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空き家の火災保険について
空き家には誰も住んでいないため、火災は発生しにくいと考えている方も多いでしょう。しかし実際に火災の被害が発生するケースがあり、空き家特有の火災リスクも存在しているため、空き家であっても火災保険に入ることは重要です。
出典:空き家の火災保険・地震保険 | NPO法人空家・空地管理センター
空き家に対する火災保険加入の3つの必要性
人が住んでいる住宅の場合、火災や自然災害などの被害を補償するために火災保険に入ります。しかし普段人が住んでいない空き家の場合、火災保険を入ることにはどのような必要性があるのでしょうか。
ここでは空き家に対する火災保険加入の3つの必要性を紹介していきますので、所有している空き家に対して火災保険に加入しようか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
1:放火や漏電などで火災リスク
空き家の場合は放火や漏電での火災リスクがあります。適正に管理されていない空き家の場合、庭の草木が伸び放題になっていたり、チラシがポストから溢れていたりといった特徴があります。放火犯はこのように人の目が届いておらず、火がつけやすい空き家を狙います。
また、漏電によって火災が発生する可能性もあるため、空き家であっても火災が発生する可能性はないとは言えません。
2:老朽化した建物の倒壊リスク
火災が発生する以外にも、老朽化した空き家であれば倒壊するリスクもあります。老朽化によって屋根や外壁などが崩れれば、通行人や隣家などに被害を与えてしまう可能性もあります。
そういった場合、被害の損害賠償を補償してくれる施設賠償責任保険に入っていることが必要になります。そのため、火災発生のリスクが少なくても火災保険に加入し、倒壊リスクに備えることが重要です。
3:火災後の費用対策
実際に火事が発生した場合には、家の解体や撤去費用が必要になります。火災によって燃えてしまった建物の撤去はもちろん、分別できずに廃棄物として処理しなければいけなくなった家財などは、通常よりも処分費用が割高になるケースも多いです。
このような火災後に必要となる費用に備えるためにも、火災保険に加入しておくのがおすすめです。
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空き家の火災保険の特徴
空き家の場合、火災保険の取り扱いが通常の物件とは異なります。たとえば、一時的な空き家なのか今後も済む予定がない空き家なのかといった建物の使用状況によって、建物の分類が「住居物件」と「一般物件」にわかれます。
また、保険会社によっても建物の取り扱いの判断基準が異なるため、加入分類が変わってきます。そのため、個人では判断しにくい面があります。
空き家の火災保険「住居物件と一般物件」の4つの違い
所有している空き家で火災保険に加入しようと思った場合、補償内容に迷うケースは多いです。また、空き家は使用状況などによって、住宅物件か一般物件かの取り扱いも変わるため、なかなか判断しにくいというケースもあるでしょう。
ここでは空き家の火災保険「住居物件と一般物件」の4つの違いについて紹介しますので、どのような違いがあるのか参考にしてみてください。
1:建物の用途と使用状況
空き家の場合、建物の用途や使用状況によって住居物件と一般物件にわかれます。住居物件の場合、建物の用途は一戸建てやマンション、アパートなどの住居専用としての使用されるものとなります。
また、使用状況は一時的に空き家になっているが将来的には移住する予定があるケースや転勤などで数年間空き家になるケース、空き家であっても定期的に管理しているケースなどが住居物件に該当します。
一方、一般物件の場合、建物の用途は店舗や事務所などの居住以外を目的した建物となります。また、使用状況も今後住む予定がない空き家が該当します。
2:保険の種類
保険の種類は、住居物件の場合は「住宅火災保険」もしくは「住宅総合保険」、一般物件の場合は「普通火災保険」もしくは「店舗総合保険」となります。
保険の種類は補償範囲によって選ぶべき種類が変わるため、シンプルな内容で良い場合は住居物件なら「住宅火災保険」、一般物件なら「普通火災保険」に入りましょう。
補償範囲を広くしたい場合は、住居物件なら「住宅総合保険」、一般物件なら「店舗総合保険」に加入するのがおすすめです。
3:保険料
補償内容が同じ場合、保険料は住居物件よりも一般物件の方が高くなります。また、空き家は人が住んでいる物件よりも放火や倒壊などのリスクが高いことから、保険料も高くなってしまうケースが多いです。
なお、補償の範囲が広くなるほど保険料も高くなるため、必要のない補償は外すのがおすすめです。
4:第三者への賠償責任・地震保険の付帯
第三者への賠償責任として、住居物件の場合は個人賠償責任保険(個人賠償責任特約可)、一般物件の場合は施設賠償責任保険(建物管理賠償責任保障特約可)となっています。
また、地震保険に関しては、住居物件であれば加入できますが、一般物件の場合は加入できません。火災保険では地震や噴火、津波などによる損害は補償されないため、住居物件の場合は地震保険もセットで加入するのがおすすめです。
出典:空き家の火災保険・地震保険 | NPO法人空家・空地管理センター
空き家の火災保険加入の4つのポイント
火災保険は補償内容もさまざまです。そのため、空き家の火災保険に加入する場合は補償内容を含めていくつかのポイントを押さえて決めることが大切です。
ここでは空き家の火災保険加入の4つのポイントを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1:火災や風災のみを補償する保険
火災や風災のみを補償する保険で良い場合は、一般的な補償範囲の火災保険を選びましょう。
シンプルな補償範囲で問題ない場合は、先に紹介したとおり住居物件であれば「住宅火災保険」、一般物件であれば「普通火災保険」を選ぶと良いでしょう。
2:日常の災害や事故による家財も補償する保険
火災や風災だけでなく日常の災害や事故による家財も補償する保険が良い場合は、幅広い補償範囲の火災保険を選びましょう。
たとえば、水災や台風、ヒョウ、盗難や給排水設備の事故による水濡れなどの日常災害、偶然発生した事故による破損や汚損なども補償してほしいのであれば、住居物件であれば「住宅総合保険」、一般物件であれば「店舗総合保険」を選ぶようにしましょう。
また、さまざまな特約を組み合わせればより幅広い補償をつけることも可能ですが、補償範囲が広くなるほど保険料の負担も大きくなります。
3:契約更新の期間
火災保険は複数年契約をする方が保険料も下がります。また、契約更新の期間は長いほど割引率も大きくなります。
そのため、できるだけ火災保険料の負担を抑えたい場合は、契約更新の期間を長期にする方が保険料を抑えることができるでしょう。
4:加入前に相談窓口の利用
実際に火災保険に加入する前に、空き家の相談を受け付けている窓口に相談してみると良いでしょう。NPO法人空家・空地管理センターでは、火災保険や空き家の活用方法、相続といった空き家に関する悩み相談を受け付けています。
空き家の火災保険や地震保険についてはどのような保険に加入すればよいのか悩んでいる方も多いため、まずはこのような相談窓口を利用してみると良いでしょう。
空き家の火災保険の料金を抑える4つのコツ
空き家をまったく使用していない場合など、できるだけ空き家に費用を掛けたくないという場合も多いでしょう。火災保険の費用を抑えたい場合には、補償金額を下げるなど補償の範囲を絞ることで費用を安くすることができます。
ここでは最後に、空き家の火災保険の料金を抑える4つのコツを紹介していきます。
1:長期契約によって割引される
火災保険には5年や10年など複数年にわたって長期契約する方法もあります。長期契約にするほど保険料の割引額も大きくなるため、契約期間が長ければ通常の保険料から1割以上安くなるケースもあります。
ただし、保険料の支払いは一括払いや年払いになるケースも多いです。長期契約の一括払いにすると保険料の支払いによって一時的に家計が圧迫されることもあるため、注意が必要です。
2:補償額を下げる
火災保険の補償額を小さくすることにより、保険料を抑えることも可能です。具体的には、建物に対する補償金額を下げたり、空き家に家財が置いていないのであれば家財への補償をなくしたりすることで保険料を下げることができるでしょう。
3:補償対象を絞る
火災保険の補償対象を絞ることにより、保険料を抑えることも可能です。たとえば空き家が川や海などから離れた高台にある場合は、水災のリスクも少ないと言えます。そのため、水災による補償を外すことも検討できます。
ただし、落雷やガスの契約が継続している場合は爆発などのリスクはゼロではないため、補償対象から外さない方が良いでしょう。
4:免責金額を上げる
火災保険の免責金額(自己負担額)を上げることにより、保険料を抑えることができます。実際に火災や災害などによって損害が発生した場合には、保険会社からは免責金額を差し引いた額の補償が行われます。
そのため、免責金額を上げておけば保険料の金額は調整可能です。
空き家に火災保険が必要なことを理解しよう
空き家であっても放火や漏電などによる火災や災害、事故による損害が発生する可能性があります。
ぜひ本記事で紹介した空き家に対する火災保険加入の必要性や空き家の火災保険加入のポイント、空き家の火災保険の料金を抑えるコツなどを参考に、所有している空き家に必要な補償のついた火災保険に加入してみてはいかがでしょうか。
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