解体工事中の事故の事例は?事故の種類とリスクを減らすための対策とは

相続

解体工事に限らず、さまざまな工事の現場において常に危険はつきものです。だからこそ作業員ひとりひとりのみならず、施主も安全に対する責任を負わなければなりません。そのためにはどんなときに事故が起こりうるか、どんな危険が潜んでいるか、という知識をきちんと持って、安全に対する意識を高めておきましょう。

今回は解体工事の現場で発生しやすい危険や事故事例、またそれを防止するためにはどうしたらいいかということを確認していきましょう。

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1 解体工事現場で発生しやすい事故とは

事故

1-1 重機や車両による事故

工事現場では大きなトラックなどの車両の出入があり、またさまざまな重機が作動しています。その車両が通行人にぶつかってけがをさせてしまったり、重機が倒れて重大な事故につながったりすることがあります。

特に車体が大きく、重量もかなりあるクレーン車やショベルカーなどの重機は、その重さゆえなかなか横転することはないと思われがちですが、その分もし転倒してしまうとまわりに甚大な被害を及ぼします。作業員や通行人のけが・死亡につながるだけではなく、近隣の建物を破壊してしまうことも考えられるでしょう。

車両や重機が安全に作動するためには、十分な数の作業員だけではなく監視員も必要になりますが、無理なコスト削減をしようとして監視員の配置を怠ると容易に事故につながってしまいます。

1-2 建物や足場の倒壊・崩落

解体途中の建物の一部や外壁などが倒壊したり、崩れ落ちたりする事故は、作業員や通行している車・人を巻き込む恐れがあります。

また、それによって近隣の建物や道路などを破損させてしまうことも考えられます。

建物自体だけではなく、業者が設置した足場が崩落する事故も見受けられます。高所で崩れたものが落下すると、小さなものであったとしてもかなりの脅威となるでしょう。

1-3 転落

高いところでの作業中に、足場などから誤って作業員が転落してしまう事故も考えられます。足場の崩壊については先述しましたが、作業員の不注意が原因の転落事故は現場全体の集中力の欠如や疲労を疑われるため、工事が一時的に中断することもあります。

また、小さな転落事故であれば作業員のみの責任で完結する場合もありますが、落ちた先に人がいた場合には重大な事故になる可能性もあります。

安全帯などの装備が決められているのにそれを守らなかった、などということが原因で転落事故につながった事例が多く見られます。

1-4 アスベストの飛散

解体工事を行う際には、解体対象の建物に有害物質であるアスベストが含まれていないかどうかを必ず調査したり、施主から図面などの資料の提供を受けて確認したりします。その調査や確認を怠ったり、もしくはアスベストを含んでいることがはっきりしているにも関わらず対策を行わなかったりすることで、近隣にアスベストを飛散させてしまうことがあります。これも事故のひとつといえるでしょう。

1-5 ガス爆発

通常、解体工事の前にはあらかじめガスや電気などライフラインの停止を要請しておくものですが、それを怠ったうえガス管を損傷させるなどが原因で、ガス爆発を引き起こすことがあります。

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2 具体的な事故事例

2-1 倒壊事故事例

2012年12月、兵庫県で起きた事故では、工事現場で組まれていた足場がかなりの範囲で倒壊しました。高さ10メートルの位置から、長さ100メートルにわたって設置されていた足場が強風にあおられて壊れ、落下したのです。

幸いなことに死傷者はありませんでしたが、通りがかりの車が1台被害にあってしまいました。

2016年10月には、東京で足場の解体中に鉄パイプの落下事故がありました。10階部分から落下した鉄パイプは凶器以外の何物でもありません。この事故では通行人の男性がパイプの直撃にあい、亡くなっています。

2-2 アスベストの飛散事例

2011年5月、神奈川県での小学校旧校舎解体工事現場では、校舎にあった煙突にアスベストが大量に含まれていることをわかっていながら放置し、結果的にアスベストを飛散させてしまう事故がありました。

アスベスト除去のコストをカットする狙いで、対策を怠ったのです。通常通り授業を受けていた児童たちにも被害が及ぶ、重大な事故となってしまいました。

2-3 ガス爆発事例

2011年2月、福井県の雑居ビルの解体工事現場では誤ってガス管を切断してしまい、漏洩したガスに引火、爆発を引き起こして作業員3名がやけどを負う事故となりました。

ガス管の損傷は重大な事故につながる恐れがあります。施主としても、工事前には必ず供給停止の依頼をガス会社にしておかなければなりません。

3 もし事故が起きてしまったら

謝罪

3-1 損害賠償責任はどうなる?

残念ながら工事の現場で何らかの事故が起きてしまった場合、施主にも何か責任が問われるのかどうかということは気になるところですよね。

基本的には、施主が事故の責任を負うことはほとんどありません。業者や近隣住人、通行人などが被害者になった場合でも損害賠償を請求されるケースはまずないといえます。しかし、後述するように施主として事故を防止するための責任は理解し、そのための尽力は必要でしょう。

3-2 近隣住民への説明

工事現場で事故が起きてしまうと、近隣にも不安が広がります。場合によっては工事の中止を要求されるような事態にもなりかねません。

施主としては、今後の安全について周囲にきちんと説明し、再発防止に努めることを業者とともに伝えて、納得と理解を得ることが必要になるでしょう。

事故が起こってしまうと、ただでさえ工事に遅れが生じ、工期が延びてしまう可能性があります。作業員にけが人などが出れば、人員の補充があるまで人手不足となるでしょうし、事故自体の事後処理や後始末も必要になる場合もあるからです。

そんななか、今後についての不安が近隣に広がれば、さらに工事が遅延する恐れもあります。施主としてできる限りの誠意と責任については、考えておかないといけないでしょう。

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4 事故防止のために、施主ができること

事故が起きる可能性をゼロにすることは難しいといえますが、かぎりなくゼロに近くすることはできます。そのためには、施主の側にも心がけておきたいことがあります。

4-1 業者選びは慎重に行う

解体工事を依頼する業者選びによって、事故の可能性は上がることも下がることもあります。

たとえば、見積時の業者の対応をよく見てみましょう。図面の確認だけで済まさず、きちんと現地調査を行う業者とそうでない業者、どちらが安全に配慮しているといえるでしょうか。

また調査の結果や見積の内容など、細かく丁寧に説明してくれるような業者であれば、安全管理の面でも信用できるでしょう。

4-2 無理な注文をしない

解体工事現場での事故は、たいていの事例では業者側に責任がありますが、施主の注文に問題が存在している場合もあります。

たとえば、施主のスケジュールの都合で工期を極端に短く設定するような注文をしたり、無茶な値引き交渉をしたりして業者側もその要求を飲んだというようなケースでは、工事にも無理が生じます。

コストや日にちに無理がかかれば、必然的に工事を行う作業員にそのしわよせが行ってしまいます。そうすると人員不足や時間不足で作業員の過労につながり、事故に至ってしまう可能性が非常に大きくなるのです。

見積の段階で、施主が業者に自分の希望を伝えることは大事なことですが、くれぐれも無理なことばかりを注文しないようにしましょう。施主にも安全への責任があるということを忘れずにしたいですね。

5 まとめ

どんなに注意しても、事故は起こり得るものです。その可能性を少しでも小さくするためにも、工事現場の危険について知識と理解を深め安全に対する意識を高めておくことは、業者のみならず施主にも求められることです。

危険ゼロを目指して、施主としての責任も自覚しておきたいですね。

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