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解体工事を依頼する業者は、選び方を知らないとトラブルに巻き込まれる可能性が高いといえます。
近年はほとんど見られなくなりましたが、いまだに法令を遵守しない、高額の追加料金を請求するなど誠意のない業者も存在するからです。
工事費用の金額ももちろん重要ですが、「信頼できるかどうか」という観点で業者を選び、トラブルのない家屋解体工事を行いたいものです。
そこで、初めての人でも優良な解体業者を見極める方法をまとめました。ぜひ参考になさってください。
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- 解体工事の一連の流れ
- よい解体業者と悪い解体業者について知ろう
- 解体工事の業者選びのポイント14選
- 業者選びの方法
- 注意を払うべき悪徳業者の特徴4選
- 解体工事の業者選びは慎重に行おう!
- 良い業者を選ぶには見積もりサービスがおすすめ
解体工事の一連の流れ
解体業者を選ぶ前に、解体工事一連の流れを確認しておきましょう。流れを知っておくことで解体業者選びのポイントが見えてくるうえ、事前に準備しておくものなどの予測もつきます。
1:問合わせ
解体業者を選ぶうえで、気になることがあったらまずは問合わせをしましょう。
「見積もりの立会いは、土日などこちらの都合に合わせてもらえるのか」、解体時期が決まっているのであれば「スケジュールに対応できるか」など、気になっていることがあれば事前にすべて相談しておくと安心です。
問合わせは電話だけでなく、サイトの専用フォームが用意されているところもあります。こちらは受付時間を問わず使えるので便利です。
2:見積もり・契約
解体工事費用の金額は、サイトなどに相場が記載されていて、詳細は事前に物件に立ち会ってもらい見積もりを出してもらうというのが一般的です。このとき、1つの業者だけではなく、違う業者にも同じ条件で見積もりを出してもらい、比較検討することが重要です。
業者を決めたら、契約書を締結します。口約束だけで発注し、あとになって納得できない追加費用が発生するケースもあります。このようなトラブルを防ぐためにも、必ず契約書を交わして約束内容を書面に残し、内容もよく確認しておきましょう。
3:申請書類を提出
解体工事の内容によってさまざまな申請書類が必要です。たとえば、一定以上の規模の解体工事には廃棄物の分別などを定める「建設リサイクル法」が関わりますし、「事前工事届出書」などの申請も必要になります。
必要な書類については、ほとんどの場合は解体業者が代行で申請するため、施主は委任状の作成を求められます。
不明な点は遠慮なく業者に質問しましょう。質問を受けた担当者が丁寧に回答してくれるのかという点も、よい業者を見抜くポイントです。
4:近隣に挨拶
工事前には、業者と施主がともに近隣住宅へ挨拶回りを行います。これから解体工事を行うためしばらくの間迷惑をかけてしまうことの謝罪と、工期など詳しい内容を伝えましょう。
挨拶を行うことで、近隣住民の不安を少しでも取り除き、解体工事に対する理解を得ることが目的です。のちのちのトラブル防止にもつながるでしょう。
5:解体工事の準備
解体工事までに、建物内に残っている不要なものを処分しましょう。解体業者が不用品・残置物を処分してくれる場合もありますが、追加料金が高額になってしまうことがほとんどです。できる限り自分自身で片づけておくことが望ましいといえます。
不用品の処分を解体業者にまかせた際に、費用が高騰しやすいのは「紙や布製品・カーペット」そして「調味料」です。液体・粉末・半固形とさまざまな形態であることに加えて、瓶やプラスチックなどの容器の分別など、処分に手間がかかるうえ、これらは「一般廃棄物」となり、本来解体業者が扱う「産業廃棄物」とは処分の方法が異なるためです。
スムーズな工事開始・工事費の削減には、不用品・残置物を自身で処分するのがおすすめです。
6:配管や配線の撤去手配
不用品・残置物の処分とともに、ライフライン解約・撤去の手続きを取ります。具体的には電気・ガス・水道・インターネットなど、公共設備と通信設備です。契約していれば、セキュリティーサービスの停止も必要です。
エアコンと室外機の撤去も忘れがちなポイントです。業者によっては無料で撤去してくれる場合もあるため、確認してみましょう。
7:外構の解体作業
工事は、まず重機搬入などのために外構の解体作業から始めます。
庭木やウッドデッキ・ブロック塀・門柱・カーポート・玄関とつながっているポーチのタイル部分などが該当します。
8:足場と養生の設置
外構の撤去をすることで重機の搬入が可能となり、足場の設置や養生作業に取り掛かります。養生は、近隣に粉塵や騒音などの影響を軽減するために設置するものです。
ちなみに養生の設置は、解体業者の義務ではありません。一般的な木造家屋の解体工事において、発生する騒音は規制値以下がほとんどであり、粉塵対策は散水作業で代替できるためです。
とはいえ、よい業者であれば、最善を尽くすためにも養生の設置は当然のように行うはずでもあります。
というのも、家屋を解体するにあたって、周囲への騒音やホコリを完全に遮ることは不可能ですが、養生シートで家全体を隙間なく囲むことで騒音や粉塵の飛散を少なくできるのです。よい業者は、必ずここまで考えています。
しかし悪徳業者のなかには家屋の一部にだけ防音シートを張る、シートの隙間が空いている、破れてしまっているなど不適切な養生を施している企業も存在します。解体工事の際はどのような対策をするつもりなのか、しっかり聞いておきましょう。
9:屋根と内装の解体作業
建物内に不用品・残置物がある場合はここで撤去・搬出し、まず屋根と内装の解体から取り掛かります。
断熱材・建具・畳・サッシ・瓦・石膏ボードなど、内装材はさまざまな部材からできており、これらは建設リサイクル法によって分別処理が義務付けられています。このため、可能な部分は手作業で解体します。
10:建物の解体作業
内装材の解体の次は、壁・屋根・柱など建物躯体の解体です。重機の搬入はここで行いますが、建物の立地や条件によっては手作業になる場合もあります。
粉塵の影響がないように散水をしながら取り壊し作業を進めます。上屋の解体が終わり、必要であれば基礎を掘り起こして解体し、撤去します。昨今では建物にコンクリートと鉄筋が使われ、強度が高くなっていることから、騒音や振動が大きくなることもあります。
建物躯体・基礎の解体後は、地中にコンクリートガラや木材・鉄・プラスチックなどの埋設物がないか確認し、分別しながら撤去していきます。
11:整地作業
解体作業とすべての廃材の撤去が終了したら、地面を整地します。基礎の解体などで掘り起こされた土地を平らにするためです。それから、現場周辺や敷地内のごみを収集し清掃作業をします。
清掃作業に水を使うため、水道は工事完了まで解約しないでおきましょう。水道の解約については、打合わせや契約の際に解体業者から対応を求められることもあります。
12:引渡しを受けて滅失登記を申請
工事完了したら、現地を確認し引渡しが行われます。引渡しの際には、解体業者とともに現地チェックをすることをおすすめします。敷地内に関してはきれいに整地・清掃されていても、周辺道路への配慮がなされていない場合もあるためです。
解体工事が完了したら「建物滅失登記」という手続きをします。建物滅失登記には、「取毀(とりこわし)証明書」「印鑑証明書」「資格証明書」などが必要となり、法務局への申請は取り壊し後1ヶ月以内と義務付けられています。
不明な点がある場合には、役所の資産税課や、法務局等へ問い合わせることをおすすめします。
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よい解体業者と悪い解体業者について知ろう
解体業者の選び方のポイントをお話する前に、そもそも、よい解体業者、悪い解体業者には大まかにどんな特徴があるのかを見てみましょう。
優良解体業者
- 見積もりの時点で坪単価などから割り出した適正価格を提示する
- 下見後の見積書は「仮設工事費」「廃棄物処理費」など細かな項目で記されている。
- 現場に防音シートを隙間なく丁寧に張っている。
- 解体工事後、がれきは完全に撤去しきちんと整地する。
悪徳解体業者
- 見積もりが極端に高い、または極端に安い(必要な手順が削られている、追加請求の可能性がある)
- 見積書が「解体工事 一式」など大まかに書かれている
- 現場に養生をしない、防音シートにすきまがある、シートが少ないなど不備がある
- 解体工事後更地にがれきが残っている、地中に廃棄物を埋めている
このように、同じ解体業者でも対応には大きく差があります。
解体工事の業者選びのポイント14選
解体工事業者選びにおいて、見積書の金額の安さのみに注目して選択することは賢明ではありません。前述したように、金額は安いが仕事がずさんである業者だという可能性もあるからです。許可や登録がない業者だった、合法的な工事方法を取らない業者だったなどということがあると、のちのちに大きなトラブルにつながる可能性もあります。
ここで紹介するポイントを押さえて、解体業者選びの参考にしてみてください。
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1:見積もりは複数社に出してもらう
見積書の作成には1週間程度かかるうえ、見積額の有効期限もあります。特に、解体時期が決まっているのであれば時期を考えながら、相見積もりを取りましょう。
見積もりを複数社から取ることによって、価格の相場だけでなく業者の対応も確認できます。きちんとした業者であれば、見積書に解体工事一式の金額とともに内訳も記載してくれます。一方、あえて複雑にわかりづらく見積書を提示してくる業者もあります。
きちんとした説明がされず、のちのち追加料金が発生するなどトラブルの原因にしないためにも、見積もりは複数社から取りましょう。
2:見積書や契約書の内容がわかりやすいか
見積書や契約書の内容に、単価・数量・金額などの内訳や追加料金が明記してあり、わかりやすいかを確認します。
「解体工事一式〇円」などと表示する業者は、建設リサイクル法で定められた分別解体を行っていない可能性があります。明細のわからない内容の質問に対して、誠意のある対応を行わない場合も同様です。
評判のよい業者で細かい記載がない場合は、再見積りを依頼してから判断するとよいでしょう。
〇見積書をチェックするポイント
解体工事の項目や施工範囲・数量・単価などがわかりやすく記載されていることをチェックします。
解体工事は、足場や養生など仮設工事費、重機を現場まで移動する運搬費などが施工前に必要です。庭や外構は別途算出し、人件費・施工状況の写真代・廃棄物処理費用なども発生します。工事完了後の片付け・個別に依頼した内容などの費用の記載も確認項目です。
〇契約書をチェックするポイント
解体工事の施工内容や契約金額・工事期間及び支払い期限・工事完了の基準などを確認しましょう。
施工業者の会社名と所在地、発注者は契約書の必須項目ですので、必ず確認します。見積書の内容や金額に相違がないかを必ずチェックし、発行日の記載漏れにも注意が必要です。
3:契約書やマニフェストの発行ができるか
見積書だけでなく、契約書や領収書、マニフェストの発行もしているかどうかの確認もしましょう。
業者によっては契約書を発行しない会社もあります。それらすべてが悪徳業者とは限りませんが、業者と施主との信頼関係の構築や、のちのちのトラブル回避のためにも工事開始前に契約書を発行してもらうのがおすすめです。
マニフェストとは「誰が」「どんな産業廃棄物を」「どのように取り扱うか」を記載した書類で、解体を請け負った業者だけでなく、中間処理業者や最終処分業者まで載せる必要があるものです。解体した建物から排出された廃棄物が適正に処理されたかを確認できる重要な書類なのです。
マニフェストの提出を嫌がる業者は、廃棄物の適正な処理だけでなく、解体に係るほかの規定も順守しない可能性があります。
したがってマニフェストのコピーはきちんと受け取れるのか、こちらも確認しておくとよいでしょう。
4:第一印象のよさ
初回の電話対応や担当者の身だしなみなど、第一印象は解体業者の企業体質を表します。
良識ある解体業者の受付や営業担当は、言葉遣いや身だしなみに気を配り、受け答えも丁寧です。家屋の解体に不慣れな相手の対応を心得ているため、書類を使ってわかりやすく説明してくれるでしょう。誠実な対応が行われているかも判断する材料になります。
担当者の人となりとともに、会社全体の対応も見ておくこともポイントです。たとえば、担当者が忙しかったとしても会社とは連絡がつくことや、一両日中に折り返しがくるなどレスポンスの速さ、見積書の内容のわかりやすさや、説明の丁寧さも解体業者を判断する基準になります。
立会いや打合わせなどにおいて、業者や担当者に違和感を持った場合には、ほかの業者を探すことをおすすめします。
5:連絡がスムーズにできるか
会社や担当者と連絡がスムーズに取れるかは、信頼できる解体業者を選ぶポイントです。
計画性がなく、対応に追われている解体業者は、連絡がスムーズにできていないことが多く、回答期限を守らない場合は、施工時の対応もルーズになります。
顧客重視の会社は、自社電話を転送にする、連絡方法を複数聞くなどそれなりの工夫をしているはずです。
また、解体業者を探すときには、まずホームページをチェックする人も多いでしょう。ホームページに記載された情報から信頼できる業者か判断するポイントは、連絡先と所在地の明示です。
所在地が明示されていれば、その住所に会社があるか確認できます。ここで注意が必要なのは、住所にアパート名の記載があった場合です。事務所を構えられない運営の危うい会社は、アパートの部屋を会社の所在地とする場合があるからです。
所在地や連絡先がしっかりとしていないと、実態がわからず不安なものです。このような点もチェックしておきましょう。
6:坪単価が安すぎないか
ホームページページや見積書で、坪単価が地域の相場と比較して安すぎる業者は、高額な追加料金の請求をしてきたり、不適切な廃棄物処理を行っていたりする可能性があります。
解体費用には、適正な廃棄物処理や人件費も含まれます。法律を遵守した業務を行うと、相場費用から極端に安い価格設定は不可能なのです。安ければよいというわけではない理由が、ここにあります。
7:必要な許可や保険に加入しているか
解体工事業の許可や施工中の賠償保険に加入しているかも確認しましょう。
「解体業者を運営しているのだから、許可や登録をしているだろう」という思い込みは危険です。もちろんほとんどの業者は許可を得て工事を行っていますが、まれに許可を取得せず、保険にも入っていない業者があるのも事実です。
たとえば、建物基礎などの解体で発生した産業廃棄物の運搬は、産業廃棄物収集運搬許可を保有していなければできません。解体工事には建築業許可証・解体工事業登録も必要です。
保険は、事故などの際に十分な補償を行うことの根拠になります。念のため「どの保険に加入しているか」「認可書類を見せてもらえるか」という確認をしてみるとよいでしょう。
たとえば、もし解体工事の作業中に近隣の住宅を壊してしまった場合。
工事者(=解体業者、請負人)が損害賠償は責任を負い、依頼主は責任を負わないと民法709条、716条で定められています。しかし「注文時に無理な日程や予算を組まされた」と請負人が主張した場合は依頼人の過失になることも。最悪の場合は解体業者との間で裁判することにもなりかねません。
〇許可の保有確認方法
解体工事業などの許可は、500万円以上の業務を行う場合に必要です。ホームページや担当者の名刺に記載された情報で確認しましょう。また、許可証のコピーをもらっておき、役所で情報の照会を行うとより安心です。
許可や登録の情報は自社サイトに載っている場合もありますが、都道府県に問い合わせて確認することもできます。
出典:建設業の許可|国土交通省
8:書類関連についてあいまいな返答をしていないか
見積書や契約書を発行せず口頭だけの対応や、発行を依頼してもあいまいな返答を繰り返す業者は、信用できないと判断できます。
依頼した書面の発行を渋ることや、納得のいく説明ができない業者には、安心して業務を依頼できません。書面で確認できなければ、施工終了後に見積もりと異なる金額を請求されても反論しづらいでしょう。あわてて契約しないことが大切です。
9:行政処分や指名停止を受けていないか
たとえ解体工事業許可を保有していても、不正によって行政処分や指名停止措置を受けていないかということも確認します。
行政処分や指名停止はそれぞれの都道府県のホームページに公開されます。検索して簡単に確認可能です。最新の情報は、都道府県庁の建設課など担当部署に直接問い合わせましょう。
解体工事には順守すべき法律や規定があります。
合法的な工事を実施するうえで、特に産業廃棄物の処理を適切に行っている業者かを確認することは重要なポイントです。まずは法律に沿った届け出や、マニュフェストの発行を適切に行ってもらえるのかを見極めましょう。
10:工事を下請けや孫請けに流していないか
解体費用を抑えるために確認しておきたいポイントは、自社施工に取り組んでいるかどうかです。
解体工事を自社で施工せず下請けや流してしまう業者は、中間マージンが発生します。意思疎通の観点から見ても、施主から直接工事業者に意向が伝わらないため、施工責任があいまいになってしまい、工事自体の不安要素も残ってしまいます。
現地調査で営業担当が同席しない場合や、調査員が依頼した業者と異なる際は、下請け・孫請けへ全部まかせてしまっていることが疑われます。
特に契約関連で下請け業者との間に行き違いがあると、着工後に追加費用が発生するリスクもあります。解体業者選びでは、自社施工しているかどうかもチェックしてみましょう。
9:重機を持っているか
解体コストを抑えるポイントとして、重機を持った会社かどうかという基準もあります。保管場所の問題から、重機を持たない解体業者もあるのです。
重機を自社で所有していない業者の見積金額は、重機のリース代を加算した金額となるため、自社所有の業者と比較して高額になる傾向があります。
11:追加費用について事前に説明があるかどうか
契約書の内容にもつながる部分ではありますが、追加費用が発生する条件や理由などが明示されているかを確認しておきます。
現地調査を行っても、施工中に追加費用が発生する場合もあります。見積書や契約書に追加費用の注意書きがあるかを確かめましょう。追加費用がどのようなときに発生するか、発生した場合の解体業者の対応も確認しておきます。
あいまいな理由や納得できない条件で、追加費用が発生してしまう可能性を回避するためにも、契約書を交わしておくことは重要であるといえるでしょう。
12:工事の進捗状況にあわせた適正な支払い条件を設定しているか
支払い方法が選択できるように条件設定している解体業者を選ぶと、安心してまかせられます。
解体工事は一括払いと分割払いの支払いが一般的です。一括払いは、解体完了後に工事代金を支払います。マンションなど大型物件の場合は、分割支払いでなおかつ支払い回数も多く設定されます。
ただ、解体工事は施工後の一括払いが多く、施工前に前金として多額の支払いを求める場合は経営が苦しい可能性もあります。
13:近隣への挨拶は実施するか
解体工事では、近隣の住人への影響は免れません。したがって近隣住人に解体工事について理解してもらうことが工事をスムーズに進めるカギとなります。どんなトラブルが生じたとしても、信頼関係を築いていれば謝罪の気持ちが伝わりやすくなります。
そこで、工事に着手する前に近所を回り、挨拶をしてもらえるか解体業者に確かめるのがよいでしょう。できれば業者だけでなく施主も一緒に回り、謝罪と工程などの内容をしっかり伝えて不安を取り除くことがベターです。
14:事故やトラブルが発生した際のクレーム対応は適切か
解体工事中の事故やトラブルへの対応チェックは、起こりうるトラブルの例を確認しておくとよいでしょう。
「もし、重機の振動で隣の家にひびが入ったらどうなりますか」など解体工事でよくある事例で質問してみましょう。過去の対応事例や事前の対策、その際の処理などもきいておくとよいでしょう。
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業者選びの方法
解体業者選びのポイントを紹介してきましたが、具体的にどんなツールを使って探せばよいのでしょうか。
近年は簡単にインターネットからも検索できますし、友人・知人のほかハウスメーカーや工務店から紹介してもらうなど、業者探しを自分でするためのツールは増えてきています。
業者を探し出すツールが増加
業者を探すツールが増加している理由には、ネットなどで、自分で業者を探す人が増えていることが挙げられます。自分で解体業者を探すことには、いくつかのメリットがあります。
〇自分で自分に合った業者を探せる
自分で業者選びをするということは、納得できるまで自分に合った業者が探せるということです。
会社や知人からの紹介の場合は1社しか選択できない、断りづらい、担当者などの印象が悪く信頼できないという場合があります。自分で探せば、自由に選べるため選択肢の幅も広くなります。
〇仲介料や手数料のコストを抑えられる
解体工事には費用がかかります。コストはできるだけ抑えたいものでしょう。ハウスメーカーや不動産会社、工務店などに紹介依頼した場合には、仲介料や手数料がかかってしまう場合があります。
自分で業者選びをするということは、仲介手数料や手数料など中間コストが抑えられるというメリットもあるのです。
業者選びの手段5選
インターネット・電話帳・人からの紹介など、自分で業者探しをするための手段はいくつかあります。ここでは業者選びの代表的なツールと、選ぶポイントを5つ紹介します。
1:インターネットで検索する
簡単に探す方法のひとつとして、インターネットで検索するというものがあります。業者側も顧客獲得のためにサイトを充実させたり、顧客対応部署を作ったりなど、問合わせにも対応しやすい環境を整えるようになってきています。
ホームページでまずチェックするのは、工期や価格・会社概要などです。
会社の所在地は明確か、許可証や認可番号が掲載されているかも重要です。また、工事実績が載っていれば、依頼したい工事と似たような案件を受注しているかどうかも確認できます。
2:業者の紹介サービスを活用する
インターネットを使って業者選びをするならば、業者の紹介サービスを活用するのも方法のひとつです。
業者紹介サービスサイト内で必要項目を登録すれば、条件に合う解体業者を無料で紹介してくれるほか、複数社の相見積もりを同時に依頼することもできます。自分で1社ずつ調べるより手間がかからず効率的に探せます。
3:電話帳で検索する
自社サイトを作っていない、業者紹介サービスに登録していないという解体業者でも、電話帳に載っている場合があります。電話帳の「建物解体工事」という欄を開けば、複数の業者が見つかります。
気になる業者があれば問い合わせてみましょう。解体場所から片道1時間圏内、自社施工をしているかなど、電話をする前に選択のポイントを絞っておくのもおすすめです。
昨今は、サイト内の問合わせフォームから見積もりを依頼することもできるようになっていますが、電話で直接話すことで担当者の対応などをチェックできるというメリットがあります。
4:友人や知人に紹介してもらう
友人や知人に紹介してもらうのも業者を探す方法のひとつです。デメリットは前述した通りですが、紹介者が解体工事の経験があったり、解体業界で働いていて工事に詳しかったりすると、紹介された業者への安心感も高まるでしょう。
しかし、まかせきりにしないことが大切です。知り合いから業者に依頼したことによるトラブルが発生しているのも事実です。いくら信頼している人からの紹介だといっても、見積もりのチェックは必要ですし契約内容やマニフェストの提出の確認などもしましょう。
可能であれば紹介された業者以外からも、相見積もりを取ることをおすすめします。
5:不動産会社に紹介してもらう
建物を解体した後の売却を考えているのであれば、不動産会社に紹介してもらうのもよいでしょう。
こちらもデメリットは前述した通りですが、建物・土地を売買している不動産会社であれば、解体業者とのつきあいも深いため、よい業者を紹介してくれる可能性は高いはずです。
不動産会社にとっては今後や地域の信頼にも関わるので、紹介される解体業者は基準を満たしているものが多く、過失によるトラブルや事故が発生するリスクは低いでしょう。
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注意を払うべき悪徳業者の特徴4選
「コスパがよく安心して工事をまかせたのに、いざ工事が完了したら最初に提示された金額よりだいぶオーバーしてしまった」「前払い金を支払った途端に、連絡が取れなくなり逃げられてしまった」といった悪徳業者の事例もあります。
ここからは、悪徳業者の特徴とともに、見極めるためのポイントを4つ紹介します。
1:極めて安い見積もり
他社の金額を聞いて安易に値下げをしてくる業者や、予算を聞いて「いくらなら依頼してもらえるか」といってくる業者には注意が必要です。
あいまいな金額設定をして、後から高額な追加費用を請求してくる可能性があります。同じように、問合わせの電話だけで金額提示してくる業者も、工事途中で追加費用が発生するリスクが高くなります。
また、見積もりを出してくれない業者、内訳もなく見積もりの根拠があいまいな業者には注意が必要です。
2:唐突な追加費用
解体工事では、追加費用の発生は珍しいことではありません。追加費用に関し事前に説明があり、合意した内容であれば納得できるでしょう。
ポイントは、追加費用に関する詳細な説明があるかどうかです。悪徳業者は最初から高額な追加費用を取る目的で安い見積もりを提示してくるケースが多くあります。見積内容や事前説明で、追加費用の条件の提示や説明がない業者は注意が必要です。
3:不法投棄
悪徳業者の手口のひとつに不法投棄も挙げられます。産業廃棄物を適切に処理せず不法投棄することで費用を軽減する方法です。
注意したいのは、契約時は知らなかったとしても工事途中で不法投棄を認知してしまった場合、施主にも責任があるとみなされ処罰の対象となる可能性があることです。不法投棄を知った時点で速やかに契約破棄しましょう。
出典:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律 第七章 罰則|e-Gov法令検索
4:解体費用の確認不足
悪徳業者とのトラブルの一因は、解体費用の確認不足にもあるでしょう。口頭で言われたことを信じ、見積書などをきちんと確認しなかったことで高額な費用が発生していることに気付けなかった、というのは悔しい話です
また、契約書を交わさなかったためにのちのちの追加費用や工期の認識違い、「言った」「言わない」といった問題が発生するケースもあります。
契約内容を常に確認できるよう、工期・総額・工事内容がしっかりと契約書に明記されているものを締結しましょう。
解体工事の業者選びは慎重に行おう!
解体工事の業者選びには、まず複数の業者から相見積もりを取ること、業者が許可を取り法令を遵守しているのが確認することがポイントです。また電話対応を含めた担当者の対応が悪ければ、のちのトラブルを避けるために検討し直すことも大切です。
また、見積書や契約書は必ず受け取り、内容を確認します。連絡がスムーズにでき、クレーム対応や追加料金の発生などわかりにくいことを丁寧に説明する業者を選ぶこともポイントです。
事前にホームページなどで情報収集し、納得できる解体工事を進めるために、価格と信頼の両面から慎重に解体業者を選びましょう。
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良い業者を選ぶには見積もりサービスがおすすめ
ここまで、優良な解体業者を見分けるための方法をお伝えしました。一つひとつの解体業者がチェックリストにあてはまるか、確かめるのは大変ですよね。そんなときには複数の業者から一度に見積もりを取ることができるサービスを利用しましょう。いくつかの見積もりを比べて、解体したい家屋の相場を把握できます。
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