「家屋調査」は行うべきもの?目的や必要性、内容について理解しよう

流れ

解体工事を行う際には、「家屋調査」というものも行っておくといい、という話を聞いたことはあるでしょうか。

工事見積の際の「現地調査」については耳にしたことがあるかもしれませんが、これとは全く異なるものなので、内容にまるで見当がつかない方も多いことでしょう。

今回はこの家屋調査がどんなものなのか、目的や必要性・調査項目・費用の面から詳しく見ていきましょう。

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家屋調査とは、解体工事に伴って事前に実施する調査のことです。家屋調査は工事後のトラブル対応のため実施するもので、解体家屋や近隣住宅も対象です。また、調査費用が高額となる場合もあります。この記事では、家屋調査内容と費用のポイントについて詳しく紹介しましょう。

家屋調査とは何か

「誰が」「誰の」家屋調査をするのか

「解体工事をする際には、できるだけ家屋調査を行っておくのがいい」と聞くと、調査の対象となるのは「解体工事をする自分(施主)の家屋のこと?」と思ってしまいますよね。

しかし、この「家屋調査」でいうところの家屋とは、解体対象の家屋ではなく、「近隣住民の住む家屋」を指します。

つまり、解体工事を解体業者に依頼する「施主が」、自分の家屋の「近隣家屋の」調査を、「調査会社に依頼する」のが家屋調査なのです。

依頼を受ける調査会社というのは、施主でも解体業者でもない第三者の立場の民間会社やコンサルタントとなります。家屋調査対象の住民の許可を得て、外部だけではなく内部の調査もしっかりと行います。

家屋調査の必要性と目的とは

家屋調査は、前述の通り自分の家屋ではなく周辺の家屋に行われるものです。解体工事前の家屋の状態を調査し、詳細に記録しておくことによって、いざ解体工事後に何かあったときのための資料とするのです。

「何か」とは、たとえば「解体工事のせいで、壁にひびが入った」などといったクレームです。もしも家屋調査をしていなければ、そのひびが本当に工事によってできたものなのか、もっと前からあったものなのかがわからず、証明するものもないため、最終的には施主が責任をとらなければならなくなる、というトラブルにもつながりかねないのです。

つまり家屋調査は、解体工事後に近隣住民とのトラブル回避のために必要なものだといえます。調査結果をもとに、工事後に生じたクレーム内容が工事によるものではないと証明できれば、その補修や補償を施主が負わなければいけなくなるということもなくなります。

もう一点、もしも解体工事によって近隣住宅に損害を与えてしまった場合にも、家屋調査の結果は工事保険会社に対しての証拠にもなります。いずれにしても冷静な判断のもとになり、客観的な証拠として役立ってくれるでしょう。

どのようなケースで行うべきか

解体工事をする建物がRC造であったり、マンションやビルなど大きなものだったりする場合、また杭の引き抜きがある場合は、往々にして振動が大きくなりがちです。大きな振動は、周辺の住宅にも影響を与えやすく、ひび割れや傾きの原因になることもしばしばです。

また、住宅がたくさん建ち並ぶ密集地における工事も、近隣住宅への影響は大きいものとなります。

こういったケースで解体工事を行う場合、施主は積極的に家屋調査を行うことが多いようです。逆にいえば、木造住宅の解体では家屋調査が行われることは少なく、しかし住宅密集地であれば木造住宅でも調査をしておくに越したことはない…というふうに考えることができます。

「現地調査」とは違う

ここまでですでにおわかりのことでしょうが、家屋調査と解体工事を依頼した際の見積で行ってもらう「現地調査」とは全く異なるものです。

解体現場で工事の対象となる建築物を実際に業者が見て、大きさや構造・状況・外構物の有無・埋設物や残置物の確認などを行い、工事の費用の見積をできるだけ正確に行うというものが現地調査。解体工事というと、こちらの方が聞くことの多いワードであるため、家屋調査も混同してしまいがちです。

どちらも施主が依頼するものですが、調査の対象となる家屋と調査を行う業者は異なります。まずはこれら2種類の「調査」の違いをきちんと把握しておきましょう。

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家屋調査の内容

どれくらいの範囲で必要か

家屋調査は「近隣の家屋」が対象となりますが、では一体どこからどこまでの範囲で必要となるのでしょうか。

これについては、もちろん特に決まりのようなものはありません。解体工事を行う家屋の構造や大きさ、周辺の地盤や環境といった現況を踏まえ、施工会社が判断し施主に提案するという形が一般的です。

たいていは30~40メートルの範囲で家屋調査を行うことになりますが、調査対象の範囲が広ければ広いほど安心感が増すことは間違いないでしょう。とはいえ、何軒も行けば当然それだけ施主の負担する費用が大きくなります。

しかし近隣住民の心理的な一面として、近所の解体工事によって不安な気持ちになると、自分の家を注意深く観察するようになることが多くなります。そうしてキズを発見した場合、それがすでに存在していたものであるにもかかわらず「これは解体工事で発生したキズではないか?」と思い込んでしまう気持ちが出てくるものです。家屋調査によってきちんとした証拠を用意できれば、お互いにもやもやした気持ちは残らなくなるでしょう。

費用面と安心面、これら両面でうまく妥協点を見つけて、家屋調査の範囲を決定したいところですね。

どんなことを行うのか

調査員は家屋の外部・内部をすみずみまで確認します。確認箇所の写真を撮ったり、水平器やレーザー測定器などのような機械で測定を行ったり、住民の聞き取り調査などを行います。

具体的な調査は、大まかに挙げると以下のような項目に沿って行われます。

  • 建物全体の外観写真撮影
  • 柱や床などの傾斜測定(高低調査・水平調査・垂直調査)
  • 壁・天井・土間部分の亀裂や破損・隙間、漏水跡の確認
  • 外壁や内壁・犬走り・基礎の亀裂確認
  • タイル部分の亀裂や目地の状態の確認
  • 窓や扉などの建て付け状況確認
  • 床鳴り確認
  • 外構部分(塀・擁壁・門扉など)の損傷確認 ・その他現在の家屋の状態確認

費用はどれくらいかかるのか

家屋調査の1軒あたりの費用は、一般的には3万円程度といわれています。対象家屋の数が増えるほどもちろん費用はかさみますが、その分1軒あたりの単価は割安になる傾向があるようです。

前述したように、解体業者の判断を踏まえたうえで費用面も考えて最終的にどの範囲の家屋調査を行うかを決定しましょう。

家屋調査をしなかったら…

解体工事は、振動や騒音などでただでさえ近隣住民に不安や迷惑を与えてしまう可能性が大きいものです。こちらも前述したように、「近所で解体工事が行われている」という不安から、元々あったはずの住宅のキズさえも「もしかして今回の解体工事の影響で新たにできてしまったものなのではないか?」という思い込みにつながることもしばしばあります。

家屋調査をしていなかったばかりに、工事後に「工事のせいでキズができた」というクレームがあったときに適切な対応ができず、最終的に負わなくてもいい責任まで施主が負わなければいけなくなった、という事例は、残念ながら多く存在します。家屋調査にはそれなりの費用はかかりますが、万が一トラブルになってしまった場合、それ以上の出費になるおそれが出てくるのです。

さまざまな可能性を考えたうえで、家屋調査をしておくべきか、するのであればどの範囲でしておくか、ということを検討しておくのがいいでしょう。

まとめ

家屋調査とは、解体工事を行う施主にとってのいわば「保険」のようなものです。費用が多少かかることは否めませんが、のちのちのトラブル防止や、近隣住民と良い関係性を保つためにはできるだけ行っておくといいでしょう。

どこまでの範囲で行うかということに関しては、解体業者の判断をよく仰ぎ、最終的には施主自らが決定することです。内容をよく理解し、うまく活用しましょう。

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