アイランドキッチンとは、料理をするスペースやシンクなどが壁とつながらず独立したタイプのキッチンです。島のように独立した姿から、アイランド(島)キッチンと呼ばれています。
種類としては、キッチンとリビングが向かい合う対面型キッチンとなりますが、オシャレで開放的なデザインは唯一無二です。
しかし、展示場などで姿を見て憧れを抱いても、
「アイランドキッチンはデザインで選んで大丈夫?」
「アイランドキッチンにして後悔したらどうしよう。」
「デザインだけじゃなく機能性も備えられるの?」
と悩んでしまう人も多いはず。そこで、この記事では、アイランドキッチンを選んだ人が「良かった」と感じている点や「失敗した」と感じている点を紹介します。
加えて、アイランドキッチンを快適に使うためのコツやリフォームに掛かる費用なども解説。憧れだけで選んで後悔した、と思わないようにぜひご覧ください。
▼この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。


アイランドキッチンと普通の対面型キッチンとは何が違う?

アイランドキッチンのような対面型キッチンには、ペニンシュラと呼ばれるタイプやセパレート型、I型、L型などの種類があります。
対面型キッチンとして特に代表的なペニンシュラキッチンと呼ばれるタイプは片側が壁と接しています。設置にかかる費用を抑えられ、スペースもそこまで必要ないので一般的な住宅に多く使われているタイプです。
対して、アイランドキッチンは壁とつながっている部分が全くないことが1番の違いと言えます。設置スペースを広く確保する必要があるものの、開放的なデザインやオシャレさが魅力的なキッチンです。
アイランドキッチンにした人が「選んでよかった」と感じるポイント!
アイランドキッチンはペニンシュラキッチンと比較すると費用が高く、1度設置したら気軽に変更できるものではないので、設置にあたってはよく検討する必要があるでしょう。
ここからは、アイランドキッチンはどんなメリットがあるのか、実際に設置した人が「選んで良かった」と感じているポイントを紹介します。本当にアイランドキッチンを選んでいいのか迷っている人はぜひ参考にしてください。
壁・仕切りがないので開放感が高い!
壁と接している部分がなく、独立した作りのアイランドキッチンはキッチンスペースの開放感を強く感じられる点が魅力です。
開放的なスペースのキッチンは、周りをぐるっと走り回れる程の広々とした空間になります。また、壁や仕切りがないため、視界を壁に遮られることがなく、実際の広さ以上の開放感を感じられます。
壁がないという点は想像以上に視野が広く、調理など毎日の家事が楽しくなるという声が多いです。
レイアウトの自由度が高いのでオシャレ!

アイランドキッチンは空間の主役とも言えるほどの存在感があるので、キッチンを中心に自由なレイアウトが楽しめます。アイランドキッチンを検討している人は独特のオシャレさに魅力を感じる人も多いです。
アイランドキッチンを売り出しているメーカーもデザインに力を入れているので、デザイン重視や実用性重視など、多種多様なものから選択ができます。キッチンそのもの以外にも収納を付けたり周囲を飾ったりとレイアウトの幅がとても広いです。
例えば、アイランドキッチンの目の前にダイニングテーブルを置いたレイアウトやアイランドキッチンとカウンターテーブルを一体化したデザインなどが人気を集めています。
リビングに合わせたレイアウトやキッチン主体のレイアウトなど、さまざまなものを楽しめるのが魅力です。
キッチンを主役にコミュニケーションが取りやすい!

片側が壁と接しているタイプのキッチンはどうしても閉塞感が生まれやすいです。調理や食器洗いなどをしている際には、リビングでテレビや会話を楽しんでいる家族と別の空間にいるように感じてしまうことも。
アイランドキッチンはリビングの延長上になるので1人で調理中も閉塞感を感じることがありません。家族や友人とコミュニケーションを取りながら楽しく家事を行えます。
調理中にお子さんが何をしているかといったことも把握しやすくなるという点も特徴です。お子さん側から見ても、壁にさえぎられて姿が見えなくなることがなくなるため、不安になることも少なくなるでしょう。
たくさんの人と料理が楽しめる!
ペニンシュラキッチンとは違い、壁と接している部分がないアイランドキッチンは調理スペースを広めに確保できます。そのため、家族や友人とホームパーティーのように大人数で調理をするような時に大活躍です。
広めのスペースは作業導線の確保もしやすく、材料を切ったり焼いたり盛り付けたりといったことを同時進行で行えます。閉塞感を感じることがないことからも、みんなで楽しくコミュニケーションを取りながら調理ができる点が魅力です。
▼この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

アイランドキッチンのここが後悔・・・イマイチだと感じたポイント
上記のような、選んでよかったと感じるポイントが多い一方で、「アイランドキッチン」にして「ここがイマイチ」といった声も聞かれることがあります。
オシャレさや開放感の高さから人気を集めているアイランドキッチンですが、設置にあたってはデメリットもきちんと把握しておきましょう。
ここからは、アイランドキッチンを設置した際に考えられるデメリットを紹介します。設置を考えている人は後から後悔した、といったことがないように参考にしてください。
アイランドキッチンを作るためには広いスペース確保が必要
アイランドキッチンを作るためには広いスペース確保が不可欠という点はデメリットになると言えるでしょう。壁に接している部分がなく、両サイドに通路部分を確保しなければならないためです。
広いスペースを確保することができない住宅では、設置したくてもできないケースもあります。例えば、リノベーションやリフォームで導入を検討されている場合、リビングの広さが決まっています。
そのようなご家庭では、アイランドキッチンを無理に導入すると、リビングがとても狭く感じてしまうかもしれません。スペースが限られている住宅にあっては、アイランドキッチンを無理に導入する必要はないでしょう。
ニオイや汚れが気になる
アイランドキッチンは周りに壁がない分、調理の際に発生するニオイが広がりやすく、汚れもキッチンの外に飛びはねてしまうというデメリットがあります。
ニオイに関しては、どのようなキッチンでも発生するものですが、アイランドキッチンはリビングと一体化しているため余計に気になってしまうかもしれません。また、料理はしょうがないとしても、生ごみの置き場には注意を払うべきでしょう。
調理中に発生する油や水ハネは、さえぎる壁がない分飛び散った汚れを防ぐことができません。特に、油が床や壁にこびりついてしまうと簡単には落ちなくなってしまうため注意が必要です。
そのため、ニオイに対する対策や日々の掃除に手間がかかることを考慮しなければなりません。
アイランドキッチンは価格が高い
導入を検討する上で、一番に検討するポイントは価格になりますが、アイランドキッチンは他のタイプのキッチンに比べ高い傾向にあります。壁に接しないことから、自立できるように作るため多くの部材を必要とするためです。
各メーカーの一般的なタイプでも、120万〜200万円近くの予算を見ておく必要があります。あくまでも定価で記載されている価格なので、別途工事費などが加算されることもあるので、余裕を持っておく必要もあるでしょう。
また、設備自体のグレードや換気設備などによっても費用が変わってくることが考えられます。アイランドキッチン自体の価格が高い点だけではなく、実際に掛かる費用が見えづらい点も大きなデメリットになると言えるでしょう。
アイランドキッチンを快適に使うために意識したいポイント
ここまでは、設置にあたってのデメリットも紹介しましたが、デメリットが分かっていれば対策する方法はたくさんあります。ここからは、使い方や工夫1つで快適に使っていくためのポイントを紹介します。
換気設備を万全にする
リビングと一体型になっているアイランドキッチンは、通常のキッチンよりも換気設備を万全にしてニオイの対策をしておきましょう。料理のニオイ対策を怠ると、部屋内にニオイや煙が充満してしまい、ソファーやカーテンなどにニオイが残ってしまいます。
最近ではIHのクッキングヒーターを使用している家庭が多くなりましたが、ガスコンロと比較すると上昇気流が弱く、普通の換気扇では上手く吸い取れません。そのため、IHヒーターを使う方は特に、真上に換気設備を設置するなど1工夫する必要があります。
また、新築の家庭では空気の換気や循環を良くするため、窓を大きめに取ることもポイントです。ニオイや煙の対策に、換気を効率よく行えるように考慮することが快適に使うためのポイントです。
油ハネ対策も徹底!
アイランドキッチンを導入するにあたって、油ハネをはじめとした汚れ対策は必須。コンロ周りに汚れを防ぐものがないと、調理の際の油がキッチンの向こう側に飛び散ってしまい床や壁にこびりついてしまいます。
上記にも通じますが、換気システムを万全にすることで、ニオイとともに、油煙も換気扇へと流せます。また、上昇気流の関係で、比較的ガスコンロの方が油ハネは少なく済みます。
油ハネは調理をする以上は必ず発生するものなので、アイランドキッチンに限った話ではありません。普段から対策を施したうえで、定期的に掃除をすることが大切です。
アイランドキッチンは収納が不足しやすい!収納アイデアを活用しよう
アイランドキッチンはキッチン部分が独立している分、収納が不足してしまいがちです。さらに、他のキッチンと比べ存在感があり開放的な分、散らかっていると、とても目立ってしまいます。
そのため、収納方法について工夫を施す、収納場所を増やすなどができるように考慮しておきましょう。収納用品を上手に活用したり、空間を上手に利用したりといったアイデアが活きる場所でもあります。
調理用品もフライパンや鍋などは取っ手が取り外せるものを選ぶなど、ちょっとした選び方を意識することで簡単に工夫を凝らせます。よく使う調味料を入れる容器やコップなど、隠せないものはあえて見せる収納方法をすることで、オシャレに見せることも可能です。
目につきやすい分、散らかっていると片付いていない印象を与えてしまいますが、オシャレに見せる工夫をすることで、デメリットではなく魅力となるでしょう。
アイランドキッチンへリフォームしたい!価格の相場を紹介
上記でも価格について少し触れましたが、アイランドキッチンの価格は普通のキッチンに比べ高い傾向にあります。広さの確保ができるのかを考慮した上で、後悔しないように検討をしましょう。
ペニンシュラキッチンのような壁に接しているタイプからリフォームする際にかかる費用の相場としては120万〜200万円ほど。ハイグレードなタイプや高機能な換気設備、収納場所の増設などの場合は200万~400万円程で、場合によってはそれ以上になることもあります。
しかし、条件や設置するタイプによっては100万円以下で施工できるケースもあるのです。予算重視でアイランドキッチンを検討している人は、リフォーム会社に相談をしてみることをおすすめします。
アイランドキッチンとは:おしゃれな対面式キッチン!メリットだけではなくデメリットも把握しよう
今回は、存在感抜群で人気を集めているアイランドキッチンについて紹介しました。アイランドキッチンは、見た目のオシャレさはもちろん、壁や仕切りがない分閉塞感を感じにくく、たくさんの人とコミュニケーションを取りながら調理を楽しめるキッチンです。
しかし、壁と接していないオープンなキッチンだからこそのデメリットも存在します。そもそも広いスペースを確保できなければ設置できない点や価格面、ニオイ、汚れの対策などを万全にしておかなければ快適に使えない点などが考えられます。
アイランドキッチンの個性的で魅力的なデザインに惹かれる人はとても多いでしょう。設置して後悔した、といったことにならないためにもメリットやデメリットを把握して検討をしてください。
▼この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

