長屋の解体工事は費用が高くつく?付帯工事費用など確認すべきポイントと注意点

解体工事

日本の伝統的な建物形式である「長屋」。一軒家でもなく、アパートやマンションでもない独特な形状をした建物で、ひと昔前にはこの長屋が数多く街に並んでいました。

しかしこの長屋、特徴的な構造をしているために、いざ解体工事をする際には一般的な住居解体にはないようなトラブル発生の可能性があるのです。また、費用面でも通常見積書には載らない「付帯工事の費用」が多額になることもあるため、注意が必要です。

今回はこの長屋の解体工事について、注意点を見ていきましょう。

▼この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

古い民家の解体はどれくらいかかる?費用が決まる4つの要因と相場の例
古い民家を解体する場合、条件により費用は変わってくるのでよく理解しておくことが重要です。今回は解体工事に必要な費用や費用を決める要因について紹介していきます。また、更地にする場合のメリット・デメリットについても触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

長屋はどんな構造?

長屋とは、何軒かの住宅がくっついて連続している建物をいいます。

通常の一軒家との違いは、屋根がひと続きになっていること。それと、隣家と壁を共有していることです。自分の家の壁が、そのまま隣家の壁でもあるのです。

また、アパートやマンションなどの「共同住宅」との違いは、廊下や階段・玄関などを共有しないことです。

このような構造であるため、一見するとひとつの長い屋根を持つ大きな一軒家のようですが、中で一軒一軒区切られているということですね。

長屋の解体にはどんなことに注意しなければならないか

長屋の解体で考えられる問題点

強度が下がるおそれがある

ひと続きとなっている建物の一部を取り壊すということは、建物の強度が下がるおそれにつながります。そのため、長屋の他の住民から「残った建物が崩れたり傾いたりするのではないか」「耐震面に不安が出ないか」などといった心配の声があがることも考えられるでしょう。

騒音が激しい

長屋の隣家は、壁を共有しているぐらいなので、一般的な一軒家と比べて極端に距離が近いというのも特徴のひとつです。そうすると、工事における騒音が通常よりも気になるでしょう。

隣家にかかる迷惑をなるべく軽減するために、解体はより慎重に、しかし迅速に行う必要があるのです。

このように、通常の一軒家の解体と同じようにはなかなかいかないのが長屋解体の特徴です。ではこれらの注意点にはどのように対処していくべきなのかを見ていきましょう。

長屋解体の問題点にはどう対処すべきか

準備には早めから取り掛かる

長屋の解体工事は、昭和37年に制定された「建物の区分所有等に関する法律」(通称「区分所有法」)という法律に沿って手順を踏んでいく必要があります。

長屋を切り離す工事では、柱や梁を切断しなければならない局面が出てきますが、この「柱や梁などは共用部分であることと、「共用部分を解体・リフォームする際には、共用する所有者ひとりひとりの合意が必要であること」が、区分所有法では定められているのです。

この法律では、長屋の切り離し工事において具体的には「全所有者の4分の3以上の合意と、隣人の合意」が必要になります。

さらに、所有者にはこれに「合意する義務はない」、つまり断るのは各々の自由ということなのです。

ここからいえるのは、工事の前の準備にはしっかりと余裕をもって、時間を取るようにするべきだということです。所有者の特定に時間がかかる、特定できても所有者が遠方に住んでいて交渉にさらに時間がかかる、そもそも所有者の特定自体が難しい…などといった可能性や、一軒一軒との交渉が難航することも十分考えられるからです。場合によっては、弁護士などプロの力を借りることも想定しておきましょう。

また、一度合意を得られたにも関わらず、後になって反対されるというケースもあります。こういったことがないよう、承諾は書面によって得ることを忘れずにおきましょう。

事前調査をしっかり行う

きちんと説明し、合意を得てからの工事だったのにも関わらず、工事が完了してからクレームが出るというケースもあります。クレームの内容は「事前に聞いていた工事内容と違った」「解体したせいで家が傾いた」などといったものが多いようです。

このような事態を防ぐために工事内容や承諾に関してはしっかりと書面で用意するようにし、長屋の状態の事前調査も可能であれば建築士や土地家屋調査士などの専門家とともに行っておくといいですね。

もちろん、事前の説明や交渉を丁寧に、誠実に行っておくことも重要です。

補修の範囲を確認する

長屋は隣家と壁を共有しているため、一部を切り離す際には壁を残し、それをそのまま外壁として生まれ変わらせることになります。そのため今まで内壁だったものが外壁になるので、壁にはしっかりとした補修する必要が出てきます。

また、長屋の一部解体によって耐震性に影響が出る場合は、その補強も必要となるでしょう。

この補修・補強工事は、施主が全面的に費用を出すのが一般的ですが、その責任範囲は「現状と同程度」とされています。まり隣家がその責任範囲を超えるような高性能の素材での補修工事を求めても、そこに施主が応じる必要はないということです。性能増加分の差額は、残る住民側の負担になるわけです。

補修工事の段階まで来てからトラブルにならないように、こちらも事前説明のときにしっかり合意を得ておくといいですね。

▼この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

「家屋調査」は行うべきもの?目的や必要性、内容について理解しよう
解体工事を行う際には、「家屋調査」というものも行っておくといい、という話を聞いたことはあるでしょうか。 工事見積の際の「現地調査」については耳にしたことがあるかもしれませんが、これとは全く異なるものなので、内容にまるで見当がつかない方も多い...

費用面の注意点

長屋解体費用は、通常の解体工事よりも高め

隣家との距離が近く、また取り除いてはいけない柱などの選別も求められる長屋の一部解体工事には、一般的な家屋解体よりも慎重な作業が求められるため、重機による解体ができないケースが多く存在します。

そうすると手作業が多くなり、どうしても工期が延びやすくその分人件費がかかるので、費用も通常の解体工事よりかさむことが考えられるでしょう。また、周辺の道路状況なども費用に影響してきます。

見積書には出てこない?!付帯工事費用とは

付帯工事とその費用

解体工事における「付帯工事」とは、簡単にいうと「家屋や建物の解体以外に行う工事」のことです。たとえば、長屋に限らず一般的な住居の解体工事での付帯工事とは、樹木やブロック塀・門扉・外構など、家屋部分以外の撤去工事がこれにあたります。

付帯工事にかかる費用は、一般的には解体工事の見積書に載らないことが多いようです。別の見積になるということですね。後になって予算オーバーだったことに気づくなどのトラブルになりかねないので、見積書にある金額がどこまで含んでいるのかを事前にしっかり確認しておく必要があります。

長屋解体の付帯工事とは

長屋の解体においても、一般的な解体工事と同様にもし家屋以外の部分で撤去したいものがあれば、その撤去工事は付帯工事となります。

さらに、前述した壁の補修・補強工事も付帯工事にあたる場合が多く、解体工事の見積書には載らないケースがよく見られます。

なかには、提示された総額の中に解体工事費用も付帯工事費用も込みになっている場合がありますが、業者によって対応に差は大きいようです。とにかく必ず見積の段階で確認を忘れないようにしましょう。

長屋の一部解体工事は、さまざまな事情から慎重な対応と念入りな準備が求められ、かつ一般的な解体工事に比べて費用が高額になることが多くあります。

改めて工事のポイントと注意点をしっかりおさえて、万全の態勢で進めていけるようにしましょう。

▼この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

ブロック塀を解体撤去するには?その注意点と費用、補助金について解説
▼この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。 ブロック塀とは? ブロック塀の基準 ブロック塀は、正式名称を「補強コンクリート造のブロック塀」といい、その名の通りコンクリートブロックでできた塀です。厚みや高さがあることが多く、塀として敷地

こんなお悩みありませんか?
解体工事ってなんだか難しそう…
結局いくらかかるの?
どうやって工事会社を選べばいい?

  • 業者に個人情報が伝わらないで30秒シミュレーションが可能!
  • ユーザー満足度95%でNo.1。厳選された全国工事会社1,600社のみだから安心!
  • 解体工事以外の相続・不用品・土地活用なども全て無料でご相談可能

ご希望の方には専任のオペレーターが解体工事後まで徹底サポートします。しつこい営業電話いっさいなし。

解体の窓口は、東証グロース市場上場のバリュークリエーション株式会社が運営しています。(証券コード:9238)

かんたん30秒
その場で価格が分かる簡易見積りシミュレーション
お客様満足度No.1
価格で選ぶならココだNo.1

解体を検討している建物はどれですか?

タイトルとURLをコピーしました