ダブルローンを利用して、住み替えを行うことができるのか気になりませんか?
結論から言いますと可能です。
しかし、二重にローンを組むことになるので、審査も厳しく金銭的負担もかかりやすいです。
慎重に考えた上で利用するか決めていきましょう。
今回の記事では、ダブルローンをして住み替えを行うメリット・デメリット、注意点などについてご紹介いたします。
ぜひ、住み替えを検討している方は参考にしてみてください。
住み替えのダブルローンとは
現在の家の住宅ローンを支払いながら、住み替え先のローン融資を受けることをダブルローンと言います。
その名の通り二つのローンを受けることから、ダブルローンと言います。
理論上、二重ローンを行い住み替えをすることは可能です。
しかし、金銭的負担が多くなるので、金融機関側も確実に完済してもらえる人を対象にしています。
ダブルローンを受けるためには厳しい審査を通過する必要があります。
ダブルローンを受けられる人の条件
ここでは、住み替えのダブルローンを受ける場合、重要視される項目についてご紹介いたします。
以下の通りです。
・一定以上の年収がある
・現在住宅ローンを返済している銀行の了承を得ている
審査を通過するためには、金融機関側は確実に完済してもらえるように一定以上の年収があることを条件にしています。
明確にはいくらとまでは断定できませんが、融資金額に見合った年収が必要となります。
また、契約違反にならないためにも、現在住宅ローンを返済している銀行の了承を得ることが条件です。
なお、二重ローンを受けるのも、住み替えが完了するまでの一時的な状況であることが好ましいです。
ずっと融資を受けられると考えていると審査にも通りにくいことがあります。
現在住んでいる家を売却した代金で、住宅ローンを完済できるようにしましょう。
難しい場合、余裕を持った自己資金を用意しておく必要があります。
ダブルローンを利用するのに向いていない人
ダブルローンを利用するのは現時点でできるだけ避けた方が良いのは、どのような方と言えるのでしょうか。
すべての人におすすめできるわけではありません。
ここでは、ダブルローンを利用するのに向いていない人についてご紹介いたします。
十分な貯蓄がない
現在住んでいる家が、想像よりも安い価格で売れてしまうと、ローンを完済することができなくなります。
その時に貯蓄がないと、今後の生活が圧迫されかねないので、ダブルローンをする時は十分な貯蓄があると安心です。
収入が不安定
今後、収入増加が見込めない状況の時も、ダブルローンを利用するのはおすすめできません。
現在住んでいる家がすぐに売却できる保証がないことから、今後の生活のためにも、一定の収入を確保しておきたいところです。
今の会社を辞めようと思っていたり、転職を検討していたりする方は、現時点ではダブルローンを受けるのは向いていないと言えます。
他にもローンがある
ダブルローンを受ける時、厳しい審査がありますが、他にもローンがあると通りにくい傾向があります。
たとえ金融機関側に伝えていなくても調査でバレてしまいます。
また、万が一利用後に発覚した場合、状況によっては一括返済を迫られることもあります。
他にも複数のローンがある方は完済してから検討をするようにしましょう。
住み替えでダブルローンを利用する流れについて
ダブルローンで住み替えをするなら、一連の流れは以下の通りとなります。
1.現在住んでいる家の売却額を把握する
2.現在住んでいる家の住宅ローンを借りている金融機関へ相談する
3.不動産会社の依頼先を選ぶ
4.不動産会社からダブルローンが利用OKの金融機関を紹介してもらう
5.新居を見つけた後、買付を申し込む
6.金融機関へ住宅ローンの申し込みを行う
- 新居の売買契約を行う
8.住宅ローンの審査に合格する
9.新居の引き渡しの後、引っ越しをする
10.前居を売却した後、引き渡しを行う
11.前居の住宅ローンを完済させる
特に「3. 不動産会社の依頼先を選ぶ」の項目では、家を高く売れるかを選択基準にせず、サービス対応は良いかというように信頼性を重視していきましょう。
わからない点について聞いた時、親切に対応してくれるかどうかを見るのも一つの方法です。
また「5. 新居を見つけた後、買付を申し込む」の項目では、万が一ダブルローンの審査が通らなかったことも見越して、白紙撤回が行える「ローン特約」を付けるようにしてください。
手順がたくさんあることからスケジュールに余裕を持って取り組むことが大切です。
ダブルローンを利用して住み替えを行うメリット
ダブルローンを利用するとどのようなメリットがあるのか気になる方も多いでしょう。
さまざまな利点があるのでぜひ以下の項目を参考にしてみてください。
仮住まいをする必要がない
メリットの一つ目は、買い先行で新しい家を購入できるので、仮住まいをする必要がなくなります。
引っ越しも最小限で済みますし、家財を置くためにトランクルームなどを利用する必要もないので費用も浮きます。
住宅の売買が好きな時にできる
メリットの二つ目は、家の売却時期に関係なく新しい家が購入できます。
売却代金を確保するために家が売れるまで待たなくても良くなります。
売却と購入のタイミングを合わせるために、妥協して値下げ交渉に応じたり焦って新しい家を購入したりする必要はありません。
空き家の状態で売却が可能
メリットの三つ目は、空き家の状態で売却が可能となるので内覧者が訪れやすくなります。
居住中の内覧は買主・売主ともに落ち着きません。
空き家の状態なら家財がない状態で内覧できるので、買主としても家を購入した後の生活空間が想像しやすくなるので購買意欲も高まります。
ダブルローンを利用して住み替えを行うデメリット
ここでは、ダブルローンを利用して住み替えを行うデメリットについてご紹介いたします。
不利益な点も知って納得した上で行動に移すようにしましょう。
ローン審査が厳しい傾向がある
住み替えのダブルローン審査は、単独よりも厳しい傾向があります。
一定の年収に達しておらず、制限された年齢までに完済できる見込みがないと審査に落ちてしまいます。
一般的に返済負担率が30〜35%以下でないと二重ローンは利用できません。
また、クレジットカードの未納があるなど、いわゆるブラックリストに入っている方も審査に通りにくい傾向があります。
もしものことを考えて、ダブルローンを当てにし過ぎないように気をつけてください。
金銭的負担が大きい
デメリットは、毎月返済額が増えるので金銭的負担も大きくなることです。
場合によっては、家計への負担も重くのしかかるので、節約生活を余儀なくされることもあるかもしれません。
人によっては「完済できるかな」という大きなプレッシャーものしかかってきます。
返済が困難になると、焦りから家の売却も相場よりも安値で決定してしまうこともあります。
前居を賃貸に出せない
前居がなかなか売れないと賃貸に出そうと考える方もいますが、住宅ローンの契約内容によっては契約違反になることがあります。
場合によっては、一括返済を求められることもあるので注意してください。
前居を賃貸に出したいなら一人で勝手に決めることなく必ず金融機関に相談してください。
ダブルローンをして住み替えをする場合の注意点
住宅ローン控除は、居住用の住居に適用される制度となります。
そのため、ダブルローンであっても二つの住宅ローンの控除は受けられず、居住用の住居のみ適用されます。
たとえ前居の控除期間が10年残っていても住み替えた時点で適用外となるので注意してください。
代わりになるもの
ダブルローンは審査が厳しく、通過しても金銭的負担が大きい傾向があります。
他の方法はないのか気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、住み替えのダブルローンの代わりになるものについてご紹介いたします。
「売り先行」を選ぶ
売り先行は、今住んでいる家を売ってから、新しい住み替え先を決める方法です。
前居の住宅ローンを完済した後に新居の住宅ローンを借り受ける方法となります。
売り先行を選ぶと二重ローンを組むことなく、安全に住宅ローンの返済が行えます。
また、前居を空き家にできることから購入検討者の内覧も訪れやすいです。
結果的に有利な売却につながることがあります。
とはいえ、売り先行を選ぶと、仮住まいが必要だったり2回の引っ越しを余儀なくされたりします。
売り先行のメリット・デメリットを知った上で自分に合った方法を選んでいきましょう。
「住み替えローン」を利用する
金銭的な不安がある方は「住み替えローン」を利用する方法もあります。
住み替えローンは、前居の売却代金で住宅ローンが完済できなくても、残積分をまとめて借りられるローンです。
なお、新しい家を購入するのに必要な資金と諸経費も併せて借りることができます。
ダブルローンよりも住み替えローンを利用した方が金銭的負担を抑えられる場合があります。
とはいえ制度上、前居の残積を先送りしているので年収などの審査基準も厳しい傾向があります。
また、前居の売却が決まらないと融資限度額も決まりません。
住み替えローンを利用するには、家の購入と売却のタイミングを合わせる必要があります。
住み替えローンは二重の支払いを避けたい方におすすめのローンです。
まとめ
住み替えで利用できるダブルローンは、その名の通り二つの住宅ローンを受けることを指します。
誰でも利用できるわけではなく厳しい審査が設けられています。
条件は一定以上の収入があること、金銭的な負担もかかりやすいので、十分な貯蓄がない方にはあまりおすすめはできません。
二重ローン以外にも、売り先行や住み替えローンを利用する方法もあります。
住み替えを行いたい方は無理することなく、自分に合った方法を選んでいきましょう。
何か不安なことがありましたら、ぜひ信頼できる不動産会社に相談してみてください。
今回は、ダブルローンをして住み替えを行うメリット・デメリット、注意点などについてご紹介いたしました。