省エネ給湯器は「どれも同じ」ではない!それぞれの特徴を把握して自分にもっとも合うものを選ぼう

おうちのこと

「省エネ」「環境に配慮」という言葉はもはや「意識が高い」人たちだけのものではなく、ごく当たり前で一般的な概念となりつつあります。

普段何気なく使っている給湯器においても、近年はこれらを意識した優秀な製品がどんどん販売されています。名前くらいは聞いたことがあって、どれも似たような名前だから大した違いはないだろう…という認識でいるとしたら、それは大きな間違いです。きちんと理解せずに導入してしまうとせっかくの性能の高さや省エネ機能を活かせない、逆にコストがかかってしまう、という事態にもなりかねません。

今回は、さまざまな省エネ給湯器について、特徴やメリット・デメリットを簡潔にまとめていきます。

エコ給湯器とは?

給湯器の仕組みを簡単にいうと、「何らかのエネルギー(ガス・電気・灯油)で熱を生み出し、水をあたためてお湯を作り出す」というものです。

ここで重要になるのが「熱効率」という概念です。どのくらいの熱を与えればお湯を沸かせるか?というのを数値化したものであり、炎そのものを100とした場合にいくつ、というように表せます。

この熱効率が、従来型の給湯器よりも高いものがエコ給湯器なのです。同じエネルギー量で熱効率が高ければ、その分エネルギーは少なくて済むわけですよね。たとえば従来型のガス給湯器の熱効率が80だったとして、ガスエコ給湯器の熱効率が95まで上げられていたとするなら、15も効率が高まるということになるのです。また、熱効率が高いことで、二酸化炭素の排出量も削減できます。

近年はこのように、省エネでなおかつ環境負荷を軽減できる高性能な給湯器が多く販売されています。光熱費の節約ができるなど、直接的な恩恵も多いため、ぜひ導入を検討していきたいところですね。

代表的な省エネ給湯器

エネファーム、エコジョーズ、エコキュート、エコフィール、エコワン…

名前が似通っているため、どれも同じような機能かと思ってはいけません。エネルギー源やエネルギー効率、貯湯式か瞬間式かなど、製品によってさまざまな特徴があるのです。

それぞれのメリットとデメリットをきちんと把握しておかないと、ライフスタイルや家族構成に合った給湯器を選ぶことはできません。この機会に、それぞれのポイントをしっかり押さえておきましょう。

エネファーム

ファームは「農場」という意味で、その名の通りエネファームは「発電」と「給湯」のふたつの機能を備えているという特徴を持ちます。都市ガスやLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を利用して発電し、その発電時に産生した熱でお湯を沸かす、というシステムで、二酸化炭素の排出量も少なく、電気も熱も無駄にせず、エネルギーをフルに活用できる非常に優れた省エネ性能を持つといえるでしょう。

エネルギーはガスであり、耐用年数は20年と長く、発電した電気を利用できるため光熱費の節約にもつながります。貯湯式ではあるものの、バックアップ熱源機があるおかげでお湯切れを起こす心配もありません。また、停電時にも発電した電気や貯めたお湯・水を利用することができるので、災害時にも非常に安心です。

優秀なエネファームにも、デメリットはあります。まず導入費用がほかの省エネ給湯器に比べてかなり高額であるため、補助金などをうまく活用していくとよいでしょう。

さらに、貯湯タンクと燃料電池ユニットを設置するための広めのスペースが必要になります。低周波の音が鳴ることから、設置場所をよく考えないと家主にとっても隣家にとっても睡眠の妨げになる恐れがあります。

また、太陽光発電による電力は売電することが可能ですが、エネファームで発電した電力では不可能となっています。

まとめると、

・エネルギーを無駄にせず環境にも配慮している、災害時にも強い

・費用面や設置場所で要検討の部分が多い

高性能である分、コストがかかるというのが大きな特徴です。

エコジョーズ

エコジョーズもガスを燃料にしてお湯を沸かすタイプの給湯器です。ガス給湯器の進化版、と考えるとよいでしょう。

従来のガス給湯器だと捨てられるだけだった熱を、エコジョーズは再利用することで、従来型と比べて最大約15%熱効率が高くなっており、より少ない量のガスで給湯することが可能です。その分ガス代の節約、二酸化炭素排出量の削減も期待できます。

ほかの省エネ給湯器と比べると価格が安めであり、導入のハードルが低いことがメリットです。また、必要な分だけその都度お湯を沸かすためお湯切れを起こす心配がないだけでなく、貯湯タンクがないため場所を取らないという利点もあります。

床暖房や浴室乾燥に対応した温水暖房タイプもあり、低価格で導入しやすくもっともスタンダードなエコ給湯器といえる存在のエコジョーズですが、デメリットはその分節約効果があまり高くないことです。本体導入はほかのエコ給湯器よりも安価よりですが、あまりお湯を使わない家庭では導入費用の元を取れるほどの節約効果は見込めない可能性があります。

また、ドレン配管の工事が必要であるため、そこにも費用がかかります。

まとめると、

省エネ給湯器、導入に迷ったらまずこれ、というスタンダードな存在

極端な恩恵はないけれど、すべてにおいて導入のハードルは低い

省エネ給湯器に興味はあるけれどそこまで費用はかけられない、という場合にまず検討してみて損はないのがエコジョーズでしょう。

エコキュート

ガスで給湯するエネファーム・エコジョーズと違い、エコキュートはヒートポンプといって空気を圧縮して熱を作り出す装置を用いて、お湯を沸かします。ヒートポンプを動かすのは電気ですが、効率よく熱を生み出せる(エネルギー効率はなんと300%)ため、電気温水器の約3分の1の電力消費で済みます。

さらに電気料金が安い深夜の時間帯にお湯を沸かして貯めておくので、大幅な光熱費の節約が期待できるでしょう。電気の力でお湯を沸かすことで、二酸化炭素排出削減にもつながります。災害時にも、貯めたお湯を使うことができます。

また、製品のラインナップが豊富なので選択肢が多いこと、オール電化住宅とも相性がよいこともメリットといえるでしょう。

デメリットは、貯湯タンクが必要であるため、エネファーム同様設置場所を取ることです。深夜に低周波の運転音も発するので、設置場所にも考慮が必要です。

貯湯量にも限りがあるので、お湯切れを起こす可能性もあります。お湯の使用量をよく考え、適切な容量の製品を選ぶようにしましょう。

まとめると、

ガス代をゼロにすることが可能なので、オール電化家庭にはおすすめ

設置場所とお湯切れに注意が必要

ガスよりも電気の方がコストは低いため、オール電化住宅でエコキュートを導入するメリットは大きいといえるでしょう

エコフィール

灯油をエネルギー源とする省エネ給湯器です。ガスや電気よりも燃料代が安く済み、エコジョーズ同様排熱を回収して再利用する「潜熱回収型」であるため、効率よく熱を生み出し、その分少ない灯油でお湯を沸かすことが可能です。

また、従来型よりも燃焼時の音や独特のにおいが軽減されるように改良されている点にも注目です。冬の寒さが厳しい地域でよく使われる傾向にあり、給湯のみ、暖房のみ、給湯と暖房の一体型と、バリエーションも豊富であり、パネルヒーターや温水式床暖房との相性もよいのが特徴です。

貯湯式ではなく瞬間式なので、設置スペースの確保が必要ないという点もメリットでしょう。

デメリットは、こちらもエコジョーズ同様、ドレン配管の工事が必要になるという点です。エコフィールの排気熱は従来型より温度が低いため、配管が結露しやすくなります。その結露水は専用の配管を通じて排出しなければならないため、そうした工事をおこなわなければならないのです。

まとめると、

燃料代が安上がりで、寒冷地にはぴったり

灯油は価格変動が大きいため、それによって節約効果が変わる

灯油は燃焼するとき独特のにおいがあり、それを苦手とする方も多いでしょうが、エコフィールではそういった面にも注目されていて、快適に使えるように改良されています。

エコワン

電気とガスのハイブリッド給湯器です。エコキュートのように電気を用いてヒートポンプを作動し、熱を生み出してタンクに貯湯する機能と、ガス給湯器のように瞬間湯沸かしする機能と、両方を兼ね備えているという特徴があります。そのためお湯切れを起こす心配がなく、さらにタンクの容量もコンパクトに抑えられるのです。給湯機能だけでなく暖房機能も備えたタイプもあり、床暖房とも相性がよいのが嬉しいところ。

電気とガスのいいところ取りであるため、高い省エネ性で光熱費も大幅に節約でき、またオール電化と違って停電時でも安心、とメリットが多数あるといえます。

デメリットは、高性能である分導入費用が高めであることです。エコジョーズやエコキュートに比べても高価であるため、長く使うことを前提に費用対効果を考える必要があります。お湯を多く使う家庭であれば光熱費節約の恩恵が多く得られますが、あまりお風呂にお湯を張らない、家族の人数が少ないというような世帯だと、導入費用に対してのランニングコスト節約効果は大きく感じられないかもしれません。

まとめると、

導入費用の高さとランニングコストの安さのバランスを見極めて賢く使うべき

ガスをたくさん使うならエコワン、そこまで消費量が多くないならエコジョーズを選ぶ

ハイブリッド型である分高性能であり、唯一のデメリットは導入費用だけともいえるため、慎重に検討しましょう。

省エネ給湯器導入に使える補助金(2023年現在)

メリットがたくさんあるし、これからの時代はやはり省エネ給湯器がよさそうだ…と思いながらも価格を見るとなかなか導入の一歩が踏み出せない、ということもありますよね。

そんな方のために、2023年から始まった補助金をふたつ、紹介します。ぜひ有効に活用してみてください。

給湯省エネ事業

省エネ給湯器導入工事を行う際に受け取れる補助金です。給湯器の種類によって5~15万円支給されます。

対象となる給湯器および補助金額は、「家庭用燃料電池(エネファーム)」が15万円、「ハイブリット給湯器(エコワン)」と「ヒートポンプ給湯器(エコキュート)」が各5万円です。

こどもエコすまい支援事業

エコキュート・エコジョーズ・エコフィール・エコワンのいずれかの導入で、一戸あたり27,000円受け取れる補助金です。

こどもエコすまい支援事業は、ほかにも断熱改修やバリアフリー改修などにも使える幅の広い補助金で、省エネ給湯器に対する補助はそのなかのひとつという位置づけになっています。

まとめ

本当にどれも名前が似ていて、それぞれの特徴を知らなければ選ぶことも困難なエコ給湯器。しかしこのように並べて比較してみると、「我が家にはこれが一番よさそうだ」というものが見つかるはずです。ライフスタイル、家族構成、そしてお住まいの地域によっても適切なものは異なってきます。導入費用、ランニングコスト、費用対効果、エネルギー源は何か、などの要素から優先順位や導入目的をしっかり考えて、自分に合う省エネ給湯器を選択してくださいね。

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