▼この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

放置している別荘のリスク
別荘を購入したもしくは遺産として相続した人の中には、長い間放置してしまっている人もいるのではないでしょうか。取扱いに困ってそのまま放置していると、様々なリスクを背負い続けることになってしまいます。
ここからは、別荘を放置し続けた場合に発生するリスクについて2つほど紹介します。
固定資産税などの税金の負担
別荘などの不動産を所有し続ける際にまず負担となるのが、固定資産税などの税金です。これは不動産を所有している場合にかかってくる税金で、土地や家屋に対して資産価値に応じた費用が発生します。
また別荘がある地域によっては、固定資産税だけではなく別荘等所有税が発生する可能性もあり、税金の負担がのしかかってくる点は大きなリスクでしょう。
特定空家に指定されるリスク
特定空家とは、空家等対策の推進に関する特別措置法によって定められた空家のことです。倒壊または保全・衛生の観点で害がある場合や、景観を損ねる場合に指定される可能性があります。
特定空家に指定されてしまうと、固定資産税及び都市計画税の住宅用地に対する課税標準額の特例措置の対象外となってしまいます。結果として固定資産税が増額されるので、経済的な負担が増加するでしょう。
維持管理や水道光熱費の負担
ほかにもリスクとして挙げられているのが、別荘の維持管理や水道光熱費などの経済的な負担です。放置しているとはいえ、所有している限りは建物の維持管理に必要な費用がかかってきます。
また時々使用しているのであれば、水道などのインフラを開通し続けなければいけないため、水道光熱費も必要です。
このように税金以外にも費用負担がかかってくるだけではなく、定期的に別荘の維持管理のための手入れをしなければいけないなど、身体的な負担もかかります。
▼この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

放置している別荘に関する選択肢

使わずに放置している別荘を実際にどうすればいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。ここからは、放置している別荘の取扱いに関する選択肢を3つ紹介します。
解体してから売却する
長年使われておらず老朽化してしまった別荘は、購入してもメンテナンスをしなければいけないため、買い手がつかない可能性があります。確実に売却したいのであれば、事前に別荘を解体してから土地を売却する方が処分できる可能性が高いです。
解体せずに売却する
別荘は一般的な住宅よりも売却しにくい傾向はあるものの、買い手がつく可能性がある場合は解体せずに売ってしまうのも1つの選択肢です。
例えば、人気の別荘地または利便性の高い地域であれば、リフォームすることで持ち直せる可能性があります。
解体せずに売却する場合、安く買いたたかれる可能性や無償で提供する可能性も理解した上で、不動産会社と協力しましょう。
そのまま管理を続ける
どうしても手放せない場合は、最終手段としてそのまま管理し続けるという選択肢もあります。自分で管理が難しいのであれば、管理会社に依頼するのも1つの方法です。
ただこの場合は、これまで通り安全管理やメンテナンスを行わなければならず、経済的な負担も続けなければいけません。とりあえず管理を続けつつ、タイミングを見て売却や貸し出しなどの選択肢を検討してみるのも手です。
放置している別荘を解体する場合の注意点

放置している別荘を解体する場合、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。ここからは、別荘の解体をする場合の注意点について2つのポイントに分けて紹介します。
立ち会いに出向く
立ち会いは、依頼主と業者が工事現場に赴いて、工事の打ち合わせや確認を行う作業を言います。これを行うことで見積もりや工事の内容を直接確認でき、要望伝達の食い違い予防や新たな要望伝達が可能です。
別荘の解体工事でも見積もりの内容はしっかり確認しておく必要があり、現場に直接赴くことで処分してほしいものや撤去してほしいものを伝えやすくなります。
放置されていた別荘だとどこまで解体するべきなのか、現状はどのようになっているのか直接確認しないとわからない部分も多いため、できる限り立ち会いに出向くようにしましょう。
立ち会いできない場合は図面を準備する
解体工事前の立ち会いは必要ですが、別荘が遠方にある場合や立地や利便性が悪い場所にある場合は、なかなか立ち会えないことがあります。また仕事の都合がつかないなどの理由で、どうしても立ち会いが難しいという場合もあるでしょう。
そのような場合は、別荘の図面を準備しておくことが重要です。図面を提供すれば、解体業者の立ち会いがなくてもある程度の工期や費用の見積もりを出すことが可能です。
さらに撤去してほしいものなどの要望も伝えておけば、正確な見積もりを出してもらいやすくなるでしょう。
放置している別荘を相続放棄する際のポイント

親の遺産を相続することになった際、放置されていた不要な別荘まで含まれていることもあるのではないでしょうか。
このように放置されている別荘の相続放棄をする場合、いくつかのポイントを理解しておかなければいけません。ここからは、放置されている別荘の相続放棄で知っておきたいポイントを3つ紹介します。
- 相続放棄の期限に注意する
- 「別荘のみ」を放棄することはできない
- 相続前に相続財産の一部を処分しない
相続放棄の期限に注意する
相続を放棄できるのは、被相続人の死亡を知った日から3か月以内に手続きをしなければいけません。
別荘を相続したくないのであれば、相続放棄の期限に注意して早めに手続きをすることが重要です。どうしても期限内に放棄の手続きができない場合は、相続放棄における熟慮期間の伸長を期限内に申請すれば期限を3か月延長することが可能です。
「別荘のみ」を放棄することはできない
民法上、相続放棄をする場合は相続財産全てが対象となるため、別荘のみを放棄することはできません。
このため別荘だけは相続したくないという場合は、ほかの相続財産ごと相続放棄をするか、遺産分割協議を行って相続分を決定します。
相続前に相続財産の一部を処分しない
相続放棄が認められないケースのひとつとして、相続前に相続財産を処分してしまったというものがあります。これは民法921条1項において、相続人が相続財産の一部または全てを処分してしまった場合、単純承認をしたとみなされてしまうためです。
単純承認だとみなされた後だと相続放棄ができなくなるため、放置されている別荘も相続を余儀なくされてしまいます。葬儀費用に関しては問題ないとされていますが、それ以外は手を付けないようにすることが必要です。
別荘の物納は難しい?

相続税は延納によっても金銭での納税が難しい事由が認められた場合、納税困難な金額を限度として相続財産による物納が可能とされています。
別荘の物納自体は認められる場合はありますが、管理処分不適格財産と認定されてしまうと物納することはできません。
場合によっては難しい可能性がある点を理解した上で申請することが必要です。
放置している別荘を適切に管理するか手放すか選択しよう

放置している別荘を所有し続けると、固定資産税などの税金・維持管理や水道光熱費などの負担、特定空家に指定される可能性などのリスクを背負い続けることになります。
本記事で紹介した放置されている別荘のリスクとともに、別荘を手放す場合の選択肢や解体する場合や相続放棄する場合の注意点を参考に、どのように管理・対処していくのか検討してみましょう。
▼この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。
