養生費の相場について紹介します。養生をする必要性や相場について解説!解体や塗装工事で、養生を依頼する際の注意点をまとめています。養生費に該当する資材もあわせて確認してください。適切な養生費用を確認して、悪徳業者にひっかからないようにしましょう!
養生費の相場や養生の必要性を詳しく知りたい!
建て替えや解体、リフォームの見積り内訳に記載されている「養生費」について、詳しく解説します。養生費の相場や養生の必要性を確認し、適切な業者に依頼しましょう。養生の注意点とあわせて参考にしてください。
養生費とは?
解体・建築や修繕工事の養生に欠かせない費用
養生とは、塗装をする以外の部分を覆って、塗料が付着しないようにする布やシートのことです。養生費は、その養生にかかる費用のことになります。
この養生をするかしないかは、法律で定められているわけではありません。しかし、国土交通省の「建築物解体工事共通仕様書」に規定があります。そのため、解体・建築、修繕工事には欠かせない作業と費用です。出典:建築物解体工事共通仕様書 平成31年版(国土交通省)
平方メートルあたりの費用の相場
養生費の1平方メートルあたりの費用相場は、300~500円です。養生費は設置場所や方法などによって、費用が異なってきます。また、一般的な住宅の外壁面積は、100平方メートルほどです。
そのため、住宅の解体や建て替えで、外壁をすべて養生すると50,000円ほどです。見積り書の内訳で養生費は、1平方メートルあたりの場合と一式で記載する形があります。養生費の単価などをしっかりと確認して依頼するようにしましょう。
一式記載の見積もりは確認が必要な場合も
さきほど紹介したように、養生費は1平方メートルあたりか実費の目安で記載されています。一式記載の見積りでは、単価や積算をよく確認しましょう。養生費は5万円前後が通常なので、それを超える場合は単価や工賃に関して質問するのがおすすめです。
見積書の内訳や、どういった部分を養生するかを確認し、適切な費用かを検討してください。養生シートや養生ネットなどによって、費用が少し変動します。あやふやな説明の場合は、他の業者に相談するのが安全です。
養生が工事に必要な理由
そもそも、解体工事や内装のリフォームにおいて、養生が必要な理由はなぜなのでしょうか?その理由として、敷地内の物品の破損を防ぐのが大きな理由です。工事の作業とは関係ない部分を傷つけない役割があります。
工事場所の下に影響する
塗装工事などでは、工事場所の下に塗料が落ちる可能性があります。また、何かが落下した場合、大きな事故を防ぐことにつながるのです
工事現場の敷地内に植木などがある場合、養生をしておくことで汚れることを防ぎます。塗装工事の塗料が植木に付着すると、成長を妨げるだけでなく、枯れる原因になるので、養生は非常に重要です。
周囲とのトラブルを回避する
解体や内装工事などで起きるのが、周囲との騒音トラブルです。養生をすることで、騒音や汚れが付着することを防ぎます。近年は、非常に性能の高い養生シートが開発されており、工事の音が広がりにくい物が増えました。
そのため、養生費は必要不可欠な費用です。不当に請求される必要はありませんが、解体や内装工事において重要なものなので、きっちりと施工してもらいましょう。
養生費に含まれる主な資材と使い方
養生資材①養生用シート・養生ネット
養生費の内訳を理解するためにも、主な資材と使い方を確認しておきましょう。それぞれの役割を理解することで、養生費の相場に対する理解も深まります。
メインとなるのは養生用シートと養生ネットです。養生費の中でも費用がかかる部分で、外壁に使用します。白色の厚みのあるシートか、青色などのネットです。
この養生用シートや養生ネットを使用することで、塗料の飛び散りや騒音を軽減します。基本的に足場に直接緊結するので、テープなどは必要ありません。ネットの場合は、通気性があるので、塗料が早く乾くのもポイントです。
養生資材②ビニールシート・マスカー
養生シートと異なり、薄手の透明なシートがビニールシートです。ポリエチレン製のものが一般的で、部分的な養生を行うのが目的になります。そして、マスカーとはポリエチレンフィルムに布テープが付いたもののことです。
ビニールシートとテープが合体したもので、養生が簡単に行えます。扉や窓などに使用されることが多く、どちらも重要な役割を担う資材です。
養生資材③ブルーシート・養生用テープ
養生費として、ブルーシートや養生用テープも含まれます。ブルーシートは一般の作業でも使われるもので、ホームセンターなどで気軽に購入できます。荷物が濡れるのを防ぐためや、花見のときに使ったことがある人も多いでしょう。
解体工事の現場では、部分的な工事にブルーシートが使われます。また、養生用テープは貼り付けて固定するためのものです。養生用テープの特徴は、粘着力が強すぎないので、作業終了後に剥がしやすくなっています。
養生資材④車カバー・室外機カバー
解体工事や建て替えでは、多くの粉塵が出ます。そのため、車カバーや室外機カバーを使って、汚れや故障を防いでいるのです。養生費の項目の中に、資材として記載されているので確認しましょう。
養生費の適正価格をチェックするポイント
養生費のかかる箇所の説明を受ける
このように養生費は、解体工事やリフォームに必須なお金です。しかし、見積書の養生費が適正価格かは、しっかりとチェックしましょう。
冒頭で紹介したように、養生費は5万円前後です。全体の内訳では高い金額ではありませんが、誤魔化されて不正に請求されていることがあるのです。
養生費の内訳項目を確認すると同時に、自分の建物のどういった部分に使うのかを説明してもらいましょう。適切に使用されている箇所を確認することで、業者も不正行為が行いにくくなります。
相場より明らかに割高な場合も説明を受ける
業者が説明を行ってくれても、相場よりも明らかに割高な説明を受けた場合は要注意です。養生費は、5万円前後が相場になります。
建物の立地や状況などにより、養生費の金額は前後しますが、それでも割高すぎるのは怪しい業者です。
養生費以外の見積もり金額も確認する
先程のような業者は、 養生費以外の部分の費用も相場よりも割高にしていることがあります。そのため、塗装代や解体費などもチェックするほうが良いでしょう。こういった場合は、養生費も含めて、複数の業者に見積りを取るのがおすすめです。
複数の業者に見積りを依頼することで、養生費や解体費などの相場が確認できます。その中で、養生費などを割高に請求している業者は避けましょう。また、ネットのレビューなども調査することも検討してください。
養生費無料で工事を行う業者は信用できる?
優良業者が養生を無料で行う例
養生費を無料で行う業者は、信用できるのでしょうか?養生費を無料にしてくれる業者は存在します。ただし、そういった養生費を無料にする業者は注意しなければなりません。
優良業者が養生費を無料にする例として、保険が関係している場合があります。災害によって、火災保険申請で保険金がおりる場合、養生費を後回しにすることがあるのです。
災害による雨漏りなどによって建材の腐敗や、内装工事が必要な場合、応急処置として養生費を無料にする優良業者がいます。特に地域密着企業やボランティアでは、そういった判断をしてくれるかもしれません。
悪徳業者が養生を無料で行う例
悪徳業者が養生費を無料にする場合、契約を結ぶことが目的になります。つまり、見積書において、養生費を無料にする代わりに、他の部分を高額にする形です。契約を結んだあとに文句を言っても、見積書に判を押したことで押し切られる例があります。
先程のように、台風被害の際に優良業者が養生費を無料にして、ブルーシートを張ってくれた例があります。しかし、同時にブルーシート詐欺といわれるような、養生費を無料に見せかけて、解体や塗装などの他の部分で多額の請求をする悪徳業者が現れたのです。
災害の被害を少しでも軽減したい依頼主に対して「養生費を無料にする」という甘い言葉で、詐欺を行った事例になります。また、作業自体も手抜きな事例もあるので、養生費の無料は十分に注意してください。
養生費の相場や必要性を把握しておこう!
養生費の相場について解説しました。養生は解体作業や塗装工事などにおいて必須な資材です。見積書の中では安価な部分ですが、養生費を相場より払う必要はありません。
養生費は5万円前後が相場になっているので気をつけましょう。また、養生の必要性を十分に理解をして、作業員と養生費に関して話ができるのがベストです。適切な養生費を支払って、工事をしっかりと行ってもらいましょう。