家の外壁に「コケ」発生!放置する危険性とは?自分で除去は可能なの?

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家の外壁がなんとなく汚くなってきたな…とよく見てみると、黒というよりは緑がかった色の汚れが付着していた、ということはありませんか。特に北側の、日当たりの悪い壁面で発見されがちなこの汚れは、「コケ」です。樹木や石垣にびっしりとくっついているコケはよく見かけるでしょう。神社などでも「コケむした」石段を見ることもありますよね。

コケは、条件さえそろえばどこにでも発生するものです。もちろん、家の外壁も例外ではありません。しかし家に付着しているコケは、単に汚れて見えてしまうだけでなく、放置しておくと大変な事態を引き起こします。発見次第何らかの手段を取らなければならないのです。

今回は、住宅の外壁に生えてしまったコケのお話です。

コケとは

カビとの違い

コケは一見、カビと見分けがつけづらい場合があります。湿度の高いところでびっしりと壁を覆うような生え方をしていると、カビなのかと思うことがあるはずです。

カビもコケも胞子で増えますが、カビは菌類、コケは植物に分類されるものです。基本的に緑系統の色をしていたらコケ、その他の色であればカビと判断してよいでしょう。

また、カビは平面的に発生しますが、コケには植物らしく厚みがあるのが特徴です。

コケの増殖しやすい条件

コケはまず、林や川べりなどから胞子が風に乗って飛んできて、家の壁面や屋根に付着し、その後条件がそろうと増殖していきます。

では、その増殖しやすい条件にはどのようなものがあるのでしょうか。

立地の条件

川や池などが近い

前述したように水辺にはコケが多く、その胞子が飛んできやすいこと、また湿度が上がりやすいため、コケの増殖に適した環境になりやすいといえます。

林や山が近い

こちらも胞子が飛んできやすい環境であるため、増殖する可能性は高くなるでしょう。

日当たりが悪い

胞子が付着した壁面が乾燥しにくく、いつまでも湿気を保ってしまうため、コケの増殖をうながしてしまいます。

また、日当たりが悪くない家でも、湿気が多い立地であれば、北側の壁面にコケが発生することも考えられます。

風通しが悪い

隣家との間隔が狭かったり高い塀で囲まれたりしていて、風通しが悪いと湿気が溜まり、コケの増殖をうながす環境になってしまいます。

その他

上記の条件に当てはまらなくても、室内外の温度差が大きく壁に結露ができやすい家も、コケが増殖しやすくなります。

外壁の条件

外壁が凹凸やざらつきがある素材である

なめらかな壁面の外壁よりも、モルタルやサイディングといった凸凹やらざらつきのある素材の外壁の方が、細かい水滴など水が溜まりやすく、コケの繁殖要素となりがちです。

塗装の防水性が落ちている

外壁の塗装材には防水機能があり、雨などの水ははじくように働いていますが、経年劣化で防水性が落ちてきたり、塗装剤自体がはがれてきたりします。

こうなると壁に付着したコケは水分を含みやすくなり、増殖の速さが増してしまいます。

詳しくは後述しますが、逆に考えると、コケの増殖度によって外壁塗装のメンテナンスの必要時期が来ている、ということがわかるともいえます。

コケを放置すると起きる影響

見た目が汚い

まず単純に「見た目が汚らしい」と言う悪影響があります。特に明るい色の壁であれば、コケの緑色が目立ち、しかもまばらに発生していると余計に不潔な印象を受けるでしょう。

壁の劣化・腐食が進む

コケが増殖し始めているときには、すでにその部分の塗膜がはがれつつあり、防水性が下がってしまっています。

コケは湿気を吸ってどんどん膨らんでいくため、そのままにしておくと壁にヒビが入ったり膨らんだり、浮き上がってきたりする原因となってしまいます。放置を続けると、内側まで水が侵入し、雨漏りにまでつながります。

人体に健康被害を引き起こす恐れがある

コケの種類によっては、アレルギー性物質を含むものも存在しているため、特にアレルギー体質の方はコケの胞子を吸い込まないよう注意が必要です。

また、コケが原因でカビの発生につながることもあり、コケそのものよりもカビの毒性も懸念されます。

コケの増殖段階

初期段階

外壁に薄い黄緑色のコケがうっすらと乗っているような状態は、まだ増殖の初期段階であり、水拭きで簡単に取れます。

この段階では、まだ塗膜が残っていて防水性もなくなっていない状態のはずです。壁に水をかけてみて、はじくかどうかを確認してみるとよいでしょう。

これ以上コケの増殖を進行させないためにも、拭き取ったあとに、後項で紹介するようなコケ予防クリーナーを塗布しておくとなお安心です。

中期段階

コケの緑色が濃く、拭いても取れない場合は要注意です。壁の奥深くにコケが入り込み始めている状態であるため、本格的な除去が必要になる段階に来ています。

自分で除去できる場合もありますが、この段階では塗膜が剥がれて限界を迎えている状態と考えられるため、水をかけてはじかないようであれば外壁塗装のメンテナンスを検討する時期だと考えましょう。

塗装を業者に依頼する際には、コケの除去も同時に行ってくれます。

末期段階

日当たりの悪い地面などに、こんもりとコケが繁茂しているのを見かけたことはありませんか。

壁に発生したコケが厚みを増し、そのような状態に近い段階まで来ると、外壁の内部が腐食してしまっている恐れも出てきます。

ここまで来てしまうと、コケの除去や外壁の塗装だけでは根本的な解決にならず、外壁自体の交換が必要になってしまいます。当然、塗装よりも高額な工事費用が必要になってしまうため、この末期段階に至る前に手を打つことが重要です。

早期発見、早期対処はコケに対しても必要なのです。

コケを除去する

コケを放置するとさまざまな不具合が出てくるため、早期に除去する必要があります。

除去は自分自身で行うか、業者に依頼するか、どちらかを選びます。

自分でやるか業者に頼むか、判断基準は

コケの除去は、軽度であれば自分で行うことも可能です。ただし「この場合は業者に依頼した方がよい」というケースがいくつかあります。

自分で行えば、業者に頼るよりも安価で済みますが、うまくいかなかったり手間や危険が多かったりすると費用対効果の面では業者にお願いした方が総合的に見てよいこともあります。

まずは、その判断基準を確認しましょう。

コケが高所に発生している

手どころか高圧洗浄機などでも届きそうにないような高い場所にコケが発生しているのであれば、無理をせず業者に依頼しましょう。

脚立や台に乗れば届くという程度でも、その上での作業は素人にとっては思った以上の危険があります。高所に洗剤を噴霧したとき、飛沫を頭からかぶってしまう恐れもあるでしょう。

無理なく手が届く範囲以外は、自分で行うことはやめておいた方が賢明です。

コケの発生が広範囲に渡っている

高所ではなく手が届くような低い箇所でも、部分的ならまだしもかなりの広範囲にコケが広がっているならば、やはり業者にお願いした方がよいでしょう。

この場合は自身で除去しようとすると単純に時間がかかるだけでなく、外壁の塗装が全体的に限界を迎えている可能性があるためです。

壁が水をはじかない

コケの発生しているあたりに水をかけてみましょう。前述したように、塗装が剥げて防水性が低下していると水をはじかず、壁が吸い込んでしまいます。この状態では自力でコケの除去をすることは難しいだけでなく、外壁塗装も依頼する時期に来ているということなので、迷うことなく業者に依頼しましょう。

自分で除去する場合

上記を踏まえて、自分でも十分除去が可能な範囲内だと考えられるなら、以下を参考に進めていきましょう。

用意するもの

まずは体の安全を確保するために、防護装備を用意します。レインコートなど体を覆うもの、ゴーグルやマスクなど飛沫が目鼻や口に入るのを防ぐもの、ゴム手袋、といったものがあるとよいでしょう。

噴霧する洗剤は、コケ取りに適したものが販売されているので、そこから選びます。

このとき注意したいのは「塩素系洗剤」「酢」などは使用を避けるべきという点です。

塩素系洗剤は壁材が変色したり、傷んでしまったりする恐れがあり、酢はもともと食品であるため、コケを除去できたとしても余計な虫が寄ってくることがあるからです。しかも、洗浄力は洗剤に及びません。

洗剤はきちんと専用のものを使うことをおすすめします。

スポンジやブラシの形状・長さは、コケの発生している場所に応じて選択します。

手順

まずは泥などコケ以外の汚れを、雑巾ややわらかめのブラシなどでやさしく落としていきましょう。あまりゴシゴシこすると外壁が傷ついてしまうため、力加減に気をつけます。

それからコケ取り洗剤を塗布していきます。使用説明をしっかり読んだうえで撒きましょう。たいていの製品は、塗布して放置しておくだけで、翌日~3日後くらいに自然と効いてきます。それで落ちないしつこいコケは、やはりブラシなどでやさしくこすりましょう。

注意!高圧洗浄機は使わない方がいい!?

自分でコケを除去する際に、有効に思えるのが高圧洗浄機の使用です。頑固な汚れを落とすのに効果的な道具なので、コケにも威力を発揮してくれると思われがちです。たしかに、コケはきれいに落ちますが、一緒に外壁の塗装まで傷めてしまう、剥がしてしまうという恐れもあるのです。

そのため、高圧洗浄機を使うのは、コケの除去のあとにすぐ外壁塗装工事も控えているというときだけにとどめておいたほうがよいでしょう。外壁塗装の際は、古い塗装をすべて取り去ってから新しく塗装を行うため、コケも塗装も除去してしまってかまわないからです。

あくまでコケの除去のみが目的であるなら、高圧洗浄機の使用はやめておきましょう。

業者に依頼する

業者にコケ除去をお願いすると、通常はふたつの方法のどちらかで作業を行ってくれます。「高圧洗浄」と「バイオ洗浄」です。

高圧洗浄

自分で除去する場合の項でも述べましたが、高圧洗浄機による外壁の掃除は塗装を剥がしてしまう恐れがあります。したがって、業者がこの方法を選ぶのは外壁塗装とセットでの依頼があったときです。

バイオ洗浄

業務用の専用の洗剤を塗布して除去する方法です。コケを根元から分解して、きれいに落とせます。

業者に頼むなら外壁塗装とセットで!

軽微なコケであればともかく、頑固なコケは古い塗膜ごと剥がしてしまうくらい強力な方法でないと除去できない恐れがあります。また、頑固なコケが生えること自体が、塗膜の防水性に限界が来ている証でもあります。

したがって、業者にお願いするほどコケの増殖が酷い場合は、迷わず外壁塗装とセットでコケの除去を依頼するとよいでしょう。そうすれば、足場を組む作業も一回で済むため、足場費用の大幅な節約にもなります。

コケを防止する

せっかく除去しても、またコケが増えてくるのは困りものです。自然豊かな立地であることや、日当たり・風通しの悪さが原因でのコケの発生はある程度仕方ないため、定期的に外壁の掃除をしてコケが増殖を始める前に付着した胞子を取り除くようにするとよいでしょう。

また、「光触媒塗料」や「防藻・防カビ性の高い塗料」を使用することでも、コケ増殖の予防となります。

さらに根本から改善したいのであれば、外壁を金属製の素材にしてしまうという方法もあります。凹凸がなくフラットな壁面なので、コケの胞子が付着することがなくなります。ただし外壁全面を張り替えるとなると、費用もそれなりに高額となるため、慎重な検討が必要になるでしょう。

まとめ

コケの汚れを「単なる植物だし」と放っておくことはとても危険だということがわかりましたね。また、軽度で狭い範囲であれば自分自身で除去することも可能ですが、重度・広範囲・高所に発生している場合は、無理をせず危険を避けて業者に除去を依頼することも検討しましょう。

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