汲み取りトイレをリフォームするときの費用相場について解説します。
水洗トイレや簡易水洗トイレにリフォームするときの費用相場について詳しく見ていきます。
汲み取りトイレの工事費用を抑えるポイントも紹介するので、業者を選ぶ時の参考にしてください。
汲み取りトイレのリフォーム方法や費用相場を解説!
汲み取りトイレは、排泄物や汚物を一時的にためておくタイプのトイレで現代普及している水洗トイレとは異なります。汲み取りトイレの嫌なにおいや害虫に悩まされて、リフォームを検討している方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、汲み取りトイレのリフォーム方法やリフォームにかかる費用の相場を解説します。
工事費用を抑えるポイントも解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
汲み取りトイレの特徴
汲み取りトイレは、水洗トイレとは違い排泄物を一時的にためこむ形式をとっています。
そのため排泄物をためておくタンクが必要だったり、害虫対策が必須だったりといった特徴があります。
ここでは、具体的な汲み取りトイレの特徴について詳しく解説していきます。水洗トイレにリフォームするメリットについても紹介します。
タンクの構造
汲み取りトイレでは、汚物は一時的にタンクに一時貯蔵されます。現在一般に普及している水洗トイレの場合、汚物は流水で流されて下水道や浄化槽で処理されます。
一方で汲み取りトイレの場合、汚物は水で流さず専用のタンクにためておきます。
たまった汚物は定期的に汲み取ってタンクを空っぽにする必要があります。汲み取る方法は、専用のバキュームカーで吸引する方法が一般的です。
こまめな害虫対策が必須
汲み取り式トイレでは、汚物を放置しておくと虫がどんどん湧いてきてしまうので、こまめな害虫対策が必須です。
対策方法としては、バクテリア入りの消臭剤を使って排泄物の分解をしたり、殺虫スプレーや洗浄剤を利用する方法があります。
解体する場合も事前の清掃・消毒が必要
汲み取りトイレは、リフォームなどで解体するときにも清掃や消毒が必要です。
解体は、作業員が便槽の中に入って作業を行います。解体前には、たまった排泄物や汚物をすべて汲み取り便槽の中をきれいにしておく必要があります。
具体的には、汲み取り業者に依頼して、バキュームカーでたまった排泄物を汲み取ってもらいましょう。
その後、清掃や消毒も依頼して便槽内の汚泥を片付けてもらいます。
費用は、汲み取りが3万円前後、清掃・消毒が2万円前後が相場です。
汲み取りトイレを水洗式にするメリット
汲み取りトイレを水洗式にすると、以下のようなメリットがあります。汲み取り式トイレを水洗式トイレにリフォームするときの参考にしてください。
- 衛生的で嫌な排泄物のにおいが解消される
- 湧き出る害虫に悩まなくなる
- ウォシュレットや温かい便座をつけるなど、トイレの機能をこだわることができる
- 洋式に切り替えることで足腰にも優しくなる
水洗式トイレにリフォームすることで、汲み取りトイレで悩みだった点が解消されます。嫌なにおいに悩んでいたり、害虫に悩んでいたりする方は水洗トイレへのリフォームをおすすめします。
汲み取りトイレのリフォームを工事業者に頼む場合の費用相場
汲み取りトイレのリフォームの費用は40~200万円ほどかかります。汲み取りトイレのリフォームは、大きく3種類の方法があるためこのように費用の幅があります。
具体的には水洗トイレ(浄化槽設置)、水洗トイレ(下水直結)、簡易水洗トイレの3種類があります。それぞれ詳しく解説していきます。
水洗トイレにする場合
汲み取りトイレから水洗トイレにする場合、浄化槽を設置するか下水につなぎこむかで費用が異なります。
下水が近くに通ってない場合は浄化槽を設置する必要があり、この場合のリフォーム費用は総額100~200万円ほどかかります。
一方で、下水が近くに通っている場合は、下水管に直接汚水を流すためのつなぎこみ工事をします。この場合、リフォーム費用は総額80~100万円が目安です。まずは家の近くに下水が通っているか確認しましょう。
簡易水洗トイレにする場合
汲み取りトイレから簡易水洗トイレへのリフォーム費用は、総額約30~60万円の費用が掛かります。水洗トイレにリフォームする場合よりも、安く抑えることができます。
簡易水洗トイレは、汲み取り式トイレと同様に汚物をため込む構造ですが、トイレ使用時に水で洗浄するという特徴があります。汲み取りトイレと比較して衛生的にはなりますが、依然として汲み取り作業は必要です。
機器代金や内装工事にかかる費用相場
トイレの機器や内装工事にかかる費用は、安くても10万円以上必要です。目安としてはトイレの機器が5~20万円、クロスや床の張り替え工事が4~6万円です。ペーパーホルダーや棚などのオプションを設置すると、追加で10万円程度かかることもあります。
機器代金や内装工事の費用はトイレのグレードなどによって大きく異なります。汲み取りトイレをリフォームする場合には、機器や内装工事の相場を知って、業者の見積もりが適切か判断できるようにしておきましょう。
汲み取りトイレをリフォームする時の工事内容と期間
汲み取りトイレのリフォームは、既存のトイレの撤去や新しいトイレの設置、内装工事など工事内容が多岐にわたります。
ここでは、汲み取りトイレから水洗トイレにリフォームする場合と、簡易水洗トイレにリフォームする場合に分けて工事内容を解説します。また、工事期間についても解説していきます。
工事内容①水洗トイレにする場合
汲み取りトイレから水洗トイレにリフォームする場合、大きく3つの工事が必要になります。
- 汚水タンクの取り外しや浄化槽の設置下水道へのつなぎこみといった周辺環境の整備
- 汲み取りトイレの便器撤去と新しい水洗式の便器の設置
- 便器を取り付ける際には段差の撤去や床やタイルの張替
これらの工事が必要です。
工事内容②簡易水洗トイレにする場合
簡易水洗トイレにする場合、便座や床、壁の取り壊しをした後、新しい便座の取り付けや内装の工事をするという工程になります。汲み取りトイレの構造をそのまま利用するので、水洗トイレの工事ほど行程はかかりません。
ただ、汲み取りトイレと違い、流水を利用して排泄物を流すため、タンクのサイズは大きいものにしておきましょう。必要がある場合はタンクの取り換え工事も行います。
リフォームにかかる期間
水洗トイレにリフォームする場合、リフォームに必要な期間は短く3日程度、長くて2週間かかる場合もあります。浄化槽の設置は工期が必要なため、浄化槽の設置が必要な場合は工事期間が長くなる傾向にあります。
工事の期間中はトイレを利用できないため、仮設トイレを設置して利用することになります。工事期間中は不便になりますが、快適なトイレができるまでの我慢になります。
汲み取りトイレの工事費用を抑えるポイント
汲み取りトイレのリフォームには多額の費用が必要です。そこで、工事費用を抑えるためのポイントを3つ紹介します。補助金や相見積もりをとるなどして、工事費用を抑える方法を解説します。
ポイント①補助金を活用する
汲み取り式トイレから水洗トイレにする場合、自治体によっては補助金が出るところがあります。また、トイレを洋式にして段差を解消したり手すりを付けたりすることで、バリアフリーによる補助金を受けられる可能性もあります。
各自治体によって補助金の適応基準や申請方法が異なるため、リフォームが開始する前に確認しておきましょう。
補助金の申請は、工事開始前にやらなければいけないものがほとんどです。事前に申請していないと制度適用の条件を満たしていたとしても、補助金の支給対象にならないため注意しましょう。
ポイント②相見積もりで適正価格を見極める
リフォーム価格を抑えるには、業者の相見積もりをとることが必須です。一つの業者の見積もりだけでは費用が高いか安いのか判断が難しいため、必ず複数の業者に見積もりを依頼しましょう。
業者によって使用する素材のグレードや仕入れの値段などが異なるので、同じ工事でも費用に差が出ます。一括で複数の業者に見積もり依頼できるサービスもあるので、活用すると相見積もりの依頼が楽になります。
ポイント③トイレのグレードを上げすぎない
トイレは低価格帯から高価格帯まで、さまざまなグレードがあります。ハイグレードなトイレはその分費用も高くなるので、費用を抑えるにはトイレのグレードを上げすぎないことも重要です。
トイレ本体の一般的な価格は5~20万円ですが、高いものだと30万円以上するものもあります。どのような機能が必要なのか、優先順位をつけて選んでいくと予算を抑えることが可能です。
業者と予算を確認しながら、理想のトイレへリフォームしましょう。
汲み取りトイレのリフォームにかかる費用相場を覚えておこう!
汲み取りトイレのリフォームについて詳しく紹介しました。汲み取りトイレから水洗トイレにするためには費用がかかり、作業工程も多いです。
実際にどれくらい費用がかかるのか、費用相場を事前にチェックしておくことで、自分の工事費用が適切であるか判断ができます。
予算に合わせてリフォームができるよう、業者と相談しながら、汲み取りトイレのリフォームをしましょう。