解体工事の支払いにはいくつかのパターンがあります。高額が必要になるときは、担保のいらないローンを利用しましょう。さらに自治体の解体費用助成金を使えば100万円以上を補助してもらえることもあるのです。そんな解体工事をお得に進めるためのノウハウをご紹介します。
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支払い方法について
銀行振込
最も一般的な方法です。業者から請求書をもらい、期日までに銀行窓口にて支払います。振込手数料の負担があるかどうか、請求書をよく読んでおきましょう。
手渡し
現金での受け渡しを了承してくれる解体業者もいます。支払い時には目の前で金額を数え、両者できちんと確認しましょう。しかし、現金の場合は担当者が代金を上乗せしている、持ち逃げされるなどのリスクもあります。万が一の事態を考え、必ずその場で領収書を渡すよう伝えておくべきです。
支払うタイミングはいつ?
解体業者や工事の総額によって、支払いタイミングは異なります。見積もりの時点で聞いておきましょう。
工事後に全額支払う
全ての解体工事が完了したのちに一括支払いする方法です。見積もりと同じ金額になっているか、チェックしておきましょう。見積もりにはない、過剰な追加料金を請求する悪徳業者も存在します。説明なく追加された項目がある場合は解体業者に問い合わせましょう。
まず手付金を支払い、工事後に残金を支払う
業者の負担を軽減するため、2度に分けて支払うパターンもあります。工事前に全額の2分の1、完了後に残りの2分の1を入金するケースが多いようです。手持ちがなく、手付金をすぐに支払うのが難しい場合は、割合を変えられないか相談してみましょう。
手付金、中間、工事後と3回に分けて支払う
物件のサイズが大きい場合や鉄骨造、鉄筋コンクリート造の家屋で工費が高い場合は3回払いになることも。中間で支払うのは解体中の重機使用代や人件費がかさむためです。しかし完了する前に半分以上を支払うことになり、ずさんな工事であった場合に返金してもらうのが難しくなる可能性があります。金銭のやりとりをしたときには必ず領収書や証明書を発行してもらいましょう。
全額前払い
ごく稀に、工事前に全額を支払ってほしいという業者がいます。しかし、前払いを要求する業者は不当な費用を見積もっている、経営が立ち行かなくなっているなどの可能性が高く、最悪の場合には入金後連絡がつかなくなることも。前払いと言われたときには理由をしっかり聞きましょう。
ローンを活用しよう!
家屋を解体したいけれども、費用を一括では支払えそうにない……。そんなときは銀行のローンが使えます。
住宅ローンと違い解体工事のためのローンというものはあまりなく、業者から提案されることもほとんどないでしょう。そこで、各銀行が用意しているフリーローンを利用します。基本的に担保は不要。条件や上限金額、金利など複数の銀行を比較して検討しましょう。
さらに、空き家解体ローンを取り扱う銀行もあります。人口の都市部への移動や少子化により、全国で空き家が増えている問題を解決する空き家限定低金利ローン。自分の物件に適用できるかどうか、一度銀行に問い合わせてみるのがベターです。
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空き家なら助成金を受けられることも
空き家問題を解決するために、多くの自治体でも解体費用を補助する助成金制度が決められています。その規定や金額は地域によってさまざま。各地方自治体のホームページを確認しましょう。ここでは一例をご紹介します。
荒川区(東京都)
助成額…危険な老朽空家住宅の除却に要する費用の2分の1の額を助成(上限50万円)
対象…昭和56年5月31日以前に建てられた、1年以上使用されていない建築物
大阪市(大阪府)
助成額…解体に要する費用の2分の1以内(上限は戸建住宅75万円、集合住宅150万円)
対象…敷地が面する道路が幅員4m未満で昭和25年以前に建てられた木造住宅
また、家屋だけでなくブロック塀の解体に限定して適用される補助金もあるようです。
福岡市(福岡県)
助成額…除却するブロック塀等の長さに5000円を乗じた額と除却に要する費用の2分の1に相当する額を比較し、どちらか低い額(上限15万円)
対象…高さが2.2mを超えるコンクリートブロック塀 など
全国自治体によって、さまざまな助成金が用意されています。ご自身の地域にも使えるものがあるかもしれません。こちらで詳しく解説しています。
どうしても大きなお金が必要になる解体工事。ローンや自治体の制度を駆使して、無理なく取りかかりましょう。