出精値引きとは明細に使用される項目の一つです。この記事では見積書で使われる出精値引きの書き方や実際に使われる表現など、それぞれ詳しく解説します。また、書き方次第では相手の誤解を生じることもあるので、関連業務に携わる人は参考にしてください。
出精値引きとは見積り時の企業努力による値引きのこと
- 出精値引きとは「根拠がわからない値引き」の意味
- 出精値引きとは「値引きの明細」を出したくない場合に使われる表現
- 出精値引きとは「今回限りの値引き」の意味
出精値引き、読み方は「しゅっせいねびき」です。上記の様に請求書や見積書を受け取る人によってさまざまな解釈や読み方をされることがあります。
例えば、「108万円」の見積りから、「出精値引き8万円」として端数を切り、「100万円」にする時などで使われる表現でもあります。
また、製品の掛け率や建築関連のリースなど、様々な工事経費の無駄を省いてできる値引きの事です。これこそが企業努力で出来るサービスと言えるでしょう。
書き出しのポイント①値引き前の価格がわかるようにする
値引き前の価格が分からなくなってしまうような書き方は、誤解が生まれる可能性があるので極力は避けるべきです。
見積書や請求書で値引きに関する情報を記載せずに、値引き後の金額のみを記載する場合があります。その時は見積書以外の部分で、値引きした証拠を残しておきましょう。
書き方のポイント②一般的な表記以外は避ける
見積書で値引きを示す表記として、「▲」か「-(マイナス)」が一般的で使用されています。特別な場合でない限りはその他の記号を使用したり、テキスト色を変えるなどの事はしなくても大丈夫です。これは、相手方に対して少しでも勘違いが生まれる事に対しての配慮です。
値引きの内容は、「納期の変更」や「キャンペーン値引き」など理由は明確に記載しましょう。また、取引先の企業ごとに対しては、「○○様特別値引き」という旨を記載し、より認識のズレを少なくしていく事が大切です。
出精値引きの注意点①工事の質に影響する場合がある
会社によって出精値引きとして「本当にサービスをするもの」、そして「質を下げるだけのもの」があるので、その認識に注意しましょう。ちなみに、質を下げる値引きの事を出精値引きとはいいません。
こうなるのも、建築工事費を大きく左右する要素に、建材費や労働費があります。その中で単に材料の質を下げるなどの値引きと、あくまでも企業努力で行う値引きがあるためです。
出精値引きの注意点②下請法に違反する可能性もある
下請法(第一条、下請取引の公正化・下請事業者の利益保護・・・)に違反する主な内容として、過度な値引き要求と値引きの強要があたります。
極端な強要は論外として、「出精値引き」という表現を使わないで欲しいと依頼される場合もあります。これは下請け(中小企業)からしたら、値引きを強要されているように見える場合もある為です。
結局、仕事をする間柄である以上は、ある程度の配慮はお互いに必要という事です。見積書の記載の仕方に注意することで認識のズレはお互いに無くす事ができるでしょう。