用地区域に該当しているかについては、市役所や区役所の都市計画課に電話すれば教えてくれます。

自分の土地が、登記簿上は山林だけど今は宅地として使用しているという場合は、地目は登記地目より現況地目が優先されます。

固定資産税評価額×持分割合×倍率

3つの用意ができましたら、路線価方式と同様、掛け算をしていきます。

たとえば例えば、固定資産税評価額1000万、持分1/1、倍率1.2(宅地)だった場合

1000万 × 1/1 × 1.2 = 1200万

となります。

減額要素

土地の相続税評価額は、その土地の利用方法や契約関係、地型などによって様々な減額が認められています。

相続税に不慣れな税理士だと、これらの減額の処理をしないまま、税務署に提出してしまうことがあります。相続税の過払いにならないよう、税理士選びは慎重におこないましょう。

貸家建付地

アパートや貸家の敷地に使われている土地を、貸家建付地(かしやたてつけち)といいます。貸家建付地は、約20%ほど評価額を減額することができます。

借地権

地主さんから土地を借りて暮らしているというような借地権についても相続税の対象になります。相続税評価額は、上記により算出した土地全体の相続税評価額に、借地権割合をかけて計算します。

地積規模の大きな宅地

500㎡以上の大きな宅地のうち、要件を満たす土地には、大幅な減額が認められています。

相続した建物の評価額の計算方法

相続した建物の評価額は、簡単に計算することができます。

倍率方式と同じように、固定資産税評価額が元となるため、毎年4月頃に送られてくる固定資産税課税明細書(納税通知書)はなくさずに保管しておきましょう。

建物の評価額は、下記の式で計算します。

評価額=固定資産税評価額×1.0

つまり固定資産税評価額が建物の評価額ということです。

実は、これらの評価額には、減額できるケースがあります。相続不動産の評価額を減額できるケース

土地・建物の評価額の出し方は上記の通りですが、減額できるケースがあります。減額ができるケースなのに、知らずに多く相続税を支払ってしまうのは絶対に避けたいですよね。

土地と建物それぞれの減額できるケースを紹介します。相続税を正しく計算するためにも、当てはまるものがないか確認しましょう。

土地と建物の評価額が減額できるケースは土地の形がいびつであったり、土地の一部に私道がある場合など様々です。

土地の形がいびつな場合

土地の形がいびつな場合は、いびつな部分の割合に応じて土地の評価額が下がります。正方形もしくは長方形以外の土地はこれに当てはまります。

土地の形がいびつな場合の計算方法は下記の式です。

土地評価額=路線価×不整形地補正率×土地面積

まずは、不整形地補正率を算出しなければなりません。

不整形地補正率を見る際に必要なかげ地割合は下記の式で計算します。

かげ地割合=(想定整形地の地積−不整形地の地積)÷ 想定整形地の地積

想定整形地とは、いびつな形をしている土地全体を囲む正方形もしくは長方形の土地です。たとえば、下記のようになります。

例として下記のような場合での土地評価額を計算してみましょう。

  • 普通住宅地
  • 土地面積:200㎡
  • 想定整形地の地積:300㎡
  • 路線価:165,000円

最初にかげ地割合から計算していきます。

かげ地割合:想定整形地の地積−不整形地の地積)÷想定整形地の地積=(300㎡−200㎡)÷300㎡=0.33(33%)

地区区分:普通住宅地区Aより不整形地補正率は0.90

土地評価額=路線価×不整形地補正率×土地面積=165,000円×0.90×200㎡=2,970万円

減額がない場合の評価額は3,300万円なので、300万円以上減額されたことになります。土地の形がいびつな場合は計算方法が大変ですが、かげ地割合が高ければ高いほど補正率も高くなるので当てはまる場合は、必ず不整形地補正率を入れて計算しましょう。

間口が狭い場合

間口が狭い場合も利用しづらいことが理由で、土地の評価額が下がります。減額されるのは路線価方式で評価額が出される地域だけです。普通住宅地では、間口が8m未満の場合に評価額が減額されます。

計算式はこちらになります。

土地評価額=路線価×間口狭小補正率×土地面積

計算をする際には間口狭小補正率という表を用いて、減額がどの程度なのか知ることができます。たとえば、下記のような場合の評価額を算出してみましょう。

  • 普通住宅地
  • 土地面積:200㎡
  • 路線価:165,000円
  • 間口距離:7m(補正率0.97)

このような場合の土地の評価額を計算してみると下記のようになります。

土地評価額=路線価×間口狭小補正率×土地面積

     =165,000円×0.97×200㎡

     =3,201万円

減額がない場合は3,300万円となり、約100万円評価額が下がります。間口が狭く、間口狭小補正率が1.00よりも小さくなる場合には、間口狭小補正率を掛けて計算するようにしましょう。

奥行が短いまたは長い場合

普通住宅地では奥行きが下記の場合に評価額が減額されます。

  • 10m未満
  • 24m以上

評価額の計算方法は、下記のとおり下記の通りです。

土地評価額=路線価×奥行価格補正率×土地面積

計算式は、間口の場合と変わりありません。たとえば、下記の場合の評価額を算出してみましょう。

  • 普通住宅地
  • 土地面積:200㎡
  • 路線価:165,000円
  • 奥行距離:33m(補正率0.93)

このような場合の土地の評価額を計算してみると下記のようになります。

土地評価額=路線価×奥行価格補正率×土地面積

     =165,000円×0.93×200㎡

     =3,069万円

減額がない場合は3,300万円となるので、約200万円の減額です。普通住宅地では、奥行が10m未満もしくは24m以上であれば減額できるので当てはまる場合は、奥行価格補正率を掛けるのを忘れないようにしましょう。分譲マンションの土地の場合

マンションを相続する場合も土地と建物に分けて評価額を出します。建物の評価額の計算方法は変わらず固定資産税評価額と同じです。

土地は、マンション全体の評価額から持分割合の部分が相続税の対象となります。マンションの土地全体の評価額が相続税にかかってくるわけではないのでご安心ください。

マンション全体の評価額は戸建ての土地と同じように路線価方式か倍率方式で算出します。持分割合というのは、マンション全体に対して所有する権利割合のことです。

持分割合の確認方法は、マンションの売買契約書や登記簿をご覧ください。敷地権の割合という項目に「987,654分の321」などと記載されています。

つまりマンション全体の評価額にこの割合をかけた金額が相続税の対象となります。

下記の場合の土地評価額を計算してみましょう。

  • 普通住宅地区
  • 路線価:120,000円
  • 土地面積:1,300㎡
  • 持分割合:453,024分の6292

この場合の土地評価額は下記のようになります。

評価額=路線価×土地面積×持分割合

   =120,000円×1,300㎡×6,292/453,024

   =650万円

土地評価額650万円に建物の固定資産税評価額を足すと分譲マンションの土地と建物を合わせた評価額になります。

借地の場合

借地の場合にも土地の評価額全てが相続税の対象になるわけではありません。借地の土地の評価額の計算方法は、下記の通りです。

評価額=土地の評価額×借地権割合

このように評価額を計算する際には、土地を借りる際に交わされる借地権が関係してきます。借地権割合というのは、路線価図を見るとわか分かります。路線価図で「89D」と書かれている場合、借地割合は記号Dで60%になります。

下記の場合の借地評価額を計算してみましょう。

  • 普通住宅地区
  • 路線価:89D(89,000円)
  • 土地面積:200㎡

借地の場合は、土地の評価額に借地権割合を掛けるだけなので下記のようになります。

評価額=土地の評価額×借地権割合

   =(89,000円×200㎡)×60%

   =1,068万円

借地であれば、通常の土地評価額よりも借地権割合の分だけ減額されることになります。

土地の一部に私道がある場合

私道とは土地の所有者が管理する道路のことです。私道は使われ方によって、完全に相続税評価の対象にならないことがあります。私道の使われ方の場合に評価額は変わってきます。

特定の人が使う私道なのか、不特定多数の人が使う私道なのかによって評価額に含まれるかが決まるのです。

土地の一部に私道がある場合の土地評価額の計算方法は

  • 路線価方式
  • 倍率方式

の2パターンあります。

計算式はそれぞれ下記のとおり下記の通りです。

路線価方式

路線価×補正率(当てはまる場合)× 土地面積 × 30%

倍率方式

固定資産税評価額 × 倍率 × 30%

どちらの場合にも通常の土地評価額に30%を掛けるだけです。

実際に下記の場合の土地評価額を計算してみましょう。

  • 普通住宅地区
  • 正面路線価:89,000円
  • 土地面積:100㎡
  • 奥行距離:27m(補正率0.97)

この場合、奥行価格補正率が適用されるので評価額は下記のようになります。

評価額=路線価×奥行価格補正率×土地面積×30%

   =89,000円×0.97×100㎡×0.3

   =約259万円

奥行価格補正率だけではなく、間口狭小補正率や不整形地補正率も使えるので当てはまる場合は計算に入れてください。

私道が含まれている場合計算が難しいですが、減額や相続税評価の対象外となることもあるので確認しておきましょう。駐車場の場合

相続する土地を貸付の駐車場として利用していた場合にも、相続税評価の減額が可能になることがあります。

ただしどのような状態で駐車場にしていたかによって異なります。下記のような青空駐車場は減額対象外です。

  • ロープを張ってあるだけ
  • 車止めの石が置いてあるだけ
  • 下記の駐車場であれば、減額の対象となります。
  • コンクリートや砂利をしいて舗装している
  • 柱や屋根といった構造物がある

これらの場合には、小規模宅地等の特例に該当します。駐車場ということで他者に土地を貸し、貸付事業用宅地等に分類されるので減額が認められるのです。駐車場の場合は、評価額の50%が減額されます。

賃貸アパート・マンションの場合

建物の評価額で減額できるのは、

  • 賃貸アパート
  • 賃貸マンション

これら2つの建物を相続した場合です。

最初にお話しましたが、建物の評価額は固定資産税評価額によって決まります。建物をご自身で使っている場合には、固定資産税評価額が相続税評価額になるのですが、賃貸として他者に貸していればその分を減額することができるのです。

減額した建物評価額は下記の計算式となります。

建物評価額=建物の固定資産税評価額×(1-借家権割合30%×賃貸割合)

つまり借家権割合と賃貸割合をかけたものの割合が大きければ大きいほど、建物評価額は低くなり、相続税評価額も低くなるというわけです。

下記の場合、評価額がどのくらいになるのか計算してみましょう。

  • 建物の固定資産税評価額:1億2,000万円
  • 賃貸割合:95%

計算式に当てはめてみると、下記のようになります。

建物評価額=建物の固定資産税評価額×(1-借家権割合30%×賃貸割合)

     =1億2,000万円×(1-0.3×0.95)

     =8,580万円

通常の建物であれば1億2,000万円のところ、賃貸であれば8,580万円になり3,420万円も減額されます。

しかし賃貸物件であっても、空き部屋が多ければ空いているスペース分は引けなくなるため、相続税評価額も上がってしまいます。賃貸物件を建てた際には、なるべく部屋が空いている状態が続かないように工夫したいですね。

相続税を軽減させる方法

小規模宅地等の特例を使えばさらに減額できる可能性があります。この特例を利用できれば、評価額を50%から80%も減額できるため大きな節税になります。

まずは土地の種類をみて当てはまる場合には、小規模宅地の特例を使える可能性があります。特例を使える要件や減額される金額について詳しく説明していきます。

特例を利用する際は必ず税務署への申告

小規模宅地等の特例を利用する場合は、必ず税務署に相続税の申告書を提出する必要があります。特例を利用することによって相続税がかからないときは、申告しなくても良いというわけではありません。

もし、相続税を支払う必要がないからといって申告しなかった場合には、税務調査が入り延滞税や加算税を支払わなければならなくなることもあり要注意です。

結果として余分な税金を支払うこととなるので、特例を利用する場合は忘れずに申告書を提出しましょう。

住んでいた土地の場合

1つ目は、被相続人か生計同一親族が住んでいた宅地の場合です。特例の適用要件は、下記のとおり下記の通りです。

被相続人か生計を共にする親族が住んでいた土地を配偶者が相続する

被相続人と同居していた親族が相続した土地に住み続ける

生計を共にする親族が相続した土地に住み続ける

これらの要件に当てはまる場合は、80%の減額が受けられます。その際の限度面積は330㎡です。具体的にどのくらい減額されるのかみてみましょう。

  • 相続評価額:6,000万円
  • 土地面積:400㎡

この場合、土地面積が330㎡を超えているので、超えた70㎡の部分には80%の減額が受けられません。計算してみると下記のようになります。

特例適用額=6,000万円×330㎡/400㎡×80%=3,960万円

つまり3,960万円減額されるので相続評価額は、2,040万円となります。

小規模宅地等の特例を使うと大きな減税ができるので、当てはまる場合はぜひ活用しましょう。

貸していた土地の場合

2つ目は、その土地を貸付事業として使っていた場合です。この場合の適用要件は下記になります。

相続の開始前からその土地で貸付業を営んでいる

相続人が申告期限まで貸付事業を継続している

貸付事業とは、

  • 貸し付けしているアパート・マンション
  • 貸し駐車場・駐輪場

が対象となります。

このように土地を貸付事業として営んでいた場合、減額割合は50%です。限度面積は200㎡となるので減額率は低めですが、当てはまる場合は活用した方が節税になります。

被相続人が商売などをしていてお店を建て事業用として使っていた土地の適用要件は下記になります。

  • 相続開始の3年よりも前からその土地で事業を営んでいる
  • 相続人が申告期限まで事業を継続している

事業用の土地を相続した場合は、相続税の80%を減税でき限度面積は400㎡となります。

小規模宅地等の特例は、要件に当てはまれば計算もシンプルなので利用しやすいです。また、減額率も高いのでまずは利用できないか要件を確かめてみましょう。

評価額を減額させる際の注意点

現金を違う資産に換えることによって相続財産全体の評価額を下げることができますが、こちらはあくまでも相続税に焦点を当てた対策であり、他の対策にとっては有効とならない場合があります。

たとえば現金を不動産に換えた場合には、税負担の軽減にはなるかもしれませんが、遺産分割の面から見ると分割しづらい財産となり、誰が相続するのかを巡って揉め事が起きてしまい、現金のままのほうがよかったということになりかねません。

税負担の軽減だけではなく、遺産分割や納税資金準備もあわせた対策を立てることが大切です。

条件が当てはまる場合は、相続税の申告を行うことで減額が適用されます。

路線価や倍率方式による土地の価格は、「相続税評価額」といい、その名の通り、相続税を計算する時に使われる評価額です。

似たような評価額で、固定資産税評価額があります。これも名前の通り、固定資産税を計算する時に使われる評価額です。そして、実際に不動産を売る際に、売買契約が成立する金額があります。時価とは、まったくの他人同士で売買契約が成立する金額を指します。売る人からすれば、できるだけ高く売りたいですし、買う人からすればできるだけ安く買いたいですが、この2つの気持ちがバランスする金額が、本当の意味での時価になります。

このように、不動産の価格には、

  • 相続税評価額
  • 固定資産税評価額
  • 時価

という3種類の価格が存在します。

相続税評価額は、時価より安い

この3種類の価格には、高いものと安いものがあるのです。一番高いのは時価、二番目は相続税評価額、最も安いのは固定資産税評価額です。時価を100だとすると、相続税評価額は80、固定資産税評価額は70という関係になります。時価・相続税評価額・固定資産税評価額の関係

1円でも多く税金を取ろうとしている国税庁が割安な価格で路線価を設定し時価の8割に路線価を設定しいる理由は二つあります。

一つ目は、不動産を実際に換金するためには多くの時間とエネルギーが必要であり、換金が簡単な財産(株式など)と同じように評価するのは、納税者にとって酷であるという理由です。

二つ目は、路線価は年に1度しか改定されませんが、不動産の時価は1年の間でも大きく変動します。そういった変動をその都度織り込むことができないため、割安な評価にして納税者に損をさせないような形にしているのです。

いずれにしても、実際の売買価格より、相続税評価額は割安だから、税金的にはお得ということになります。

不動産購入による節税の仕組み

実際の売買金額よりも相続税評価額は低くつけられます。不動産屋さんが「アパート買うと相続税対策になりますよ」というのは、この不動産の時価と評価額の差額のことを言っているのです。

たとえば例えば、1億円で土地を購入し、その上にアパートを建築したとします。

アパートを購入する前は、預金1億円を持っています。まず、土地を購入した時点で、土地の相続税評価額は時価の80%になるので8000万円の評価額となります。

さらに、アパートなどの賃貸物件の敷地になっている土地については、そこから約20%の割引を受けることができます。

そのため、評価額は6400万円になります(8000×80%=6400万)。

アパートの敷地などは20%程度の割引が受けられる理由は、自分が自宅として使っている土地と比べて、アパートの敷地は売却したりアパートを取り壊したりするのに、入居者がいる分、多くの制約がつき、その分を評価に織り込んであげようという理由からです。このように、1億円で買った土地が、評価額では6400万円となりました。差額は3600万円です。

また、土地を相続した人が賃貸経営を継続させるのであれば、200㎡まで50%引きにしてもらえる小規模宅地等の特例という制度があります。これが使えれば、評価額3200万まで下げることができます。もともと1億円だったのに3分の1くらいになります。

不動産の相続税の評価額は減額させることが可能

今回は、相続した不動産の評価額の計算方法についてご紹介しました。土地と建物の評価額の計算方法には違いがあります。土地と建物それぞれに減額できるケースもあり、知っていることで大きく得することができます。

相続した土地が下記以下の場合には小規模宅地等の特例も利用できる可能性もあります。条件が当てはまる場合は、相続税の申告を行うことで減額が適用されます。

損をしないためにもご自身の相続した土地・建物に該当するところがないか、もう一度ご確認してみてください。

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