春になると草木も芽吹いてきて、マイホームに憧れのウッドデッキを設置したい。そんな気持ちも湧いてきます。しかし、エクステリア関係のお店やホームセンターに出向いてウッドデッキの値段を見てみると、どれもいい値段がします。
ウッドデッキを自分で作れば値段も安く、何よりも自分だけのものになります。
DIYによるウッドデッキの上で、あたたかい日差しを浴びながらコーヒーを傾けたり本を読んだりと、今までの休暇にプラスアルファで充実した時間になるのではないでしょうか。
そこで今回は、ウッドデッキをDIYで作るためのステップを紹介します。
ウッドデッキを作るまでの流れ
ウッドデッキは大きな工作となるので、部材や備品などの消耗品も必要な数を割り出していかなければなりません。
工程が多い分、いいかげんにしてしまうと後で足りない部品が出たり、パーツが合わなかったりと、結局しわ寄せがきてしまいます。
工程や、作業手順はしっかりと計画を立て、可視化にしておくと便利です。
作業工程が複雑になってしまうため、あらかじめ見える状況にしておき、時間や進捗がわかるようにしておくことで、作業中であっても心に余裕が持てるようになります。
プランニング
どのようなウッドデッキを設置したいのか、用途は何にするかなど、大きさや規模、強度などもしっかりと計画段階でイメージしておくとよいでしょう。
いきなり作業を進めてしまうと、考えてもいなかったところでつまずいてしまう恐れがあります。
そうならないためにも、しっかりとプランニングすることが大切です。
現況確認
施工場所の確認をしておきましょう。ウッドデッキを設置したい場所の多くは、掃き出し窓の外側になります。
掃き出し窓の下の部分や、家の基礎の外側は地盤が土なのか、それともコンクリートなのかでも大きく変わってきます。
埋設物
地盤だけではなく、水道やガスのメーターや下水の点検口などもあれば設置場所の候補から外しましょう。
後々にそこから何か作業をする時があるかもしれませんので、せっかく作ったウッドデッキを撤去しなければならないのは悲しいことです。
その他、合併浄化槽が埋まっている場所も避けるべきでしょう。定期的にふたを開けて除去や清掃を行うからです。
高さを決める
掃き出し窓からの高さを決めます。窓のサッシ下部の水切りといわれている部分があり、そこの下端に合わせることによって見た目の問題だけではなく、段差を作らない分、使い勝手もよくなり、安全です。
大きさと位置を決める
場所や高さが決まったら、ウッドデッキを設置する場所や大きさを決めましょう。より具体的なイメージを持つことで作業がスムーズに進みます。
もうひとつは、どんな使い方ができるのか、使い勝手はどうなのかがわかります。
庭やスペースの大きさと、ウッドデッキの広さのバランスが悪いと、後々使いづらいといったことになりかねませんので、しっかりとしたイメージを持つことが大切です。
部材と道具の確認
材料となる木や塗料を選び、ホームセンターなどで購入します。
余裕があれば、必要な部材は1割程度多めに購入することをおすすめします。
間違えて切ってしまったり、ビス止めの際に割れてしまったりしても新たに買いに出向くこともなくなります。
道具も必要に応じて用意しなければなりませんが、ホームセンターによってはレンタルをしているところもあります。
木材などの長物と呼ばれる材料を購入し運ぶ際に、軽トラックなどを貸してくれるお店もあります。
部材調達
ウッドデッキ造りに最も重要となるポイントが、部材の選択です。予算と耐久性、作業性などを考慮して選んでいきましょう。
各所の部材選定
屋根なしのウッドデッキの場合は大まかに、木材、塗料、束石、ビスなどに分けられます。それぞれの部品別に紹介します。
木材
木材選びはウッドデッキ造りにおいて最重要項目といえます。作業性の良い柔らかいものから、耐久性のある硬いものまで木材の種類もたくさんありますので、どんな木材を選ぶのかで作業性から仕上がりまでが変わってきます。
天然木の中には一般的に使用されている2×4や2×6などの規格品があります。柔らかくて、加工もしやすいため、DIYで使用するにはおすすめの木材です。
一方で、東南アジアや南米の原生林などで育った高耐久な木材であるハードウッドは、耐久性もありますが、2×4のような木材と比べると値段も高く、何より耐久性が強い分、加工はしにくくなります。ビス止めする際には、下穴をあけてからの作業になるので、どちらかというとプロ志向になってしまいます。
ただ、耐久性のことを考えると、コスト面でも安いといえる上に、一度造ってしまえば一生ものなので、腕に自信のある方はトライしてみるのもよいでしょう。
最近では、天然木以外にも人工木と呼ばれるものも人気が出てきています。
天然木に見劣りしない見た目と、メンテナンスがいらないという点、そして、DIY用のキットの中には人工木のものが多いということも人気の要因として挙げられます。
塗料
塗料に関しても種類は豊富で、初めての塗装からプロ志向のものまであります。
プロ志向になればなるほど、値段も難易度も上がりますが、まずはウッドデッキなどから徐々に難易度を上げて、いずれはマイホームの外壁なども塗り替えられるように、練習台として考えるのもひとつの方法です。
ウッドデッキの塗料選びで大切なポイントは、ウッドデッキ専用の塗料を使うということです。
なぜ専用のものがいいのかというと、木材を保護する成分が配合されているからです。一般的な塗料でもいいのですが、ウッドデッキは太陽光による紫外線や乾燥といったリスクにさらされているため劣化が激しくなることが考えられます。
そのために、木材が変形してしまう可能性があり、少しでも保護成分が入っている方を選ぶことでそのリスクから守る働きがあるからです。
束石
ウッドデッキの基礎となる部分に束石を使用します。地盤が土や砂利なのか、コンクリートやアスファルトなのかということで変わってきますが、ホームセンターなどではいくつかの種類の束石が売っていますので、用途に合ったものを選択して購入してください。
また、造るウッドデッキの高さが低く、束石を入れる高さが保てない場合には、コンクリートの板などを使用してもよいでしょう。
補強金具やビス
ウッドデッキの強度を高めるために、金具で補強する場合がありますが、屋外で使用するので、あらかじめさび止めの塗料が塗られているものやさびにくい材質のものを選ぶとよいでしょう。
もし、さびてしまうものを使用するのであれば、しっかりとさび止めの塗料を塗布してください。酸化することで強度が落ちてしまうので、それをあらかじめ防止しておくのです。
デッキ材を固定させるビスには、コールスレッドというものがあり、そちらをおすすめします。コールスレッドを使用することによって、デッキ材に下穴を開ける手間が省けます。
必要なもの
ウッドデッキを造るのに必要な工具類や、工具を使用するときに身を守るために着ける保護具などの紹介をします。
全てを揃えるのは難しいかもしれませんが、保護具は揃えておきましょう。
電動工具については、ホームセンターでレンタルを行っている店もありますので、お近くのホームセンターで確認してください。
木材も、ホームセンターでカットしてくれるところもあります。ただし、そのホームセンターで購入した木材に限ってカット可能といった条件が付いているところもあるので、注意が必要です。
道具
電動工具はあれば便利で、作業時間も大幅に短縮できますが、使ったことがない人は細心の注意が必要となってきます。また、電源の確保が難しい場合はポータブル電源などを利用するという手もあります。<DIY用の大容量ポータブル電源はJackery>
特に丸ノコと呼ばれる木材の切断に使われる道具は、初心者は使わない方がいいかもしれません。まっすぐに刃を入れず歪に入れてしまうと木材が刃を噛んでしまい、キックバックと呼ばれる現象が起こり、その反動でけがをする恐れがあるためです。
電動工具
・丸ノコ
・インパクトドライバー
手道具 ウッドデッキ組み立て用
・差し金
・水平器
・下げ振り
・スケール
・墨ツボ
・赤鉛筆
・チョーク
・手引きのこぎり
・ほうき、ちりとり
手道具 ウッドデッキ塗装用
・はけ
・ローラー
・さげ缶
・マスカーテープ
・養生用シート
保護具
・軍手
・ゴム手袋
・ゴーグル又は保護メガネ
・耳栓
・安全靴
作業においての留意点
資材置き場と作業スペースを区分けする
悪い例で言うと、作業スペースに資材を置いていてごちゃごちゃになり、ものがなくなってしまったり、けがや事故のものになってしまったりします。それを防ぐために、作業スペースの確保と、作業場の整頓はできる限りしておくのがベストです。
自分で一から作り込む場合
ウッドデッキのDIYは、キットを買って組み立てるだけなら簡単かもしれません。
しかし、自分の手で一から作るのであれば、ウッドデッキのパーツの作り出しから始まりますので、工程が一気に増えてきます。そして、作ったパーツを組み立て、設置し、塗装するといった流れになります。
設置するのもただ置くのではなく、水平や垂直をしっかり出しておかなければなりません。くれぐれも傾いたウッドデッキにはならないように注意しなければなりません。
風散養生と台風対策
ウッドデッキを安定させておかなければ、台風や強風時に煽られて、隣地や周囲の方に迷惑をかける恐れがあります。
ウッドデッキの支柱は地面に打ち込んだり、コンクリートを流して固定したりすることが必要です。
地盤がコンクリートなら、コンクリート専用のビスを打ち込んで固定させましょう。
まとめ
屋外での大きな工作となるウッドデッキのDIYは、工程が多く、比較的複雑です。
しかし、ひとつひとつ順を追って作業すれば、それほど難しいものではありません。
頭の中で工程をイメージしているだけでは、見落としやうっかりミス、作業手順を間違えるといったこともあるかもしれません。しっかりと工程管理をして工程表を詳しく作成して可視化することで、そういったミスやヒューマンエラーなどを減らすことができます。
特に、初めてのチャレンジとなるとなおさら効果は出るでしょう。
そして、なにより大切なことが、安全に作業を行うことです。
「安全に近道はない」と言われているように、めんどうだとか、時間がないなどで工程を省いてしまうことのないようにし、完成形をイメージして楽しいDIYにしまいですね。