土地売却を検討する時は、ライフラインの一つでもある水を運ぶ、水道管についてもチェックする必要があります。
水が人体に悪影響がないことがわかると、買い手の方も安心できます。
今回の記事では、土地売却の際のチェックポイントや水道管工事の必要性などについてご紹介いたします。
その土地に住んでから長い月日が経つ方ほど、ぜひ参考にしてみてください。
一人が1日に使う水の量
一人が1日に使う水の量は、ライフスタイルにもよりますがおよそ180リットルです。
飲み水はもちろん、トイレ、お風呂、洗面所などの生活用水も含まれます。
日本は海外と比べても、多くの水の量を使用している特徴があります。
そのため、家を建てる上でも水道管の状態については重要な要素となります。
土地価格に水道管が与えるマイナスな影響とは
水を運ぶ水道管は、土地を購入する上でも重要視される項目です。
飲み水として使用できないと判断されると、安心して住めないので土地価格も下がることがあります。
はたして、どのような水道管は土地価格にマイナスな影響を与えることが多いのでしょうか。
以下について、ご紹介いたします。
水道管が古い
水道管の使用年数が長いと寿命が近いことから破裂するリスクが高まります。
なお、その土地に家を建てた時、重みに耐えられず破損することもあります。
その場合、修理費用が必要になったり、隣人にも迷惑をかけてしまったりするので、できるだけ避けたい状況です。
水道管は丈夫にできていますが、寿命に近いほど破裂するリスクがあります。
水道管が隣の敷地を通っている
水道管が隣の敷地を通っているケースも確認できますが、この場合、利便性が悪いとみなされるので土地価格も下がりやすいです。
たとえ修理が必要であっても、隣人に退去してもらうことができないので、売却する上でも注意が必要です。
水道管が隣の敷地を通っていると家が建てられない?
水道管が隣の敷地を通っていると、場合によっては建築基準法に触れる恐れがあるので、新しい家が建てられないことがあります。
水道管の引き直し工事を行う必要があるので、別途費用が発生することがあります。
水道管の種類とは
水道管の種類は用途によっては、さまざまなものが確認できます。
以下、ご紹介いたします。
導水管
導水管は原水を浄水場まで送る管です。
また、原水は2つあって、河川の水、井戸の水のことを指します。
送水管
送水管は浄化された水を配水場・ポンプ場まで送る管です。
送水管が故障したら生活者に水を届けることができなくなるので重要な役割があります。
配水管
配水管は配水場から各家庭に水を運ぶための管です。
一般的に公道の下に埋め込まれているので、なかなか目にすることができません。
給水管
給水管は各家庭に水を引き込むための管です。
水道管の管種について
水道管の管種はさまざまなものが確認できます。
使用する管種によっては、それぞれメリット・デメリットがあります。
以下、ご紹介いたします。
金属管
水道管といえば一般的に金属管をイメージする方も多いです。
しかし、長年使用していると錆が発生しやすいので、その都度別な管に交換する必要があります。
ポリエチレン管
金属管に代わる管として、最近ではポリエチレン管が使われるようになりました。
メリットは熱や化学物質に強く、取り外し・取り付けが簡単ということです。
HIVP管
金属管に代わる管としてHIVP管も用いられるようになりました。
メリットは錆びにくく、加工が簡単ということです。
修理費用も比較的安い傾向があります。
銅管
銅管は熱に強い性質から、給湯管として使用されることが多いです。
とはいえ、接続する際にはハンダ付けが必要になるので、手間暇がかかりやすいデメリットがあります。
鉄管
鉄管は丈夫で耐震性があります。
しかし、現在リフォームなどで使用されることはなくなりました。
デメリットとして錆びやすい性質であることが関係しています。
エルメックス管
エルメックス管は、凍結しても割れにくい特徴があります。
しかし、比較的新しい素材と言えるようで普及率はまだ低めな方です。
メリットとしては塩素水に強く、工法次第によっては漏水もしにくいということです。
長年使っていない水道管の注意点
空き家などの事情から、長年水道管を使用していないと衛生面の問題が気になります。
古いものであるほど、臭みや味に違和感を覚えることがあります。
知らずにこういった水を飲み続けると、健康面においても被害が生じる可能性が高いです。
水道管を長年使用していないと、注意しなければならない点がたくさん出てくるので気をつけていきましょう。
水道管に問題があると起こり得ること
水道管に問題のある土地は、なかなか買い手がつきにくく、近隣の土地と比較しても価値が下がりやすいです。
万が一、土地の買い手が見つからない場合、不動産業者に買い取ってもらう方法もあります。
とはいえ、その場合、高価買取は期待できないので気をつけてください。
土地売却をする上で水道管をチェックする必要性
水は重要なライフラインの一つでもあるので、買主に迷惑をかけないためにも、水道管のチェックが必要です。
万が一、契約完了後に不具合が生じれば、トラブルも起こりやすいです。
最悪の場合、破棄されてしまうことも考えられます。
水道管工事は家を建てた後に行うとなれば支障が出やすいです。
特に引き込み管を共有していると、隣人にも迷惑をかけてしまいます。
そのため、土地売却を検討する段階で、水道管について安全であるか確認を行う必要があります。
土地売却をする上での水道管のチェックポイント
土地売却を検討しているなら、水道管のチェックを行うことが大切ですが、どのようなポイントに注目すると良いのでしょうか。
以下、ご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
・水道管は古くないか
・水道のにおいや味に違和感がないか
・耐震性はあるか
・水道管が隣の敷地を通っているか
「水道管が古い」「水道のにおいや味に違和感がある」「耐震性がない」「水道管が隣の敷地を通っている」土地は、買い手がつきにくい場合があります。
しかし、必ずしも売れないということではありません。
一つの目安に見ていきましょう。
土地売却の際に調査したほうが良いポイント
土地売却を検討しているなら、どのようなところを重点的に調べた方が良いのでしょうか。
以下についてご紹介いたします。
過去の利用歴
古い土地の場合、過去の利用歴を調べてみましょう。
いつ頃工事が行われたのか、昔建っていた建物の存在を知ることができます。
祖父母や親から聞いた情報とは、矛盾した箇所が出てくることがあります。
人づてに聞くより過去の利用歴を調べた方が正確であると言えます。
引き込み管について
土地の売却を検討しているなら、水道管の引き込み管があるか確認してください。
ライフラインに欠かせない水を通す管となりますが、これがないと生活することができません。
また、引き込み管がない場合、自費工事が必要になります。
引き込み管がある住宅がほとんどだと思いますが、更地化した場所では引き込み管がないケースが稀にあります。
水管の口径
水管の口径はさまざまなサイズのものが確認できますが、一般的なのは20mmです。
13mm、25mmといったものもありますが、現代においては適していないサイズです。
そのため、水管の口径が20mm以外であるなら、土地売却をするためには自費工事が必要になります。
水道管工事はいくらかかる?
水道管工事を行うなら、平均的な費用は50万円です。
業者や工事の範囲によっても値段は変動することがあるので、あくまでも目安としてみてください。
費用を負担するのは、土地売却の売主となります。
なお、水道管工事の見積りが安い場合、運が良いということはなく、後で追加料金が発生することもあります。
逆に、平均費用よりも高額な場合、金額が上乗せされていることもあるので注意してください。
できるだけ、複数の業者に見積もりを取ることをおすすめします。
水道管工事はいつの段階で行う?
水道管工事は売買契約から引き渡しまでの間に行うことになります。
また、引き渡しの後に水道管工事をするなら、通常よりも割高になりやすいです。
なお、水道管のチェックについては、土地売却の前に済ませておくことが望ましいです。
わからない点、不安な点については信頼できる業者に、ぜひ相談してみてください。
水道管の欠陥をそのまま隠したらどうなる?
水道管の欠陥は土地評価にマイナスな影響を与えるということですが、そのまま黙っていたらどうなるのかについては気になりませんか?
例えば、事実を隠したまま売買契約を行う場合、契約内容に関係なく、水道管の工事費用を売主に請求することができます。
場合によっては、賠償金を支払わなくてはなりません。
しかし、そもそも契約自体を破棄されることも考えられます。
結果的に良い方向にいくことはないので、水道管の欠陥は隠したりせず、正直に申告するようにしましょう。
まとめ
土地売却を検討しているなら水道管に問題がないかチェックする必要があります。
長年使用していないと衛生面の問題などのリスクがつきもので、土地評価も下がりやすい傾向があります。
また、そもそも引き込み管がない場合も工事が必要です。
水道管に問題があるにもかかわらず、隠して売ろうとしても後で必ずバレます。
また、契約後であっても工事費用は売主が負担することになり、最悪の場合、賠償金も支払わなくてはなりません。
また、土地に買い手がつかない場合、不動産業者が買い取ってくれることがあります。
とはいえ、その場合、希望する金額で買い取ってもらえないことがあります。
不安な点についてはぜひ不動産のプロに相談してみてください。
今回は、土地売却の際のチェックポイントや水道管工事の必要性などについてご紹介いたしました。