自宅の外壁塗装を考えているなら、どのように業者選びをすればよいのか、施主としてどんな注意点があるのか、前もって押さえておくべき知識はどんなことか、という点が気になるところではないでしょうか。
外壁塗装工事は、そう何度も依頼するものではありません。10年に1度を目安に考えても、今の自宅で行うのはほんの数回です。だからこそ絶対に失敗したくないですよね。
今回は、外壁塗装工事の実際の流れ、あらかじめ気をつけておくべき点、よい業者の選び方などについて解説します。
初めての外壁塗装工事の前に知っておきたいこと
外壁塗装は文字通り、建物の外側の壁を塗装することです。定期的に行うことによって、単に「色を塗って外観をきれいにする」というだけではなく、さまざまな効果をもたらします。
外壁塗装が必要な素材
実は、建物の外壁すべてがメンテナンスを必要とするわけではありません。
定期的な外壁塗装が必要な素材としては、まず「サイディング外壁(窯業系)」と「モルタル外壁」です。ただし、これらは最近の戸建住宅では主流となっている外壁素材であるため、言い換えれば結局はほとんどの戸建住宅で外壁塗装は必要である、ともいえます。
ほかに、上記2種類と比べるとあまり見かけないものですが、「金属製(トタンなど)の外壁」、「ALC(=軽量気泡コンクリート)の外壁」についても、定期的な塗り直しが必要です。
反対に、「タイル」「レンガ」「コンクリート打ちっぱなし」の外壁は、塗装メンテナンスは必要ないといわれています。
外壁塗装の目的
外壁を塗装する目的は、単純に「外観をきれいな状態にして見た目をよくする」というだけではありません。「塗料の膜」を施すことによって、雨風や紫外線のダメージを直接受けないようにするため、という点がもっとも重要となります。
特に前述したサイディング外壁とモルタル外壁は水に強くないため、水気による傷みを抑えるためには、定期的な塗装メンテナンスによって塗膜をしっかり良好な状態に保っておく必要があるのです。
外壁塗装を行うタイミング・行うべきサイン
年数によるタイミング
建物の立地や周辺環境などのさまざまな条件にもよりますが、一般的にはまず「築10年~15年目の間に1度塗装しておく」のが目安とされています。この期間に塗装工事を施しているかどうかで、その後の外壁の状態が決まるといっても過言ではありません。
また、外壁塗装に使用している塗料の種類はそれぞれで寿命が異なります。大体の目安として、以下に記します。
・「アクリル塗料」→「寿命3〜8年」
・「ウレタン塗料」→「寿命5〜10年」
・「シリコン塗料」→「寿命8〜15年」
・「フッ素塗料」→「寿命12〜20年」
・「ピュアアクリル塗料」→「寿命15年以上」
・「無機塗料」→「寿命15年以上」
・「光触媒塗料」→「寿命15年以上」
年数に限らず、塗装工事を行うべき「サイン」
築年数や前回外壁塗装を行ってからの経年数に限らず、外壁に以下のような劣化が見られた場合も、「外壁塗装をすべきサイン」であると考え、工事を検討すべきといえます。
・変色している
・退色している
・壁を手で触ったとき、うっすらと白い粉が付着する(チョーキング現象)
・カビや藻が生えている
・ヒビが入っている
・塗膜がはがれている・膨らんでいる
・サビが発生している
外壁塗装工事の費用相場
劣化状況や外壁の範囲、塗料の種類によっても費用の目安は大幅に変動するので、あくまでも目安としてではありますが、一般的な戸建住宅(延床面積が30坪前後の2階建て)の場合で、80~120万円ほどと見ておけばよいでしょう。
この目安から大幅に外れて「安すぎる」業者の場合、あとから追加費用として別途請求されるケースがあるため、ある程度の相場を知っておくことは重要なのです。
また、こちらも参考程度ではありますが、1缶あたりの塗料の種類別における費用も記載しておきます。
・「アクリル塗料」→「1万円前後」
・「ウレタン塗料」→「1万円前後」
・「シリコン塗料」→「2〜4万円」
・「フッ素塗料」→「4〜10万円」
・「ピュアアクリル塗料」→「6万円前後」
・「無機塗料」→「6〜12万円」
・「光触媒塗料」→「5〜10万円前後」
なお、塗料のメーカーによっても値段に差が見られます。さらに塗料の寿命が長いものほど、当然ながら単価も高価になる傾向があります。
外壁塗装の流れ
外壁塗装を行うと決めたら、どのような流れで進んでいくのか確認していきましょう。
1:業者選び
一社だけに相談して決めてしまうのではなく、必ず複数社を比較検討しましょう。そのためには、まずインターネットなどで情報を集め、工事を依頼したい業者をいくつかピックアップして、事前調査と見積りを依頼します。
業者選びに関する注意ポイントは、後項で詳しくお話します。
2:事前調査・打合せ・見積り・契約
よい業者は、事前調査からしっかり行ってくれたうえで、詳細の報告があります。それを確認しながら希望や予算通りの工事が行えそうか、そもそも外壁塗装を行う必要性があるかなども明確にしていきます。
具体的にどの面を塗装するか、どのような工程になるか、どの色で塗装するかなど、細かい点も話し合っていきます。特に、重要なポイントとなる外壁の色の決定は慎重に行いましょう。
工事内容・工事金額・支払い条件を確定し、わからない点、不安な点があれば、このときにしっかり確認しておきます。そのうえで見積りを出してもらいましょう。
見積りに関する注意ポイントも、後項で詳しくお話します。
すべての点で納得がいったら、依頼することを決めた一社と外壁塗装工事の請負契約を結びます。このとき、口約束ではなく必ず「契約書」という形で書面に残すことが重要です。
3:工事前の準備を行う
実際に塗装工事を始める前に、いくつか準備があります。
状況に応じて足場設置の届け出や道路使用許可の申請が必要となる場合は、業者が行ってくれます。
さらに施主としては、近隣への挨拶回りを行うことが、工事前の準備の重要なポイントのひとつです。
外壁塗装には、塗料のにおいや足場設置時の騒音、高圧洗浄時の水の飛散など、近隣に迷惑をかけてしまう可能性を持つ作業が伴います。のちのちトラブルを引き起こさないように、あらかじめ工事内容や期間などを書面にして近隣住民に渡し、口頭でもきちんと挨拶を行いましょう。
4:外壁塗装工事を開始
外壁塗装工事は、具体的に以下のような流れで進みます。3~4人で作業することが一般的となっています。
1.仮設足場工事・シートを配置する
2.高圧洗浄で汚れを落とす
3.乾燥
4.下地調整
5.養生
6.外壁塗装を開始する
7.付帯部塗装・屋根塗装を行う(必要であれば)
8.養生撤去
9.確認作業
10.足場解体
11.清掃
12.引き渡し・工事完了後の挨拶
また、雨などの影響により、当初の予定よりも日にちが延びてしまうこともあります。よほどの悪天候が続かない限りは、通常2週間ほどで全工程が終了します。
工事期間中は、特に施主が在宅している必要はありません。ただし、足場が設置されて養生で覆われるため、防犯のためにもドアや窓はしっかり施錠して出かけましょう。また、工事完了後の報告時には必ず在宅していなければなりません。
加えて、塗装作業中は外に洗濯物を干すと塗料が飛散・付着する恐れがあるため、その期間は屋内に洗濯物を干すようにしたほうがよいでしょう。
4:完了・引き渡し
外壁塗装が完了すると、竣工図書(竣工図や竣工写真、設計や工事に関する資料や計算書をまとめたもの)を渡されます。今後補修や再度外壁塗装を行う際に必要となるので、しっかり保管しましょう。
外壁塗装で必ず押さえておきたい注意点
外壁塗装を業者に依頼する際には、それぞれの過程においてしっかり押さえておくべき注意点があります。各過程でどんな点に気をつければよいのか、順に見ていきましょう。
業者選びでの注意点
外壁塗装業者には、いまだに悪質な業者が多く存在するといわれています。はっきりとした定価がないこと、塗りたての外壁は大体きれいな仕上がりなので質の低い工事をされたとしてもそのときにはなかなか気づけないこと、などがその理由として挙げられます。
専門家ではない施主としては、業者に言われるがまま契約してしまいがちですが、押さえておくべき注意点を知っておくことで、よい業者を選ぶことができるでしょう。
1:ホームページで実績を確認する
見積りまでお願いしたい、という業者を何社か候補に挙げる際には、インターネットなどで情報収集を行うでしょう。そのとき、業者のアピールポイントなどとともに、これまでの施工実績もしっかり確認しておくことが重要です。
特に、自分の住んでいる地域での実績が多い業者であれば、近隣住民からも信頼されている・地域の特性を理解している、などという点で非常に安心感が持てます。
2:事前調査とその報告をしっかりしてくれるか確認する
業者に見積りをお願いすると、まずは外壁の状態を専門家の目でしっかり確認・調査してくれたうえで、その内容を施主にわかりやすく教えてくれるかどうかという点は、よい業者かどうかを見極められるポイントのひとつです。
調査状況の詳しさで、次の段階となる「見積り」もきちんとした根拠に基づくものとなるため、施主としても不必要な工事に費用をかけることがなくなります。
いいかげんな業者は、調査自体がおざなりであったり、その内容の報告がしっかりとなされなかったりします。
事前調査は初期の段階で行われる過程なので、その対応を見ることで、業者見極めとしてはわかりやすいポイントとなるでしょう。
3:相場に見合った費用か確認する
前述したように、外壁塗装工事の平均的な相場は、一般的な戸建住宅(延床面積が30坪前後の2階建て)の場合で80~120万円ほどとなっています。
この相場から大きく外れた見積りを出す業者には、それが高すぎても安すぎても要注意です。
高すぎる場合は、不必要な作業まで組み込まれていたり、単価設定自体が高かったりすることがほとんどです。外壁塗装工事には「定価」がないため、相場感を知っていないと、一社だけでは「これぐらいかかるものか」とよくわからないまま契約をしてしまう恐れがあるでしょう。
安すぎる場合は、手抜き工事をされたり、あとになって「追加工事」という名目で上増しされたり、ということが起こり得ます。外壁塗装も工事のひとつである以上、作業員の安全や廃棄物の処理などには細心の注意を払うべきものです。そこに費用をかけずに「安い」ことだけを前面に押し出しているような業者には、依頼するべきではありません。
4:アフターフォローはきちんとあるか確認する
外壁塗装は工事のいっときだけで終わり、というものではありません。工事後、間もないのに塗装が剥がれてきてしまったなどの不具合が出てしまったとき、アフターフォローのしっかりしている業者であれば安心です。
何年保証、というきちんとした保証書も発行してくれて、時期が来たらフォローの手紙をくれるようなところであればなおよしでしょう。
工事のときだけではなく、その後もずっとつきあいを続けたくなるような業者に依頼できれば、次の機会でも頼れる存在となるはずです。
5:保証・補償内容をしっかり確認する
外壁塗装の工事中、または工事完了後、予期せぬトラブルが起こることも考えられます。
たとえば塗装中に自分の、もしくは隣家の自動車に塗料が付着してしまったなど、さまざまなトラブルに対して、どこまで・どのような保証や補償をしてくれるのかをしっかり確認しておくべきです。
これを怠ると、その後何か起きてしまっても最悪な場合対応してもらえないことも考えられます。
また、保証・補償の期間も業者ごとに違いが見受けられます。内容は必ず書面で受け取り、対象が充実しているかどうかも確認することが重要です。
6:施工の説明や質問への回答をしっかりしてくれるか確認する
外壁塗装を請け負ってくれる業者はプロであっても、施主は素人であることがほとんどです。わからないことや理解できないことがあるのは当然なので、疑問点は解消できるまで必ず質問しておきましょう。
その際、具体的で明快な回答を親切に説明してくれる業者を選びたいものです。細かいことを濁すような業者は、信頼に値するとは言い難いでしょう。
7:飛び込み営業や契約を急かすことをする業者には要注意
外壁は外から見えやすく、また大きな自然災害が起きたあとなどは破損状況がわかりやすいため、飛び込み営業をしてくる外壁塗装業者は多くあります。
そのような業者は強引な契約締結にこぎつけようとしたり、また「早くしなければ手遅れになります」「今日契約すれば安くできます」などと急かしたり、という例もよくあるようで、要注意です。
納得のいく契約ができるのであれば、必ずしも複数業者から相見積りを取る必要はありませんが、少しでも不信感や不愉快な思いをするような業者との契約は、いったん保留するなり断るなりして、ほかの業者と比較する時間を持つことも重要だといえます。
8:足場設置費用が異常に安い、もしくは無料をうたっている業者には要注意
外壁塗装工事には、足場設置が絶対に必要なものです。
足場には「単管足場」と「クサビ式(ビケ)足場」というものがあり、前者は構造が単純で足場専門業者でなくても組めるため、格安で設置することも可能となっているのですが、足元を常に注意しながら作業を行わなければならない危険性を伴ううえに、実は法に適合していない足場でもあるのです。
工事現場での転落事故は、あってはならないことです。きちんとした業者であれば、安全性の高い「クサビ式足場」を、足場専門業者に依頼して組んでもらってから作業を行うはずです。
安全性を犠牲にして「格安」をうたう業者には、絶対に依頼してはいけません。見積書にどんな足場を使うのかが記載されているのかをまず確認しましょう。
また、安全性の高い足場を使うにもかかわらず足場設置費用が相場よりもかなり安価であるような場合、あとから何らかの理由をつけて追加費用を請求されたり、ほかの作業費用を水増しされていたりという可能性もあります。
結局は、きちんとした業者であればこそ、足場設置費用も相場の通りとなるはずなのです。足場ひとつでもその業者が優良か、そうでないかが判断できるということを、よく覚えておくとよいでしょう。
9:契約書をしっかりと作成してくれるか確認する
契約を結ぶと決めても、口約束で済ませてしまってはいけません。必ず書面として残し、のちのちのトラブルを防ぐようにしておきましょう。
契約書面としては、以下のようなものをそろえてもらえる業者であればなお安心です。
〇工事請負契約書
〇請負契約約款(うけおいけいやくやっかん)
〇請負代金内訳書
〇請求書
〇保証書
10:ありがちな「手抜き工事」のチェックポイント
悪質な業者は、本来沿うべき工程を省いたり、短縮したりして工期を縮め、人件費の削減を行う恐れがあります。可能であれば作業途中の様子を見学させてもらうとよいでしょう。その際のチェックポイントは、以下のような点です。
〇塗装作業の前に高圧洗浄を行うか
きちんと洗浄しないと汚れが落ちず、その上に塗料を塗り重ねてしまうと塗膜に凹凸ができたり、しっかり定着しなかったりする恐れがあります。仕上がりもきれいではありません。
〇補修を行ってから塗装をしているか
外壁にひびやはがれなど傷がある場合、それを補修してから塗装を行わなければ、塗膜がきちんと形成されずムラができてしまう恐れがあります。
〇3度塗りをしているか
前述した通り、外壁塗装は塗料を3度塗り重ねるのが基本ですが、1度もしくは2度しか重ねない業者もあります。これでは塗膜がしっかりと形成されず、耐久性が落ちてしまいます。
〇しっかり乾燥させているか
高圧洗浄を行ったあと、塗料を塗ったあと、乾燥時間を十分に設けないと、こちらも塗膜の形成が不十分になり、はがれ落ちてしまうなどの原因となってしまいます。
見積書のチェックポイント
見積書を出してもらったときに、すぐに目が行くのは「工事総額」かもしれませんが、それよりも重要なポイントが見積書には満載です。
施主は外壁塗装の素人であることがほとんどなので、工事がどのような工程で進んでいくのか、そしてその工程ごとに費用がどのくらいかかるのか、ということを知りたいですよね。
そのニーズにきちんと応えてくれるような見積書なのかどうか、それがもっとも重要といえます。
1:具体的な商品名や仕様数量が記載されているか
「外壁塗装工事 一式」で総額がいくら、とだけ書かれている見積書を出してくるような業者には、工事を依頼してはいけません。「その他」「諸費用」といったあいまいなことばで表している見積書にも注意です。
これでは、本来必要ないところに無駄な費用がかけられていても、あとから追加費用を請求されても、どこにどれだけ費用がかかったのかということがまるでわからないからです。
見積書には、その業者がどんな塗料をどれくらい使って、どれほどの面積を塗装するのかが明記されているかどうかをチェックしましょう。
〇塗料メーカー名・商品名が詳細に書かれているか
〇塗装する面積が「平方メートル」で書かれているか
〇使用する塗料の量が「〇缶」と書かれているか
このようなポイントを押さえておきましょう。
2:工程に沿った金額表記があるか
外壁塗装工事には足場の組立てや養生囲い、廃棄物の運搬・処理など、「塗装自体以外の作業」ももちろん必要です。こういった工程にも数量と単価を明記し、小計でいくらの費用がかかるかということも見積書に書かれていることが望ましいでしょう。
工程に沿った金額表記があると、工程自体も理解ができて、「今は工程のこの段階を作業しているのだな」と施主も把握しながら工事を進めてもらえます。そうすれば、「一式と書いてあるのだから、この作業もやってくれるだろう」と思っていたのに実際には別料金だった、というような食い違いを防ぐことや、手抜き工事を行う悪徳業者を見抜くことも可能になるでしょう。
また、外壁塗装は通常、「下塗り(下地強化剤塗布など)」「中塗り」「上塗り(仕上げ塗りなど)」の合計3回塗料を塗り重ねます。3回丁寧に重ねることによって、塗料本来の力が発揮できるといえるのです。
しかし、いいかげんな業者であればこの3回塗りを行わないところもあり、その場合は仕上がり直後にはわからなくても、短期間で剥がれ落ちてきたりサビが発生したりというトラブルにもつながる恐れがあります。
このように、しっかりとした見積書であれば3回分の重ね塗りそれぞれに金額記載があるため、その業者はきちんと3回塗りをしてくれるのだな、という判断をすることができます。工程ごとに金額が書かれていると、こういったメリットもあるのです。
金額表記が詳細で明確な見積書は、ほかの業者との相見積りの際にも役に立ちます。
見積書が大雑把な業者は、工事自体も雑だったり手抜きをされたりするのではないか、という不安もつきまといます。そのような意味では、見積書の出来もよい業者かそうでないかという見極めのポイントとなりうるでしょう。
3:「どこを塗装する」「しない」がわかる見積書になっているか
塗装する面積が大きくなればなるほど、「どこを塗って、どこを塗らないのか」という点の認識を、施主と業者の両方で合わせておかなければのちのちトラブルとなってしまいます。
外壁塗装のタイミングで、屋根の塗装も行うということは多いものです(詳しくは後述)。外壁に加えて屋根、さらに雨戸や雨どい・ひさしなどの付帯部分も塗装を依頼する場合は、ひとつひとつ細かい部分まで業者と話し合い、見積書に載せてもらうことであとからもお互い確認することができます。
その他の注意点
1:色選びのポイント
外壁の色選びは、外壁塗装を成功させるためにもっとも重要なポイントです。しかし実際塗装が完成したあとにイメージや理想とかけ離れた仕上がりになってしまった…というのは、よく聞く失敗談でもあります。
色選びは、一般的に色見本を見ながら行いますが、「同じ色でも面積や太陽光の下では違った色に見える」ということをまずしっかり覚えておきましょう。面積が大きいほど、明るい色はより明るく鮮やかに見え、暗い色はより暗く濃く見えるのです。
つまり、小さな色見本を参考にして色を選ぶと、仕上がりが「思っていたより明るすぎる」「暗すぎる」ということになりかねないのです。
こういった特徴から、色選びを行う際には以下のようなポイントを押さえておきましょう。
〇できるだけ大きめ(A4以上)の色見本から選ぶ
〇太陽の下でも色見本を確認する
〇汚れや色あせの目立ちやすさも考慮する
〇周囲の建物となるべく調和しやすい色を選ぶ
〇カラーシミュレーションを行う
2:塗料のグレードは次の外壁塗装までの期間を考慮して選ぶ
先に触れたように、塗料は種類やグレードで耐用年数にも違いがあります。そのため、今後のライフプランに沿って塗料を選んでもよいでしょう。
たとえば、「この家はあと10年も経てば必要なくなるので耐用年数の短い塗料でいい」とか「子どもの代もこの家に住む予定だから、できるだけ長持ちする塗料がいい」といった具合にです。
もっとも安価なアクリル塗料ともっとも高価な光触媒塗料とでは、値段が10倍ほども差がつくこともあるので、塗料の選び方を知っていれば最適な選択ができるといえるでしょう。
3:外壁塗装工事は暑い季節・寒い季節を避ける
塗装工事にも、気温の影響はあるものです。あまりにも暑すぎると外壁も高温になるので、塗料が伸びすぎてしまいます。反対に寒すぎると、今度は塗料が固まってしまって伸びが悪くなります。
急を要する状況でなければ、なるべく涼しい季節に行うのがよいでしょう。工事を担当する職人さんたちのためにも、過酷な季節は避けるのがベストです。
4:外壁塗装は屋根塗装と同じタイミングで行う
屋根は外壁以上に風雨や日光のダメージを受けやすいため、こちらも定期的なメンテナンスが必要です。
できれば、外壁と屋根の塗装は同じ時期に行ってしまうとよいでしょう。どちらも足場を組むことが必須の工事であり、何度か触れている通り足場にかかる費用は高額です。両方の塗装工事をまとめて行ってしまえば、足場を組むのは一度で済み、その分費用を浮かせられるからです。
まとめ
外壁塗装を行う目安は「10年に1度」です。
とはいえ、この期間を待たずとも、変色したりサビが発生したり、壁に何か異常が出たときには外壁塗装を検討した方がよいでしょう。
そのまま放置しておくと、家が腐食して最悪の場合大規模なリフォームが必要になることもあります。
業者の見積もりの詳細が明確であるか、保証内容は充実しているかもよく確認しておきましょう。外壁塗装は決して安くない買い物となるので、高い満足度が得られるように、ポイントを押さえていきましょう。