解体工事にかかる費用の勘定科目を解説!節税につながる仕訳のコツも!

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解体工事費用の勘定科目についてまとめました。解体する建物が業務用の店舗やマンション、自宅である場合の仕訳処理の仕方も、それぞれ解説します。また、解体工事の勘定科目に関する注意点や節税のポイントなども説明するので、ぜひ参考にして下さい。

解体工事にかかる費用の勘定科目を解説!節税につながる仕訳のコツも!

解体工事にかかる費用の勘定科目を知りたい!

解体工事を行う費用の記録には、勘定科目を使います。勘定科目にはさまざまなパターンがあるため、どのように仕訳処理をしてよいのか悩んでしまう方も多いでしょう。

そこで本記事では、解体工事にかかる費用に関する勘定科目について、詳しく解説します。節税に繋がるポイントも紹介するので、ぜひ勘定科目の選択をする時に役立ててください。

解体工事の仕訳を行う勘定科目

解体工事の費用に使う勘定科目は、5つのグループに区分することができます。どのような科目があるのか、1つずつ詳しく解説しましょう。

勘定科目①資産勘定

資産に分類される勘定科目
土地、建物(外構ブロックフェンス)権利、車両運搬具、現金、普通預金、定期預金、受取手形、売掛金など

資産を取得したり手放したりすることで発生する、資産の増減を記入するための勘定科目です。また、売掛金や預金など目に見えない資産が増減する時にも使用し、仕訳処理を行います。収益が発生するもの全てが、資産に該当します。出典:勘定科目とは?仕訳の分類について徹底解説!(三井住友カード)

勘定科目②負債勘定

負債に分類される勘定科目
借入金、支払手形、預り金、未払い金、買掛金など

負債勘定は返済しなければならない現金あるいは物を、仕訳処理をする勘定科目です。借入金の返済や買掛金の支払いなど、負債の増減を記録します。解体工事の材料などを手形で購入した場合や代金が未払いの場合も、使用する対象です。出典:税務コンテンツ 勘定科目集|負債(関東信越税理士会)

勘定科目③純資産

純資産に分類される勘定科目
利益準備金、事業主貸、資本金、元入金、事業主借など

純資産とは資産から負債を差し引いた金額となります。会社を始める時の資本金や個人が事業を開始する時に支出した元入れ金など、事業の元手になる資金を仕訳処理する勘定科目です。出典:税務コンテンツ 勘定科目集|純資産(関東信越税理士会)

勘定科目④収益勘定

収益に分類される勘定科目
有価証券評価益、有価証券売却益、固定資産売却益、受取利息、売上など

利益が増える取引があった時に使用する、勘定科目です。株式の配当金や株式投資信託の収益分配金、預金による利息があった場合などに、仕訳処理します。また、手数料収入や補助金、奨励金などは、雑収入として項目に入れます。出典:すべての取引を分類する「勘定科目」と「5つのグループ」(さきがけ税理士法人)

勘定科目⑤費用

費用に分類される勘定科目
消耗品費、支払給与、水道光熱費、旅費、交通費、福利厚生費、広告費、接待交際費、通信費

経費などの支払いがあった時に使う勘定項目です。給料や消耗品、電気代や水道代など事業に関わる費用を対象に、仕訳処理をします。出典:勘定科目 費用勘定の説明(千葉県)

解体工事費用における勘定科目の仕訳

解体工事の勘定科目を作成する場合は、解体工事をする目的が何であるのかが、重要なポイントになります。勘定科目を作成する前に、目的を明確にすると良いです。

建物を撤去するためであるのか、あるいは解体後に新築するのか、いくつかのパターンを例に挙げて見ていきましょう。

建物撤去の場合

建物を撤去することを目的とした解体工事の場合は、固定資産除却損として仕訳処理をします。固定資産除却損とは有形固定資産を除去したために生じる、損失のことです。

勘定科目では費用勘定グループの項目になります。記録する時は解体費用だけでなく、建物の帳簿額も減少させることが、ポイントです。出典:固定資産の除却「固定資産除却損」の仕訳方法(さきがけ税理士法人)

建て替えの場合

解体工事の目的が新しい建物を建てるためであった場合、新たな資産を取得するためとみなされます。したがって解体費用に関しても、新規資産の取得のための費用とされるケースが多いです。

解体も新築工事の一環という位置づけですので、既存資産解体費用と新規資産建設費用を合わせたものが、新規資産取得費用になると捉えます。

解体後に建て替える場合の仕訳は、新規資産の取得価格に含める資産として計上しましょう。勘定科目では、資産勘定グループの前払金で仕訳処理をします。出典:第3回 古い物件を解体して新築物件を建てるときの解体費用は経費になる?(大和ハウス工業株式会社)

現状復旧の場合

建物を現状の状態へ復旧するために解体工事をする場合は、費用勘定グループの修繕費として仕訳処理をする、勘定科目になります。

例えば、修繕したついでに最新設備を取り入れるなどグレードアップした場合は、現状復旧ではなく改良していることになります。そのため、資産の新規取得とみなされるケースも、あるようです。

そうなると、費用勘定ではなく資産勘定として計上することになります。現状復旧であるためには、解体工事前の建物が同一の仕様と価値であることが条件ですので、注意してください。出典:修繕費の取り扱い 修繕費で最大限に節税を(税理士法人 藤井会計事務所)

建物付き土地を購入した場合

建物付きの土地を購入してから1年以内に建物を解体する場合は、土地を購入する時点で建物を解体工事して土地を利用する目的であったと、みなされるケースが多いです。

その場合は、建物を解体する時の帳簿価額と解体費用の合計額を、土地の取得価額に加えるようにします。尚、廃材の買取りなどで取得した金額があれば、その金額を控除してください。出典:No.5401 土地とともに取得した建物を取り壊した場合の土地の取得価額(国税庁)

内装の撤去工事費用における勘定科目の仕訳

店舗の移転や閉店により、現状復旧のための内装撤去工事が必要になるケースがあります。このような場合の店舗撤去工事には、勘定科目をどのように仕訳処理すると良いのかを、解説しましょう。

軽微な解体工事は通常の内装工事と同様の勘定科目で考える

建物造作工事、防水工事、ガラス工事、木工工事など
建物付属設備空調設備工事、給排水工事、電気工事など
備品イスやテーブルなどの消耗品
その他デザイン費など

店舗の内装工事を行う場合は、固定資産除却損に区分し、特別損失として仕訳処理をすることができます。しかし、店舗の解体工事が軽微である場合は、特別損失ではなく通常の内装工事として勘定科目に入れることが可能です。

店舗の内装工事の勘定科目には、建物、建物付属設備、備品、その他の経費の4種類に区分されます。ここで支出額を建物に入れるのか、建物付属設備に入れるのかによって、税金のかかり方や耐用年数も違ってくることがポイントです。出典:内装解体工事の勘定科目と仕訳をわかりやすく解説!節税対策も併せてご紹介します!(株式会社 ウラシコ)

建物として処理する場合

では、店舗を建物として処理する場合はどうなのでしょうか?税金に関していうと、建物に分類した場合は、固定資産税がかかります。

固定資産税は、3年おきに評価額が更新されるのが一般的です。4~5月頃になると納税通知書が届くので、指定された税金を支払います。課税標準額に対して1.4%が税率となっています。

耐年数に関しては、建物の使い方や構造によっても変わってきますが、20~50年が法定耐用年数です。出典:固定資産税(国税庁)

建物付属設備として処理する場合

建物付属設備として分類した場合は、基本的には建物と一体化して評価されます。したがって、固定資産税を支払うことになります。

ただし、店舗の建物付属設備の中には、建物として評価されずに、償却資産税の対象となるケースもあるので注意が必要です。

店舗が簡単に取り外すことのできる構造で、他の場所へも移動させることが可能な場合は、償却資産税の評価を受けることが多いです。償却資産税は申告制で、1月1日に所有している償却資産を、1月31日までに市町村に申告します。

また、課税金額が150万円に満たない場合は、課税されません。耐用年数は建物と比較すると短く、ガスや電気設備などの工事は、約15年とされます。

節税を考慮するならば、建設と建設付属設備を、しっかり区分することです。できる限り建設付属設備に分類して、短期間の15年で減価償却することが節税になります。出典:第2節 建物附属設備(国税庁)

個人の確定申告における解体工事費用の勘定科目

法人の解体工事の勘定科目について解説してきましたが、ここでは個人の場合はどうであるのかを、見ていきましょう。個人の確定申告に関わる解体工事の勘定科目について、解説します。

自宅を取り壊して新しく建て替えた場合

既存の建物を解体する目的によって、処理方法が異なります。土地を譲渡する目的で事業用の建物を解体するならば、解体費用は譲渡所得として計算されます。したがって、譲渡費用として控除され、費用とすることが可能です。

続いて、自宅をアパートや店舗などの事業用に建て替えるケースは、どうなるのでしょうか?この場合は建て替える目的が事業用であっても、経費にはならないので注意してください。

自宅など非事業の建物を解体し自宅を新築する場合も、もちろん費用とはみなされません。事業と関わりのない建物は、経費としては認められないことを、覚えておきましょう。出典:譲渡所得(国税庁)

賃貸マンションを取り壊して新しく建て直した場合

賃貸マンションのような事業用の建物を解体工事する時はどうするのかを、見ていきましょう。マンションを解体して土地を譲渡する場合は、解体費用を譲渡費用として控除できます。

続いて解体工事をした後に新築マンションに建て替える場合は、解体費用を必要経費とすることが可能です。

また、マンションを解体して自宅にする場合は、解体することになった経緯によって異なります。例えば、マンションの老朽化や空室が多いなど、外部的要因で建て替えをする場合は、経費として取り扱うことができます。出典:No.3255 譲渡費用となるもの(国税庁)

解体工事費用の節税につながる仕訳のコツ

事業をするにあたり利益を上げるのはもちろんですが、確定申告などの節税をするのも大切なことです。

確定申告の時に節税の対策をしっかりとっておけば、所得税も大きく違ってくるでしょう。ここでは、節税対策になる方法とそうでない場合を詳しく解説していきましょう。

確定申告で「費用」として計上する

解体工事の支出を費用として計上する場合は、一括で経費とします。費用勘定に区分して計上することで、所得税から費用が全額差し引かれます。そうすると、支出のあった期の利益が低下し、それに伴い確定申告をする所得税も抑えることができるのです。

したがって、解体費用の支出を行った期に大きな利益があった場合は、解体費用を経費として計上すると、節税することができます。出典:建物の取壊し費用の所得税法上の取扱いについて(国税庁)

確定申告で「資産」として計上する

確定申告では費用だけでなく、資産として計上する場合もあります。その場合は、減価償却という方法で、処理するのが一般的です。

減価償却とは、解体費用を資産による耐用年数で割り、それを少しずつ経費にしていくことです。長い期間に渡って経費にしていくため、それに伴い確定申告での所得税も、長期間で影響を受けることになります。

今後、確実に利益を取得する予定があれば、先に資産に入れておくと、節税することができるでしょう。状況によって、費用に入れるか資産に入れるかをよく見極めて処理することが、節税に繋がります。出典:減価償却(国税庁)

解体工事の勘定科目に関する注意点

どの科目を使うかによって、支払う税金が大きく変わると共に、節税することもできます。ここでは、勘定科目を選択する際の注意点を解説しましょう。

注意点①繰越欠損金を考慮する

青色申告を行う場合に、気をつけておくポイントがあります。青色申告とは複式簿記等の方法により、所得計算などで税務上有利になる制度です。

青色申告を行っていると、赤字を繰り越しすることが、税務署によって認められています。個人の場合は翌年以降3年間、法人の場合は9年間の繰り越しが可能です。

今後の利益の見込みや減価償却の耐用年数、繰越欠損金なども考慮しながら、節税対策を行いましょう。例えば、法人で減価償却の耐用年数が規定の9年より短い場合は、青色申告を行った方が有利というケースもあります。出典:No.2070 青色申告制度

注意点②土地は減価償却の対象外

土地は減価償却に含まれていません。そのため、資産として仕訳処理した土地は、先述した様な耐用年数に分けて経費計上できないので、気を付けておきましょう。

節税対策という観点からいうと、解体費用に土地を取得した利益を入れても、節税の効果はほとんどありません。出典:No.2100 減価償却のあらまし(国税庁)

解体工事にかかる費用の勘定科目を覚えておこう!

解体工事の費用に使う勘定科目について徹底解説しました。解体工事をする目的に応じた、勘定科目を選択することが、最大のポイントです。

仕訳処理の仕方によって節税することもできるので、記事を参考に勘定科目の知識を身につけて、有効な勘定科目の選択をしてください。

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