戸建て住宅を建てた後、長く快適に住み続けるためには「維持管理」が必要であり、維持管理をするためには維持費が必要です。
住宅を維持管理していくための費用は少額ではないので、戸建て住宅を購入する前に年間にかかる費用の平均や、どのようなものが必要になるのか知っておく必要があります。
戸建て住宅とマンションの維持費の違いから、戸建て住宅を維持していくための費用の内訳、一戸建ての維持費を抑える方法などを紹介していきます。
これから一戸建ての建築・購入を検討している方は、ぜひご一読ください。
戸建て住宅は「建てたら終わり」ではなく維持管理が必要 !
夢のマイホームを購入したら、そこで「建てたら終わり」となれば、マイホームの管理も楽ですが、実際には住み続けるための維持管理が必要です。
長く住み続けるためには維持管理が必要になり維持費がかかる
住宅に長く住み続けるためには、日頃からの手入れやメンテナンス、修繕や時にはリフォームなどが必要になります。建物の維持管理だけではなく、税金や住宅保険なども必要です。
維持管理をするためには、維持費が必要であり、その額は安い金額ではありません。
日々の手入れを怠れば、ある日突然大きな金額が必要になることもあります。事前に何に必要かを知ることで、維持費に対する準備をすることもできます。
新築・中古によっても維持費は異なってくる
戸建て住宅を購入する際、新築か中古、どちらの建物を購入するかによっても維持費は異なります。
新築の場合、すぐに建物の修繕を行う必要がありませんが中古の場合、購入時の状態にもよりますが、新築よりも早く建物の修繕が必要になります。
税金は新築と中古では金額もことなりますが、中古の方が安い場合が多く、保険に関しては築年数が古い住宅に保険を掛ける場合金額が高くなることもあります。
地域や築年数によっても異なりますが、新築と中古では維持費が異なってくるので、事前に維持費違いについて調べておくようにしましょう。
戸建てとマンションでは維持費が異なる
戸建てとマンションでは、維持費に関する考え方が異なるので、維持費の種類や金額も異なります。
マンションは集合住宅であり、大きな建物を大人数で維持していくのが一般的であり、管理組合を作り業務委託をすることがほとんどです。
自分の意志で修繕や管理ができる戸建てとは異なるので、修繕の必要性が分かっていても思うように修理等ができないこともあるので、戸建てとマンションのメリットと共に知っておく必要があります。
戸建てとマンションの違いを知り、それぞれの維持費を確認した上で住宅を購入するのも1つの方法です。
戸建てとマンションの維持費の違い
住宅はさまざまな維持費が必要になります。
戸建てとマンションの場合、購入時にかかる費用も異なりますが、購入後の維持費も異なってきます。
戸建てとマンションの維持費にはどのような違いがあるのでしょうか?
戸建てとマンションの違い
大きな違いは戸建ての場合「個人で維持管理を必要とする」、マンションの場合「管理組合などが維持管理を一括して行う」ということが大きな違いとなります。
戸建て場合、個人で修繕の時期などを決めることが可能なので、修繕の時期を変更したり維持費を抑えることも自由にできます。
保険料などはその時の経済状況に合わせて検討し直すことが可能です。
マンションの場合、マンションに住む住民が維持管理を行うための管理組合に加入する必要があります。
「うちは面倒だから加入しない」ということはできません。
管理組合の話し合いによって、維持管理のスケジュールを建て、そのために毎月必要になる金額を支払うことになります。
金額も自分で決められないので、戸建てのようにライフイベントに合わせて変えることは不可能です。
マンション毎月の維持費以外に積立が必要な管理組合もある
戸建ての場合、維持費はある程度自分達で決めることができますが、マンションは自分の意見だけで決めることができません。
そして、マンションを修繕する場合には戸建てとは比べ物にならないほどの金額が必要となります。
1人で支払う訳ではありませんが、話し合いをしたうえで事前に予算を立て、毎月必要な維持費とは別に積み立てを行なっている管理組合もあります。
この場合も、自分の意志で金額を決定できないので、ライフイベントに関係なく出費が必要になり大変だと感じるでしょう。
税金や保険料など大きく異なる部分が多い
戸建てとマンションでは税金や保険料が異なり、固定資産税の場合はマンションの方は高くなる傾向があります。
戸建ての場合は経年によって固定資産税が減少していくことを考えるとマンションよりも維持管理の費用が少ない可能性が高いです。
戸建て住宅を維持していくために必要な費用の内訳
戸建てとマンションの違いについて紹介しました。
マンションと比べて自分達のペースで維持をすることが可能ですが、一般的な戸建て住宅の建て替えの目安となる30年ではどのくらいの費用がかかるのでしょうか?詳しく紹介していきます。
税金
住宅を購入する毎年「固定資産税」を支払うことになります。
固定資産税は毎年1月1日現在の土地化建物の「固定資産評価基準」に基づいて各市町村が個別に決めます。
大まかな目安ですが、3,000万円で購入した戸建ての場合、30年で約240万円ほどの固定資産税がかかります。
固定資産税は土地建物の広さや価格、経年による固定資産税の減少によっても異なります。
修繕費
戸建て住宅の修繕費は、日々の手入れによっても金額が異なってきます。
こまめに修理を行なっていれば大きな修繕を行う必要がないからです。戸建て住宅の修繕として必要なものと金額は以下の通りです。
補修内容 | 点検時期の目安 | 1回あたり費用の例 | 30年間累計 | |
補修回数 | 合計金額 | |||
外壁塗装 | 10~15年 | 100万円 | 2回 | 200万円 |
屋根塗装(スレート葺き) | 15~20年 | 50万円 | 2回 | 100万円 |
軒先・軒裏塗装 | 15~20年 | 30万円 | 2回 | 60万円 |
樋・床下メンテナンス | 15~20年 | 30万円 | 2回 | 60万円 |
シロアリ防除 | 5年 | 20万円 | 6回 | 120万円 |
クロス張替え | 7~10年 | 20万円 | 3回 | 60万円 |
サッシまわりコーキング | 7~10年 | 30万円 | 3回 | 90万円 |
合計 690万円 |
保険料
日本は災害大国であり、火事やだけではなく地震などにも備えた保険の加入が必要です。
一般的な火災保険料の相場は、H構造(非耐火構造)の場合10年で約330,000円です。地震保険の場合は10年で約280,000円になります。
建物の構造や経年などによっても金額は異なりますので、実際に加入する場合はシミュレーション等を行ない、金額を確認しておきましょう。
戸建て住宅の維持費を安く抑える方法
ここまで戸建て住宅の維持費について紹介してきました。
戸建て住宅の維持費は、決して安い金額ではありません。必要不可欠なものだと理解していても、できれば維持費を安く抑えたいと考えるはずです。戸建て住宅の維持を安く抑える方法を紹介します。
メンテナンスが少なくて済む資材・施工方法の家を建てる
これから住宅を建てる場合、メンテナンスが少なくて済むような素材や施工方法の家を建てることも、維持費を抑えることが可能となります。
最近では「メンテナンスフリーの住宅」という住宅も増えています。
メンテナンスフリーは、メンテナンスが不要な住宅ではなく、長期メンテナンスが必要ない家ということであり、耐用年数が通常よりも長い資材を使用した住宅を指します。
メンテナンスフリー住宅であっても、定期点検やメンテナンスは必要な場合がありますが、通常の住宅よりも費用が抑えられます。
日頃から手入れを行う
日頃の掃除や手入れを怠って、長い間放置をしてしまうと、いざメンテナンスが必要となった時に大規模な工事や取り換えが必要になってしまうことがあります。
日頃のメンテナンスをこまめにおこなうことで、修繕費を抑えることができるので、小さな事かもしれませんが毎日の掃除などを行うようにしましょう。
早いうちに修繕を行う
日頃の手入れをしていても、修繕を必要な状態になってしまうこともあります。
早いうちに発見して修繕をしておくことで、少ない費用で修理を済ませることが可能です。放置しておくことによって状態が悪化し、費用が嵩んでしまうので、修繕が必要だとわかったら早いうちに修繕をしましょう。
保険料の見直しをする
火災保険や地震保険は安い金額ではありません。住宅購入時に加入している人がほとんどですが、見直しをすることも必要です。
自分の家に本当に必要な契約内容かチェックすることで、保険料を抑えることが可能かもしれません。保険の見直しに不安を感じる人は、専門家などに相談してみることをおすすめします。
築年数が長い場合は大規模なリフォームや建替えをするほうが安上りとなる
長く住み続けている住宅は、維持費が必要となってしまうことが多いです。
大規模な修繕をする場合、家のほかの部分も同様に修繕が必要な可能性が高く、場合によっては修繕後に他の箇所も修繕が必要だという事になるかもしれません。
その場合、リフォームや建て替えをした方が安いという事もあるので、大規模な修繕を必要とする場合は、他の場所も修繕が必要ではないかチェックをしてもらい、リフォームや建替えも検討してみましょう。
まとめ
戸建て住宅の維持費について紹介しました。住宅を購入し、住み続けるためには維持管理が必要です。私たちが快適に戸建て住宅に住み続けるためには住宅の維持は必要であり、必要な費用は決して安い金額ではありません。
税金・保険・修繕などにかかる費用について詳しく紹介しましたが、建物の大きさや地域によっても維持費は異なります。実際の金額を必ず確認しておきましょう。
これから住宅を購入する場合、考慮をしておくようにしてください。