固定資産税評価額とは?意味・調べ方・計算方法について解説
固定資産税評価額はどのように決められるのか気になることはありませんか?
土地や建物などの不動産を購入すると毎年支払いが必要になる固定資産税ですが、評価額については果たして誰がどのように決めているのでしょうか。
今回の記事では、固定資産税評価額の決め方、調べ方、計算方法などについてご紹介いたします。
ぜひ、固定資産税評価額について詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
固定資産税評価額とは
固定資産税評価額とは、資産の価値を金額に表したもので、固定資産税を決める上で計算に使われる評価額でもあります。
固定資産税評価額は各市区町村が決定していて、3年に1度見直されます。
固定資産税とは
固定資産税とは、毎年1月1日に土地や家などの固定資産の所有者に課税される地方税です。
課税対象になるものは他にも、田、畑、山林、池沼、牧場、倉庫、工場なども含まれています。
なぜ、固定資産税を払うのかというと、一般的な財源にあてられるためです。
教育、文化、福祉の充実をはじめ、さまざまな行政サービスに役立てられています。
納付期間は、基本的に6月・9月・12月・翌2月となりますが、自治体によっても異なる場合があります。
また、固定資産税は年4回に分けずに、一括で支払うことも可能です。
固定資産を持っている場合、固定資産税は毎年払わなくてはなりません。
固定資産税評価額と固定資産税の違いについて
「固定資産税評価額」は固定資産税の計算に使われる評価額のことを指すので「固定資産税」とは意味が異なります。
固定資産税は、固定資産の所有者に課税される地方税です。
意味を混合して覚えることのないように気をつけましょう。
固定資産税評価額の調べ方
ここでは、固定資産税評価額の調べ方についてご紹介いたします。
主に3つの方法から確認することができます。
課税明細書を確認する
固定資産税評価額の調べ方は、各市区町村から毎年送られてくる納税通知書を確認することでわかります。
土地や家などの固定資産を持っている人なら、春頃に役所から郵便物が届きます。
課税明細書には、固定資産税評価額と合わせて固定資産税も記入されています。
固定資産税評価額を調べる上で、一番簡単でわかりやすい方法です。
固定資産課税台帳を閲覧する
固定資産税評価額を調べるためには、固定資産課税台帳を閲覧する方法もあります。
市区町村の役所で閲覧できるので、課税明細書を無くしたなど何らかの事情がある方は、ぜひ役所に足を運んでみてください。
申請するには以下が必要になります。
・申請書(市区町村のHPから事前にダウンロードして、必要事項を記入する)
・本人確認ができるもの
・手数料
また、閲覧できる人は、固定資産税の納税義務者をはじめ、相続人、あるいは借地人・借家人です。
固定資産評価証明書を取り寄せて調べる
固定資産税評価額を調べるためには、固定資産評価証明書を取り寄せる方法もあります。
固定資産評価証明書はその名の通り、固定資産課税台帳に登録されている固定資産の評価額などを証明した書類です。
また、以下の情報が必要になります。
・申請書
・本人確認ができるもの
・手数料
役所の固定資産を扱う課に申請して、固定資産評価証明書を取り寄せるための手続きを行ってください。
他にも、固定資産評価証明書は郵送で申請して取り寄せることも可能です。
また、以下の情報が必要となります。
・申請書(市区町村のHPから事前にダウンロードして、必要事項を記入する)
・返信用封筒(宛先を記入し切手を貼る)
・手数料分の定額小為替
忙しくて中々、役所に足を運ぶことができない方におすすめです。
固定資産税評価額の用途
固定資産税評価額の用途は、固定資産税の基準として使われますが、他にも、登録免許税、不動産取得税、都市計画税の算出にも役立てられています。
土地や家などの不動産を、どれくらいの値段で売却できるかを知る上でも参考になります。
固定資産税評価額の決め方
固定資産税評価額を決めているのは市区町村です。
しかし、全国で統一するために総務大臣が定める「固定資産評価基準」を元にしなければならない決まりがあります。
また、基準方法の原則は、土地や建物によっても異なります。
土地は「売買実例価格」建物は「再建築費」を評価の基準に見た上で、最終的に各自治体が固定資産税評価額を決めていきます。
固定資産税評価額の計算方法
ここでは、固定資産税評価額の計算方法についてご紹介いたします。
また、土地や建物によっても計算方法は異なるのでしっかり押さえていきましょう。
土地の場合
早速、土地の固定資産税評価額の計算方法についてご紹介いたします。以下の計算方法となります。
「土地の固定資産税評価額=土地の公示価格×70%」
土地の固定資産税評価額は、所有している土地が住宅用地・農地、更地であるのか、さまざまな条件によっても金額に変動があります。
一般的に地価が高い場所、更地は固定資産税も高いです。
しかし、土地の固定資産税評価に至っては、地価が下がらない限り、大きく金額が下がることはほとんどありません。
土地は消費されるものではないので、建物とは異なり、時間経過により大きく価値が下がることはありません。
固定資産税評価額は、3年に1度見直されるのでしっかりチェックしてみてください。
建物の場合
続いて、建物の固定資産税評価額の計算方法についてご紹介いたします。以下の計算方法となります。
「建物の固定資産税評価額=再建築価格×経年減点補正率」
所有する建物が新築の場合、再建築価格を基準にして評価されます。
再建築価格は、評価対象となった建物と同じものを評価時点に再び新築する場合にかかる費用を指します。(条件は、同一の建物の構造で、同程度の部材を用いて建築することになります。)
経年減点補正率は、建物が年数経過によって生じる損耗状況による減価を表したものです。
新築であっても建物の評価は、家を購入した時と同じとは限りません。
また、木造か鉄筋コンクリート造かによっても耐用年数に違いがあるので評価も違います。
新築以外の建物も新築同様に評価を求めますが、その価額が前年度を超える場合、通常前年度の額に据え置かれます。
建物の時価が0円であると、自治体は固定資産税を徴収できなくなりますが、それを避けるために「新築時の固定資産評価額×20%」を最低価額としています。
建物がどんなに古くなっても2割分は残ると覚えておきましょう。
固定資産税評価額の評価の方法
固定資産税評価額を設定する上で、建物では屋根、内壁、外壁などに点数をつけて計算を行います。
基本的に1点=1円として見ることができます。
また、物価水準や設計管理などによる補正率も定められています。
固定資産税評価額を計算する上での注意点
建物の固定資産税評価額を計算する上での注意点は「再建築価格」と「経年減点補正率」は簡単にはわからないので、自分で明確な数値を出すことは難しいことです。
結果だけを知りたいなら、課税明細書を見たり、固定資産評価証明書を取り寄せたりした方が確実です。
また、空き家や更地であっても固定資産税はかかります。
一般的な空き家の場合、減税措置を受けられますが、老朽化が激しい空き家の場合「特定空き家」に区分されてしまうので減税措置の対象外となります。
更地の場合、減税措置は受けられません。
そのため、あえて空き家のままにしている所有者の方もいるのが現状です。
また、不要な土地を持っているなら、後先のことを考えて売ったり他の活用方法を考えたりしてみるのも良いかもしれません。
固定資産税評価額以外の4種類の価格
不動産の売買において固定資産税評価額は重要な役割を示していますが、他にも4種類の価格があります。以下の通りとなるので、しっかり押さえておきましょう。
・公示価格
・基準地価
・路線価
・実勢価格
土地取引の指標としてみられるのが公示価格と基準地価です。
路線価は税金の指標のために使われることがあります。
実勢価格は、不動産を実際に取引された価格のことを表します。
これらの4つは、固定資産税評価額を含めた上で「一物五価」と呼ばれることがあります。
固定資産税の目安の金額
固定資産税は条件によっても異なりますが大体年間で10〜30万円程度であることが多いです。
新築であるほど、固定資産税も高くなりやすいです。
固定資産税課税標準額の計算方法
固定資産税課税標準額は、固定資産税額を算出する上で元となる金額です。
計算方法については、建物の場合「固定資産税課税標準額=固定資産税評価額」と見れば良いですが、土地の場合「固定資産税課税標準額=固定資産税評価額×特例率」からわかります。
また、土地は住宅用地に限るということです。
固定資産税評価額に疑問があるなら申し出ができる
市区町村で決定された固定資産税評価額に対して、明らかにおかしいと不服がある場合、納税通知書の交付を受けた3ヶ月以内であるなら申し立てを行うことができます。
その場合、各市町村に設置されている「固定資産評価委員会」へ申し出る必要があります。
課税内容にミスがあったと認められた場合、税額が修正されることになります。
期限を過ぎると不服を申し立てることができなくなるので、固定資産税評価額に疑問を感じたなら早めに行動に移すようにしましょう。
まとめ
固定資産税評価額は各自治体で3年に1度見直されて決まります。
固定資産税評価額は各市区町村から毎年送られてくる納税通知書を確認することでわかります。
また、役所で固定資産課税台帳を閲覧したり、固定資産評価証明書を取り寄せて調べたりする方法もあります。
固定資産税評価額の計算方法は複雑です。
素人が「再建築価格」と「経年減点補正率」の数値を出すのは難しい部分があるので、わからないことがあったら専門の方に聞くようにしましょう。
今回は、固定資産税評価額の決め方、調べ方、計算方法などについてご紹介いたしました。